36 / 53
第2章
第14話:四人でのお出掛けは疲れます【後編】
しおりを挟む
恐る恐るクロエ様の方を見ると、やはりまだ固まっていた。しばらくすると、我に返ったのか
「ねえ、お姉様。ローラちゃんを家のお嫁さんに頂戴。やっぱりメイソンには、ローラちゃんの様な女性が合っているのよ!」
そんな恐ろしい事を言いだしたのだ。えぇ~、なぜそうなるの!驚いている私に即座に反応したのは、お義母様だ。
「何を言っているの。ローラちゃんは家の嫁なのよ!家だってローラちゃんを手放したら、もう一生アーサーは結婚できないのだから。悪いけれど他を当たって頂戴」
「そこを何とか!」
「無理な物は無理よ!とにかくローラちゃんは、家の大切なお嫁さんなの。そんな事を言うなら、メイソンを連れてモンサラ王国に今すぐ帰りなさい」
お義母様の言葉で、黙り込んだクロエ様。この姉妹…本当に恐ろしい。そもそも、当事者を無視して私の譲渡の話をするなんて…さらに疲れが…
食後はグッタリしたまま、再びショッピングへ。今度は宝石商だ。既に瀕死状態の私は、この時の記憶がほとんどないが、お義母様とクロエ様に言われるがまま、いくつかの宝石を買った。
そして最後は、王都で人気のスイーツのお店だ。どうやら公爵家の力を利用して、急遽貸切にしてもらった様だ。こんな事で権力を使っていいのかしら…後で断罪されない?そんな不安が頭をよぎる。
「せっかくだから、色々な種類のスイーツを皆でシェアしながら食べましょう。残ったスイーツは、各自持ち帰りという事で、よろしくね」
お義母様の話によると、貸切料とは別に、1日に売り上げているスイーツを全て買い取ると言う事で話を付けたらしい。なるほど、それにしても凄い量ね。でも使用人たち皆に分けたら、きっと食べきれそうね。
早速紅茶とスイーツを頂く。うん、この果物がたっぷり乗ったケーキ、とても美味しいわ。こっちはクリームチーズを使ったマドレーヌね。あぁ、このゼリーもさっぱりしていておいしい。
「ローラ、こっちの濃厚プリンも美味いぞ」
そう言って私にプリンを渡して来たメイソン様。早速一口!確かに美味しいわ。
「本当に濃厚で美味しいですわ!メイソン様、こっちのゼリーもさっぱりしていて食べやすいでわよ」
私もゼリーを渡す。
「確かに美味いな。これなら甘いものが苦手な騎士団員にも食べられそうだ。今度買って行ってやろう」
騎士団員を気に掛けているメイソン様。すっかり騎士団員の顔ね。そんな私たちのやり取りを、ニヤニヤしながら見ているクロエ様に気が付いた。いけないわ、ついメイソン様と仲良くしてしまった。
ふとモカラの方を見ると、スッと目をそらされた。これはまずい…きっと旦那様に報告されるわね…
その後もスイーツを楽しんだ後、やっと帰る為に馬車に乗せてもらえた。正直クタクタだ。それにもう、日が沈みそうだ。きっと旦那様はもう帰って来ているだろう。これは怒られるわね…
しばらく走ると、屋敷が見えて来た。案の定、眉間にシワを寄せた旦那様が、仁王立ちして待っていた。私たちが馬車から降りるや否や
「今何時だと思っているんだ!俺が帰ってくるまでには、帰ると言う約束だっただろう。一体どうなっているんだ!」
すかさずお義母様を怒鳴りつける旦那様。目が血走り、青筋を立てている。恐ろしいわ…
「仕方ないじゃない、久しぶりに街に出たのだから。そんなに怖い顔をして怒らなくても良いでしょう。そうそう、沢山スイーツを買って来たのよ。甘いものを食べて、あなたも落ち着きなさい」
「ふざけるな!もう二度とローラを母上達との買い物には付き合わせないからな。見て見ろ、こんなにぐったりしているではないか。ローラ、こっちにおいで」
旦那様に腕を掴まれ、そのまま抱きしめられた。あぁ、旦那様の匂い…チラッとモカラを見ると、また申し訳なさそうに目をそらされた。この後きっと、旦那様に今日の事を報告するのだろう…
「それじゃあ、私たちは帰るわ。ローラちゃん、今日はとても楽しかったわ。またアーサーに黙って買い物に行きましょうね」
「ローラちゃん、メイソンの事、考えておいてね。それと、今度モンサラ王国にもぜひ遊びに来てね」
「おい、メイソンとの事とはどういう事だ。モカラ、説明しろ!」
再び怒り狂う旦那様を無視して、馬車に乗り込んでいくお義母様とクロエ様。ちょっと、爆弾を投下したまま放置しないで。ふとメイソン様の方を見ると、さっさと屋敷に入って行く後姿が目に付いた。
モカラに詰め寄る旦那様。私もそっと屋敷に入ろうとしたのだが…
「ローラ、どこに行くんだ!」
そう言うと、すかさず抱きかかえられた。
「ここでは話が出来ない。屋敷に入ってゆっくり話を聞こう」
その後モカラからご丁寧に今日の出来事を聞いた旦那様は、案の定激怒。もちろん旦那様の怒りを一人背負う羽目になった私は、旦那様から一時間以上お説教を受けた。さらに、しばらく外出禁止令が出されたのであった。
「ねえ、お姉様。ローラちゃんを家のお嫁さんに頂戴。やっぱりメイソンには、ローラちゃんの様な女性が合っているのよ!」
そんな恐ろしい事を言いだしたのだ。えぇ~、なぜそうなるの!驚いている私に即座に反応したのは、お義母様だ。
「何を言っているの。ローラちゃんは家の嫁なのよ!家だってローラちゃんを手放したら、もう一生アーサーは結婚できないのだから。悪いけれど他を当たって頂戴」
「そこを何とか!」
「無理な物は無理よ!とにかくローラちゃんは、家の大切なお嫁さんなの。そんな事を言うなら、メイソンを連れてモンサラ王国に今すぐ帰りなさい」
お義母様の言葉で、黙り込んだクロエ様。この姉妹…本当に恐ろしい。そもそも、当事者を無視して私の譲渡の話をするなんて…さらに疲れが…
食後はグッタリしたまま、再びショッピングへ。今度は宝石商だ。既に瀕死状態の私は、この時の記憶がほとんどないが、お義母様とクロエ様に言われるがまま、いくつかの宝石を買った。
そして最後は、王都で人気のスイーツのお店だ。どうやら公爵家の力を利用して、急遽貸切にしてもらった様だ。こんな事で権力を使っていいのかしら…後で断罪されない?そんな不安が頭をよぎる。
「せっかくだから、色々な種類のスイーツを皆でシェアしながら食べましょう。残ったスイーツは、各自持ち帰りという事で、よろしくね」
お義母様の話によると、貸切料とは別に、1日に売り上げているスイーツを全て買い取ると言う事で話を付けたらしい。なるほど、それにしても凄い量ね。でも使用人たち皆に分けたら、きっと食べきれそうね。
早速紅茶とスイーツを頂く。うん、この果物がたっぷり乗ったケーキ、とても美味しいわ。こっちはクリームチーズを使ったマドレーヌね。あぁ、このゼリーもさっぱりしていておいしい。
「ローラ、こっちの濃厚プリンも美味いぞ」
そう言って私にプリンを渡して来たメイソン様。早速一口!確かに美味しいわ。
「本当に濃厚で美味しいですわ!メイソン様、こっちのゼリーもさっぱりしていて食べやすいでわよ」
私もゼリーを渡す。
「確かに美味いな。これなら甘いものが苦手な騎士団員にも食べられそうだ。今度買って行ってやろう」
騎士団員を気に掛けているメイソン様。すっかり騎士団員の顔ね。そんな私たちのやり取りを、ニヤニヤしながら見ているクロエ様に気が付いた。いけないわ、ついメイソン様と仲良くしてしまった。
ふとモカラの方を見ると、スッと目をそらされた。これはまずい…きっと旦那様に報告されるわね…
その後もスイーツを楽しんだ後、やっと帰る為に馬車に乗せてもらえた。正直クタクタだ。それにもう、日が沈みそうだ。きっと旦那様はもう帰って来ているだろう。これは怒られるわね…
しばらく走ると、屋敷が見えて来た。案の定、眉間にシワを寄せた旦那様が、仁王立ちして待っていた。私たちが馬車から降りるや否や
「今何時だと思っているんだ!俺が帰ってくるまでには、帰ると言う約束だっただろう。一体どうなっているんだ!」
すかさずお義母様を怒鳴りつける旦那様。目が血走り、青筋を立てている。恐ろしいわ…
「仕方ないじゃない、久しぶりに街に出たのだから。そんなに怖い顔をして怒らなくても良いでしょう。そうそう、沢山スイーツを買って来たのよ。甘いものを食べて、あなたも落ち着きなさい」
「ふざけるな!もう二度とローラを母上達との買い物には付き合わせないからな。見て見ろ、こんなにぐったりしているではないか。ローラ、こっちにおいで」
旦那様に腕を掴まれ、そのまま抱きしめられた。あぁ、旦那様の匂い…チラッとモカラを見ると、また申し訳なさそうに目をそらされた。この後きっと、旦那様に今日の事を報告するのだろう…
「それじゃあ、私たちは帰るわ。ローラちゃん、今日はとても楽しかったわ。またアーサーに黙って買い物に行きましょうね」
「ローラちゃん、メイソンの事、考えておいてね。それと、今度モンサラ王国にもぜひ遊びに来てね」
「おい、メイソンとの事とはどういう事だ。モカラ、説明しろ!」
再び怒り狂う旦那様を無視して、馬車に乗り込んでいくお義母様とクロエ様。ちょっと、爆弾を投下したまま放置しないで。ふとメイソン様の方を見ると、さっさと屋敷に入って行く後姿が目に付いた。
モカラに詰め寄る旦那様。私もそっと屋敷に入ろうとしたのだが…
「ローラ、どこに行くんだ!」
そう言うと、すかさず抱きかかえられた。
「ここでは話が出来ない。屋敷に入ってゆっくり話を聞こう」
その後モカラからご丁寧に今日の出来事を聞いた旦那様は、案の定激怒。もちろん旦那様の怒りを一人背負う羽目になった私は、旦那様から一時間以上お説教を受けた。さらに、しばらく外出禁止令が出されたのであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6,385
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。