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第57話:平穏な日々が幸せでたまりません
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「おはよう、ユーリ、アレックス。今日からアレックスも学院に来たのだね。アレックス、僕はユーリを泣かせたりするような事は絶対にしないよ。でも万が一そんな事があったら、その時は僕を煮るなり焼くなり好きにしていいから。僕はユーリが世界一大切だからね」
私達の間に入って来たのは、ディアンだ。ギュッと私の肩を抱き、自分の方に引き寄せた。
「ディアン、僕はまだ傷心から完全に立ち直っていないんだよ。もうちょっと遠慮して欲しいな…」
さすがのアレックス様も、苦笑いだ。もう、ディアンったら。
「おはよう、ディアン。アレックス様、万が一ディアンが私を泣かせたら…なんて事は、ない気がしますわ。でも、もしそんな事があったら、その時はよろしくお願いしますね」
きっとディアンが私を裏切る事はない、そう私は信じている。それでもアレックス様の気持ちが嬉しくて、そう答えておいた。
「もちろんだよ。ユーリ、これからも幼馴染として、僕とも仲良くしてくれるかい?」
「ええ、もちろんですわ。これからもお願いします」
ディアンと心が通じ合ったあの日、もうアレックス様とはこんな風に話せなくなるかもしれないと覚悟していた。でも、まさかまた、幼馴染として交流を持つことが出来るだなんて…
アレックス様とは結ばれなかったけれど、それでも彼は私の大切な幼馴染だ。アレックス様にも素敵な婚約者が出来るよう、私も協力出来る事はしよう。
「さあ、そろそろ先生が来るよ。席に着こう」
アレックス様に促され、それぞれ席に着いた。またアレックス様と授業が受けられる、そう思うと、なんだか嬉しい。
そしてその日のお昼、ディアンやアレックス様の友人や私の友人たち、彼らの婚約者たちを交え、皆で昼食を頂く。
「アレックスが学院に来て、ホッとしたよ。ディアンとユーリ嬢の婚約は嬉しかったけれど、それと同時にアレックスが心配だったんだ」
「何度かお前の家に足を運ぼうかと思ったのだけれど、婚約者がいる俺たちが行っても、迷惑かなって思って」
「皆アレックスの事を、心配していたんだぞ」
令息たちが、一斉にアレックス様に話しかけている。彼らもずっと、アレックス様の事を心配していた様だ。
「皆、ありがとう。こんな風に皆が心配してくれていただなんて、思わなかったよ」
「当たり前だろう、お前は俺たちの大切な友達なのだから。なあ、皆」
「「「そうだよ(ですわ)」」」」
令息たちはもちろん、令嬢たちも声を合わせた。
「皆…ありがとう…こんな風に皆が思っていてくれていただなんて…」
目頭を押さえながら呟くアレックス様の肩を抱いたのはディアンだ。
「アレックス、皆こんなに君の事を心配していたのだよ。卒業まで後1年ちょっとだけれど、沢山思い出を作ろうよ。そうだ、アレックスに合いそうな令嬢を、皆で探すなんてどうだい?アレックスはカッコいいし、すぐに魅力的な令嬢が見つかるよ」
「そうだな、俺、婚約者の友人にいい子がいないか聞いてみるよ」
「私もお友達に声をかけますわ」
「「「俺(私)(僕)も」」」
「皆、落ち着いてくれ。僕は今はまだ、婚約者は考えられないよ。もう少し心が落ち着いたら、その時はお願いしてもいいかな?本当にディアンは、早く僕に婚約者を作らせて、ユーリから遠ざけるつもりだろう?」
アレックス様がディアンに抗議している。そんなアレックス様に、バレたかと言わんばかりに、舌をぺろりと出しているディアン。
そんな2人の姿を見たら、胸が熱くなった。
「ユーリ、何を嬉しそうな顔をしているのだい?僕がアレックスと話していることが、そんなに嬉しいのかい?ユーリが嬉しいと、僕も嬉しいよ」
私に気が付いたディアンが、ギュッと抱き着いて来たのだ。
「ディアン、僕の前でユーリといちゃつくのは止めてくれと言ったよね。本当に、もう少し配慮して欲しいよ」
「これでも配慮しているつもりなんだけれどな」
はぁっとため息をつくアレックス様に対し、頭をかいているディアン。そんな2人の姿を見た皆が、声を上げて笑っている。
私もつい、笑ってしまった。こうやってまた昔の様に、皆で楽しい時間を過ごすことが出来るだなんて。
こんな日々が、ずっと続くといいな。
私達の間に入って来たのは、ディアンだ。ギュッと私の肩を抱き、自分の方に引き寄せた。
「ディアン、僕はまだ傷心から完全に立ち直っていないんだよ。もうちょっと遠慮して欲しいな…」
さすがのアレックス様も、苦笑いだ。もう、ディアンったら。
「おはよう、ディアン。アレックス様、万が一ディアンが私を泣かせたら…なんて事は、ない気がしますわ。でも、もしそんな事があったら、その時はよろしくお願いしますね」
きっとディアンが私を裏切る事はない、そう私は信じている。それでもアレックス様の気持ちが嬉しくて、そう答えておいた。
「もちろんだよ。ユーリ、これからも幼馴染として、僕とも仲良くしてくれるかい?」
「ええ、もちろんですわ。これからもお願いします」
ディアンと心が通じ合ったあの日、もうアレックス様とはこんな風に話せなくなるかもしれないと覚悟していた。でも、まさかまた、幼馴染として交流を持つことが出来るだなんて…
アレックス様とは結ばれなかったけれど、それでも彼は私の大切な幼馴染だ。アレックス様にも素敵な婚約者が出来るよう、私も協力出来る事はしよう。
「さあ、そろそろ先生が来るよ。席に着こう」
アレックス様に促され、それぞれ席に着いた。またアレックス様と授業が受けられる、そう思うと、なんだか嬉しい。
そしてその日のお昼、ディアンやアレックス様の友人や私の友人たち、彼らの婚約者たちを交え、皆で昼食を頂く。
「アレックスが学院に来て、ホッとしたよ。ディアンとユーリ嬢の婚約は嬉しかったけれど、それと同時にアレックスが心配だったんだ」
「何度かお前の家に足を運ぼうかと思ったのだけれど、婚約者がいる俺たちが行っても、迷惑かなって思って」
「皆アレックスの事を、心配していたんだぞ」
令息たちが、一斉にアレックス様に話しかけている。彼らもずっと、アレックス様の事を心配していた様だ。
「皆、ありがとう。こんな風に皆が心配してくれていただなんて、思わなかったよ」
「当たり前だろう、お前は俺たちの大切な友達なのだから。なあ、皆」
「「「そうだよ(ですわ)」」」」
令息たちはもちろん、令嬢たちも声を合わせた。
「皆…ありがとう…こんな風に皆が思っていてくれていただなんて…」
目頭を押さえながら呟くアレックス様の肩を抱いたのはディアンだ。
「アレックス、皆こんなに君の事を心配していたのだよ。卒業まで後1年ちょっとだけれど、沢山思い出を作ろうよ。そうだ、アレックスに合いそうな令嬢を、皆で探すなんてどうだい?アレックスはカッコいいし、すぐに魅力的な令嬢が見つかるよ」
「そうだな、俺、婚約者の友人にいい子がいないか聞いてみるよ」
「私もお友達に声をかけますわ」
「「「俺(私)(僕)も」」」
「皆、落ち着いてくれ。僕は今はまだ、婚約者は考えられないよ。もう少し心が落ち着いたら、その時はお願いしてもいいかな?本当にディアンは、早く僕に婚約者を作らせて、ユーリから遠ざけるつもりだろう?」
アレックス様がディアンに抗議している。そんなアレックス様に、バレたかと言わんばかりに、舌をぺろりと出しているディアン。
そんな2人の姿を見たら、胸が熱くなった。
「ユーリ、何を嬉しそうな顔をしているのだい?僕がアレックスと話していることが、そんなに嬉しいのかい?ユーリが嬉しいと、僕も嬉しいよ」
私に気が付いたディアンが、ギュッと抱き着いて来たのだ。
「ディアン、僕の前でユーリといちゃつくのは止めてくれと言ったよね。本当に、もう少し配慮して欲しいよ」
「これでも配慮しているつもりなんだけれどな」
はぁっとため息をつくアレックス様に対し、頭をかいているディアン。そんな2人の姿を見た皆が、声を上げて笑っている。
私もつい、笑ってしまった。こうやってまた昔の様に、皆で楽しい時間を過ごすことが出来るだなんて。
こんな日々が、ずっと続くといいな。
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