これ以上私の心をかき乱さないで下さい

Karamimi

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第46話:どうしてディアンとセレナ様が?

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「ユーリ、一緒に帰ろう。ディアンがいないうちに」

 放課後、アレックス様が私の方にやって来たのだ。いつもディアンも一緒に来るのに、ディアンはどこに行ってしまったのかしら?正直まだ私は、アレックス様と2人きりになる事に抵抗がある。

「ディアンは一体、どこに行ってしまったのかしら?勝手に帰ってディアンが心配するといけないので、ディアンを探して来ますわ」

 急いで教室を出て、ディアンを探しに行く。すると、なぜかセレナ様と一緒に歩いてくるディアンの姿が…

 どうしてセレナ様と一緒にいるの?

「ユーリ、もしかして僕を探しに来てくれたのかい?ごめんね、ちょっとカレテイス伯爵令嬢と話をしていて。でも、大した話ではないから、気にしなくてもいいよ。カレテイス伯爵令嬢、今日はありがとう。今後もよろしく頼むよ」

「ええ、もちろんですわ。それでは私はこれで、失礼いたします」

 笑顔で去っていくセレナ様と、彼女に笑顔で手を振るディアン。一体どうなっているの?どうしてセレナ様とディアンが一緒にいるの?

 セレナ様はとても美しくて、少し前までアレックス様を虜にしていた令嬢だ。もしかして、ディアンもセレナ様の美しさにやられてしまったというの?

「ユーリ、顔色が悪いけれど、大丈夫かい?ディアン、どうして君が、セレナ嬢と一緒にいるのだい?」

 私の異変に気が付いたアレックス様が、ディアンに問いかけている。

「別に対したい用事じゃないよ。アレックスには関係ないだろう。さあ、ユーリ、一緒に帰ろう。そうだ、領地からユーリの好きなお菓子を送ってもらったんだ。よかったら一緒に家でお茶をしよう」

 いつも通り、笑顔で話しかけてくるディアン。

 でも…

「ごめんなさい、今日はちょっと用事があって。また今度にするわ。それじゃあ、ディアン、アレックス様、今日はこれで」

 極力笑顔を作り、小走りでその場を後にする。

 そして急いで馬車に乗り込む。

 なぜか心臓がバクバクして、胸が苦しい。ふとさっきの光景が、脳裏に浮かんだ。セレナ様とディアンが楽しそうに歩いてくる光景が…

「いや…ディアン…」

 気が付くと涙が溢れ出ていた。どうして涙が溢れるの?ディアンは私の大切な幼馴染。ディアンはずっと領地で暮してきたのだ。それにいずれ令嬢と結婚して、カスタマーディス伯爵家を継ぐ。

 私達は既に15歳、そろそろ本格的に婚約者を探さないといけない歳だ。だからディアンにもし好きな人が出来たのなら、幼馴染で友人でもある私は、祝福してあげないといけないのに…

 どうしてこんなに胸が苦しいのだろう。ディアンは私にとって、大切な友人なのに…ディアンが幸せになる事は、私にとっても嬉しい事なのに…

 それなのに、苦しくて辛くてたまらないのだ。

 屋敷に着くと、急いで自室へと向かった。なぜか涙が止まらない。もしお母様に泣き顔を見られたら、心配されるだろう。ただでさえ、アレックス様の件でお母様には多大な心配をかけたのだ。

 もうこれ以上、心配をかけたくはない。

 とにかく落ち着かないと!

 そう自分に何度も何度も言い聞かせた。

 でも、なぜか涙が止まらないのだ。私、本当にどうしちゃったのかしら?

 その時だった。

「お嬢様、ドリトーディン伯爵令息様とカスタマーディス伯爵令息様がいらしていますが…」

 メイドが恐る恐る私に話しかけて来た。

「アレックス様とディアンが?さすがに今の状況では会えないから、申し訳ないのだけれど、適当に理由を付けて帰ってもらえるかしら?」

「承知いたしました」

 きっと私が1人で急いで帰ってきたから、2人が心配して様子を見に来てくれたのね。でも、今ディアンに会う勇気がないし、何よりこんな顔では、ディアンに会えないわ。

 ディアン…

 ふとディアンの優しい微笑が脳裏に浮かんだ。私がアレックス様を諦め、ボロボロの中領地に向かったあの時、私の心を癒し、支えてくれたディアン。

 いつも私の事を考えてくれるディアン。分かっている、私もディアンの様にディアンの事を考え、彼が幸せになれるよう手助けをしないといけない事くらい。

 でも…

 どうしても今の私には、ディアンを応援する事が出来ないのだ。

 ごめんね、ディアン…

 こんな弱い私で、本当にごめんなさい。

 この日私は、どうしても自分の心の整理を付ける事が出来きなかったのだった。
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