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第16話:ユーリに会いたい…~ディアン視点~
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「ディアン、それは本当なの?あなたが領地に行ってしまうだなんて。確かに王都はお世辞にも空気が奇麗とは言えないけれど…ねえ、ディアン、元気になったらすぐに帰って来るわよね」
その日、僕たちはいつもの様に3人で遊んでいた。その時に、ユーリにも領地に行く事を伝えたのだ。
「ごめんね、ユーリ。いつ戻って来られるか分からないよ。それにユーリには、アレックスがいるだろう?僕が居なくても、きっと大丈夫だよ」
そう、ユーリには大好きなアレックスが傍にいるのだ。それでも悲しそうに俯くユーリ。頼む、そんな悲しそうな顔をしないでくれ。僕だって君と離れたくはない。でも…僕はどうしても、君たちの傍で君たちの幸せを願う事が出来なんだ。
「ユーリ、ディアンが困っているよ。ディアンの為にも、領地で生活をした方がいいのだよ。だから、笑顔で見送ってあげよう」
アレックスがユーリの肩を抱き、そう呟いている。2人の姿を見た瞬間、胸がズキリと痛んだ。やっぱり僕には、2人の仲睦まじい姿を見るなんてことは出来ない。
「分かったわ、ディアン。どうか元気でね。私の事、忘れないでね」
そう言ってほほ笑んでくれたユーリ。もう二度と僕に向けられることはないかもしれない、それでも最後に僕に笑いかけてくれたユーリの笑顔を、僕は決して忘れない。
「それじゃあ、ユーリもアレックスも元気でね」
僕も最後は笑顔で2人と別れた。でも、別れた瞬間、涙が溢れだす。
さようなら、ユーリ。どうかアレックスと幸せになってね。いつかまた、僕の体と心が強くなったら、2人に会いに行くから。
翌日、僕は領地へと向かった。自然豊かで空気の綺麗な領地は、僕の体にとってもよかったようで、領地に来てからあまり熱を出さなくなった。
さらに体をもっと鍛えるべく、領地内にある騎士団にも入団して、毎日汗を流した。たまに様子を見に来る父上と一緒に、どうすればもっと領地が豊かになるか一緒に考える事もあった。
領地での生活は、とても充実していて、毎日が楽しかった。それでも僕の心の中には、いつもユーリがいた。ユーリ、今頃アレックスと幸せに暮らしているかな?もう僕の事なんて、忘れちゃったかな?
時折、ユーリに会いたくてたまらないときがある。そんなときは、丘の上に向かう。綺麗な夕日に照らされた街全体を見ていると、なんだか心穏やかになるのだ。
もしも願いが叶うなら、この景色をユーリにも見せてあげたいな…でも、そんな事は決して叶わない夢なのだ。
ユーリに会わなければ僕の気持ちも落ち着く、そう思っていたけれど、会えない時間が長ければ長いほど、ユーリに会いたくてたまらなくなるのだ。
僕はきっと、一生ユーリを忘れる事はないだろう。それでも僕は伯爵令息で、次期伯爵にならないといけない。いつかは王都に戻らないといけないのだ。いつか貴族令嬢と結婚しなければいけない。
でも、もう少しだけ…この地でゆっくりしたい。せめて皆が貴族学院を卒業する17歳までは、領地で生活しよう。そう決めていたのだ。
本当は貴族学院への入学も検討したが、どうしてもユーリやアレックスに会う勇気がなくて、体調を理由に入学を辞退したのだ。本当はもう、元気だけれど。両親も僕の気持ちを理解してくれているため、貴族学院に行かなくてもいいと言ってくれたのだ。
それにきっと、ユーリとアレックスも貴族学院在院中に、婚約を結ぶだろう。さすがに2人が婚約を結べば、僕の心も諦めがつくかもしれない。そう思っていたのだが…
「坊ちゃま、奥様からお手紙が届いています」
ある日王都にいる母上から、手紙が届いたのだ。その手紙には、来週から貴族学院が半期休みになるため、ユーリが自分の家の領地に1ヶ月滞在するとの事。せっかくなので、我が家の領地に1拍停まってもらう事になった事が記載されていた。
何が何だかさっぱりわからない。確かに貴族学院には、半期休みがある事は知っているが、どうしてユーリが僕の家の領地に1泊する事になったのだ?
母上は、僕がユーリの事を好きなのを知っているはず。もしかして、僕がずっとユーリの事を諦められないから、現実を見せようとしてユーリを我が家に泊めるつもりなのか?でも、今更?
全く母上の意図が分からない。
母上は明日には領地に来ることになっていると、手紙に書いてある。本人から、どういうことなのか詳しく聞かないと!
その日、僕たちはいつもの様に3人で遊んでいた。その時に、ユーリにも領地に行く事を伝えたのだ。
「ごめんね、ユーリ。いつ戻って来られるか分からないよ。それにユーリには、アレックスがいるだろう?僕が居なくても、きっと大丈夫だよ」
そう、ユーリには大好きなアレックスが傍にいるのだ。それでも悲しそうに俯くユーリ。頼む、そんな悲しそうな顔をしないでくれ。僕だって君と離れたくはない。でも…僕はどうしても、君たちの傍で君たちの幸せを願う事が出来なんだ。
「ユーリ、ディアンが困っているよ。ディアンの為にも、領地で生活をした方がいいのだよ。だから、笑顔で見送ってあげよう」
アレックスがユーリの肩を抱き、そう呟いている。2人の姿を見た瞬間、胸がズキリと痛んだ。やっぱり僕には、2人の仲睦まじい姿を見るなんてことは出来ない。
「分かったわ、ディアン。どうか元気でね。私の事、忘れないでね」
そう言ってほほ笑んでくれたユーリ。もう二度と僕に向けられることはないかもしれない、それでも最後に僕に笑いかけてくれたユーリの笑顔を、僕は決して忘れない。
「それじゃあ、ユーリもアレックスも元気でね」
僕も最後は笑顔で2人と別れた。でも、別れた瞬間、涙が溢れだす。
さようなら、ユーリ。どうかアレックスと幸せになってね。いつかまた、僕の体と心が強くなったら、2人に会いに行くから。
翌日、僕は領地へと向かった。自然豊かで空気の綺麗な領地は、僕の体にとってもよかったようで、領地に来てからあまり熱を出さなくなった。
さらに体をもっと鍛えるべく、領地内にある騎士団にも入団して、毎日汗を流した。たまに様子を見に来る父上と一緒に、どうすればもっと領地が豊かになるか一緒に考える事もあった。
領地での生活は、とても充実していて、毎日が楽しかった。それでも僕の心の中には、いつもユーリがいた。ユーリ、今頃アレックスと幸せに暮らしているかな?もう僕の事なんて、忘れちゃったかな?
時折、ユーリに会いたくてたまらないときがある。そんなときは、丘の上に向かう。綺麗な夕日に照らされた街全体を見ていると、なんだか心穏やかになるのだ。
もしも願いが叶うなら、この景色をユーリにも見せてあげたいな…でも、そんな事は決して叶わない夢なのだ。
ユーリに会わなければ僕の気持ちも落ち着く、そう思っていたけれど、会えない時間が長ければ長いほど、ユーリに会いたくてたまらなくなるのだ。
僕はきっと、一生ユーリを忘れる事はないだろう。それでも僕は伯爵令息で、次期伯爵にならないといけない。いつかは王都に戻らないといけないのだ。いつか貴族令嬢と結婚しなければいけない。
でも、もう少しだけ…この地でゆっくりしたい。せめて皆が貴族学院を卒業する17歳までは、領地で生活しよう。そう決めていたのだ。
本当は貴族学院への入学も検討したが、どうしてもユーリやアレックスに会う勇気がなくて、体調を理由に入学を辞退したのだ。本当はもう、元気だけれど。両親も僕の気持ちを理解してくれているため、貴族学院に行かなくてもいいと言ってくれたのだ。
それにきっと、ユーリとアレックスも貴族学院在院中に、婚約を結ぶだろう。さすがに2人が婚約を結べば、僕の心も諦めがつくかもしれない。そう思っていたのだが…
「坊ちゃま、奥様からお手紙が届いています」
ある日王都にいる母上から、手紙が届いたのだ。その手紙には、来週から貴族学院が半期休みになるため、ユーリが自分の家の領地に1ヶ月滞在するとの事。せっかくなので、我が家の領地に1拍停まってもらう事になった事が記載されていた。
何が何だかさっぱりわからない。確かに貴族学院には、半期休みがある事は知っているが、どうしてユーリが僕の家の領地に1泊する事になったのだ?
母上は、僕がユーリの事を好きなのを知っているはず。もしかして、僕がずっとユーリの事を諦められないから、現実を見せようとしてユーリを我が家に泊めるつもりなのか?でも、今更?
全く母上の意図が分からない。
母上は明日には領地に来ることになっていると、手紙に書いてある。本人から、どういうことなのか詳しく聞かないと!
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