73 / 73
第73話:アラステ王国でずっと生きていきます
しおりを挟む
「キャリーヌ、そのドレス、とてもよく似合っているわ。今日はあなたの晴れ舞台ですもの。それにしても、アラステ王国は自然豊かで、とても綺麗な国ね。私、すっかりアラステ王国が好きになってしまったわ」
「ミリアム様ったら。そうですね、アラステ王国は国自体は小さいですが、自然豊かな美しい国です。今日のサミュエル様の王太子就任式と私たちの婚約披露パーティが終わったら、皆でピクニックに行きましょう。急いでカリアン王国に帰る必要はないのでしょう?」
「ええ、そうさせていただくわ。せっかくだから、しっかりアラステ王国を視察させてもらわないと」
隣でそう言って笑っているのは、ミリアム様だ。そして今日は、サミュエル様の王太子就任式と、私たちの婚約披露が行われる日。今日の為にミリアム様とカイロ様、さらにカリアン王国の王太子夫妻、グランズ王国の両陛下、ディステル王国の両陛下も我が国に来てくれている。
もちろん、お姉様やお義兄様、グランも私たちの為に、アラステ王国に来ている。久しぶりの里帰りとあって、お姉様はもちろん、お母様も大喜び。グランは初めてのアラステ王国に、興味津々の様で、しばらくアラステ王国に滞在する事になっている。
ちなみにミリアム様とカイロ様は、1週間前に入国されたのだ。既に2人には、色々な場所を案内したが、まだまだ案内したりない。もっと2人には、アラステ王国の魅力を知って欲しいと思っている。
「そういえば、ジェイデン殿下はもう旅立たれたの?いくら王族だからって、幽閉程度で済ませるだなんて、甘いのよ!」
ジェイデン殿下か…あの後正式に裁判が行われ、主犯でもあるジェイデン殿下とティーヌン侯爵は身分をはく奪され、この国で一番厳しいと言われている施設に幽閉されることが決まった。
それに伴い、ティーヌン侯爵家は取り潰されたのだ。本来であれば、極刑が妥当だったのだろうが、さすがに王族を極刑に処すのは…という貴族間の声を反映して、ティーヌン侯爵同様、幽閉に決まったのだ。
「確かに私も甘いと思いましたわ。ただ、お2人が幽閉される施設は非常に劣悪で、生きられて2年と言われております。ある意味死刑判決を下されたようなものですわ」
早くて半年、長くても2年生きられたらいいと言われている程の場所に、幽閉されるのだ。ある意味、極刑より残酷かもしれないと、お父様が話していた。
「そうだったのね。それならまあいいわ…て、こんなめでたいときに、変な話をしてごめんなさい。そろそろ時間ね、それじゃあ、私はカイロ様の元に戻るわ」
そう言うと、ミリアム様が部屋から出て行った。
「お嬢様、そろそろお時間です。参りましょう」
クラミーに連れられ、部屋から出た。向った先は、王族の控室だ。
「キャリーヌ、そのドレス、とてもよく似合っているよ。今日やっと君を僕の正式な婚約者として、皆に紹介できると思うと、嬉しくてたまらないよ」
私の傍に駆け寄ってきてくれたのは、サミュエル様だ。立派なマントをまとったサミュエル様は、誰が見ても次期国王にふさわしい姿をしている。
「サミュエル様こそ、とても素敵ですわ。今日からあなた様は王太子殿下です。1年後には私たちの結婚式が控えておりますし、これから大忙しですね」
そう、既に16歳になっている私たちは、1年後には正式に結婚をする事になっている。
本来なら目が回るほど忙しい時間を過ごしているはずなのだが、ミリアム様が我が国にいる間は、陛下を始め他の貴族たちが協力してくれ、私とサミュエル様に自由な時間を与えてくれているのだ。
“我が国を救って下さったミリアム殿下とカイロ殿をもてなすのが、今のサミュエル殿下とキャリーヌ嬢の最重要任務ですから”
との事。すっかり我が国の人気者になったミリアム様とカイロ様。入国した時、貴族たちから熱烈な歓迎を受けていたくらいだ。ただ、当の本人たちは、かなり困惑していたが…
何はともあれ、私たちはミリアム様とカイロ様のお陰で、今日という日を迎える事が出来たのだ。本当に2人には感謝している。
「さあ、そろそろ時間だ。行こうか」
陛下と王妃様の後に続き、私とサミュエル様も大ホールに入っていく。たくさんの貴族、さらに他国の王族たちが見守る中、サミュエル様の王太子就任式が行われた。
陛下から王太子の証でもある王冠が、サミュエル様の頭に乗せられた。その瞬間、大きな拍手が沸き起こる。
これでサミュエル様は、正式にこの国の王太子と認められたのだ。
そして次は、私とサミュエル様の婚約披露へと移る。サミュエル様にエスコートされ、陛下と王妃様の隣に2人で並んだ。
「今日お集りの皆様。先ほど我が息子、サミュエルが正式に王太子に就任いたしました。それに伴い、サミュエルの正式な婚約者を紹介いたします。マディスン公爵家の令嬢、キャリーヌ・マディスンです。ご存じの方も多いかと思いますが、キャリーヌ嬢には散々辛い思いをさせてしまいました。そんな中でも、彼女はサミュエルを支え、共に歩んでくれると言ってくれたのです。そしてその言葉通り、しっかりサミュエルを支えてくれております。どうか若い2人を、温かく見守って頂けると幸いです」
陛下、私の事をそんな風に思ってくれていたのね。なんだか嬉しいわ。そして次は、サミュエル様の挨拶だ。
「皆様、本日は私、サミュエル・グロッサム・アラステの為にお集まりいただき、誠にありがとうございます。今日この日を迎えられた事、本当に幸せに思っております。この日を迎えるまでに、本当に色々な事がありました。ですが、友人達や婚約者でもあるキャリーヌに支えられ、今日という日を迎える事が出来ました。私は1人では何もできない人間です。だからこそ、人との繋がりを今後も大切にしたい、そう考えております。どうかこれからも、キャリーヌ共々よろしくお願いいたします」
サミュエル様が深々と頭を下げた。私のサミュエル様に続いて頭を下げる。
確かにこの日を迎えるまで、本当に色々な事があった。だからこそ、今日という日を迎えられた事、私も嬉しく思う。
ゆっくり頭を上げると、会場中から拍手が沸き上がった。来賓席を見ると、目に涙を浮かべ、拍手をしているミリアム様の姿が目に入った。
サミュエル様の言う通り、私たちはミリアム様やカイロ様、それに沢山の人たちに支えられ、今日という日を迎えられた。彼らがいたから、今の幸せがある、そう言っても過言ではない。
ジェイデン殿下に婚約を解消され、側妃を拒んだことで牢に入れられたあの日。私は絶望の中、カリアン王国に向かった。たった1人で、不安で仕方がなかった。
でも今は、かけがえのない友人が、愛する婚約者が、そして沢山の人が私を支えてくれる。
私はまだまだ視野が狭く、間違った道を進んでしまう事もある。そんな私を、正しい道に導いてくれる大切な人たち。
彼らの存在は私にとって、何物にも代えられない大切な宝物だ。
これからも彼らの存在を大切にして、生きていきたい。
このアラステ王国で…
~あとがき~
これにて完結です。
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
「ミリアム様ったら。そうですね、アラステ王国は国自体は小さいですが、自然豊かな美しい国です。今日のサミュエル様の王太子就任式と私たちの婚約披露パーティが終わったら、皆でピクニックに行きましょう。急いでカリアン王国に帰る必要はないのでしょう?」
「ええ、そうさせていただくわ。せっかくだから、しっかりアラステ王国を視察させてもらわないと」
隣でそう言って笑っているのは、ミリアム様だ。そして今日は、サミュエル様の王太子就任式と、私たちの婚約披露が行われる日。今日の為にミリアム様とカイロ様、さらにカリアン王国の王太子夫妻、グランズ王国の両陛下、ディステル王国の両陛下も我が国に来てくれている。
もちろん、お姉様やお義兄様、グランも私たちの為に、アラステ王国に来ている。久しぶりの里帰りとあって、お姉様はもちろん、お母様も大喜び。グランは初めてのアラステ王国に、興味津々の様で、しばらくアラステ王国に滞在する事になっている。
ちなみにミリアム様とカイロ様は、1週間前に入国されたのだ。既に2人には、色々な場所を案内したが、まだまだ案内したりない。もっと2人には、アラステ王国の魅力を知って欲しいと思っている。
「そういえば、ジェイデン殿下はもう旅立たれたの?いくら王族だからって、幽閉程度で済ませるだなんて、甘いのよ!」
ジェイデン殿下か…あの後正式に裁判が行われ、主犯でもあるジェイデン殿下とティーヌン侯爵は身分をはく奪され、この国で一番厳しいと言われている施設に幽閉されることが決まった。
それに伴い、ティーヌン侯爵家は取り潰されたのだ。本来であれば、極刑が妥当だったのだろうが、さすがに王族を極刑に処すのは…という貴族間の声を反映して、ティーヌン侯爵同様、幽閉に決まったのだ。
「確かに私も甘いと思いましたわ。ただ、お2人が幽閉される施設は非常に劣悪で、生きられて2年と言われております。ある意味死刑判決を下されたようなものですわ」
早くて半年、長くても2年生きられたらいいと言われている程の場所に、幽閉されるのだ。ある意味、極刑より残酷かもしれないと、お父様が話していた。
「そうだったのね。それならまあいいわ…て、こんなめでたいときに、変な話をしてごめんなさい。そろそろ時間ね、それじゃあ、私はカイロ様の元に戻るわ」
そう言うと、ミリアム様が部屋から出て行った。
「お嬢様、そろそろお時間です。参りましょう」
クラミーに連れられ、部屋から出た。向った先は、王族の控室だ。
「キャリーヌ、そのドレス、とてもよく似合っているよ。今日やっと君を僕の正式な婚約者として、皆に紹介できると思うと、嬉しくてたまらないよ」
私の傍に駆け寄ってきてくれたのは、サミュエル様だ。立派なマントをまとったサミュエル様は、誰が見ても次期国王にふさわしい姿をしている。
「サミュエル様こそ、とても素敵ですわ。今日からあなた様は王太子殿下です。1年後には私たちの結婚式が控えておりますし、これから大忙しですね」
そう、既に16歳になっている私たちは、1年後には正式に結婚をする事になっている。
本来なら目が回るほど忙しい時間を過ごしているはずなのだが、ミリアム様が我が国にいる間は、陛下を始め他の貴族たちが協力してくれ、私とサミュエル様に自由な時間を与えてくれているのだ。
“我が国を救って下さったミリアム殿下とカイロ殿をもてなすのが、今のサミュエル殿下とキャリーヌ嬢の最重要任務ですから”
との事。すっかり我が国の人気者になったミリアム様とカイロ様。入国した時、貴族たちから熱烈な歓迎を受けていたくらいだ。ただ、当の本人たちは、かなり困惑していたが…
何はともあれ、私たちはミリアム様とカイロ様のお陰で、今日という日を迎える事が出来たのだ。本当に2人には感謝している。
「さあ、そろそろ時間だ。行こうか」
陛下と王妃様の後に続き、私とサミュエル様も大ホールに入っていく。たくさんの貴族、さらに他国の王族たちが見守る中、サミュエル様の王太子就任式が行われた。
陛下から王太子の証でもある王冠が、サミュエル様の頭に乗せられた。その瞬間、大きな拍手が沸き起こる。
これでサミュエル様は、正式にこの国の王太子と認められたのだ。
そして次は、私とサミュエル様の婚約披露へと移る。サミュエル様にエスコートされ、陛下と王妃様の隣に2人で並んだ。
「今日お集りの皆様。先ほど我が息子、サミュエルが正式に王太子に就任いたしました。それに伴い、サミュエルの正式な婚約者を紹介いたします。マディスン公爵家の令嬢、キャリーヌ・マディスンです。ご存じの方も多いかと思いますが、キャリーヌ嬢には散々辛い思いをさせてしまいました。そんな中でも、彼女はサミュエルを支え、共に歩んでくれると言ってくれたのです。そしてその言葉通り、しっかりサミュエルを支えてくれております。どうか若い2人を、温かく見守って頂けると幸いです」
陛下、私の事をそんな風に思ってくれていたのね。なんだか嬉しいわ。そして次は、サミュエル様の挨拶だ。
「皆様、本日は私、サミュエル・グロッサム・アラステの為にお集まりいただき、誠にありがとうございます。今日この日を迎えられた事、本当に幸せに思っております。この日を迎えるまでに、本当に色々な事がありました。ですが、友人達や婚約者でもあるキャリーヌに支えられ、今日という日を迎える事が出来ました。私は1人では何もできない人間です。だからこそ、人との繋がりを今後も大切にしたい、そう考えております。どうかこれからも、キャリーヌ共々よろしくお願いいたします」
サミュエル様が深々と頭を下げた。私のサミュエル様に続いて頭を下げる。
確かにこの日を迎えるまで、本当に色々な事があった。だからこそ、今日という日を迎えられた事、私も嬉しく思う。
ゆっくり頭を上げると、会場中から拍手が沸き上がった。来賓席を見ると、目に涙を浮かべ、拍手をしているミリアム様の姿が目に入った。
サミュエル様の言う通り、私たちはミリアム様やカイロ様、それに沢山の人たちに支えられ、今日という日を迎えられた。彼らがいたから、今の幸せがある、そう言っても過言ではない。
ジェイデン殿下に婚約を解消され、側妃を拒んだことで牢に入れられたあの日。私は絶望の中、カリアン王国に向かった。たった1人で、不安で仕方がなかった。
でも今は、かけがえのない友人が、愛する婚約者が、そして沢山の人が私を支えてくれる。
私はまだまだ視野が狭く、間違った道を進んでしまう事もある。そんな私を、正しい道に導いてくれる大切な人たち。
彼らの存在は私にとって、何物にも代えられない大切な宝物だ。
これからも彼らの存在を大切にして、生きていきたい。
このアラステ王国で…
~あとがき~
これにて完結です。
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
1,473
お気に入りに追加
4,142
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説

婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!

俺はお前ではなく、彼女を一生涯愛し護り続けると決めたんだ! そう仰られた元婚約者様へ。貴方が愛する人が、夜会で大問題を起こしたようですよ?
柚木ゆず
恋愛
※9月20日、本編完結いたしました。明日21日より番外編として、ジェラール親子とマリエット親子の、最後のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
お前の家ティレア家は、財の力で爵位を得た新興貴族だ! そんな歴史も品もない家に生まれた女が、名家に生まれた俺に相応しいはずがない! 俺はどうして気付かなかったんだ――。
婚約中に心変わりをされたクレランズ伯爵家のジェラール様は、沢山の暴言を口にしたあと、一方的に婚約の解消を宣言しました。
そうしてジェラール様はわたしのもとを去り、曰く『お前と違って貴族然とした女性』であり『気品溢れる女性』な方と新たに婚約を結ばれたのですが――
ジェラール様。貴方の婚約者であるマリエット様が、侯爵家主催の夜会で大問題を起こしてしまったみたいですよ?

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております

愛を求めることはやめましたので、ご安心いただけますと幸いです!
風見ゆうみ
恋愛
わたしの婚約者はレンジロード・ブロフコス侯爵令息。彼に愛されたくて、自分なりに努力してきたつもりだった。でも、彼には昔から好きな人がいた。
結婚式当日、レンジロード様から「君も知っていると思うが、私には愛する女性がいる。君と結婚しても、彼女のことを忘れたくないから忘れない。そして、私と君の結婚式を彼女に見られたくない」と言われ、結婚式を中止にするためにと階段から突き落とされてしまう。
レンジロード様に突き落とされたと訴えても、信じてくれる人は少数だけ。レンジロード様はわたしが階段を踏み外したと言う上に、わたしには話を合わせろと言う。
こんな人のどこが良かったのかしら???
家族に相談し、離婚に向けて動き出すわたしだったが、わたしの変化に気がついたレンジロード様が、なぜかわたしにかまうようになり――
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)


愛してくれない婚約者なら要りません
ネコ
恋愛
伯爵令嬢リリアナは、幼い頃から周囲の期待に応える「完璧なお嬢様」を演じていた。ところが名目上の婚約者である王太子は、聖女と呼ばれる平民の少女に夢中でリリアナを顧みない。そんな彼に尽くす日々に限界を感じたリリアナは、ある日突然「婚約を破棄しましょう」と言い放つ。甘く見ていた王太子と聖女は彼女の本当の力に気づくのが遅すぎた。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる