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第41話:キャリーヌに振り向いてもらえる様に~サミュエル視点~
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貴族学院が終わり、1人で王宮へと戻ってきた。
「はぁ~」
ついため息が出てしまう。正直僕は、こんな風にキャリーヌに避けられるだなんて、考えていなかった。そう、僕は昔の様に、笑顔で僕に話しかけてくれるキャリーヌを想像していたのだ。
でも、そんな僕の淡い期待は、もろくも崩れ去ったのだ。何より悲しかったのが、僕の事を”サミュエル殿下”と呼んだことだ。“殿下”と呼ばれた事が、なんだかキャリーヌと距離が出来ている様で、とても悲しかった。
もしかしたら、キャリーヌはもう僕の事なんて、興味がないのかもしれない。僕だけが、昔の気持ちを引きずっていて、キャリーヌはもう前を向いて進んでいるのかもしれない。
もしかしたら、カリアン王国で結婚相手を見つけ、ずっとカリアン王国で暮そうと思っていたのかもしれない。そんな中、僕が急に現れたから、迷惑だと感じているのかも…
僕は今でもキャリーヌが大好きだ。でも、キャリーヌは違うのかもしれない。
もしキャリーヌが、もうアラステ王国に戻る気はない、カリアン王国で生活したいと考えているのなら、彼女の事は諦めて、国に帰った方がいいのかもしれない。その方が、キャリーヌは幸せなのかもしれない。
そんな事を考えていた時だった。
「サミュエル殿下、少しよろしいですか?」
僕の元にやって来たのは、ミリアム殿下だ。
「ええ、大丈夫ですよ。どうされましたか?」
もしかして、キャリーヌの事だろうか?キャリーヌは僕がこの国に来た事を迷惑がっているから、帰国して欲しいと言われたらどうしよう。ついネガティブな事を考えてしまう。
「あの…キャリーヌの事なのですが。その…キャリーヌは未だに前王太子殿下を選んだことを、気にしている様でして…ただ、私が見たところによると、きっとキャリーヌもサミュエル殿下の事が好きなのだと思います。だってあの子、サミュエル殿下の話をするとき、とても嬉しそうな顔をしているから…ですから、どうか…」
「それは本当ですか?キャリーヌは僕の話をする事があるのですか?それも、嬉しそうに!」
「え…ええ…ただ、やはりあなた様を裏切ったと思い込んでいる様でして…あの子、変に頑固なところがある様で」
確かにキャリーヌは、少し頑固なところがある。ただ、ミリアム殿下の口ぶりだと、どうやら僕の事を嫌っている訳ではない様だ。
よし!
「ミリアム殿下、キャリーヌ事を教えて下さり、ありがとうございます。正直僕は、キャリーヌに嫌われているのではないか。もし僕がいる事で、キャリーヌが嫌な思いをしているのなら、国に帰った方がいいのではないかと考えていたのです」
「そんな、キャリーヌはあなた様の事を、嫌ってなんていませんわ。ですから、どうか国に帰るだなんて、言わないで下さい」
ミリアム殿下が、必死に引き留めてくれる。この人、本当に優しい人なのだろう。それにキャリーヌの事を、とても大切に思ってくれていることが、ひしひしと伝わって来る。
「ミリアム殿下の話を聞き、キャリーヌに嫌われていないと知った今、やはり僕は、キャリーヌと共にアラステ王国に帰りたい。その為に、これから努力するまでです。ミリアム殿下、僕の背中を押してくださり、ありがとうございます。あなた様の期待に応えられる様、精一杯キャリーヌと向き合っていきます」
そうだ、僕は何を弱気な事を考えていたのだろう。この7年半…いいや、物心ついた時からずっと僕は、キャリーヌの事が好きだったのだ。一度は諦めたこの気持ち。あの時の無念は、今でも忘れられない。
だからこそ、今度こそ僕の手でキャリーヌを幸せにしたい。もう二度と、あんな思いをしたくない。その為に、僕はやるべきことをやるまでだ。
「サミュエル殿下がそう言って下さって、私も安心いたしました。それでは私はこれで、失礼いたします」
ペコリと僕に頭を下げると、足早に去って行った。正直もう少しキャリーヌについて話を聞きたかったのだが、どうやら彼女は、人と話すがの苦手な様だ。
心なしか、手が震えていた。それでも僕にキャリーヌの様子を伝えたくて、来てくれたのだろう。
ミリアム殿下が、そこまで僕の事を応援してくれているのだ。そんなミリアム殿下の気持ちにも、応えたい。
それに何よりも、やっぱり僕はキャリーヌが大好きだ。このまま諦めて国に帰る何て事は出来ない。
よし!
まずはキャリーヌと、きちんと話をしよう。そのうえで、キャリーヌに振り向いてもらえる様に頑張ろう。大丈夫だ、僕とキャリーヌは、今日再開したばかりなのだから…
※長くなりましたが、次回からキャリーヌ視点に戻ります。
よろしくお願いしますm(__)m
「はぁ~」
ついため息が出てしまう。正直僕は、こんな風にキャリーヌに避けられるだなんて、考えていなかった。そう、僕は昔の様に、笑顔で僕に話しかけてくれるキャリーヌを想像していたのだ。
でも、そんな僕の淡い期待は、もろくも崩れ去ったのだ。何より悲しかったのが、僕の事を”サミュエル殿下”と呼んだことだ。“殿下”と呼ばれた事が、なんだかキャリーヌと距離が出来ている様で、とても悲しかった。
もしかしたら、キャリーヌはもう僕の事なんて、興味がないのかもしれない。僕だけが、昔の気持ちを引きずっていて、キャリーヌはもう前を向いて進んでいるのかもしれない。
もしかしたら、カリアン王国で結婚相手を見つけ、ずっとカリアン王国で暮そうと思っていたのかもしれない。そんな中、僕が急に現れたから、迷惑だと感じているのかも…
僕は今でもキャリーヌが大好きだ。でも、キャリーヌは違うのかもしれない。
もしキャリーヌが、もうアラステ王国に戻る気はない、カリアン王国で生活したいと考えているのなら、彼女の事は諦めて、国に帰った方がいいのかもしれない。その方が、キャリーヌは幸せなのかもしれない。
そんな事を考えていた時だった。
「サミュエル殿下、少しよろしいですか?」
僕の元にやって来たのは、ミリアム殿下だ。
「ええ、大丈夫ですよ。どうされましたか?」
もしかして、キャリーヌの事だろうか?キャリーヌは僕がこの国に来た事を迷惑がっているから、帰国して欲しいと言われたらどうしよう。ついネガティブな事を考えてしまう。
「あの…キャリーヌの事なのですが。その…キャリーヌは未だに前王太子殿下を選んだことを、気にしている様でして…ただ、私が見たところによると、きっとキャリーヌもサミュエル殿下の事が好きなのだと思います。だってあの子、サミュエル殿下の話をするとき、とても嬉しそうな顔をしているから…ですから、どうか…」
「それは本当ですか?キャリーヌは僕の話をする事があるのですか?それも、嬉しそうに!」
「え…ええ…ただ、やはりあなた様を裏切ったと思い込んでいる様でして…あの子、変に頑固なところがある様で」
確かにキャリーヌは、少し頑固なところがある。ただ、ミリアム殿下の口ぶりだと、どうやら僕の事を嫌っている訳ではない様だ。
よし!
「ミリアム殿下、キャリーヌ事を教えて下さり、ありがとうございます。正直僕は、キャリーヌに嫌われているのではないか。もし僕がいる事で、キャリーヌが嫌な思いをしているのなら、国に帰った方がいいのではないかと考えていたのです」
「そんな、キャリーヌはあなた様の事を、嫌ってなんていませんわ。ですから、どうか国に帰るだなんて、言わないで下さい」
ミリアム殿下が、必死に引き留めてくれる。この人、本当に優しい人なのだろう。それにキャリーヌの事を、とても大切に思ってくれていることが、ひしひしと伝わって来る。
「ミリアム殿下の話を聞き、キャリーヌに嫌われていないと知った今、やはり僕は、キャリーヌと共にアラステ王国に帰りたい。その為に、これから努力するまでです。ミリアム殿下、僕の背中を押してくださり、ありがとうございます。あなた様の期待に応えられる様、精一杯キャリーヌと向き合っていきます」
そうだ、僕は何を弱気な事を考えていたのだろう。この7年半…いいや、物心ついた時からずっと僕は、キャリーヌの事が好きだったのだ。一度は諦めたこの気持ち。あの時の無念は、今でも忘れられない。
だからこそ、今度こそ僕の手でキャリーヌを幸せにしたい。もう二度と、あんな思いをしたくない。その為に、僕はやるべきことをやるまでだ。
「サミュエル殿下がそう言って下さって、私も安心いたしました。それでは私はこれで、失礼いたします」
ペコリと僕に頭を下げると、足早に去って行った。正直もう少しキャリーヌについて話を聞きたかったのだが、どうやら彼女は、人と話すがの苦手な様だ。
心なしか、手が震えていた。それでも僕にキャリーヌの様子を伝えたくて、来てくれたのだろう。
ミリアム殿下が、そこまで僕の事を応援してくれているのだ。そんなミリアム殿下の気持ちにも、応えたい。
それに何よりも、やっぱり僕はキャリーヌが大好きだ。このまま諦めて国に帰る何て事は出来ない。
よし!
まずはキャリーヌと、きちんと話をしよう。そのうえで、キャリーヌに振り向いてもらえる様に頑張ろう。大丈夫だ、僕とキャリーヌは、今日再開したばかりなのだから…
※長くなりましたが、次回からキャリーヌ視点に戻ります。
よろしくお願いしますm(__)m
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