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第40話:せっかくキャリーヌに会えたのに~サミュエル視点~
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翌朝、至急準備してもらった制服というものに袖を通した。昨日の夜は、帝王学の勉強を夜遅くまでやっていたため、少し眠いが、国に戻った時スムーズに王太子になるためには、必要不可欠なのだ。
そう、僕は3ヶ月間、ただキャリーヌとの仲を深めればよいという訳ではない。王太子になるための勉学にも力を入れないといけない。さらにカリアン王国の貴族や王族とも、密な関係を築く必要がある。
やる事がてんこ盛りなのだ。
もちろん、キャリーヌの事が第一優先ではあるが…
とにかく、今日キャリーヌに会えることが嬉しくてたまらない。王宮で美味しい朝食を頂いた後、馬車に乗り込む。
「サミュエル殿下、今日からよろしくお願いします」
僕に挨拶をして来たのは、ミリアム殿下だ。彼女も制服というものを着ているのだが、スカートが短すぎないか?この服を、キャリーヌも着ているかと思うと、なんだか複雑だ。
ただ、あまりじろじろ見る訳にはいかない。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。それではまた、後ほど」
ミリアム殿下とは別の馬車に乗り込み、学院というところを目指す。昨日馬車の中からチラリと貴族学院を見たが、立派な学院だったな…
キャリーヌ、僕の顔を見たら、どんな反応をするだろう。もし嫌がられたら、どうしよう…
ダメだ、そんなネガティブな事を考えていては。僕はキャリーヌを迎えに来たのだから。ちゃんと僕を受け入れてもらえる様に、頑張らないと!
そんな事を考えているうちに、貴族学院が見えて来た。本当に立派な学院だな…
馬車が学院に入っていく。
「殿下、私が先に行って確認して参りますので、殿下はこちらでお待ちください」
アラステ王国から連れて来た執事が、すぐに手続きに行ってくれた。そしてその後、僕も職員室と言うところにやって来て、手続きを行った。
いよいよキャリーヌのいる、教室へと向かう。なんだか緊張してきたぞ…
そして、僕が教室に入る瞬間がやって来た。やっとキャリーヌに会える!
先生に案内され、教室に入る。すると、いた!キャリーヌだ。久しぶりに見るキャリーヌは、また一段と美しくなっていた。
ただ、僕の姿を見るなり、目をこれでもかというくらい大きく見開き、口も半開きだ。あんなに驚いているキャリーヌ、初めて見たぞ。
挨拶を終え、先生が案内してくれた席に着く。どうやら僕に気を使った学院側が、キャリーヌの隣の席を準備してくれた様だ。
「キャリーヌ、久しぶり。今日からよろしくね」
そう笑顔で伝えると、目を見開き固まっていた。そこまで驚かなくてもいいのに。でも、そんなキャリーヌも愛おしくてたまらない。
そして授業が終わると、早速キャリーヌに、兄上の事を謝罪した。兄上のせいで、キャリーヌがどれほど傷つき、苦しんだか…もちろん、謝っても許される事ではないが、とにかく謝罪がしたかったのだ。
そんな僕に対し、逆に感謝していると言ったキャリーヌ。穏やかな表情で笑いかけてくれたキャリーヌを見たら、一気に感情が溢れ出てしまい、つい余計な事を言ってしまった。
危ない、こんな大勢の前で、うっかり気持ちを伝えるところだった。さあ、話しはこの辺に…と思ったのだが、状況が全く理解できていないキャリーヌから、なぜ留学をして来たのか質問攻めにあってしまったのだ。
上手くはぐらかそうとしても、どうしても納得できない様だ。仕方ない、正直に話すか。
そう思い、僕は“キャリーヌを今でも愛していて、君を迎えに来た。ただ、キャリーヌの気持ちを大切にしたいから、3ヶ月間留学という形で時間をもらった”事を伝えたのだ。
ただ、皆の前で気持ちを伝えたせいか、周りの令嬢たちが騒ぎ出したのだ。さらに困惑するキャリーヌ。
やっぱりこういったデリケートな話は、2人きりの時にするべきだったな…
それに僕に会った時のキャリーヌ、全然嬉しそうではなかったし…やっぱり僕がカリアン王国に来た事を、快く思っていないのかもしれない。そもそも僕は、キャリーヌを苦しめた男の実の弟だ。
もしかしたら僕たち王族に関わること自体、もう懲り懲りと思っているのかもしれない。その後何度かキャリーヌに話し掛けようとしたのだが、ミリアム殿下を連れてどこかに行ってしまった。
結局これ以上、キャリーヌと話をする事が出来なかったのだった。
そう、僕は3ヶ月間、ただキャリーヌとの仲を深めればよいという訳ではない。王太子になるための勉学にも力を入れないといけない。さらにカリアン王国の貴族や王族とも、密な関係を築く必要がある。
やる事がてんこ盛りなのだ。
もちろん、キャリーヌの事が第一優先ではあるが…
とにかく、今日キャリーヌに会えることが嬉しくてたまらない。王宮で美味しい朝食を頂いた後、馬車に乗り込む。
「サミュエル殿下、今日からよろしくお願いします」
僕に挨拶をして来たのは、ミリアム殿下だ。彼女も制服というものを着ているのだが、スカートが短すぎないか?この服を、キャリーヌも着ているかと思うと、なんだか複雑だ。
ただ、あまりじろじろ見る訳にはいかない。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。それではまた、後ほど」
ミリアム殿下とは別の馬車に乗り込み、学院というところを目指す。昨日馬車の中からチラリと貴族学院を見たが、立派な学院だったな…
キャリーヌ、僕の顔を見たら、どんな反応をするだろう。もし嫌がられたら、どうしよう…
ダメだ、そんなネガティブな事を考えていては。僕はキャリーヌを迎えに来たのだから。ちゃんと僕を受け入れてもらえる様に、頑張らないと!
そんな事を考えているうちに、貴族学院が見えて来た。本当に立派な学院だな…
馬車が学院に入っていく。
「殿下、私が先に行って確認して参りますので、殿下はこちらでお待ちください」
アラステ王国から連れて来た執事が、すぐに手続きに行ってくれた。そしてその後、僕も職員室と言うところにやって来て、手続きを行った。
いよいよキャリーヌのいる、教室へと向かう。なんだか緊張してきたぞ…
そして、僕が教室に入る瞬間がやって来た。やっとキャリーヌに会える!
先生に案内され、教室に入る。すると、いた!キャリーヌだ。久しぶりに見るキャリーヌは、また一段と美しくなっていた。
ただ、僕の姿を見るなり、目をこれでもかというくらい大きく見開き、口も半開きだ。あんなに驚いているキャリーヌ、初めて見たぞ。
挨拶を終え、先生が案内してくれた席に着く。どうやら僕に気を使った学院側が、キャリーヌの隣の席を準備してくれた様だ。
「キャリーヌ、久しぶり。今日からよろしくね」
そう笑顔で伝えると、目を見開き固まっていた。そこまで驚かなくてもいいのに。でも、そんなキャリーヌも愛おしくてたまらない。
そして授業が終わると、早速キャリーヌに、兄上の事を謝罪した。兄上のせいで、キャリーヌがどれほど傷つき、苦しんだか…もちろん、謝っても許される事ではないが、とにかく謝罪がしたかったのだ。
そんな僕に対し、逆に感謝していると言ったキャリーヌ。穏やかな表情で笑いかけてくれたキャリーヌを見たら、一気に感情が溢れ出てしまい、つい余計な事を言ってしまった。
危ない、こんな大勢の前で、うっかり気持ちを伝えるところだった。さあ、話しはこの辺に…と思ったのだが、状況が全く理解できていないキャリーヌから、なぜ留学をして来たのか質問攻めにあってしまったのだ。
上手くはぐらかそうとしても、どうしても納得できない様だ。仕方ない、正直に話すか。
そう思い、僕は“キャリーヌを今でも愛していて、君を迎えに来た。ただ、キャリーヌの気持ちを大切にしたいから、3ヶ月間留学という形で時間をもらった”事を伝えたのだ。
ただ、皆の前で気持ちを伝えたせいか、周りの令嬢たちが騒ぎ出したのだ。さらに困惑するキャリーヌ。
やっぱりこういったデリケートな話は、2人きりの時にするべきだったな…
それに僕に会った時のキャリーヌ、全然嬉しそうではなかったし…やっぱり僕がカリアン王国に来た事を、快く思っていないのかもしれない。そもそも僕は、キャリーヌを苦しめた男の実の弟だ。
もしかしたら僕たち王族に関わること自体、もう懲り懲りと思っているのかもしれない。その後何度かキャリーヌに話し掛けようとしたのだが、ミリアム殿下を連れてどこかに行ってしまった。
結局これ以上、キャリーヌと話をする事が出来なかったのだった。
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