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第34話:中々うまくいきません~サミュエル視点~
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確かにこのまま兄上が国王になったら、マディスン公爵家を冷遇するだろう。下手をすると、権力を利用してキャリーヌを無理やり側妃にするかもしれない。そんな事は絶対にさせない。
「わかりました。ただ、兄上がなんと言うか…それに兄上についている貴族もいます。下手をすると、貴族間が分断して、大混乱が起こるかもしれません」
全ての貴族が、僕が王太子になる事を歓迎してくれる訳ではないだろう。下手をすると、第一王子(兄上)派と、第二王子(僕)派に分かれ、水面下で争いが起こる事も考えられる。もし争いが起きたら、きっと優しいキャリーヌが悲しむだろう。
僕はこれ以上、キャリーヌを傷つけたくはない。
「ジェイデン殿下の行いのせいで、既に貴族社会は大混乱に陥っています。ジェイデン殿下を推すもの、私たちの様にサミュエル殿下を推すもの。どちらについた方が優位か、見極めている者。既に駆け引きが行われているのです。それもこれも、元はと言えばジェイデン殿下の行いのせい!」
確かにマディスン公爵の言う通り、既に貴族社会は大混乱している。それにキャリーヌが安心してこの国に戻ってくるためには、兄上が王太子のままではいけない。
今度こそ、僕がキャリーヌを守りたい!キャリーヌが安心して暮らせる国を、僕の手で作りたい。
「皆様、僕を推してくださりありがとうございます。皆様の期待に応えられる様、精一杯務めさせていただきます。まずは貴族の方たちに認めてもらわないといけませんね。とにかく父上が帰国したら、僕の気持ちを伝えます」
「サミュエル殿下、よくぞご決断してくださいました。大丈夫です、あなた様ならきっと、立派な国王になられるでしょう。私達もサミュエル殿下派を増やしていきます。皆で頑張りましょう」
マディスン公爵を始め、沢山の貴族が僕の味方でいてくれる。それがなんだか嬉しい。僕が国王になる事はない、そう思っていた。でも、まさかこんな事になるだなんて。
もしも…もしも僕が王太子になれたら、キャリーヌは僕と結婚してくれるかな?それとも、もう王族は懲り懲りかな…
キャリーヌ、今頃何をしているのだろう。無事カリアン王国に着いたかな?キャリーヌが安心して帰国出来る様に、僕が出来る事を精一杯頑張るまでだ。
ただ、父上が帰国するまでは、兄上が暴走しない様に見張る事に専念した。そして約2ヶ月後、やっと父上が帰国したのだ。本当はすぐに帰国する予定だったのだが、相手国の事もあり、すぐには帰国出来ずに随分戻りが遅くなってしまった事は仕方がない。
早速マディスン公爵を始め、貴族たちが兄上の今回の行いは見過ごせない。兄上を廃嫡して、新たに僕を新しい王太子にする様に、父上に求めたのだ。
父上も今回の兄上の行いは、さすがに見逃せないという事で、一定の理解を示してくれた。ただ、僕が王太子になる事に、猛烈に反対する人物が…
「どうしてジェイデン様が、王太子殿下を退かないといけないのですか?私と結婚すれば、この国にとってかなりの利益になるはずです。たかが一貴族のご機嫌を取るために、ジェイデン様を廃嫡なさるだなんて!もしジェイデン様を廃嫡するというのであれば、今後この国との貿易は、白紙に戻させていただいてもよろしいのですよ」
そう言い放ったラミア殿下。彼女と兄上はまだ正式に婚約を結んでない。それどころか、まだディステル王国の国王陛下とそういった話すらしていないのだ。
ただ、ディステル王国は我が国とは比べ物にならない程の大国。ディステル王国が本気を出せば、我が国なんて潰されてしまう。
さらにディステル王国との関係を強固にしたいと考えた一部の貴族からは
「ジェイデン殿下とラミア殿下がご結婚されるのでしたら、やはりジェイデン殿下には次期国王になって頂いた方がよろしいでしょう。それに、ラミア殿下が我が国に嫁いで来てくだされば、我が国にもメリットがあります」
そう言った意見も出始めたのだ。
ラミア殿下はすっかりこの国に嫁ぐ気満々の様で、王宮でも我が物顔でわがまま放題。使用人たちもディステル王国の王女という事で、従うしかない状況だ。
兄上もラミア殿下を味方に付けた事を言い事に
「僕を廃嫡なんてしたら、きっとディステル王国の国王陛下は激怒するだろうね。そうなったら、国が亡びるかもしれないよ。マディスン公爵、今もしキャリーヌをカリアン王国から帰国させて、僕の側妃にしてくれるのなら、今回の件、水に流してもいいよ」
だなんて、ふざけたことを言い出したのだ。兄上はどこまでキャリーヌを馬鹿にすれば気が済むのだ!
もちろんマディスン公爵も、兄上の言う事なんて聞くつもりもない様だ。さらにラミア殿下は、兄上を使って散財まで行っている。その上、既に次期王妃と言わんばかりに、貴族令嬢や夫人たちをけん制し、気に入らない令嬢や夫人を徹底的に虐めているとも聞く。
やりたい放題のラミア殿下。貴族たちからも、徐々に不満の声が高まってきているのだ。
さすがに業を煮やしたマディスン公爵が
「陛下、どうか私をディステル王国に使いとして出してください!さすがにまだ正式に婚約をしていないラミア殿下が、ここまで我が国に口を出すこと自体異常です。この現状を、ディステル王国の陛下に訴えて参ります。そもそも、ディステル王国の陛下は、ラミア殿下とジェイデン殿下が結婚したいと考えている旨を知っているのですか?まずはディステル王国と話をしない事には、始まりません!」
そう訴えたのだ。
「わかりました。ただ、兄上がなんと言うか…それに兄上についている貴族もいます。下手をすると、貴族間が分断して、大混乱が起こるかもしれません」
全ての貴族が、僕が王太子になる事を歓迎してくれる訳ではないだろう。下手をすると、第一王子(兄上)派と、第二王子(僕)派に分かれ、水面下で争いが起こる事も考えられる。もし争いが起きたら、きっと優しいキャリーヌが悲しむだろう。
僕はこれ以上、キャリーヌを傷つけたくはない。
「ジェイデン殿下の行いのせいで、既に貴族社会は大混乱に陥っています。ジェイデン殿下を推すもの、私たちの様にサミュエル殿下を推すもの。どちらについた方が優位か、見極めている者。既に駆け引きが行われているのです。それもこれも、元はと言えばジェイデン殿下の行いのせい!」
確かにマディスン公爵の言う通り、既に貴族社会は大混乱している。それにキャリーヌが安心してこの国に戻ってくるためには、兄上が王太子のままではいけない。
今度こそ、僕がキャリーヌを守りたい!キャリーヌが安心して暮らせる国を、僕の手で作りたい。
「皆様、僕を推してくださりありがとうございます。皆様の期待に応えられる様、精一杯務めさせていただきます。まずは貴族の方たちに認めてもらわないといけませんね。とにかく父上が帰国したら、僕の気持ちを伝えます」
「サミュエル殿下、よくぞご決断してくださいました。大丈夫です、あなた様ならきっと、立派な国王になられるでしょう。私達もサミュエル殿下派を増やしていきます。皆で頑張りましょう」
マディスン公爵を始め、沢山の貴族が僕の味方でいてくれる。それがなんだか嬉しい。僕が国王になる事はない、そう思っていた。でも、まさかこんな事になるだなんて。
もしも…もしも僕が王太子になれたら、キャリーヌは僕と結婚してくれるかな?それとも、もう王族は懲り懲りかな…
キャリーヌ、今頃何をしているのだろう。無事カリアン王国に着いたかな?キャリーヌが安心して帰国出来る様に、僕が出来る事を精一杯頑張るまでだ。
ただ、父上が帰国するまでは、兄上が暴走しない様に見張る事に専念した。そして約2ヶ月後、やっと父上が帰国したのだ。本当はすぐに帰国する予定だったのだが、相手国の事もあり、すぐには帰国出来ずに随分戻りが遅くなってしまった事は仕方がない。
早速マディスン公爵を始め、貴族たちが兄上の今回の行いは見過ごせない。兄上を廃嫡して、新たに僕を新しい王太子にする様に、父上に求めたのだ。
父上も今回の兄上の行いは、さすがに見逃せないという事で、一定の理解を示してくれた。ただ、僕が王太子になる事に、猛烈に反対する人物が…
「どうしてジェイデン様が、王太子殿下を退かないといけないのですか?私と結婚すれば、この国にとってかなりの利益になるはずです。たかが一貴族のご機嫌を取るために、ジェイデン様を廃嫡なさるだなんて!もしジェイデン様を廃嫡するというのであれば、今後この国との貿易は、白紙に戻させていただいてもよろしいのですよ」
そう言い放ったラミア殿下。彼女と兄上はまだ正式に婚約を結んでない。それどころか、まだディステル王国の国王陛下とそういった話すらしていないのだ。
ただ、ディステル王国は我が国とは比べ物にならない程の大国。ディステル王国が本気を出せば、我が国なんて潰されてしまう。
さらにディステル王国との関係を強固にしたいと考えた一部の貴族からは
「ジェイデン殿下とラミア殿下がご結婚されるのでしたら、やはりジェイデン殿下には次期国王になって頂いた方がよろしいでしょう。それに、ラミア殿下が我が国に嫁いで来てくだされば、我が国にもメリットがあります」
そう言った意見も出始めたのだ。
ラミア殿下はすっかりこの国に嫁ぐ気満々の様で、王宮でも我が物顔でわがまま放題。使用人たちもディステル王国の王女という事で、従うしかない状況だ。
兄上もラミア殿下を味方に付けた事を言い事に
「僕を廃嫡なんてしたら、きっとディステル王国の国王陛下は激怒するだろうね。そうなったら、国が亡びるかもしれないよ。マディスン公爵、今もしキャリーヌをカリアン王国から帰国させて、僕の側妃にしてくれるのなら、今回の件、水に流してもいいよ」
だなんて、ふざけたことを言い出したのだ。兄上はどこまでキャリーヌを馬鹿にすれば気が済むのだ!
もちろんマディスン公爵も、兄上の言う事なんて聞くつもりもない様だ。さらにラミア殿下は、兄上を使って散財まで行っている。その上、既に次期王妃と言わんばかりに、貴族令嬢や夫人たちをけん制し、気に入らない令嬢や夫人を徹底的に虐めているとも聞く。
やりたい放題のラミア殿下。貴族たちからも、徐々に不満の声が高まってきているのだ。
さすがに業を煮やしたマディスン公爵が
「陛下、どうか私をディステル王国に使いとして出してください!さすがにまだ正式に婚約をしていないラミア殿下が、ここまで我が国に口を出すこと自体異常です。この現状を、ディステル王国の陛下に訴えて参ります。そもそも、ディステル王国の陛下は、ラミア殿下とジェイデン殿下が結婚したいと考えている旨を知っているのですか?まずはディステル王国と話をしない事には、始まりません!」
そう訴えたのだ。
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