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第18話:世話が焼けます
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「ミリアム様、一体何をおっしゃっているのですか?カイロ様は、あなた様の婚約者なのでしょう?私の事はいいので、一緒にダンスを踊って来てください」
「キャリーヌ嬢もそうおっしゃって下さってますし、私と…」
「カイロ様、こちらにいらしたのですね。あら?ミリアム殿下とキャリーヌ様と一緒なのですか?」
「カイロ様、こちらで私たちと一緒にお話しをしましょう」
令嬢たちに、一気に囲まれたカイロ様。
「わ…私はミリアム殿下と…」
「さあ、行きましょう」
あっと言う間にカイロ様は、令嬢たちに連れ去られてしまった。ただあの人、どうやらミリアム様の事が気になっているみたいだ。なんだか悲しそうな顔をしていたし…
ふとミリアム様の方を見ると、悲しそうに俯いていた。
「ミリアム様、よろしいのですか?カイロ様の件…」
「いいのよ、あの人は好きで私の婚約者になった訳ではないから。それにカイロ様は非常に優秀で、私とは釣り合わないのよ…カイロ様もお可哀そうよね。私なんかと婚約させられて…」
「ミリアム様、どうしてそんな悲しい事をおっしゃるのですか?カイロ様は…」
「もうカイロ様のお話しは止めましょう。そうだわ、今日はキャリーヌに見せたい場所があるの。こっちに来て」
私の手を引き、ミリアム様が歩き出した。ミリアム様が連れてきてくれたのは、王宮の中庭だ。今日の夜会の為に、綺麗にライトアップされている。
「なんて綺麗なのでしょう。ライトの光が花々を照らしていて、とても神秘的ですわ」
「奥はもっとすごいのよ。行きましょう」
すっかり元気になったミリアム様に連れられ、奥までやって来た。すると、大きな木にいろんな色のライトが飾られている。これはすごいわ。
「とても綺麗ですわ…こんな綺麗な木、初めて見ました」
あまりの美しさに、つい見とれてしまう。
「キャリーヌは大げさなのだから。でも…あなたが喜んでくれて、よかったわ…ここはね、お父様が昔お母様に気持ちを伝えた場所なのですって。お兄様もお義姉様に、この木の下で気持ちを伝えたらしいわ。と言っても、既に婚約を結んだ後にだけれどね。それでも、この神秘的な木の下で、愛を誓いあえるだなんて素敵よね。私もね、大切な人が出来たら、この木を見せたいとずっと思っていたの」
ミリアム様が、少し寂しそうに微笑んだのだ。大切な人が出来たら、この木を見せたい。それって…
「ミリアム様、私、ちょっと急用を思い出しましたの。すぐに戻りますから、待っていてくださいね!」
ミリアム様を1人残し、急いでホールへと戻ってきた。そして辺りを見渡す。
いたわ!
「カイロ様、ごきげんよう。少しお話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
令嬢に囲まれ、困り顔のカイロ様に笑顔で話しかけた。すると
「ええ、構いませんよ。あの…ミリアム殿下は?」
この人、やっぱりミリアム様がお好きなのね。
「ミリアム様の事はよろしいでしょう?外でゆっくり話しましょう」
笑顔でそう伝え、困惑顔のカイロ様の連れ、中庭へとやって来た。
「王宮の中庭は、本当に美しいですわね。こんなにも綺麗な中庭は、初めて見ましたわ」
キョロキョロと辺りを見渡しているカイロ様。落ち着きがないわね。
「あの…私に何の用でしょうか?あまり2人でいる姿を、別の者に見られると…その…」
「ミリアム様に誤解されてしまうから困る、との事ですよね?単刀直入にお伺いしたします。あなた様は、ミリアム様がお好きなのですか?」
真っすぐカイロ様を見つめ、問いかけた。すると
「ええ…愛しています。私は初めてミリアム殿下を見た時から、彼女をお慕いしておりました。彼女は誤解される事も多いですが、本当は誰よりも優しい女性なのです。でも、ミリアム殿下は、私の事を…」
そう呟くと、カイロ様は俯いてしまった。
「カイロ様、今の気持ちをミリアム様にぶつけてあげてください。ミリアム様は、こちらにいらっしゃいますわ」
カイロ様を連れて、どんどん奥へと入っていく。
「キャリーヌ嬢、一体どこに行くのですか?私はこれ以上、ミリアム殿下に誤解を与えるような事はしたくないのです。私はなぜかいつも令嬢に囲まれてしまって…きっと女好きと思われているでしょう。でも、私は…」
「ですから、私に訴えないでミリアム様に訴えて下さい。ほら、あそこです。ミリアム様!」
1人で木の下にいたミリアム様に声をかける。
「キャリーヌ、遅い…て、どうしてカイロ様がこちらに?」
「私が連れて来たのです。少しお節介かと思ったのですが、好き合っている2人がすれ違っていることが、どうしても気になって」
「ちょっと、私は別にカイロ様の事なんて好きじゃないわ。カイロ様、キャリーヌが勘違いしてしまった様で、申し訳ございません。どうぞ令嬢と元に、お戻りください」
相変わらず素直じゃないわね。でも、2人はどう見ても好き合っているのだ。このまま引き下がるほど、私は聞き訳が良くない。
「キャリーヌ嬢もそうおっしゃって下さってますし、私と…」
「カイロ様、こちらにいらしたのですね。あら?ミリアム殿下とキャリーヌ様と一緒なのですか?」
「カイロ様、こちらで私たちと一緒にお話しをしましょう」
令嬢たちに、一気に囲まれたカイロ様。
「わ…私はミリアム殿下と…」
「さあ、行きましょう」
あっと言う間にカイロ様は、令嬢たちに連れ去られてしまった。ただあの人、どうやらミリアム様の事が気になっているみたいだ。なんだか悲しそうな顔をしていたし…
ふとミリアム様の方を見ると、悲しそうに俯いていた。
「ミリアム様、よろしいのですか?カイロ様の件…」
「いいのよ、あの人は好きで私の婚約者になった訳ではないから。それにカイロ様は非常に優秀で、私とは釣り合わないのよ…カイロ様もお可哀そうよね。私なんかと婚約させられて…」
「ミリアム様、どうしてそんな悲しい事をおっしゃるのですか?カイロ様は…」
「もうカイロ様のお話しは止めましょう。そうだわ、今日はキャリーヌに見せたい場所があるの。こっちに来て」
私の手を引き、ミリアム様が歩き出した。ミリアム様が連れてきてくれたのは、王宮の中庭だ。今日の夜会の為に、綺麗にライトアップされている。
「なんて綺麗なのでしょう。ライトの光が花々を照らしていて、とても神秘的ですわ」
「奥はもっとすごいのよ。行きましょう」
すっかり元気になったミリアム様に連れられ、奥までやって来た。すると、大きな木にいろんな色のライトが飾られている。これはすごいわ。
「とても綺麗ですわ…こんな綺麗な木、初めて見ました」
あまりの美しさに、つい見とれてしまう。
「キャリーヌは大げさなのだから。でも…あなたが喜んでくれて、よかったわ…ここはね、お父様が昔お母様に気持ちを伝えた場所なのですって。お兄様もお義姉様に、この木の下で気持ちを伝えたらしいわ。と言っても、既に婚約を結んだ後にだけれどね。それでも、この神秘的な木の下で、愛を誓いあえるだなんて素敵よね。私もね、大切な人が出来たら、この木を見せたいとずっと思っていたの」
ミリアム様が、少し寂しそうに微笑んだのだ。大切な人が出来たら、この木を見せたい。それって…
「ミリアム様、私、ちょっと急用を思い出しましたの。すぐに戻りますから、待っていてくださいね!」
ミリアム様を1人残し、急いでホールへと戻ってきた。そして辺りを見渡す。
いたわ!
「カイロ様、ごきげんよう。少しお話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
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「ええ、構いませんよ。あの…ミリアム殿下は?」
この人、やっぱりミリアム様がお好きなのね。
「ミリアム様の事はよろしいでしょう?外でゆっくり話しましょう」
笑顔でそう伝え、困惑顔のカイロ様の連れ、中庭へとやって来た。
「王宮の中庭は、本当に美しいですわね。こんなにも綺麗な中庭は、初めて見ましたわ」
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「あの…私に何の用でしょうか?あまり2人でいる姿を、別の者に見られると…その…」
「ミリアム様に誤解されてしまうから困る、との事ですよね?単刀直入にお伺いしたします。あなた様は、ミリアム様がお好きなのですか?」
真っすぐカイロ様を見つめ、問いかけた。すると
「ええ…愛しています。私は初めてミリアム殿下を見た時から、彼女をお慕いしておりました。彼女は誤解される事も多いですが、本当は誰よりも優しい女性なのです。でも、ミリアム殿下は、私の事を…」
そう呟くと、カイロ様は俯いてしまった。
「カイロ様、今の気持ちをミリアム様にぶつけてあげてください。ミリアム様は、こちらにいらっしゃいますわ」
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「キャリーヌ嬢、一体どこに行くのですか?私はこれ以上、ミリアム殿下に誤解を与えるような事はしたくないのです。私はなぜかいつも令嬢に囲まれてしまって…きっと女好きと思われているでしょう。でも、私は…」
「ですから、私に訴えないでミリアム様に訴えて下さい。ほら、あそこです。ミリアム様!」
1人で木の下にいたミリアム様に声をかける。
「キャリーヌ、遅い…て、どうしてカイロ様がこちらに?」
「私が連れて来たのです。少しお節介かと思ったのですが、好き合っている2人がすれ違っていることが、どうしても気になって」
「ちょっと、私は別にカイロ様の事なんて好きじゃないわ。カイロ様、キャリーヌが勘違いしてしまった様で、申し訳ございません。どうぞ令嬢と元に、お戻りください」
相変わらず素直じゃないわね。でも、2人はどう見ても好き合っているのだ。このまま引き下がるほど、私は聞き訳が良くない。
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