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第16話:王宮主催の夜会に参加します
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「キャリーヌ、明日の夜会はこのドレスを着ていくといいわ。あなたの為に、わざわざお母様がアラステ王国から贈って下さったのよ」
お姉様が嬉しそうに、立派なドレスを持ってきてくれたのだ。この国に来て早2ヶ月。明日はこの国に来て初めての夜会に参加する事になっているのだ。
「お母様がですか?お母様、元気にしているのね。よかったわ」
「ええ、とても元気にしているみたいよ。国王陛下も先日無事帰国された様よ。陛下ったら、サミュエル殿下が上手く国をまとめている事を良い事に、2ヶ月たってやっと帰国するだなんて、呑気なものよね。でも、これで一気に話が進むと思うわ。だからもう、キャリーヌが心配する事は何もないの。あなたは今を楽しんで」
国王陛下がやっと帰国されたのか。陛下はきっと、今回のジェイデン殿下の行いを絶対に許さないだろう。ただ、ジェイデン殿下にはディステル王国の王女、ラミア殿下が付いているし。今後ディステル王国との関係を強めていきたい陛下も、あまり強くは出られないだろう。
それでもお父様が第二王子でもあるサミュエル殿下側に付いたことで、貴族の間でもジェイデン派とサミュエル派に分かれて対立する事は目に見えている。
増々アラステ王国は混乱するわね…
「キャリーヌ、どうしたの?また難しい顔をして。あなたが心配するような事は、何一つないの。それよりもどう?素敵なドレスだと思わない?」
「確かに素敵なドレスですね。でも、どうして青色なのかしら?」
「あら、素敵じゃない。まるで空の色の様だわ」
確かに美しい空の色をイメージさせる、スカイブルーでとても美しい。お母様がせっかく贈って下さったドレスですもの。着ないなんて選択肢、ないわよね。
ただ…
“キャリーヌ、大好きだよ。ずっと一緒にいようね”
なぜか幼い頃のサミュエル殿下の顔が浮かんだのだ。青はサミュエル殿下の瞳の色なのだ。ジェイデン殿下から婚約解消をされて以降、なぜかサミュエル殿下の事を思い出す。
子供の頃、ずっと一緒だったサミュエル殿下。私はあの頃、彼の事が好きだった。いつも私に寄り添い、意地悪をする子がいれば、体を張って守ってくれたサミュエル殿下が。
でも私は結局、彼を裏切りジェイデン殿下を選んだのだ。現にジェイデン殿下と婚約して以降、サミュエル殿下は私を避ける様になったし…
きっと今でも私の事を嫌っているだろう。私は彼を裏切り、兄でもあるジェイデン殿下を選んだのだから…
て、今更そんな事を考えても仕方がない。明日はミリアム様のお家で開かれる大切な夜会だ。目いっぱい楽しまないと!
翌日。
青いドレスに身を包み、お姉様夫婦と一緒に馬車に乗り込んだ。
「キャリーヌは、カリアン王国での夜会は初めてだったわよね。今後どうなるか分からないけれど、せっかくだからあなたを皆に紹介するわね。それにしても、あなたがまさかあのミリアム殿下と友人になるだなんて。陛下や王妃殿下、王太子殿下からはとても感謝されているのよ」
そういえば以前ミリアム様のお家に遊びに行った時、なぜか王族一同で迎えられ、何度もお礼を言われた。王妃殿下に至っては、涙まで流していたしたし。でも私は、何もしていないのだが…
「ミリアム様は確かに少し口下手のところはありますが、とてもお優しくて素敵な方ですわ。なぜか私、令嬢たちに嫌われていて…そんな中、友達になって下さったのが、ミリアム様なのです。彼女のお陰で私は、学院生活を楽しく送っていると言っても過言ではありませんわ」
ミリアム様のお陰で私は、楽しい学院生活を送れているのだ。私の方こそ、ミリアム様に感謝しているくらいだ。
「キャリーヌにとってもミリアム殿下は大切な存在なのね。辛い思いをしてこの国に来たあなたが、この国で大切な友人が出来たと事は、私もとても嬉しいわ。キャリーヌ、もしあなたが望むなら、ずっとここにいたらいいからね」
そう言って優しく微笑んでくれるお姉様。
ずっとこの国にか…
「ありがとうございます、それもいいかもしれませんね。でも、いつまでもお姉様やお義兄様にご迷惑をかける訳にはいきませんし」
「私もキャリーヌが、ずっとこの国にいてくれたら嬉しいよ。この国で気に入った令息を見つけて結婚するのもいいだろう。君ならきっと、引っ張りだこだな」
そう言ってお義兄様が笑っていた。
「さあ、王宮に着いたわ。キャリーヌ、行きましょうか」
「はい」
お姉様夫婦と一緒に馬車を降りた。久しぶりの夜会、それも今日はミリアム様のお家の夜会だ。せっかくだから、目いっぱい楽しませてもらおう。
お姉様が嬉しそうに、立派なドレスを持ってきてくれたのだ。この国に来て早2ヶ月。明日はこの国に来て初めての夜会に参加する事になっているのだ。
「お母様がですか?お母様、元気にしているのね。よかったわ」
「ええ、とても元気にしているみたいよ。国王陛下も先日無事帰国された様よ。陛下ったら、サミュエル殿下が上手く国をまとめている事を良い事に、2ヶ月たってやっと帰国するだなんて、呑気なものよね。でも、これで一気に話が進むと思うわ。だからもう、キャリーヌが心配する事は何もないの。あなたは今を楽しんで」
国王陛下がやっと帰国されたのか。陛下はきっと、今回のジェイデン殿下の行いを絶対に許さないだろう。ただ、ジェイデン殿下にはディステル王国の王女、ラミア殿下が付いているし。今後ディステル王国との関係を強めていきたい陛下も、あまり強くは出られないだろう。
それでもお父様が第二王子でもあるサミュエル殿下側に付いたことで、貴族の間でもジェイデン派とサミュエル派に分かれて対立する事は目に見えている。
増々アラステ王国は混乱するわね…
「キャリーヌ、どうしたの?また難しい顔をして。あなたが心配するような事は、何一つないの。それよりもどう?素敵なドレスだと思わない?」
「確かに素敵なドレスですね。でも、どうして青色なのかしら?」
「あら、素敵じゃない。まるで空の色の様だわ」
確かに美しい空の色をイメージさせる、スカイブルーでとても美しい。お母様がせっかく贈って下さったドレスですもの。着ないなんて選択肢、ないわよね。
ただ…
“キャリーヌ、大好きだよ。ずっと一緒にいようね”
なぜか幼い頃のサミュエル殿下の顔が浮かんだのだ。青はサミュエル殿下の瞳の色なのだ。ジェイデン殿下から婚約解消をされて以降、なぜかサミュエル殿下の事を思い出す。
子供の頃、ずっと一緒だったサミュエル殿下。私はあの頃、彼の事が好きだった。いつも私に寄り添い、意地悪をする子がいれば、体を張って守ってくれたサミュエル殿下が。
でも私は結局、彼を裏切りジェイデン殿下を選んだのだ。現にジェイデン殿下と婚約して以降、サミュエル殿下は私を避ける様になったし…
きっと今でも私の事を嫌っているだろう。私は彼を裏切り、兄でもあるジェイデン殿下を選んだのだから…
て、今更そんな事を考えても仕方がない。明日はミリアム様のお家で開かれる大切な夜会だ。目いっぱい楽しまないと!
翌日。
青いドレスに身を包み、お姉様夫婦と一緒に馬車に乗り込んだ。
「キャリーヌは、カリアン王国での夜会は初めてだったわよね。今後どうなるか分からないけれど、せっかくだからあなたを皆に紹介するわね。それにしても、あなたがまさかあのミリアム殿下と友人になるだなんて。陛下や王妃殿下、王太子殿下からはとても感謝されているのよ」
そういえば以前ミリアム様のお家に遊びに行った時、なぜか王族一同で迎えられ、何度もお礼を言われた。王妃殿下に至っては、涙まで流していたしたし。でも私は、何もしていないのだが…
「ミリアム様は確かに少し口下手のところはありますが、とてもお優しくて素敵な方ですわ。なぜか私、令嬢たちに嫌われていて…そんな中、友達になって下さったのが、ミリアム様なのです。彼女のお陰で私は、学院生活を楽しく送っていると言っても過言ではありませんわ」
ミリアム様のお陰で私は、楽しい学院生活を送れているのだ。私の方こそ、ミリアム様に感謝しているくらいだ。
「キャリーヌにとってもミリアム殿下は大切な存在なのね。辛い思いをしてこの国に来たあなたが、この国で大切な友人が出来たと事は、私もとても嬉しいわ。キャリーヌ、もしあなたが望むなら、ずっとここにいたらいいからね」
そう言って優しく微笑んでくれるお姉様。
ずっとこの国にか…
「ありがとうございます、それもいいかもしれませんね。でも、いつまでもお姉様やお義兄様にご迷惑をかける訳にはいきませんし」
「私もキャリーヌが、ずっとこの国にいてくれたら嬉しいよ。この国で気に入った令息を見つけて結婚するのもいいだろう。君ならきっと、引っ張りだこだな」
そう言ってお義兄様が笑っていた。
「さあ、王宮に着いたわ。キャリーヌ、行きましょうか」
「はい」
お姉様夫婦と一緒に馬車を降りた。久しぶりの夜会、それも今日はミリアム様のお家の夜会だ。せっかくだから、目いっぱい楽しませてもらおう。
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