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第1話:私に側妃になれと?
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「キャリーヌ、マディスン公爵、本当に申し訳ないのだが、僕はディステル王国のラミア王女と、正式に婚約を結ぶことにしたんだ」
私の婚約者でもあるこの国の第一王子兼王太子殿下のジェイデン様が、そんなふざけたことを言ってきたのだ。この人、何を言っているの?あなたは私と婚約しているのでしょう?
隣にいたお父様も同じことを思ったのか
「ジェイデン殿下、何をおっしゃられているのですか?あなた様は、キャリーヌと婚約しているのですよ。そもそも、あなた様がキャリーヌとの婚約を熱望したのではありませんか。それなのに、ラミア王女と婚約を結ぶだなんて…この事は、陛下は知っているのですか?」
「父上も知っているよ。ただ…反対しているけれどね。だから直接、あなた達に交渉しようと思って」
なるほど…
そりゃそうだろう。既に婚約を結んでいる令嬢と婚約を解消して、他国の王女と婚約を結び直すだなんて。それに我が家はこの国で3本の指に入るほどの大貴族。その上何の落ち度もない私に、一方的に婚約解消を求めるだなんて…
これほどまでに、我が家をバカにした話はないだろう。
お父様もジェイデン様のあまりにも我が家を軽視した発言に
「ふざけた事をおっしゃるのは止めて下さい。娘を何だと思っているのですか?こんな事は許されませんぞ!」
と、顔を真っ赤にして怒っている。
でも…
正直婚約者1人大切に出来ない様なこの人と、このまま婚約を継続できたとしても、幸せになれるとは思えない。
「お父様、もういいですわ。ジェイデン様…いいえ、ジェイデン殿下、ラミア様とのご婚約、おめでとうございます。早速私との婚約を解消いたしましょう」
大きな声で、ジェイデン殿下にそう伝えた。そんな私にお父様は、目を大きく見開き、かなり驚いている。
“キャリーヌ、一体何を言っているのだ!この男の我が儘で、婚約を結んだのだぞ。それを今更、他の女と婚約をしたいだなんて。あまりにもキャリーヌを軽視している”
“確かにそうですが、他の女性と婚約を結びたいという人と無理やり結婚させられても、きっと私は幸せにはなれません。それなら潔く婚約解消をして、一から出直した方がずっといいですわ”
ジェイデン殿下と婚約を結んでから、早7年。この7年、お互いそれなりに大切に思い合って来たつもりだった。でも、彼は違ったのだろう。3ヶ月前から視察でやって来たラミア王女と恋に落ち、その結果7年も一緒にいた私を、あっけなく捨てるのだから…
“確かにキャリーヌの言う事も一理ある。あんな不誠実な男に、大切なキャリーヌはやれないな…分かった”
「さっきから何を2人でコソコソと話をしているのだい?」
ジェイデン殿下が、不審そうな顔をしている。
「ジェイデン殿下、あなた様と娘の婚約解消を認めましょう。今すぐこの場でサインいたします。すぐに書類を持ってきてくれ」
近くに控えていた執事に、お父様が指示を出している。
「婚約解消届の紙なら、既に準備してあるよ。どうぞこちらにサインをしてもらえるかい?」
珍しくジェイデン殿下が、婚約解消届を準備していた様だ。
我が国では婚約できる相手は、1人だけ。婚約者がいる男性が新たに別の女性と婚約したい場合は、元の婚約者と婚約を解消しないといけないのだ。
きっとこの人の事だから、ラミア王女との婚約届を出したものの、受理されなかったのだろう…
まあ、この人たちの理由なんてどうでもいいわ。
お父様と一緒に急いでサインをした。
「これで僕とキャリーヌの婚約は解消された。でも安心して欲しい、キャリーヌには僕の側妃として迎え入れるつもりだから」
はっ?側妃?
「殿下、あなた様は何をおっしゃられているのですか?我が国には、側妃制度は廃止されました。一夫一妻制ですよ!」
あまりにもふざけたことを抜かすので、つい叫んでしまった。この国では重婚は認められていないのだ。もちろん、側妃を持つ事も禁止されている。
「でも僕は、キャリーヌも愛しているのだよ。ラミア王女の国では、王族は側妃を持つことが出来るそうだ。それに我が国だって、昔はあった制度だし。だからわが国でも…」
「いい加減にしてください!娘を一体何だと思っているのですか?側妃?ふざけるのも大概にして下さい。我が国では、結婚できる人数は1人だけです。キャリーヌ、無事婚約解消出来たんだ。さあ、帰るぞ。殿下、もう二度と、キャリーヌには近づかないで下さい」
お父様が私の腕を掴み、部屋から出ていこうとしている。私ももちろん、お父様に付いていく。
「どうしても僕の言うことが聞けないというのかい?わかったよ…キャリーヌを今すぐ地下牢に投獄しろ!」
何を思ったのか、ジェイデン殿下がそう叫んだのだった。
~あとがき~
新連載始めました。
ご都合主義全開ですが、よろしくお願いしますm(__)m
私の婚約者でもあるこの国の第一王子兼王太子殿下のジェイデン様が、そんなふざけたことを言ってきたのだ。この人、何を言っているの?あなたは私と婚約しているのでしょう?
隣にいたお父様も同じことを思ったのか
「ジェイデン殿下、何をおっしゃられているのですか?あなた様は、キャリーヌと婚約しているのですよ。そもそも、あなた様がキャリーヌとの婚約を熱望したのではありませんか。それなのに、ラミア王女と婚約を結ぶだなんて…この事は、陛下は知っているのですか?」
「父上も知っているよ。ただ…反対しているけれどね。だから直接、あなた達に交渉しようと思って」
なるほど…
そりゃそうだろう。既に婚約を結んでいる令嬢と婚約を解消して、他国の王女と婚約を結び直すだなんて。それに我が家はこの国で3本の指に入るほどの大貴族。その上何の落ち度もない私に、一方的に婚約解消を求めるだなんて…
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お父様もジェイデン様のあまりにも我が家を軽視した発言に
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と、顔を真っ赤にして怒っている。
でも…
正直婚約者1人大切に出来ない様なこの人と、このまま婚約を継続できたとしても、幸せになれるとは思えない。
「お父様、もういいですわ。ジェイデン様…いいえ、ジェイデン殿下、ラミア様とのご婚約、おめでとうございます。早速私との婚約を解消いたしましょう」
大きな声で、ジェイデン殿下にそう伝えた。そんな私にお父様は、目を大きく見開き、かなり驚いている。
“キャリーヌ、一体何を言っているのだ!この男の我が儘で、婚約を結んだのだぞ。それを今更、他の女と婚約をしたいだなんて。あまりにもキャリーヌを軽視している”
“確かにそうですが、他の女性と婚約を結びたいという人と無理やり結婚させられても、きっと私は幸せにはなれません。それなら潔く婚約解消をして、一から出直した方がずっといいですわ”
ジェイデン殿下と婚約を結んでから、早7年。この7年、お互いそれなりに大切に思い合って来たつもりだった。でも、彼は違ったのだろう。3ヶ月前から視察でやって来たラミア王女と恋に落ち、その結果7年も一緒にいた私を、あっけなく捨てるのだから…
“確かにキャリーヌの言う事も一理ある。あんな不誠実な男に、大切なキャリーヌはやれないな…分かった”
「さっきから何を2人でコソコソと話をしているのだい?」
ジェイデン殿下が、不審そうな顔をしている。
「ジェイデン殿下、あなた様と娘の婚約解消を認めましょう。今すぐこの場でサインいたします。すぐに書類を持ってきてくれ」
近くに控えていた執事に、お父様が指示を出している。
「婚約解消届の紙なら、既に準備してあるよ。どうぞこちらにサインをしてもらえるかい?」
珍しくジェイデン殿下が、婚約解消届を準備していた様だ。
我が国では婚約できる相手は、1人だけ。婚約者がいる男性が新たに別の女性と婚約したい場合は、元の婚約者と婚約を解消しないといけないのだ。
きっとこの人の事だから、ラミア王女との婚約届を出したものの、受理されなかったのだろう…
まあ、この人たちの理由なんてどうでもいいわ。
お父様と一緒に急いでサインをした。
「これで僕とキャリーヌの婚約は解消された。でも安心して欲しい、キャリーヌには僕の側妃として迎え入れるつもりだから」
はっ?側妃?
「殿下、あなた様は何をおっしゃられているのですか?我が国には、側妃制度は廃止されました。一夫一妻制ですよ!」
あまりにもふざけたことを抜かすので、つい叫んでしまった。この国では重婚は認められていないのだ。もちろん、側妃を持つ事も禁止されている。
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「いい加減にしてください!娘を一体何だと思っているのですか?側妃?ふざけるのも大概にして下さい。我が国では、結婚できる人数は1人だけです。キャリーヌ、無事婚約解消出来たんだ。さあ、帰るぞ。殿下、もう二度と、キャリーヌには近づかないで下さい」
お父様が私の腕を掴み、部屋から出ていこうとしている。私ももちろん、お父様に付いていく。
「どうしても僕の言うことが聞けないというのかい?わかったよ…キャリーヌを今すぐ地下牢に投獄しろ!」
何を思ったのか、ジェイデン殿下がそう叫んだのだった。
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