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第8話:ペリオリズモス王国での生活が始まります
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「さあ、シャリー、オリビア。疲れただろう。王宮に向かおう」
お父様に抱っこされたまま、すぐ近くにある大きなお城へと向かった。お城に入ると、たくさんの人がこちらに向かって頭を下げていた。それにしても、すごい数ね。この人たち、皆王宮で働く使用人なのかしら?
それにとても広くて、綺麗なカーペットが敷かれている。あら?あの上にあるのは、噂のシャンデリアというのもね。昨日のホテルもすごかったけれど、このお城、ホテルとは比べ物にならない程立派だわ。
ついキョロキョロとしてしまう。
「さあ、ここがオリビアの部屋だよ。オリビアが好きな色が分からなかったから、白とピンクを基調にしたのだが、どうだろう。気に入らない点があれば、すぐに模様替えを行うから」
お父様が案内してくれたのは、とても広くて可愛いお部屋だ。この部屋だけで、私とお母様が住んでいた家3軒分くらいありそうだ。
「お父様、素敵なお部屋を、ありがとうございます。こんなにも立派な部屋に、私が住んでもいいのかしら?」
「当たり前だろう。オリビアは国王でもある私の唯一の娘だ。今まで我慢させてしまった分、どうかこれからはどんどん我が儘を言って欲しい。それが私にできる、オリビアへの唯一の償いだと思っているよ。それから後ろに控えているのが、君の専属メイドたちだ」
後ろを向くと、5人ものメイド服を着た女性たちが控えていた。そのうちの1人は、クリアだ。私1人に5人ものメイドを付けてくれるなんて。お父様は太っ腹ね。
せっかくなので、早速部屋を探検しようと思ったのだが。
「オリビア、お腹が空いただろう。少し遅くなってしまったが夕食にしよう。こっちにおいで」
お父様に手を引かれ、今度は食堂へと向かったのだが…
これが食堂?村の集会場の3倍はあろうかという広い場所に、机とイスが並んでいた。こんな広い場所で食事をするなんて。それも3人よね?
固まる私をイスに座らせ、早速食事スタートだ。前菜から始まり、スープやサラダ、メイン料理が3品、デザートまで。贅沢な食事が並んだ。あまりのご馳走に、つい興奮してしまう。ふとお母様の方を見ると、普通に食べていた。そうか、お母様は元侯爵令嬢と言っていた。きっとこの様な食事が、普通だったのだろう。
それにしても、お母様がきちんとテーブルマナーを叩き込んでくれたから、今もスムーズに食べられる。その点は、お母様に感謝ね。
食後、さっきの部屋に戻る。どうやらお父様とお母様のお部屋は、別の場所らしい。今日は5人がかりで私のお世話をしてくれるメイドたち。あっという間に湯あみを済ませ、ベッドに入る。
5人は眠れるのではないかというくらい大きなベッド。それに、フカフカだ。昨日はお父様とお母様と一緒に寝たけれど、今日は1人。なんだか寂しいな。
そう思いつつも、あっという間に眠った。
翌日、今日は私の服をオーダーメイドで作る為、デザイナーと呼ばれる人が来て、採寸を行った。さらに、クリアが私の為に、王宮内を案内してくれる。図書館も案内してもらったが、村の図書館とは比べ物にならない程大きくて広かった。
もちろん、恋愛小説も沢山あったので、何冊か借りようと思ったのだが。
「陛下がオリビア殿下の為に、お部屋に恋愛小説が詰まった本棚をご用意してくださっております。今日の午後には、お部屋に運び終わりますので」
そう教えてくれた。クリアが言った通り、午後、私の部屋に大きな本棚と、これでもかというくらい、たくさんの恋愛小説が詰められた。さすがにこんなにも読めないわ。そう思いつつも、嬉しくてたまらない。
「オリビア王女、陛下がお呼びです」
早速小説を読もうと思ったのだが、メイドに呼ばれてしまった。仕方がない、後にしよう。
一旦小説を置き、お父様のいる場所へと向かう。すると、なぜか馬車の前で待っているお父様とお母様の姿が。2人とも黒っぽい服を着ている。
「さあ、行こうか」
何が何だか分からないまま、馬車に乗り込んだ。向った先は…
「お墓?」
沢山のお墓だ立ち並んでいる。ただ、どれも立派だ。
「オリビア、ここは貴族たちの墓だよ。さあ、おいで」
お父様に連れられ、お墓の奥へと入って行く。すると、立派なお墓の前でとまった。
「オリビア、ここには私の両親と弟が眠っているの。あなたのおじい様とおばあ様、叔父様よ」
お母様がそう教えてくれた。使用人たちから花束を受け取り、皆で供える。
「お父様、お母様、デリス、ずっと来られなくてごめんなさい。娘のオリビアよ。私、この国に戻ってきたわ。これからはちゃんと、定期的に顔を出すから…」
お母様が墓前に向かって泣き崩れている。そんなお母様を、お父様が優しく抱きしめていた。そうか、私のおじい様とおばあ様、それに叔父様はアイ何とかに殺されたのよね…
おじい様、おばあ様、それに叔父様、初めまして。オリビアです。お母様の事は私がしっかり守るから、安心してください。
これで良しっと!
私もしっかり3人に挨拶をしておいた。
「さあ、シャリー、そろそろ帰ろう。またいつでも来られるからね」
中々動かないお母様を抱きかかえ、再び馬車に戻ったのだった。
そして翌日からは、家庭教師という人がやって来て、王女としてのお勉強が始まった。元々お勉強は嫌いではない私。それにうまく出来ると、大げさなくらい褒めてくれるのだ。それが嬉しくてたまらない。
今日も
「オリビア殿下は本当に吸収力が半端ないですわ。昨日教えた事を、もうマスターしてしまわれたなんて。素晴らしいとしか言いようがありません」
と、褒めてくれた。そんな風に言われると、私もつい張り切ってしまう。
それに護衛騎士もメイドも、皆とても親切だ。お父様も、時間を見つけては会いに来てくれるし。ただ…
お母様の姿をあまり見かけない。食事のときは姿を現すが、食べ終わるとすぐに食堂から出て行ってしまうのだ。今まではずっとお母様と一緒だったのに…
「ねえ、クリア。お母様は何をなさっているのかしら?ここに来てから、食事のときしか顔を見せてくれないの。もしかして、私の事、嫌いになってしまったのかしら?」
ついクリアにそんな事を聞いてしまった。
「オリビア殿下、シャリー王妃様は今、立派な王妃になる為に殿下と同じように猛勉強をされているのです。それこそ、オリビア殿下以上に。母君に会えずに、寂しいかとは思いますが、王妃様は殿下の事を、今でも大切に思っていらっしゃると思いますわ。ですから、そんな悲しそうなお顔をなさらないで下さい」
そう言って慰めてくれた。そうか、お母様も今、勉強を頑張っているのか。寂しいけれど…それなら仕方ないわね。
私も早く皆に王女と認めてもらえる様に、頑張らないと!
お父様に抱っこされたまま、すぐ近くにある大きなお城へと向かった。お城に入ると、たくさんの人がこちらに向かって頭を下げていた。それにしても、すごい数ね。この人たち、皆王宮で働く使用人なのかしら?
それにとても広くて、綺麗なカーペットが敷かれている。あら?あの上にあるのは、噂のシャンデリアというのもね。昨日のホテルもすごかったけれど、このお城、ホテルとは比べ物にならない程立派だわ。
ついキョロキョロとしてしまう。
「さあ、ここがオリビアの部屋だよ。オリビアが好きな色が分からなかったから、白とピンクを基調にしたのだが、どうだろう。気に入らない点があれば、すぐに模様替えを行うから」
お父様が案内してくれたのは、とても広くて可愛いお部屋だ。この部屋だけで、私とお母様が住んでいた家3軒分くらいありそうだ。
「お父様、素敵なお部屋を、ありがとうございます。こんなにも立派な部屋に、私が住んでもいいのかしら?」
「当たり前だろう。オリビアは国王でもある私の唯一の娘だ。今まで我慢させてしまった分、どうかこれからはどんどん我が儘を言って欲しい。それが私にできる、オリビアへの唯一の償いだと思っているよ。それから後ろに控えているのが、君の専属メイドたちだ」
後ろを向くと、5人ものメイド服を着た女性たちが控えていた。そのうちの1人は、クリアだ。私1人に5人ものメイドを付けてくれるなんて。お父様は太っ腹ね。
せっかくなので、早速部屋を探検しようと思ったのだが。
「オリビア、お腹が空いただろう。少し遅くなってしまったが夕食にしよう。こっちにおいで」
お父様に手を引かれ、今度は食堂へと向かったのだが…
これが食堂?村の集会場の3倍はあろうかという広い場所に、机とイスが並んでいた。こんな広い場所で食事をするなんて。それも3人よね?
固まる私をイスに座らせ、早速食事スタートだ。前菜から始まり、スープやサラダ、メイン料理が3品、デザートまで。贅沢な食事が並んだ。あまりのご馳走に、つい興奮してしまう。ふとお母様の方を見ると、普通に食べていた。そうか、お母様は元侯爵令嬢と言っていた。きっとこの様な食事が、普通だったのだろう。
それにしても、お母様がきちんとテーブルマナーを叩き込んでくれたから、今もスムーズに食べられる。その点は、お母様に感謝ね。
食後、さっきの部屋に戻る。どうやらお父様とお母様のお部屋は、別の場所らしい。今日は5人がかりで私のお世話をしてくれるメイドたち。あっという間に湯あみを済ませ、ベッドに入る。
5人は眠れるのではないかというくらい大きなベッド。それに、フカフカだ。昨日はお父様とお母様と一緒に寝たけれど、今日は1人。なんだか寂しいな。
そう思いつつも、あっという間に眠った。
翌日、今日は私の服をオーダーメイドで作る為、デザイナーと呼ばれる人が来て、採寸を行った。さらに、クリアが私の為に、王宮内を案内してくれる。図書館も案内してもらったが、村の図書館とは比べ物にならない程大きくて広かった。
もちろん、恋愛小説も沢山あったので、何冊か借りようと思ったのだが。
「陛下がオリビア殿下の為に、お部屋に恋愛小説が詰まった本棚をご用意してくださっております。今日の午後には、お部屋に運び終わりますので」
そう教えてくれた。クリアが言った通り、午後、私の部屋に大きな本棚と、これでもかというくらい、たくさんの恋愛小説が詰められた。さすがにこんなにも読めないわ。そう思いつつも、嬉しくてたまらない。
「オリビア王女、陛下がお呼びです」
早速小説を読もうと思ったのだが、メイドに呼ばれてしまった。仕方がない、後にしよう。
一旦小説を置き、お父様のいる場所へと向かう。すると、なぜか馬車の前で待っているお父様とお母様の姿が。2人とも黒っぽい服を着ている。
「さあ、行こうか」
何が何だか分からないまま、馬車に乗り込んだ。向った先は…
「お墓?」
沢山のお墓だ立ち並んでいる。ただ、どれも立派だ。
「オリビア、ここは貴族たちの墓だよ。さあ、おいで」
お父様に連れられ、お墓の奥へと入って行く。すると、立派なお墓の前でとまった。
「オリビア、ここには私の両親と弟が眠っているの。あなたのおじい様とおばあ様、叔父様よ」
お母様がそう教えてくれた。使用人たちから花束を受け取り、皆で供える。
「お父様、お母様、デリス、ずっと来られなくてごめんなさい。娘のオリビアよ。私、この国に戻ってきたわ。これからはちゃんと、定期的に顔を出すから…」
お母様が墓前に向かって泣き崩れている。そんなお母様を、お父様が優しく抱きしめていた。そうか、私のおじい様とおばあ様、それに叔父様はアイ何とかに殺されたのよね…
おじい様、おばあ様、それに叔父様、初めまして。オリビアです。お母様の事は私がしっかり守るから、安心してください。
これで良しっと!
私もしっかり3人に挨拶をしておいた。
「さあ、シャリー、そろそろ帰ろう。またいつでも来られるからね」
中々動かないお母様を抱きかかえ、再び馬車に戻ったのだった。
そして翌日からは、家庭教師という人がやって来て、王女としてのお勉強が始まった。元々お勉強は嫌いではない私。それにうまく出来ると、大げさなくらい褒めてくれるのだ。それが嬉しくてたまらない。
今日も
「オリビア殿下は本当に吸収力が半端ないですわ。昨日教えた事を、もうマスターしてしまわれたなんて。素晴らしいとしか言いようがありません」
と、褒めてくれた。そんな風に言われると、私もつい張り切ってしまう。
それに護衛騎士もメイドも、皆とても親切だ。お父様も、時間を見つけては会いに来てくれるし。ただ…
お母様の姿をあまり見かけない。食事のときは姿を現すが、食べ終わるとすぐに食堂から出て行ってしまうのだ。今まではずっとお母様と一緒だったのに…
「ねえ、クリア。お母様は何をなさっているのかしら?ここに来てから、食事のときしか顔を見せてくれないの。もしかして、私の事、嫌いになってしまったのかしら?」
ついクリアにそんな事を聞いてしまった。
「オリビア殿下、シャリー王妃様は今、立派な王妃になる為に殿下と同じように猛勉強をされているのです。それこそ、オリビア殿下以上に。母君に会えずに、寂しいかとは思いますが、王妃様は殿下の事を、今でも大切に思っていらっしゃると思いますわ。ですから、そんな悲しそうなお顔をなさらないで下さい」
そう言って慰めてくれた。そうか、お母様も今、勉強を頑張っているのか。寂しいけれど…それなら仕方ないわね。
私も早く皆に王女と認めてもらえる様に、頑張らないと!
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