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第22話:パンドラ王国に帰る事になりました
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「レティシア、とにかく入って頂いたら?」
混乱する私にそう声をかけて来たのは、リリアンさんだ。
「あなたはレティシアを今まで保護してくれた人ですね。レティシアがお世話になりました。もちろん、褒美はお渡ししますよ。それから、ここに案内してくれたあなたもね」
ふと騎士団長の隣に居る女性。彼女はリリアンさんと一緒に役場で働いている女性だ。
「あんた、まさかレティシアを売ったの?何て事をしたの!レティシアは明日自ら王宮に向かおうとしていたのに」
「私は別に、レティシアの事を知っていたから報告したまでよ。3,000,0000マネーは皆でちゃんと分けるつもりだったのよ」
「ふざけないで!私はそんなお金なんて要らないわ!それよりも王太子殿下、レティシアをどうなさるおつもりですか?」
リリアンさんがリアム様に問いかけた。
「どうする?そんな事は決まっているだろう。レティシアはこのままパンドラ王国に連れて帰るよ。彼女は僕の婚約者なんだ。もうすぐ結婚式も控えているしね。さあ、レティシア、とりあえず近くにホテルを取っている。早速そこに向かおう」
そう言うと、私を抱きかかえた。
「お待ちください、リアム様。急にそんな事を言われても困ります。とにかく明日帰る準備を行いますので、今日はここに泊まらせてください」
国に帰るとなれば、ここに戻って来る事は二度とないだろう。とにかくお世話になった人たちに挨拶もしたいし、家の片付けもやりたいのだ。
「レティシアは僕をからかっているのかい?そう言ってまた逃げられたらたまらないからね。正直もう離すつもりもない。ここにあるものは、後で国に運ばせるから大丈夫だよ。さあ、ホテルに向かおう」
そう言うと、歩きはじめたリアム様。
「「レティシアおねえちゃん!」」
外では何事かと村の人が集まっていた。そして私の姿を見つけたミリアとダニーが走って来た。
「ミリア、ダニー、ごめんね。もうお別れなの。でもあなた達の事は決して忘れないわ。リリアンさん、それに村の方々、今まで本当にお世話になりました。ありがとうございます」
リアム様に抱きかかえられたまま皆に頭を下げた。
「お待ちください。こんな別れ方はあんまりです。どうかレティシアと最後にお別れを…」
そう叫ぶリリアンさんを王宮騎士団長が制止した。
「ちっ!田舎の村だと思っていたが、随分と男もいるんだな…美しいレティシアをこれ以上男たちの目に晒したくない」
ぼそりとそう言ったリアム様。次の瞬間、頭からストールを被せられた。そしてそのまま馬車に乗せられる。
「リアム様、これでは何も見えませんわ。皆様に手を振りたいのに」
「どうして手を振る必要があるのだい?君は自分の置かれている状況を理解しているのか?僕はね、もう君を他人に晒すつもりはないよ。結婚式が終わったら、ずっと籠の中で生きてもらうからね…」
耳元で囁くリアム様。本当に、一体どうしてしまったのかしら…
ゆっくり馬車が動き出した。最後にこの村を見ておきたい、そんな私の願いももちろん聞き入れられる事はなかった。それどころか
「君は僕が思いもよらない方法で逃げ出すからね」
そう言うと、私の首と腕を鎖を繋いだ。これではまるで犯罪者か奴隷だ。
「リアム様、さすがにこんな事をしなくても…」
「これでもまだ足りないくらいだ!いいかい?君は僕を捨てて逃げたんだ!その事を肝に銘じておくんだ。とにかく、僕はもう君と1秒だって離れたくはない。レティシア、愛しているよ。もう二度と離さないからね…」
そう言うと強く抱きしめられた。しばらく走ると、やっと頭から被っていたストールを取ってもらった。ふと周りを見渡すと、既に真っ暗だ。半年以上過ごしたあの村と、村の皆とこんな形でお別れになってしまうなんて…
そう思ったら、涙が込み上げて来た。
「どうして泣くんだい?僕が側にいるのに…」
悲しそうに問いかけるリアム様。
「ごめんなさい、半年以上お世話になった村だったので、皆さんにしっかりお礼を言いたかったのです。特にリリアンさんを始め、女性たちには色々とお世話になったので…」
「レティシア、その事に関しては心配いらないよ。僕の方からしっかり彼女達にはお礼をしておくからね。特にリリアンと言う女性には、随分と君がお世話になったと聞いているしね。だからもうあの村の事は心配しなくていい。これからは、僕と共に歩む未来だけを考えるんだ。いいね!約束だよ!」
「ええ…分かりましたわ…」
かなりやつれているうえ、目が血走っている。正直、こんなリアム様を見るのは初めてだ。今までに感じた事のない恐怖すら覚える。それでもリアム様の腕の中は、あの頃とは変わらず温かくて落ち着く。
その温もりが心地よくて、いつの間にかウトウトしてしまった。
ガタン
大きな音にびっくりして目を覚ます。どうやら馬車が停まった様だ。
「レティシア、ごめんね。起こしてしまったみたいだね。今日泊まるホテルに着いた様だ。さあ、早く部屋に向かおう。お腹も空いたよね。僕が抱っこして連れて行ってあげるから、そのまま眠っていてもいいよ」
そう言うと、私を抱きかかえて馬車を降り、さっさと部屋へと向かったリアム様。さっきまで眠っていたせいか、頭がまだボーっとしている。部屋に入ると、目の前には物凄く大きな窓が目に飛び込んできた。それに、物凄く広い。
まるで王宮や公爵家の部屋を思い起こさせる様な豪華な作りだ。それに窓の外には、美しい夜景が広がっている。あまりの美しさに、つい窓の近くまで歩いて行こうとしたのだが…
「レティシア、勝手に歩いていいなんて言っていないよ。ほら、こっちに来るんだ」
首と腕に付けられた鎖を手繰り寄せられ、再びリアム様の腕に戻された。
「リアム様、ここはホテルです。どうかこの鎖を外してください」
そう訴えた。
「分かったよ。本当は国に帰ってから設置しようと思っていたんだけれどね。まあいい」
そう言うと、側に控えていた執事に何かを伝えている。一体何が始まるというの?
混乱する私にそう声をかけて来たのは、リリアンさんだ。
「あなたはレティシアを今まで保護してくれた人ですね。レティシアがお世話になりました。もちろん、褒美はお渡ししますよ。それから、ここに案内してくれたあなたもね」
ふと騎士団長の隣に居る女性。彼女はリリアンさんと一緒に役場で働いている女性だ。
「あんた、まさかレティシアを売ったの?何て事をしたの!レティシアは明日自ら王宮に向かおうとしていたのに」
「私は別に、レティシアの事を知っていたから報告したまでよ。3,000,0000マネーは皆でちゃんと分けるつもりだったのよ」
「ふざけないで!私はそんなお金なんて要らないわ!それよりも王太子殿下、レティシアをどうなさるおつもりですか?」
リリアンさんがリアム様に問いかけた。
「どうする?そんな事は決まっているだろう。レティシアはこのままパンドラ王国に連れて帰るよ。彼女は僕の婚約者なんだ。もうすぐ結婚式も控えているしね。さあ、レティシア、とりあえず近くにホテルを取っている。早速そこに向かおう」
そう言うと、私を抱きかかえた。
「お待ちください、リアム様。急にそんな事を言われても困ります。とにかく明日帰る準備を行いますので、今日はここに泊まらせてください」
国に帰るとなれば、ここに戻って来る事は二度とないだろう。とにかくお世話になった人たちに挨拶もしたいし、家の片付けもやりたいのだ。
「レティシアは僕をからかっているのかい?そう言ってまた逃げられたらたまらないからね。正直もう離すつもりもない。ここにあるものは、後で国に運ばせるから大丈夫だよ。さあ、ホテルに向かおう」
そう言うと、歩きはじめたリアム様。
「「レティシアおねえちゃん!」」
外では何事かと村の人が集まっていた。そして私の姿を見つけたミリアとダニーが走って来た。
「ミリア、ダニー、ごめんね。もうお別れなの。でもあなた達の事は決して忘れないわ。リリアンさん、それに村の方々、今まで本当にお世話になりました。ありがとうございます」
リアム様に抱きかかえられたまま皆に頭を下げた。
「お待ちください。こんな別れ方はあんまりです。どうかレティシアと最後にお別れを…」
そう叫ぶリリアンさんを王宮騎士団長が制止した。
「ちっ!田舎の村だと思っていたが、随分と男もいるんだな…美しいレティシアをこれ以上男たちの目に晒したくない」
ぼそりとそう言ったリアム様。次の瞬間、頭からストールを被せられた。そしてそのまま馬車に乗せられる。
「リアム様、これでは何も見えませんわ。皆様に手を振りたいのに」
「どうして手を振る必要があるのだい?君は自分の置かれている状況を理解しているのか?僕はね、もう君を他人に晒すつもりはないよ。結婚式が終わったら、ずっと籠の中で生きてもらうからね…」
耳元で囁くリアム様。本当に、一体どうしてしまったのかしら…
ゆっくり馬車が動き出した。最後にこの村を見ておきたい、そんな私の願いももちろん聞き入れられる事はなかった。それどころか
「君は僕が思いもよらない方法で逃げ出すからね」
そう言うと、私の首と腕を鎖を繋いだ。これではまるで犯罪者か奴隷だ。
「リアム様、さすがにこんな事をしなくても…」
「これでもまだ足りないくらいだ!いいかい?君は僕を捨てて逃げたんだ!その事を肝に銘じておくんだ。とにかく、僕はもう君と1秒だって離れたくはない。レティシア、愛しているよ。もう二度と離さないからね…」
そう言うと強く抱きしめられた。しばらく走ると、やっと頭から被っていたストールを取ってもらった。ふと周りを見渡すと、既に真っ暗だ。半年以上過ごしたあの村と、村の皆とこんな形でお別れになってしまうなんて…
そう思ったら、涙が込み上げて来た。
「どうして泣くんだい?僕が側にいるのに…」
悲しそうに問いかけるリアム様。
「ごめんなさい、半年以上お世話になった村だったので、皆さんにしっかりお礼を言いたかったのです。特にリリアンさんを始め、女性たちには色々とお世話になったので…」
「レティシア、その事に関しては心配いらないよ。僕の方からしっかり彼女達にはお礼をしておくからね。特にリリアンと言う女性には、随分と君がお世話になったと聞いているしね。だからもうあの村の事は心配しなくていい。これからは、僕と共に歩む未来だけを考えるんだ。いいね!約束だよ!」
「ええ…分かりましたわ…」
かなりやつれているうえ、目が血走っている。正直、こんなリアム様を見るのは初めてだ。今までに感じた事のない恐怖すら覚える。それでもリアム様の腕の中は、あの頃とは変わらず温かくて落ち着く。
その温もりが心地よくて、いつの間にかウトウトしてしまった。
ガタン
大きな音にびっくりして目を覚ます。どうやら馬車が停まった様だ。
「レティシア、ごめんね。起こしてしまったみたいだね。今日泊まるホテルに着いた様だ。さあ、早く部屋に向かおう。お腹も空いたよね。僕が抱っこして連れて行ってあげるから、そのまま眠っていてもいいよ」
そう言うと、私を抱きかかえて馬車を降り、さっさと部屋へと向かったリアム様。さっきまで眠っていたせいか、頭がまだボーっとしている。部屋に入ると、目の前には物凄く大きな窓が目に飛び込んできた。それに、物凄く広い。
まるで王宮や公爵家の部屋を思い起こさせる様な豪華な作りだ。それに窓の外には、美しい夜景が広がっている。あまりの美しさに、つい窓の近くまで歩いて行こうとしたのだが…
「レティシア、勝手に歩いていいなんて言っていないよ。ほら、こっちに来るんだ」
首と腕に付けられた鎖を手繰り寄せられ、再びリアム様の腕に戻された。
「リアム様、ここはホテルです。どうかこの鎖を外してください」
そう訴えた。
「分かったよ。本当は国に帰ってから設置しようと思っていたんだけれどね。まあいい」
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