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第9話:レティシアとの出会い【前編】~リアム視点~
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「リアム殿下、大変です。レティシア様の姿がどこにもありません」
「何だって?レシティアが?」
頭を鈍器で殴られた様な衝撃が襲う。一体何が起こっているのだ?状況が理解できない。
「王宮内を今探しているところでございます。とにかく、お気を確かに」
お気を確かにだって…僕の命より大切なレティシアがいなくなったんだぞ。気を確かになんて持てる訳がない!ふとある物を取り出す。古ぼけた小さな人形だ。その人形を強く抱きしめる。レティシア、どうして僕の側から居なくなったんだい?こんなにも君を愛しているのに…
~11年前~
「リアム殿下、どうしてあなたはこんなにも弱いのですか?こんな事では、立派な国王にはなれませんよ」
「ごめんなさい」
「とにかく、もっと練習して下さい。結果が全てなのですから」
そう言うと去って行った教育係。あの頃の僕は、国王と王妃の唯一の子供として、皆の期待に応えようととにかく必死だった。でも、どうしても剣だけは思う様に出来ない。時間を見つけては剣を振るっているけれど、一向に上達しないのだ。
結果が全て…
その言葉が、幼い僕の心に突き刺さる。もっと頑張らないと、もっと。父上や母上、家臣たちに認められる様に…
1人トボトボと剣を握りながら歩く。向かった先は、王宮の裏にある小さな丘だ。この場所は誰も来ないから、ゆっくり練習が出来る。毎日毎日剣を振るっているせいで、僕の手は豆が出来、さらに潰れている。
剣を握るのも痛いが、でも泣き言なんて言っていられない。僕は次期国王になるのだから。そんな思いを胸に丘に向かうと、そこには僕と同じ年くらいの歳の女の子がいたのだ。ピンク色の髪に水色の瞳をした、可愛らしい子だ。クソ、この場所は僕の秘密の場所なのに。どうしてこんなところに女の子がいるんだよ。そもそも、ここは王宮の敷地内だ。どうやって入ったんだよ!
イライラしながらしばらく女の子を見ていると、女の子に向かって犬のジョンが飛び掛かった。危ない!そう思ったのだが、なぜか女の子の頬をペロペロ舐めているジョン。ジョンは人間が嫌いで、僕以外の人間を見ると吠えるのに…
「くすぐったいわ。でも、可愛いわね。あなた、どこから来たの?」
ジョンに向かって話しかける女の子。
「もしかして、これが欲しいの?」
ポケットから取り出したのは、ビスケットだ。嬉しそうに食べるジョン。そんなジョンを女の子が嬉しそうに見つめている。その姿が可愛くて、つい見とれてしまった。そんな僕に気が付いたのはジョンだ。嬉しそうに僕に向かって走って来た。
すると女の子もこちらに向かって歩いて来る。
「こんにちは。あなた、このワンちゃんとお友達なの?」
興味津々で話しかけて来る女の子。
「こいつは僕が飼っているんだ。ジョンって言うんだよ」
「あなたジョンって言うのね。よろしくね。私はレティシア・トンプソンよ。あなたは?」
トンプソン公爵家の令嬢か。なるほど、だからこんなところにいたんだな。僕が王子とわかったら、どんな反応を示すだろう。でも、何となく正体を明かしたくない。そんな思いから
「僕は…リアム」
名前だけ伝えておいた。
「リアム?どこかで聞いた事がある名前ね。まあいいわ、一緒に遊びましょう」
そう言うと、僕の手を引っ張ったレティシア。どうやら僕の正体に気が付いていない様だ。ホッとしたのも束の間
「まあ、あなたの手、傷だらけじゃない。それにしても、リアム様は努力家なのね」
僕の手を見て、なぜかそんな事を言いだしたレティシア。一体この子は何を言っているんだ?僕なんて、周りの期待に応えられないダメ人間なのに…
「レティシアと言ったね。僕をからかっているのかい?どこをどう見たら、僕が努力家だって思うんだい?」
イライラしながら、レティシアに聞いた。すると
「だってこの手、剣を振り続けた事によって出来た傷でしょう?豆が出来るだけでも凄いのに、潰れているわ。昔お父様も、剣が苦手でよく豆が潰れる程練習したのですって。だから豆が潰れている手は、努力家の手なのよって、お母様が言っていたわ」
何だって。この国最強と言われたトンプソン公爵が、昔は剣が苦手だったって?彼は公爵家の嫡男で有りながら武術を極め、18歳で騎士団長にまで上りつめた男だ。そんな男が、剣が苦手だったなんて…
「本当に一生懸命努力しているのね。凄いわ。私なんて、毎日厳しいマナーレッスンが嫌で、しょっちゅう逃げ出しているのよ。今日も午後からのマナーレッスンを受けたくなかったから、お母様に無理を言って王宮に連れて来てもらったの」
そう言ってクスクス笑っているレティシア。
「ねえ、せっかくだから、一緒に遊びましょうよ。ジョンも一緒に。ね、いいでしょう?」
「でも僕は、剣の練習をしないとまた教育係に怒られるから…」
「まあ、こんなにも努力しているあなたを怒る教育係がいるの?なんて酷い人なのかしら?私が一言文句を言ってあげるわ。“あなた、リアム様の手を見た事があるの?努力を認めないなんて、教育係として失格よ”ってね。お母様がいつも言っているわ。一生懸命やって出来ないのは仕方ない、でも一生懸命やらずに出来ないなんて言うのは良くないわってね。だから、あなたの場合は仕方ない事なのよ。私の場合は一生懸命やっていないから、よくない方なんだけれどね…」
そう言うと、気まずそうな顔をしていた。何だろう、この子と話していると、心がスッと軽くなる。結果が全てと言われてきたけれど、でもそうではないのかもしれない。そんな気がして来た。
「分かったよ、レシティア、今日は一緒に遊ぼう」
「そう来なくっちゃ」
その後、2人と1匹で暗くなるまで遊んだ。なぜだろう、彼女といると心が安らぐ。彼女が笑っていると、僕も嬉しい気持ちになる。きっと僕は、レティシアを好きになってしまったんだ。レティシアの太陽の様な明るい笑顔が、僕がずっと抱えていたプレッシャーやコンプレックスを溶かしてくれる。そんな気がした。
夢の様な時間も、あっという間に終わってしまった。そう、もう日が暮れて来たのだ。
「もう日が沈みそうだわ。早く戻らないと、お母様に怒られるわ。リアム様、今日はありがとう。また一緒に遊びましょうね。そうだわ、これ。私の宝物なの。去年亡くなったおばあ様が私の為に作ってくれた人形よ。ミミちゃんって言うの。これ、あなたにあげるわ。それじゃあ、またね」
そう言って走って行くレティシア。ミミちゃんか、可愛いぬいぐるみだな。きっとレティシアをイメージしているのだろう、髪の色も瞳の色も、レティシアにそっくりだ。そう思った瞬間、ぬいぐるみが愛おしくてたまらなくなった。その場でギューッとぬいぐるみを抱きしめたのであった。
「何だって?レシティアが?」
頭を鈍器で殴られた様な衝撃が襲う。一体何が起こっているのだ?状況が理解できない。
「王宮内を今探しているところでございます。とにかく、お気を確かに」
お気を確かにだって…僕の命より大切なレティシアがいなくなったんだぞ。気を確かになんて持てる訳がない!ふとある物を取り出す。古ぼけた小さな人形だ。その人形を強く抱きしめる。レティシア、どうして僕の側から居なくなったんだい?こんなにも君を愛しているのに…
~11年前~
「リアム殿下、どうしてあなたはこんなにも弱いのですか?こんな事では、立派な国王にはなれませんよ」
「ごめんなさい」
「とにかく、もっと練習して下さい。結果が全てなのですから」
そう言うと去って行った教育係。あの頃の僕は、国王と王妃の唯一の子供として、皆の期待に応えようととにかく必死だった。でも、どうしても剣だけは思う様に出来ない。時間を見つけては剣を振るっているけれど、一向に上達しないのだ。
結果が全て…
その言葉が、幼い僕の心に突き刺さる。もっと頑張らないと、もっと。父上や母上、家臣たちに認められる様に…
1人トボトボと剣を握りながら歩く。向かった先は、王宮の裏にある小さな丘だ。この場所は誰も来ないから、ゆっくり練習が出来る。毎日毎日剣を振るっているせいで、僕の手は豆が出来、さらに潰れている。
剣を握るのも痛いが、でも泣き言なんて言っていられない。僕は次期国王になるのだから。そんな思いを胸に丘に向かうと、そこには僕と同じ年くらいの歳の女の子がいたのだ。ピンク色の髪に水色の瞳をした、可愛らしい子だ。クソ、この場所は僕の秘密の場所なのに。どうしてこんなところに女の子がいるんだよ。そもそも、ここは王宮の敷地内だ。どうやって入ったんだよ!
イライラしながらしばらく女の子を見ていると、女の子に向かって犬のジョンが飛び掛かった。危ない!そう思ったのだが、なぜか女の子の頬をペロペロ舐めているジョン。ジョンは人間が嫌いで、僕以外の人間を見ると吠えるのに…
「くすぐったいわ。でも、可愛いわね。あなた、どこから来たの?」
ジョンに向かって話しかける女の子。
「もしかして、これが欲しいの?」
ポケットから取り出したのは、ビスケットだ。嬉しそうに食べるジョン。そんなジョンを女の子が嬉しそうに見つめている。その姿が可愛くて、つい見とれてしまった。そんな僕に気が付いたのはジョンだ。嬉しそうに僕に向かって走って来た。
すると女の子もこちらに向かって歩いて来る。
「こんにちは。あなた、このワンちゃんとお友達なの?」
興味津々で話しかけて来る女の子。
「こいつは僕が飼っているんだ。ジョンって言うんだよ」
「あなたジョンって言うのね。よろしくね。私はレティシア・トンプソンよ。あなたは?」
トンプソン公爵家の令嬢か。なるほど、だからこんなところにいたんだな。僕が王子とわかったら、どんな反応を示すだろう。でも、何となく正体を明かしたくない。そんな思いから
「僕は…リアム」
名前だけ伝えておいた。
「リアム?どこかで聞いた事がある名前ね。まあいいわ、一緒に遊びましょう」
そう言うと、僕の手を引っ張ったレティシア。どうやら僕の正体に気が付いていない様だ。ホッとしたのも束の間
「まあ、あなたの手、傷だらけじゃない。それにしても、リアム様は努力家なのね」
僕の手を見て、なぜかそんな事を言いだしたレティシア。一体この子は何を言っているんだ?僕なんて、周りの期待に応えられないダメ人間なのに…
「レティシアと言ったね。僕をからかっているのかい?どこをどう見たら、僕が努力家だって思うんだい?」
イライラしながら、レティシアに聞いた。すると
「だってこの手、剣を振り続けた事によって出来た傷でしょう?豆が出来るだけでも凄いのに、潰れているわ。昔お父様も、剣が苦手でよく豆が潰れる程練習したのですって。だから豆が潰れている手は、努力家の手なのよって、お母様が言っていたわ」
何だって。この国最強と言われたトンプソン公爵が、昔は剣が苦手だったって?彼は公爵家の嫡男で有りながら武術を極め、18歳で騎士団長にまで上りつめた男だ。そんな男が、剣が苦手だったなんて…
「本当に一生懸命努力しているのね。凄いわ。私なんて、毎日厳しいマナーレッスンが嫌で、しょっちゅう逃げ出しているのよ。今日も午後からのマナーレッスンを受けたくなかったから、お母様に無理を言って王宮に連れて来てもらったの」
そう言ってクスクス笑っているレティシア。
「ねえ、せっかくだから、一緒に遊びましょうよ。ジョンも一緒に。ね、いいでしょう?」
「でも僕は、剣の練習をしないとまた教育係に怒られるから…」
「まあ、こんなにも努力しているあなたを怒る教育係がいるの?なんて酷い人なのかしら?私が一言文句を言ってあげるわ。“あなた、リアム様の手を見た事があるの?努力を認めないなんて、教育係として失格よ”ってね。お母様がいつも言っているわ。一生懸命やって出来ないのは仕方ない、でも一生懸命やらずに出来ないなんて言うのは良くないわってね。だから、あなたの場合は仕方ない事なのよ。私の場合は一生懸命やっていないから、よくない方なんだけれどね…」
そう言うと、気まずそうな顔をしていた。何だろう、この子と話していると、心がスッと軽くなる。結果が全てと言われてきたけれど、でもそうではないのかもしれない。そんな気がして来た。
「分かったよ、レシティア、今日は一緒に遊ぼう」
「そう来なくっちゃ」
その後、2人と1匹で暗くなるまで遊んだ。なぜだろう、彼女といると心が安らぐ。彼女が笑っていると、僕も嬉しい気持ちになる。きっと僕は、レティシアを好きになってしまったんだ。レティシアの太陽の様な明るい笑顔が、僕がずっと抱えていたプレッシャーやコンプレックスを溶かしてくれる。そんな気がした。
夢の様な時間も、あっという間に終わってしまった。そう、もう日が暮れて来たのだ。
「もう日が沈みそうだわ。早く戻らないと、お母様に怒られるわ。リアム様、今日はありがとう。また一緒に遊びましょうね。そうだわ、これ。私の宝物なの。去年亡くなったおばあ様が私の為に作ってくれた人形よ。ミミちゃんって言うの。これ、あなたにあげるわ。それじゃあ、またね」
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