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第52話:ついにクリスティル王国は滅びます
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慌てて外に出てみると、そこには今まで見た事のない程、沢山の民たちが集まっていたのだ。
「聖女様を追い出し、この国を滅茶苦茶にした国王を、私たちは絶対に許さない!今すぐ国王に裁きを!」
ものすごい勢いで王宮に侵入しようとする民たち。
「ぼ…僕は悪くない…ジャンティーヌ、助けてくれ…」
民たちのあまりの迫力に、完全に腰を抜かしているアーロン様。本当に情けない男だ。怒り狂う民たちの前に出る。
「聖女様!皆、この国を救って下さった聖女様だ。絶対に手を出すな」
私の姿を見た民たちが、一気に足を止めた。
「皆様、どうか落ち着いて下さい。現国王は今まさに、貴族会議によって、国王の座をはく奪されました。今後は今までの悪事を洗い出し、裁判にかけ、裁きを受ける予定です。唯一の王族でもある現国王陛下が失脚したことで、クリスティル王国は近々滅びます。そして、新しい国に生まれ変わる予定です。皆様のお怒りはごもっともです。ですが、どうか新しい国に生まれ変わろうとしているこの国を、見守っては頂けないでしょうか?」
彼らに向かって、必死に訴えた。すると…
「聖女様がそうおっしゃっているのだ。今の国王が失脚し、新しい国に生まれ変わるなら、私は賛成だ」
「私たちもです。聖女様、昔の様な健全な国に、どうか生まれ変わらせてください。お願いします」
民たちが私に頭を下げたのだ。でも…
「皆様、私は近く、グリーズン王国に戻ります。私はここにいるグリーズン王国の国王陛下、ジルド陛下と共に歩む未来を選んだのです。ですが、もちろんこの国を見捨てた訳ではありません。新しい国王には私の兄でもある、ジャクソンをと考えております。そしてジャクソンの妻として、私の大切な友人で義理姉に当たる、グリーズン王国の王女、シルビアを妻にと考えております。彼女は誰よりも民に寄り添い、12年もの間、必死に魔物と戦って来た1人です。私なんかよりもずっと、皆様たちの心に寄り添ってくださるはずです。もちろん、私も結界の柱を建設いたします。ですから、どうかよろしくお願いいたします」
民たちに頭を下げた。
「国民の皆さん、我がカルスティア公爵家は、代々聖女を生み出してきた一族です。そんな一族が王族になる事に、抵抗を持つ方もいるかもしれません。それでも私たちは、今の国ではよくない、一度リセットさせ、新しい国を作りたいと考えております。どうかご理解のほど、よろしくお願いいたします」
「クリスティル王国の国民の皆様、初めまして。私はグリーズン王国の第一王女、シルビアと申します。12年前、魔女に国を支配され、地獄の様な日々を送って参りました。自分たちのせいで民たちを苦しませていると悩み、苦しんだこともありました。生きる事に絶望し、未来を見る事を諦めた事もありました。そんな中、ジャンティーヌちゃんが我が国を救ってくれたのです。そしてここにいるジャクソン様はじめ、カルスティア公爵家の方たちに支えられ、グリーズン王国は生まれ変わる事が出来たのです。今度は私が、新しく生まれ変わるこの国の手助けがしたいと考えております。どうか、よろしくお願いいたします」
お兄様とシルビアお義姉様も、民たちに頭を下げたのだ。
「公爵令息殿とグリーズン国の王女様が、私たち平民に頭を下げるだなんて…」
「公爵令息様、王女様、どうか頭を上げて下さい。あなた様達の気持ち、私達に十分届きました。どうかより良い国を作ってください。もちろん、我々も協力いたします」
「もちろん、我が貴族たちも全力でフォローしていきます。ジャクソン殿、シルビア殿下、どうかこれからもよろしくお願いいたします」
「「「「「お願いいたします」」」」」
貴族たちも声をそろえた。
でも、新国王は通常、貴族会議で決めるのだけれど、よかったのかしら?まあ、皆も認めてくれているのだから、よかったわよね。
「それじゃあ、早速そこにいるアーロン元国王と、マリアン殿をすぐに王宮の地下牢に連れて行ってくれ!」
「はっ!」
お兄様の指示で、騎士たちがアーロン様とマリアン様を捕らえた。
「ちょっと待ってくれ。頼む、ジャンティーヌ、僕を助けてくれ。僕たち、昔は仲睦まじかったじゃないか」
「ジャンティーヌ様、どうかご慈悲を。あなたは聖女なのでしょう?それなら、私たちを助けてよ」
私に向かって必死に叫ぶ2人の元へと向かう。
「お2人とも、私にした仕打ちを忘れたのですか?そもそもこの未来は、あなた様が占ったのでしょう?“私がこの国を滅ぼす”と。だからあなた様の占い通り、動いて差し上げただけですわ。マリアン様、あなた様の占い、当たってよかったですわね。2人仲良く、裁きを受けて下さい」
2人に笑顔を向けて手を振ってあげた。もう二度と、2人に会う事はないだろう。
「嫌だ…僕は王族なんだ。尊い存在なんだ…それなのに、どうして…」
「嫌、私は悪くないわ。嫌…」
泣き叫ぶ2人を見送る。
さようなら、アーロン様、マリアン様。
心の中でそっと2人にお別れを言ったのだった。
~あとがき~
ちなみに…
アーロンとマリアンのその後ですが、その日のうちに裁判にかけられた。彼らのせいで国が甚大な被害が出た事、沢山の人が命を落とした事もあり、翌日2人は公開処刑に処されることになった。
刑執行にはたくさんの人たちが見に来たとの事。民たちの怒りは相当だった様で、2人が処刑場に現れると、罵声が飛び交い、刑が執行されると歓喜に沸いたそうだ。
最期まで泣きながら抵抗していた2人は、苦しみながらこの世を去ったのだった。
※次回、最終話です。
よろしくお願いいたします。
「聖女様を追い出し、この国を滅茶苦茶にした国王を、私たちは絶対に許さない!今すぐ国王に裁きを!」
ものすごい勢いで王宮に侵入しようとする民たち。
「ぼ…僕は悪くない…ジャンティーヌ、助けてくれ…」
民たちのあまりの迫力に、完全に腰を抜かしているアーロン様。本当に情けない男だ。怒り狂う民たちの前に出る。
「聖女様!皆、この国を救って下さった聖女様だ。絶対に手を出すな」
私の姿を見た民たちが、一気に足を止めた。
「皆様、どうか落ち着いて下さい。現国王は今まさに、貴族会議によって、国王の座をはく奪されました。今後は今までの悪事を洗い出し、裁判にかけ、裁きを受ける予定です。唯一の王族でもある現国王陛下が失脚したことで、クリスティル王国は近々滅びます。そして、新しい国に生まれ変わる予定です。皆様のお怒りはごもっともです。ですが、どうか新しい国に生まれ変わろうとしているこの国を、見守っては頂けないでしょうか?」
彼らに向かって、必死に訴えた。すると…
「聖女様がそうおっしゃっているのだ。今の国王が失脚し、新しい国に生まれ変わるなら、私は賛成だ」
「私たちもです。聖女様、昔の様な健全な国に、どうか生まれ変わらせてください。お願いします」
民たちが私に頭を下げたのだ。でも…
「皆様、私は近く、グリーズン王国に戻ります。私はここにいるグリーズン王国の国王陛下、ジルド陛下と共に歩む未来を選んだのです。ですが、もちろんこの国を見捨てた訳ではありません。新しい国王には私の兄でもある、ジャクソンをと考えております。そしてジャクソンの妻として、私の大切な友人で義理姉に当たる、グリーズン王国の王女、シルビアを妻にと考えております。彼女は誰よりも民に寄り添い、12年もの間、必死に魔物と戦って来た1人です。私なんかよりもずっと、皆様たちの心に寄り添ってくださるはずです。もちろん、私も結界の柱を建設いたします。ですから、どうかよろしくお願いいたします」
民たちに頭を下げた。
「国民の皆さん、我がカルスティア公爵家は、代々聖女を生み出してきた一族です。そんな一族が王族になる事に、抵抗を持つ方もいるかもしれません。それでも私たちは、今の国ではよくない、一度リセットさせ、新しい国を作りたいと考えております。どうかご理解のほど、よろしくお願いいたします」
「クリスティル王国の国民の皆様、初めまして。私はグリーズン王国の第一王女、シルビアと申します。12年前、魔女に国を支配され、地獄の様な日々を送って参りました。自分たちのせいで民たちを苦しませていると悩み、苦しんだこともありました。生きる事に絶望し、未来を見る事を諦めた事もありました。そんな中、ジャンティーヌちゃんが我が国を救ってくれたのです。そしてここにいるジャクソン様はじめ、カルスティア公爵家の方たちに支えられ、グリーズン王国は生まれ変わる事が出来たのです。今度は私が、新しく生まれ変わるこの国の手助けがしたいと考えております。どうか、よろしくお願いいたします」
お兄様とシルビアお義姉様も、民たちに頭を下げたのだ。
「公爵令息殿とグリーズン国の王女様が、私たち平民に頭を下げるだなんて…」
「公爵令息様、王女様、どうか頭を上げて下さい。あなた様達の気持ち、私達に十分届きました。どうかより良い国を作ってください。もちろん、我々も協力いたします」
「もちろん、我が貴族たちも全力でフォローしていきます。ジャクソン殿、シルビア殿下、どうかこれからもよろしくお願いいたします」
「「「「「お願いいたします」」」」」
貴族たちも声をそろえた。
でも、新国王は通常、貴族会議で決めるのだけれど、よかったのかしら?まあ、皆も認めてくれているのだから、よかったわよね。
「それじゃあ、早速そこにいるアーロン元国王と、マリアン殿をすぐに王宮の地下牢に連れて行ってくれ!」
「はっ!」
お兄様の指示で、騎士たちがアーロン様とマリアン様を捕らえた。
「ちょっと待ってくれ。頼む、ジャンティーヌ、僕を助けてくれ。僕たち、昔は仲睦まじかったじゃないか」
「ジャンティーヌ様、どうかご慈悲を。あなたは聖女なのでしょう?それなら、私たちを助けてよ」
私に向かって必死に叫ぶ2人の元へと向かう。
「お2人とも、私にした仕打ちを忘れたのですか?そもそもこの未来は、あなた様が占ったのでしょう?“私がこの国を滅ぼす”と。だからあなた様の占い通り、動いて差し上げただけですわ。マリアン様、あなた様の占い、当たってよかったですわね。2人仲良く、裁きを受けて下さい」
2人に笑顔を向けて手を振ってあげた。もう二度と、2人に会う事はないだろう。
「嫌だ…僕は王族なんだ。尊い存在なんだ…それなのに、どうして…」
「嫌、私は悪くないわ。嫌…」
泣き叫ぶ2人を見送る。
さようなら、アーロン様、マリアン様。
心の中でそっと2人にお別れを言ったのだった。
~あとがき~
ちなみに…
アーロンとマリアンのその後ですが、その日のうちに裁判にかけられた。彼らのせいで国が甚大な被害が出た事、沢山の人が命を落とした事もあり、翌日2人は公開処刑に処されることになった。
刑執行にはたくさんの人たちが見に来たとの事。民たちの怒りは相当だった様で、2人が処刑場に現れると、罵声が飛び交い、刑が執行されると歓喜に沸いたそうだ。
最期まで泣きながら抵抗していた2人は、苦しみながらこの世を去ったのだった。
※次回、最終話です。
よろしくお願いいたします。
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