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第18話:ここはもうあの人に頼るしかありません
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殿下とのお茶を終え、一旦自室に戻ってきた。
「歳を取る呪いが解ければ、残りの2つの呪いもわかると思ったのに…」
ついため息が出てしまう。もう2つの呪いしか残っていないのに、その呪いの種類が分からないなんて。それもリベリオ殿下にも自覚がないとなると、どんな呪いがかかっているのか、見当もつかない。
このままだと、残りの呪いを解く事は出来ない。
やっぱり、あの人に頼るしかないのかしら…
そんな思いから、伯爵家から持ってきたカバンを取り出した。そして、その中から通信機を取り出す。
この時間ならきっと、出てくれるはず。ゆっくりとボタンを押す。すると
“ティア、久しぶりだね。元気にしていたかい?”
通信機を通して現れたのは、私の師匠で大おばあ様の一族でもある、ダラス様だ。私と同じ水色の髪をした彼は非常に優秀で、キブリス王国で王宮魔術師長をしているのだ。
「ダラス様、お久しぶりですわ。実はちょっと困った事がありまして」
リベリオ殿下の事を、ダラス様にお話した。
“そんな厄介な呪いを、ブルシャ王国の王女が使えるだなんて…それに、ティアにも分からない呪いだなんて、もしかしたら…とにかく一度そっちに向かうから、そちらの国王陛下に許可を取ってくれるかい?許可が取れたら、魔法陣を書いてくれ”
「分かりましたわ、早速陛下に許可を取って参りますので、少しお待ちください」
通信を切り、陛下の元へと急ぐ。すると、快く許可を頂けたのだが、なぜかどこからともなく話を聞きつけたリベリオ殿下と、王宮魔術師の皆様もやって来た。
またもや王宮魔術師たちがいる前で、魔法を使うのね。でも、魔法陣は得意なのだ。早速ダラス様に連絡をし、魔法陣を書き上げた。
「これがキブリス王国に伝わる魔法陣か。この目で現実を見られるだなんて」
なぜか魔術師たちから、歓喜の声が上がる。そして呪文を唱えると
「ティア、久しぶりだね。会いたかったよ」
魔法陣から姿を現したのは、ダラス様だ。そのままギュッと抱きしめられた。相変わらず、熱烈な歓迎ね。
「ダラス様、わざわざ来ていただき、ありがとうございます」
「ティア嬢、彼が君の師匠かい?随分と若いんだね」
なぜか私たちの方にやって来たリベリオ殿下に引き離された。そしてなぜか、リベリオ殿下の腕の中に閉じ込められる。一体何がどうなっているのだろう。
「あなた様が第三王子のリベリオ殿下ですね。お初にお目にかかります、私はダラス・デゥースティンと申します。なるほど、確かに厄介な呪いをかけられていますね。ティア、君がこの2つの呪いを見破れなくて本当によかった。もしもう少し君に知識と力があったら、大変な事になっていたよ」
大変な事?一体どういう事なのかしら?
「ティア嬢が大変な事になっていたとは、一体どういう事ですか?僕に触れていないのに、呪いの種類が分かるのですか?」
「ええ、分かりますよ。私はキブリス王国で、王宮魔術師長をしておりますから。この程度の呪いを調べるなんて朝飯前」
「キブリス王国の王宮魔術師長の方だなんて!これはすごい、こんなすごい方と、同じ空気を吸えるだなんて」
我が国の王宮魔術師たちが、なぜかダラス様を拝み始めたのだ。何なのかしら、このおかしな光景は…
さすがのダラス様も、苦笑いをしている。
「それでダラス様、リベリオ殿下にはどんな呪いをかけられているのですか?」
拝んでいる人たちに構っている暇はない。私はダラス様にリベリオ殿下の呪いについて尋ねた。
「1つは、好きな令嬢に一生振り向いてもらえない呪いだ。そしてもう1つが…」
「何だって!好きな令嬢に一生振り向いてもらえない呪いだって!そんな恐ろしい呪いが僕にかかっていたなんて。ダラス殿と言いましたね、その呪いは、もちろん解けるのですよね。クソ、それじゃあ僕がいくら頑張っても、ティア嬢に振り向いてもらえないじゃないか…」
必死にダラス様に詰め寄っている。最後の方はあまりよく聞こえなかったが、どうやらリベリオ殿下は好きな令嬢がいる様だ。なぜだか胸の奥がチクリと痛んだ。この気持ちは一体…
「落ち着いて下さい、リベリオ殿下。既に解けかかってはいますが、解く事は簡単です。ただ、その前にもう1つの呪いを先に解く必要があります。こちらの呪いの方が厄介で、より恐ろしい呪い…」
真剣な表情でそう呟くダラス様。
一体もう1つの呪いは、どんなものなのかしら?
「歳を取る呪いが解ければ、残りの2つの呪いもわかると思ったのに…」
ついため息が出てしまう。もう2つの呪いしか残っていないのに、その呪いの種類が分からないなんて。それもリベリオ殿下にも自覚がないとなると、どんな呪いがかかっているのか、見当もつかない。
このままだと、残りの呪いを解く事は出来ない。
やっぱり、あの人に頼るしかないのかしら…
そんな思いから、伯爵家から持ってきたカバンを取り出した。そして、その中から通信機を取り出す。
この時間ならきっと、出てくれるはず。ゆっくりとボタンを押す。すると
“ティア、久しぶりだね。元気にしていたかい?”
通信機を通して現れたのは、私の師匠で大おばあ様の一族でもある、ダラス様だ。私と同じ水色の髪をした彼は非常に優秀で、キブリス王国で王宮魔術師長をしているのだ。
「ダラス様、お久しぶりですわ。実はちょっと困った事がありまして」
リベリオ殿下の事を、ダラス様にお話した。
“そんな厄介な呪いを、ブルシャ王国の王女が使えるだなんて…それに、ティアにも分からない呪いだなんて、もしかしたら…とにかく一度そっちに向かうから、そちらの国王陛下に許可を取ってくれるかい?許可が取れたら、魔法陣を書いてくれ”
「分かりましたわ、早速陛下に許可を取って参りますので、少しお待ちください」
通信を切り、陛下の元へと急ぐ。すると、快く許可を頂けたのだが、なぜかどこからともなく話を聞きつけたリベリオ殿下と、王宮魔術師の皆様もやって来た。
またもや王宮魔術師たちがいる前で、魔法を使うのね。でも、魔法陣は得意なのだ。早速ダラス様に連絡をし、魔法陣を書き上げた。
「これがキブリス王国に伝わる魔法陣か。この目で現実を見られるだなんて」
なぜか魔術師たちから、歓喜の声が上がる。そして呪文を唱えると
「ティア、久しぶりだね。会いたかったよ」
魔法陣から姿を現したのは、ダラス様だ。そのままギュッと抱きしめられた。相変わらず、熱烈な歓迎ね。
「ダラス様、わざわざ来ていただき、ありがとうございます」
「ティア嬢、彼が君の師匠かい?随分と若いんだね」
なぜか私たちの方にやって来たリベリオ殿下に引き離された。そしてなぜか、リベリオ殿下の腕の中に閉じ込められる。一体何がどうなっているのだろう。
「あなた様が第三王子のリベリオ殿下ですね。お初にお目にかかります、私はダラス・デゥースティンと申します。なるほど、確かに厄介な呪いをかけられていますね。ティア、君がこの2つの呪いを見破れなくて本当によかった。もしもう少し君に知識と力があったら、大変な事になっていたよ」
大変な事?一体どういう事なのかしら?
「ティア嬢が大変な事になっていたとは、一体どういう事ですか?僕に触れていないのに、呪いの種類が分かるのですか?」
「ええ、分かりますよ。私はキブリス王国で、王宮魔術師長をしておりますから。この程度の呪いを調べるなんて朝飯前」
「キブリス王国の王宮魔術師長の方だなんて!これはすごい、こんなすごい方と、同じ空気を吸えるだなんて」
我が国の王宮魔術師たちが、なぜかダラス様を拝み始めたのだ。何なのかしら、このおかしな光景は…
さすがのダラス様も、苦笑いをしている。
「それでダラス様、リベリオ殿下にはどんな呪いをかけられているのですか?」
拝んでいる人たちに構っている暇はない。私はダラス様にリベリオ殿下の呪いについて尋ねた。
「1つは、好きな令嬢に一生振り向いてもらえない呪いだ。そしてもう1つが…」
「何だって!好きな令嬢に一生振り向いてもらえない呪いだって!そんな恐ろしい呪いが僕にかかっていたなんて。ダラス殿と言いましたね、その呪いは、もちろん解けるのですよね。クソ、それじゃあ僕がいくら頑張っても、ティア嬢に振り向いてもらえないじゃないか…」
必死にダラス様に詰め寄っている。最後の方はあまりよく聞こえなかったが、どうやらリベリオ殿下は好きな令嬢がいる様だ。なぜだか胸の奥がチクリと痛んだ。この気持ちは一体…
「落ち着いて下さい、リベリオ殿下。既に解けかかってはいますが、解く事は簡単です。ただ、その前にもう1つの呪いを先に解く必要があります。こちらの呪いの方が厄介で、より恐ろしい呪い…」
真剣な表情でそう呟くダラス様。
一体もう1つの呪いは、どんなものなのかしら?
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