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第1話:王家から依頼が来ました
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今日も私は、1人伯爵家の1室で、魔力の研究を行う。
「よし、後はこの機械に魔力を込めれば…」
「お嬢様、またこのような場所に籠って。旦那様がお呼びですよ!」
後ろから大きな声で私を呼びに来たメイド。びっくりして機械を落としてしまったじゃない。せっかく開発したのに…
「もう、ルリア、大きな声を出さないでよ。せっかく一生懸命作った機械を落としちゃったじゃない。もうすぐ完成間近だったのに」
「お言葉ですがお嬢様、あなた様は伯爵令嬢なのですよ。いつまでも結婚もせず、魔力の研究ばかり行って…大体旦那様もお嬢様に甘すぎるのです。いいですか、もう一度いいますよ、あなた様は…」
「もう、分かっているわよ。それよりもお父様が呼んでいるのよね。早く行かないと」
ルリアの話を遮り、急いでお父様の元へと向かう。
「お父様、お呼びでしょうか?」
「おお、よく来たな。とにかく座ってくれ」
なぜか笑顔のお父様。何なの…この微笑は…はっきり言って、気持ち悪いわ。そう思いつつも、お父様の向かいに座った。
「それで、今回は一体どんなお話ですの?結婚のお話ならお断りしてくださいませ」
17歳の私をしきりに結婚させたがる両親。我が国では、16歳から20歳までを結婚適齢期と言われている。その為、何度令息に会わされたか…もちろん、丁重にお断りさせていただいた。私は結婚にも興味がないし、いずれ王宮魔術師になりたいと思っているのだ。ただ、王宮魔術師は20歳以上でないとなれないため、後3年待たないといけないのだ。
「結婚の話ではない。我が国の第三王子、ルベリオ殿下の件なのだが。実はお美しいルベリオ殿下に一目ぼれしたブルシャ王国のキャロル殿下が、ルベリオ殿下に求婚したそうなのだが…見事玉砕してな。怒ったキャロル殿下が、我が国の夜会に侵入し、皆が見ている前でリベリオ殿下に呪いをかけてしまったんだよ。それで、魔力の高いお前に呪いを解けないか、陛下自ら打診があったんだ」
隣国の王女が我が国の王子に呪いをかけた事は、私も知っている。でもまさか、フラれた腹いせに呪いをかけるだなんて…人としてどうなの?て、今はそんな事どうでもいいわよね。
「その話は私も知っていますわ。でも、殿下が呪いをかけられたのは、1年も前のお話しでしょう?我が国の王宮魔術師が、とっくに呪いを解いたのではないのですか?」
「それが、非常に厄介な呪いで、我が国の王宮魔術師では全く解けなかったんだ。さらにブルシャ王国の王宮魔術師たちも来て、何とかリベリオ殿下にかかった呪いを解こうとしたのだが、解けなくてね。陛下も王妃殿下も頭を抱えていらっしゃるんだよ。藁をもすがる思いで、私に頼んできたんだ。お前は魔力に関してだけは、非常に優秀だからな。それに、2年間魔力大国でもある、キブリス王国にも留学していたしな。何よりお前には、キブリス王国出身のおばあ様の血を、色濃く受け継いでいるし」
魔力に関してだけはって、本当に失礼なお父様ね。確かに私は、キブリス王国の貴族だった大おばあ様に容姿も魔力もよく似ているらしい。
そう、父方の大おばあ様(お父様のおばあ様)は、魔力大国キブリス王国出身者なのだ。どうやら政略結婚が嫌で、縁もゆかりもないこの国に逃げてきたところ、大お爺様と恋に落ちて結婚したらしい。その為、私はかなりの魔力を持っているのだ。
「そうそう、陛下がもしリベリオ殿下の呪いを解いてくれたら、特例として17歳のお前を王宮魔術師として受け入れてくれるそうだぞ」
何ですと!王宮魔術師にしてくれるですって。ただでさえ厄介そうな呪いという事で興味をそそるのに、まさか王宮魔術師にまでして下さるだなんて!これは受けない手はないわ。
「分かりましたわ。殿下の呪いの件、お受けいたします」
王宮魔術師になったら、思う存分魔力の研究が出来る。その上、お給料ももらえるのだ。さらに名誉のある王宮魔術師になれば、お父様ももう結婚しろと言わないだろう。ついに私にも、幸運の女神様が降りて来たのね!
「それじゃあ、早速明日、王宮に向かってくれるか?しばらくは住み込みになるだろうから、そのつもりで。一応陛下がお前の為にメイドを付けてくれると言っていたから、身一つで行くといい。それにしても、お前がもしかしたら殿下の役に立つかもしれないなんてな。ティアがもし殿下の呪いを解いたら、我が家は侯爵になれるかもしんれんな」
そう言ってガハガハとお父様が笑っている。娘を使って出世しようだなんて、お父様ったら図々しいわね…でも、私も17歳の若さで王宮魔術師になれるかもしれないのだ。このチャンス、必ずものにして見せるわ!
~あとがき~
新連載始めました。
よろしくお願いしますm(__)m
「よし、後はこの機械に魔力を込めれば…」
「お嬢様、またこのような場所に籠って。旦那様がお呼びですよ!」
後ろから大きな声で私を呼びに来たメイド。びっくりして機械を落としてしまったじゃない。せっかく開発したのに…
「もう、ルリア、大きな声を出さないでよ。せっかく一生懸命作った機械を落としちゃったじゃない。もうすぐ完成間近だったのに」
「お言葉ですがお嬢様、あなた様は伯爵令嬢なのですよ。いつまでも結婚もせず、魔力の研究ばかり行って…大体旦那様もお嬢様に甘すぎるのです。いいですか、もう一度いいますよ、あなた様は…」
「もう、分かっているわよ。それよりもお父様が呼んでいるのよね。早く行かないと」
ルリアの話を遮り、急いでお父様の元へと向かう。
「お父様、お呼びでしょうか?」
「おお、よく来たな。とにかく座ってくれ」
なぜか笑顔のお父様。何なの…この微笑は…はっきり言って、気持ち悪いわ。そう思いつつも、お父様の向かいに座った。
「それで、今回は一体どんなお話ですの?結婚のお話ならお断りしてくださいませ」
17歳の私をしきりに結婚させたがる両親。我が国では、16歳から20歳までを結婚適齢期と言われている。その為、何度令息に会わされたか…もちろん、丁重にお断りさせていただいた。私は結婚にも興味がないし、いずれ王宮魔術師になりたいと思っているのだ。ただ、王宮魔術師は20歳以上でないとなれないため、後3年待たないといけないのだ。
「結婚の話ではない。我が国の第三王子、ルベリオ殿下の件なのだが。実はお美しいルベリオ殿下に一目ぼれしたブルシャ王国のキャロル殿下が、ルベリオ殿下に求婚したそうなのだが…見事玉砕してな。怒ったキャロル殿下が、我が国の夜会に侵入し、皆が見ている前でリベリオ殿下に呪いをかけてしまったんだよ。それで、魔力の高いお前に呪いを解けないか、陛下自ら打診があったんだ」
隣国の王女が我が国の王子に呪いをかけた事は、私も知っている。でもまさか、フラれた腹いせに呪いをかけるだなんて…人としてどうなの?て、今はそんな事どうでもいいわよね。
「その話は私も知っていますわ。でも、殿下が呪いをかけられたのは、1年も前のお話しでしょう?我が国の王宮魔術師が、とっくに呪いを解いたのではないのですか?」
「それが、非常に厄介な呪いで、我が国の王宮魔術師では全く解けなかったんだ。さらにブルシャ王国の王宮魔術師たちも来て、何とかリベリオ殿下にかかった呪いを解こうとしたのだが、解けなくてね。陛下も王妃殿下も頭を抱えていらっしゃるんだよ。藁をもすがる思いで、私に頼んできたんだ。お前は魔力に関してだけは、非常に優秀だからな。それに、2年間魔力大国でもある、キブリス王国にも留学していたしな。何よりお前には、キブリス王国出身のおばあ様の血を、色濃く受け継いでいるし」
魔力に関してだけはって、本当に失礼なお父様ね。確かに私は、キブリス王国の貴族だった大おばあ様に容姿も魔力もよく似ているらしい。
そう、父方の大おばあ様(お父様のおばあ様)は、魔力大国キブリス王国出身者なのだ。どうやら政略結婚が嫌で、縁もゆかりもないこの国に逃げてきたところ、大お爺様と恋に落ちて結婚したらしい。その為、私はかなりの魔力を持っているのだ。
「そうそう、陛下がもしリベリオ殿下の呪いを解いてくれたら、特例として17歳のお前を王宮魔術師として受け入れてくれるそうだぞ」
何ですと!王宮魔術師にしてくれるですって。ただでさえ厄介そうな呪いという事で興味をそそるのに、まさか王宮魔術師にまでして下さるだなんて!これは受けない手はないわ。
「分かりましたわ。殿下の呪いの件、お受けいたします」
王宮魔術師になったら、思う存分魔力の研究が出来る。その上、お給料ももらえるのだ。さらに名誉のある王宮魔術師になれば、お父様ももう結婚しろと言わないだろう。ついに私にも、幸運の女神様が降りて来たのね!
「それじゃあ、早速明日、王宮に向かってくれるか?しばらくは住み込みになるだろうから、そのつもりで。一応陛下がお前の為にメイドを付けてくれると言っていたから、身一つで行くといい。それにしても、お前がもしかしたら殿下の役に立つかもしれないなんてな。ティアがもし殿下の呪いを解いたら、我が家は侯爵になれるかもしんれんな」
そう言ってガハガハとお父様が笑っている。娘を使って出世しようだなんて、お父様ったら図々しいわね…でも、私も17歳の若さで王宮魔術師になれるかもしれないのだ。このチャンス、必ずものにして見せるわ!
~あとがき~
新連載始めました。
よろしくお願いしますm(__)m
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