次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi

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第49話:どうして私がこんな目に…~アナリス視点~

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どうして…どうして私が平民たちから暴言を吐かれないといけないの?それもあんなにも沢山の人たちに。私は平民に嫌われる様なことなんて、していないわ。それなのにどうして…

全く理解できない状況の中、女騎士によって体を洗われ着替えさせられた。

「ちょっと、この衣装、一体何なの?まるで囚人の様じゃない」

私が着せられたのは、囚人が着る様なボロい服だ。

「あなたにはこの衣装が似合うでしょう?文句があるなら、裸で裁判に出たらどうですか?」

そう冷たく言い放つ女騎士。何なのよこの女!ギロリと女騎士を睨むと、向こうも睨み返してきた。

「あなた、自分が何をしたのか本当に分かっていないのですね。あなたがサンダードラゴンの子供を攫って来たことで、魔物たちが怒って街を襲ったのですよ!そのせいでどれだけの人々が傷つき命を落とし、涙を流しているか!私の夫も今、魔物討伐部隊で必死に戦っています。あなたさえあんな事をしなければ…」

目に涙を浮かべながら、女騎士がこちらを睨みながら叫んでくる。その瞳からは、かなりの怒りを感じる。

「落ち着きなさい。君の気持ちも分かるが、今は任務中だ。とにかく、冷静に対応しないと」

近くにいた騎士に宥められる女騎士。必死に女騎士が涙をぬぐっている。

「そろそろ裁判の時間です」

1人の男性が呼びに来たのだ。

「それでは参りましょう」

私の鎖を引っ張り、裁判所へと向かった。大丈夫よ、私は王女なのだから、きっと大丈夫…

そう自分に言い聞かせるが、先ほどの平民や女騎士の怒りの表情が頭から離れない。言いようのない不安が、私を襲ったのだ。

案内された部屋に入ると、そこにはたくさんの貴族が集まっていた。あれは、カルロス様だわ。カルロス様も私を心配して見に来てくれたのね。

ただ、私が部屋に入った途端、貴族たちから鋭い視線が飛ぶ。どうして…どうしてみんな私をそんな目で見るの?

「それでは今から、アナリス殿の裁判を行う。ちなみにアナリス殿だが、つい先ほど国王陛下によって、王族の権利をはく奪されました」

「何ですって!お父様が私を王族の権利を奪うはずがないわ。何かの間違いよ!」

とっさに裁判官に向かって叫んだ。すると

「アナリス、今の国王は私だ。父上は貴族会議で王位をはく奪され、新たに私が国王になったんだよ」

お兄様が冷たい眼差しで私を見つめながら、そう言ったのだ。ふと周りを見ると、お姉様たちの姿もある。でも2人とも、私を冷たい視線で見つめていた。

「そんな…」

その場に座り込んだ。

その後裁判官によって、私の罪が読み上げられた。あの女を崖から突き落とした事、闇の組織を使い魔物の子供を誘拐してきたことなどだ。

「これらの罪により、アナリスを極刑に処す」

裁判官が高らかに叫んだのだ。

極刑ですって…そんな、私は王女なのよ。この国で一番偉いお父様の子供なのよ。そんなの、あり得ないわ。

「裁判長、私は王女なのですよ。極刑なんてあり得ませんわ。ちょっと魔物を連れてきたくらいで極刑だなんて!それに、あの女も生きているではありませんか?傷だって、もう治ったのでしょう?それなのに、罪が重すぎます!」

死にたくない!絶対に死ぬなんて嫌よ!必死に裁判官に訴えた。

「アナリス殿、魔物に接触する事はこの国では重罪、一発で極刑に処される罪です。あなたはその罪を犯した。さらに侯爵令嬢の命まで狙ったのですよ。極刑以外の罪はありません」

厳しい表情で裁判官。さらに

「あなたのせいで、今国は大変な事になっている。極刑は当然な判決だ」

「そうだそうだ、そもそも裁判まで時間が掛かりすぎだ」

「自分のやった事をまだ理解できないだなんて、よくそれで王女なんてやっていられたな」

堰を切ったように、貴族たちが私に酷い暴言を吐く。

「嫌よ、私は死にたくないわ。お願い、お兄様、助けて」

お兄様に必死に訴えた。

「アナリス、僕はずっと君に忠告してきたよね。君を守るためにも、隣国の王太子殿下との婚姻を進めて来たのに…それをすべてダメにしたのは君だよ…」

「そんな…殺されるくらいなら王太子殿下に嫁ぎますわ。ですから、今からでも」

「相手がお断りだと言っている!それに君は、人としてやってはいけない罪を犯した。罪を償うのは当然だ」

「そんな…お姉様…」

「私たちもあなたには何度も忠告したわ。そもそもカルロス様を誘拐しようとした時点で、やはり修道院に入れておくべきだったのよ。それなのにお父様があなたを甘やかすから…恨むならお父様を恨みなさい!」

そんな…

そうだわ、カルロス様。

「カルロス様!私は…」

「俺の名前を気安く呼ばないでくれ!俺の大切な人を傷つけたあなたを、俺は一生許さない。本来なら、俺の手で八つ裂きにしたいくらいだ!」

今にも私に切りかかりそうな怖い顔で、カルロス様が私を睨んでいる。他の貴族たちも、虫けらでも見る様な目で私を見つめている…

どうして…どうしてよ…私の何がいけなかったの…

嫌、死にたくない…お願い、誰か助けて!

「今すぐ処刑場に連れて行け」

「はっ」

再び私を連れ出す騎士たち。処刑場ですって!嫌よ、死にたくない。

「私は死にたくない、お願い、誰か助けて!お願い…死にたくない!」

必死に泣きながら叫ぶが、誰も助けてくれない。

「どうして…どうして私がこんな目に合わないといけないのよ。どうしてよ!!」

死の恐怖と絶望の中、無理やり裁判所を連れ出されたのだった。



※次回、ルミナス視点に戻ります。
よろしくお願いします。
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