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第26話:なんだかモヤモヤします
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カルロス様と距離を置き始めた翌日、1人貴族学院に向かった。今日はお兄様とお母様が、カルロス様の家に話しをしに行くと言っていた。
昨日少しだけ夜、カルロス様と話をしたが、なんだか声が疲れている様だった。カルロス様、大丈夫かしら?そう思いながら貴族学院へと向かう。
今日はカルロス様は午前中は王宮、午後はお兄様たちと話をすると言っていたな。今頃王族と話をしているのかしら?ちなみに情報筋の友人の話では、アナリス殿下も大騒ぎをして早退して行った様だ。
アナリス殿下、カルロス様のご自宅に乗り込んでいないといいけれど…
「ルミナス、大丈夫?今日のあなた、ずっと上の空ね。まあ、気持ちは分かるわ。婚約者がこの国の第三王女に付きまとわれているのですもの。気が気ではないわよね。それにしばらく距離を取ろうと言われたのでしょう?あなた達、本当にずっと一緒にいたものね。寂しいと感じるのも無理はないわ」
「私は別に寂しく何て…」
「すぐにそう言って強がって。それにしてもカルロス様も大変よね。今頃、王宮で話し合いでもしているのかしら?」
「カルロス様からは、そう聞いているわ。どうか話し合いがうまく行っているといいのだけれど…」
「なんだ、ちゃんと連絡を取り合っているのじゃない。安心したわ。安心したところで、一緒にケーキを食べましょう。料理長に頼んで、焼いてもらったの」
そう言うと、マリーヌが苺のタルトをくれた。大好きな苺タルトに本来なら嬉しくてたまらないのだが、カルロス様が心配で、なんだか食欲がない。
「ルミナスったら、よほどカルロス様が心配なのね。カルロス様の事だから、今頃しっかりと抗議しているわよ。あの人、あなたに会えないなんて耐えられないだろうし」
確かにカルロス様の事だから、何が何でも何とかしそうだけれど…とにかく今日お兄様たちが公爵様と話し合いをしに行っているから、その結果次第ね。
貴族学院が終わると、急いで家に帰って来た。
「おかえりなさい、ルミナスちゃん、今日はいつもより早かったわね」
「お義姉様、ただいま戻りました。それでお兄様たちは?」
「まだ帰って来ていないわよ」
「そうですか…」
「そんな顔をしないで。すぐに帰って来るわ。さあ、お茶でもしましょう」
お義姉様とドリーと一緒にお茶を楽しむが、お兄様たちの事が気になってつい扉の方をチラチラと見てしまう。
「ルミナスちゃんったら、よほど気になるのね。大丈夫よ、きっとカルロス様とドリトルがなんとかしてくれるから」
「そうですね、分かってはいるのですが、なんだか心配で…」
「そんな顔をしないで。あっ、ドリトル達が帰って着た様よ」
確かに今、馬車が入って来る音が聞こえた。急いで玄関に向かう。
「お兄様、お母様、それで、話し合いはどうだったのですか?」
「ただいま、ルミナス。まあ落ち着け。着替えてくるから、居間で待っていてくれ」
そう言ってさっさと着替えに行ってしまったお兄様。もう、着替えなんて別に後でいいじゃない!そう思いながら居間でお兄様を待つ。
「それでどうなったのですか?」
お兄様とお母様に向かって問いかける。もったいぶらずに、さっさと教えて欲しい。
「今日カルロス殿と公爵様たちが、午前中正式に王家に抗議にいったようだ。王太子殿下がかなりご立腹だった様で、アナリス殿下は隣国の王太子殿下の元に嫁がせることが決まった様だ。さらに学院も退学させ、二度とカルロス殿には近づかせないと約束してくれたらしい」
「まあ、それは本当ですか?それじゃあ、これからはいつも通り過ごせるのですね」
よかったわ、さすがにアナリス殿下にずっと振り回され続けるのは嫌だもの。それに、カルロス様も心配だし。
「ルミナス、喜んでいるところ悪いのだが、俺はそう簡単にはいかないと考えている。王太子殿下は隣国の王太子殿下に話しをするため、国を空けるだろう。その間、アナリス殿下に甘い陛下や王妃様が、彼女を止められるとは思えないんだよ」
「でも、既に王太子殿下が動いて下さっているのでしょう?それなら大丈夫なのではなくって?」
「そうだね…でも、アナリス殿下が正式に隣国の王太子殿下の元に嫁いでこの国を出るまでは、油断は出来ないと俺は考えている。とにかく、しばらくは警戒の手を緩めるつもりはないから、ルミナスもそのつもりで」
そんな…
でも、アナリス殿下は貴族学院を退学するのであれば、少なくとも貴族学院での生活はいつも通りに行えるはず。
そもそも、王太子殿下が動いて下さっているのだ。お兄様が考えすぎなだけよ。護衛たちは引き続き私を見守るけれど、それ以外は普段通りの生活が出来るはず。そうよ、きっとそうだわ。
昨日少しだけ夜、カルロス様と話をしたが、なんだか声が疲れている様だった。カルロス様、大丈夫かしら?そう思いながら貴族学院へと向かう。
今日はカルロス様は午前中は王宮、午後はお兄様たちと話をすると言っていたな。今頃王族と話をしているのかしら?ちなみに情報筋の友人の話では、アナリス殿下も大騒ぎをして早退して行った様だ。
アナリス殿下、カルロス様のご自宅に乗り込んでいないといいけれど…
「ルミナス、大丈夫?今日のあなた、ずっと上の空ね。まあ、気持ちは分かるわ。婚約者がこの国の第三王女に付きまとわれているのですもの。気が気ではないわよね。それにしばらく距離を取ろうと言われたのでしょう?あなた達、本当にずっと一緒にいたものね。寂しいと感じるのも無理はないわ」
「私は別に寂しく何て…」
「すぐにそう言って強がって。それにしてもカルロス様も大変よね。今頃、王宮で話し合いでもしているのかしら?」
「カルロス様からは、そう聞いているわ。どうか話し合いがうまく行っているといいのだけれど…」
「なんだ、ちゃんと連絡を取り合っているのじゃない。安心したわ。安心したところで、一緒にケーキを食べましょう。料理長に頼んで、焼いてもらったの」
そう言うと、マリーヌが苺のタルトをくれた。大好きな苺タルトに本来なら嬉しくてたまらないのだが、カルロス様が心配で、なんだか食欲がない。
「ルミナスったら、よほどカルロス様が心配なのね。カルロス様の事だから、今頃しっかりと抗議しているわよ。あの人、あなたに会えないなんて耐えられないだろうし」
確かにカルロス様の事だから、何が何でも何とかしそうだけれど…とにかく今日お兄様たちが公爵様と話し合いをしに行っているから、その結果次第ね。
貴族学院が終わると、急いで家に帰って来た。
「おかえりなさい、ルミナスちゃん、今日はいつもより早かったわね」
「お義姉様、ただいま戻りました。それでお兄様たちは?」
「まだ帰って来ていないわよ」
「そうですか…」
「そんな顔をしないで。すぐに帰って来るわ。さあ、お茶でもしましょう」
お義姉様とドリーと一緒にお茶を楽しむが、お兄様たちの事が気になってつい扉の方をチラチラと見てしまう。
「ルミナスちゃんったら、よほど気になるのね。大丈夫よ、きっとカルロス様とドリトルがなんとかしてくれるから」
「そうですね、分かってはいるのですが、なんだか心配で…」
「そんな顔をしないで。あっ、ドリトル達が帰って着た様よ」
確かに今、馬車が入って来る音が聞こえた。急いで玄関に向かう。
「お兄様、お母様、それで、話し合いはどうだったのですか?」
「ただいま、ルミナス。まあ落ち着け。着替えてくるから、居間で待っていてくれ」
そう言ってさっさと着替えに行ってしまったお兄様。もう、着替えなんて別に後でいいじゃない!そう思いながら居間でお兄様を待つ。
「それでどうなったのですか?」
お兄様とお母様に向かって問いかける。もったいぶらずに、さっさと教えて欲しい。
「今日カルロス殿と公爵様たちが、午前中正式に王家に抗議にいったようだ。王太子殿下がかなりご立腹だった様で、アナリス殿下は隣国の王太子殿下の元に嫁がせることが決まった様だ。さらに学院も退学させ、二度とカルロス殿には近づかせないと約束してくれたらしい」
「まあ、それは本当ですか?それじゃあ、これからはいつも通り過ごせるのですね」
よかったわ、さすがにアナリス殿下にずっと振り回され続けるのは嫌だもの。それに、カルロス様も心配だし。
「ルミナス、喜んでいるところ悪いのだが、俺はそう簡単にはいかないと考えている。王太子殿下は隣国の王太子殿下に話しをするため、国を空けるだろう。その間、アナリス殿下に甘い陛下や王妃様が、彼女を止められるとは思えないんだよ」
「でも、既に王太子殿下が動いて下さっているのでしょう?それなら大丈夫なのではなくって?」
「そうだね…でも、アナリス殿下が正式に隣国の王太子殿下の元に嫁いでこの国を出るまでは、油断は出来ないと俺は考えている。とにかく、しばらくは警戒の手を緩めるつもりはないから、ルミナスもそのつもりで」
そんな…
でも、アナリス殿下は貴族学院を退学するのであれば、少なくとも貴族学院での生活はいつも通りに行えるはず。
そもそも、王太子殿下が動いて下さっているのだ。お兄様が考えすぎなだけよ。護衛たちは引き続き私を見守るけれど、それ以外は普段通りの生活が出来るはず。そうよ、きっとそうだわ。
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