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第30話:騎士団員たちが強引です
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「アンジュ、お昼休みはテラスで食事をしましょう」
授業が終わると、友人たちが私の方に集まって来た。ふとラミネス様の方を見ると、1人でどこかに行ってしまった。どうしてもラミネス様の事が、気になってしまう。
仕方ない、また後で話しかけてみよう。気を取り直して友人たちと一緒に、テラスへと向かった。
「アンジュ、改めておかえりなさい。今日からあなたと一緒に学院生活が送れる事、とても嬉しく思うわ」
「そうよね、卒業まで、後8ヶ月程度しかないけれど、目いっぱい楽しみましょうね」
友人たちが笑顔を向けてくれる。その時だった。
「俺たちも一緒に食べてもいいかな?」
私達の元にやって来たのは、同じクラスの騎士団所属の令息たちだ。もちろん、デイビッド様もいる。
「ちょっと、令嬢たちだけで話をしているのよ」
すかさず友人の1人、アリアが文句を言う。
「いいだろう?別に。さあ、食おうぜ」
そう言って私たちの輪に入り込んできた令息たち。私の隣には、デイビッド様が座った。
「アンジュ、昔から君が好きだったサラダロール、あげるよ。アンジュが今日来ると知っていたら、もっとアンジュの好物をいっぱい作ってもらって来たのに…」
そう言うと、私にサラダロールをくれたのだ。確かに私は、デイビッド様の家のサラダロールが大好きだった。懐かしい…覚えてくれていたのね。
「ありがとうございます、せっかくですので、頂きますわ。でも、頂いてばかりでは申し訳ないので、カモ肉のソテーをどうぞ」
デイビッド様にお返しをする。
「まあ、そのカモ肉、美味しそうね。私にも頂戴。そうだ、私からは、白身魚の餡かけをあげるわ」
「それじゃあ、私はお肉サンドを。せっかくだから、皆でシェアしましょうよ」
「それじゃあ俺は、フォアグラのステーキをやるよ」
なぜか令息たちまで加わり、お弁当交換会が行われた。これはこれで、なんだか楽しい。
「アンジュ嬢、デイビッドの奴、次期騎士団長になる事が決まった事は知っているかい?こいつ、本当に騎士団長になる為に、それこそ誰よりも必死に稽古に励んでいたんだぜ。嫌な事でも進んでやっていたし。まさか、アンジュ嬢の為だっただなんて。いやぁ、デイビッドの愛情深さはすごいしか言いようがないよ」
「そうだよな、それもアンジュ嬢を守れなかった事を悔い続け、騎士団長になるまではアンジュ嬢への気持ちを封印するだなんて。そう簡単に出来る事じゃない。俺なら挫折しちゃうな」
「デイビットは確かに、思い込んだらそれに向かってひたすら突き進み、周りが見えないところもある。なんて言うか、変に不器用と言うか。ただ、本当に真っすぐな男なんだよ。7年もの間、アンジュ嬢を思って、死ぬほどつらい稽古に耐えてきたのだから。その点は、認めてやって欲しいんだよな」
騎士団員たちが、急にデイビッド様の事を褒めだしたのだ。確かにデイビッド様は、変に不器用なところがある。それに、騎士団の稽古を必死に頑張っていたことも知っている。でも…
「だからって、アンジュを滅茶苦茶傷つけたのよ。そもそも、アンジュが騎士団長になってくれないと結婚しないと言ったの?そんな事、一言も言っていないでしょう。己が決めた目標の為に、振り回されたアンジュが一番の被害者よ。とにかく、デイビッド様を持ち上げてもダメだからね」
「そうよ、そのせいで、アンジュは留学までしたのよ。そもそも“俺が騎士団長になるまで待ってくれ”と、一言いえばよかった事なのに」
「それが言えないところが、男なんだよ。本当に男心が分からない令嬢たちだな」
「何ですって?そんな男心、分からないわよ。そもそも、女心のかけらも分からないあなた達に、とやかく言われたくはないわ」
なぜか言い合いが始まってしまった。
「皆、落ち着いて。とりあえず、デイビッド様が血の滲む努力を重ね、騎士団長の座を手に入れた事は分かったわ。デイビッド様、本当におめでとうございます。ただ…だからと言って、そんな理由でしたら、デイビッド様を受け入れますわ!と言えるほど、大人ではありません」
「分かっているよ。アンジュ。俺は今、こうやってアンジュと食事が出来るだけで、十分嬉しいんだ。それから皆も、俺の為にありがとう。俺はいい友達に恵まれたよ」
「それでしたら、私も負けないくらいいい友達に恵まれておりますわ」
そう言ってデイビッド様と笑いあった。
「もう、なに2人で笑い合っているのよ。なんだか私たちがバカみたいじゃない」
「そうだよな…でも、まあいいか」
友人たちは呆れながらも、ほほ笑んでいる。
正直私は、必死にデイビッド様を諦めたのだ。だからこそ、今更デイビッド様を受け入れる事なんて出来ない。
それでもこうやって、また友人として過ごせたら嬉しい。
授業が終わると、友人たちが私の方に集まって来た。ふとラミネス様の方を見ると、1人でどこかに行ってしまった。どうしてもラミネス様の事が、気になってしまう。
仕方ない、また後で話しかけてみよう。気を取り直して友人たちと一緒に、テラスへと向かった。
「アンジュ、改めておかえりなさい。今日からあなたと一緒に学院生活が送れる事、とても嬉しく思うわ」
「そうよね、卒業まで、後8ヶ月程度しかないけれど、目いっぱい楽しみましょうね」
友人たちが笑顔を向けてくれる。その時だった。
「俺たちも一緒に食べてもいいかな?」
私達の元にやって来たのは、同じクラスの騎士団所属の令息たちだ。もちろん、デイビッド様もいる。
「ちょっと、令嬢たちだけで話をしているのよ」
すかさず友人の1人、アリアが文句を言う。
「いいだろう?別に。さあ、食おうぜ」
そう言って私たちの輪に入り込んできた令息たち。私の隣には、デイビッド様が座った。
「アンジュ、昔から君が好きだったサラダロール、あげるよ。アンジュが今日来ると知っていたら、もっとアンジュの好物をいっぱい作ってもらって来たのに…」
そう言うと、私にサラダロールをくれたのだ。確かに私は、デイビッド様の家のサラダロールが大好きだった。懐かしい…覚えてくれていたのね。
「ありがとうございます、せっかくですので、頂きますわ。でも、頂いてばかりでは申し訳ないので、カモ肉のソテーをどうぞ」
デイビッド様にお返しをする。
「まあ、そのカモ肉、美味しそうね。私にも頂戴。そうだ、私からは、白身魚の餡かけをあげるわ」
「それじゃあ、私はお肉サンドを。せっかくだから、皆でシェアしましょうよ」
「それじゃあ俺は、フォアグラのステーキをやるよ」
なぜか令息たちまで加わり、お弁当交換会が行われた。これはこれで、なんだか楽しい。
「アンジュ嬢、デイビッドの奴、次期騎士団長になる事が決まった事は知っているかい?こいつ、本当に騎士団長になる為に、それこそ誰よりも必死に稽古に励んでいたんだぜ。嫌な事でも進んでやっていたし。まさか、アンジュ嬢の為だっただなんて。いやぁ、デイビッドの愛情深さはすごいしか言いようがないよ」
「そうだよな、それもアンジュ嬢を守れなかった事を悔い続け、騎士団長になるまではアンジュ嬢への気持ちを封印するだなんて。そう簡単に出来る事じゃない。俺なら挫折しちゃうな」
「デイビットは確かに、思い込んだらそれに向かってひたすら突き進み、周りが見えないところもある。なんて言うか、変に不器用と言うか。ただ、本当に真っすぐな男なんだよ。7年もの間、アンジュ嬢を思って、死ぬほどつらい稽古に耐えてきたのだから。その点は、認めてやって欲しいんだよな」
騎士団員たちが、急にデイビッド様の事を褒めだしたのだ。確かにデイビッド様は、変に不器用なところがある。それに、騎士団の稽古を必死に頑張っていたことも知っている。でも…
「だからって、アンジュを滅茶苦茶傷つけたのよ。そもそも、アンジュが騎士団長になってくれないと結婚しないと言ったの?そんな事、一言も言っていないでしょう。己が決めた目標の為に、振り回されたアンジュが一番の被害者よ。とにかく、デイビッド様を持ち上げてもダメだからね」
「そうよ、そのせいで、アンジュは留学までしたのよ。そもそも“俺が騎士団長になるまで待ってくれ”と、一言いえばよかった事なのに」
「それが言えないところが、男なんだよ。本当に男心が分からない令嬢たちだな」
「何ですって?そんな男心、分からないわよ。そもそも、女心のかけらも分からないあなた達に、とやかく言われたくはないわ」
なぜか言い合いが始まってしまった。
「皆、落ち着いて。とりあえず、デイビッド様が血の滲む努力を重ね、騎士団長の座を手に入れた事は分かったわ。デイビッド様、本当におめでとうございます。ただ…だからと言って、そんな理由でしたら、デイビッド様を受け入れますわ!と言えるほど、大人ではありません」
「分かっているよ。アンジュ。俺は今、こうやってアンジュと食事が出来るだけで、十分嬉しいんだ。それから皆も、俺の為にありがとう。俺はいい友達に恵まれたよ」
「それでしたら、私も負けないくらいいい友達に恵まれておりますわ」
そう言ってデイビッド様と笑いあった。
「もう、なに2人で笑い合っているのよ。なんだか私たちがバカみたいじゃない」
「そうだよな…でも、まあいいか」
友人たちは呆れながらも、ほほ笑んでいる。
正直私は、必死にデイビッド様を諦めたのだ。だからこそ、今更デイビッド様を受け入れる事なんて出来ない。
それでもこうやって、また友人として過ごせたら嬉しい。
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