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第28話:久しぶりの学院です
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翌朝、久しぶりに自国の貴族学院の制服に袖を通す。
「お嬢様、本当に今日から学院に向かわれるのですか?今日はさすがにお休みされては…それに…あの方も学院にはいらっしゃいますし…」
隣でカリアが心配そうに私を見つめていた。
「私は大丈夫よ。それよりもカリア、あなたも長旅で疲れているのでしょう?お父様から長期休暇を与えられたと聞いたわ。ゆっくり休んで頂戴」
「私は大丈夫ですわ。ただ…お嬢様が心配で…」
「ありがとう、カリア。でも本当に大丈夫よ。あなたは半年もの間、ずっと私の傍にいて支えてくれたのだから、ゆっくり休んで」
カリアは半年もの間、休みなしでずっと私に仕えてくれたのだ。自国に戻ってきた今、どうかゆっくり休んで欲しい。
「分かりましたわ…それではお言葉に甘えて、お休みさせていただきますね。それでは失礼いたします」
そう言って部屋からカリアが出ていった。さあ、私も学院に行かないと。
部屋を出て食堂へと向かう。
「おはようございます、お父様、お母様、レイズ」
「「おはよう、アンジュ」」
「おはようございます、姉上…あの、姉上。ごめんなさい。僕がデイビッドに、姉上がミラージュ王国にいる事をうっかりしゃべっちゃって…それで…」
俯き加減で謝罪をするレイズ。それで昨日から、心なしか元気がなかったのね。俯くレイズの元へと向かい、そっと手を握った。
「いいのよ、レイズ。お父様から聞いたわ。あなた、デイビッド様に意見してくれたのですってね。ありがとう。あなたは私の自慢の弟よ」
そう伝え、レイズを抱きしめた。
「姉上…僕…」
そう言うと泣き出してしまった。どうやら相当思い詰めていた様だ。そんなレイズをギュッと抱きしめる。
「さあ、もう泣かないで、食事にしましょう」
少し落ち着いたレイズから離れ、自分の席に座って食事を頂く。
「アンジュ、本当に学院に向かう気?」
「ええ、もちろんよ」
「大丈夫だよ、もしデイビッドの奴が寄ってきたら、僕が追い払ってあげるから。任せて!」
そう言って胸を叩いているレイズ。本当に姉想いの優しい子ね。
食事が終わると、レイズと一緒に馬車に乗り込んだ。心配そうに両親が見送ってくれる。
「それでは行ってきます」
「アンジュ、もし途中で帰りたくなったら、帰って来てもいいからね」
相当心配なのだろう、お母様がそんな事を言っている。それだけ私の事を、心配してくれているという事なのだろう。
「母上は心配性だな。僕がいるから大丈夫なのに」
私の向かいで、そんな事を呟いているのはレイズだ。
しばらく走ると、懐かしい貴族学院が見えて来た。実に7ヶ月ぶりだ。門の前で馬車が停まる。
「姉上、僕が教室まで送ってあげるよ」
そう言って馬車から降りるレイズ。私もレイズの後から馬車を降りた。すると
「アンジュ、おはよう」
私の元にやってきてくれたのは、昨日我が家に駆けつけてくれた友人達だ。
「皆、おはよう。もしかして、私を待っていてくれたの?ありがとう」
嬉しくて友人たちの元へと向かった。
「姉上、よかったね。皆様、姉上の事、よろしくお願いします」
そう頭を下げて、レイズは自分の教室へと向かって行った。
「レイズ様、しばらく見ない間に、随分と大人っぽくなったわね。さあ、私たちも行きましょうか。そうそう、3年も皆同じクラスよ。デイビッド様もね…」
友人の1人が嫌そうにそう言っている。3年生になって、早3ヶ月。ただ、我が国の貴族学院は、3年間クラスがずっと一緒なのだ。だからもちろん、デイビッド様も同じクラスにいる。それから、ラミネス様も…
「アンジュ、大丈夫よ、私たちが傍にいるから」
「ありがとう、でも私、もう大丈夫よ。だから安心して」
ミラージュ王国に留学したことで、随分視野も広がった。それにもうすっかりデイビッド様の事を、過去の人だと割り切っている。今更何を言われても、なびくつもりはない。
そんな思いで教室に向かう。
そしていつもの様に
「おはようございます、皆様。今日からまたよろしくお願いします」
大きな声でクラスメイトに挨拶をしたのだった。
「お嬢様、本当に今日から学院に向かわれるのですか?今日はさすがにお休みされては…それに…あの方も学院にはいらっしゃいますし…」
隣でカリアが心配そうに私を見つめていた。
「私は大丈夫よ。それよりもカリア、あなたも長旅で疲れているのでしょう?お父様から長期休暇を与えられたと聞いたわ。ゆっくり休んで頂戴」
「私は大丈夫ですわ。ただ…お嬢様が心配で…」
「ありがとう、カリア。でも本当に大丈夫よ。あなたは半年もの間、ずっと私の傍にいて支えてくれたのだから、ゆっくり休んで」
カリアは半年もの間、休みなしでずっと私に仕えてくれたのだ。自国に戻ってきた今、どうかゆっくり休んで欲しい。
「分かりましたわ…それではお言葉に甘えて、お休みさせていただきますね。それでは失礼いたします」
そう言って部屋からカリアが出ていった。さあ、私も学院に行かないと。
部屋を出て食堂へと向かう。
「おはようございます、お父様、お母様、レイズ」
「「おはよう、アンジュ」」
「おはようございます、姉上…あの、姉上。ごめんなさい。僕がデイビッドに、姉上がミラージュ王国にいる事をうっかりしゃべっちゃって…それで…」
俯き加減で謝罪をするレイズ。それで昨日から、心なしか元気がなかったのね。俯くレイズの元へと向かい、そっと手を握った。
「いいのよ、レイズ。お父様から聞いたわ。あなた、デイビッド様に意見してくれたのですってね。ありがとう。あなたは私の自慢の弟よ」
そう伝え、レイズを抱きしめた。
「姉上…僕…」
そう言うと泣き出してしまった。どうやら相当思い詰めていた様だ。そんなレイズをギュッと抱きしめる。
「さあ、もう泣かないで、食事にしましょう」
少し落ち着いたレイズから離れ、自分の席に座って食事を頂く。
「アンジュ、本当に学院に向かう気?」
「ええ、もちろんよ」
「大丈夫だよ、もしデイビッドの奴が寄ってきたら、僕が追い払ってあげるから。任せて!」
そう言って胸を叩いているレイズ。本当に姉想いの優しい子ね。
食事が終わると、レイズと一緒に馬車に乗り込んだ。心配そうに両親が見送ってくれる。
「それでは行ってきます」
「アンジュ、もし途中で帰りたくなったら、帰って来てもいいからね」
相当心配なのだろう、お母様がそんな事を言っている。それだけ私の事を、心配してくれているという事なのだろう。
「母上は心配性だな。僕がいるから大丈夫なのに」
私の向かいで、そんな事を呟いているのはレイズだ。
しばらく走ると、懐かしい貴族学院が見えて来た。実に7ヶ月ぶりだ。門の前で馬車が停まる。
「姉上、僕が教室まで送ってあげるよ」
そう言って馬車から降りるレイズ。私もレイズの後から馬車を降りた。すると
「アンジュ、おはよう」
私の元にやってきてくれたのは、昨日我が家に駆けつけてくれた友人達だ。
「皆、おはよう。もしかして、私を待っていてくれたの?ありがとう」
嬉しくて友人たちの元へと向かった。
「姉上、よかったね。皆様、姉上の事、よろしくお願いします」
そう頭を下げて、レイズは自分の教室へと向かって行った。
「レイズ様、しばらく見ない間に、随分と大人っぽくなったわね。さあ、私たちも行きましょうか。そうそう、3年も皆同じクラスよ。デイビッド様もね…」
友人の1人が嫌そうにそう言っている。3年生になって、早3ヶ月。ただ、我が国の貴族学院は、3年間クラスがずっと一緒なのだ。だからもちろん、デイビッド様も同じクラスにいる。それから、ラミネス様も…
「アンジュ、大丈夫よ、私たちが傍にいるから」
「ありがとう、でも私、もう大丈夫よ。だから安心して」
ミラージュ王国に留学したことで、随分視野も広がった。それにもうすっかりデイビッド様の事を、過去の人だと割り切っている。今更何を言われても、なびくつもりはない。
そんな思いで教室に向かう。
そしていつもの様に
「おはようございます、皆様。今日からまたよろしくお願いします」
大きな声でクラスメイトに挨拶をしたのだった。
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