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第27話:気持ちを整理しましょう
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中々ホテルに入ろうとしない私を心配して、メイドが声を掛けて来た。
「お嬢様、外は冷えます。そろそろ中に入りましょう」
メイドに案内され、ホテルの部屋へと向かうのかと思いきや、連れてこられたのはホテルの奥の部屋だ。ここは?
疑問に思いつつ中に入ると、部屋には両親とオスカー様のご両親が待っていた。
「アメリア、お帰り。急にホテルに連れてこられてびっくりしただろう。とにかく話がしたいから、とりあえず座りなさい」
お父様に促されて席に着く。これは一体どういう事なのかしら?
「実は今日、私と侯爵がギルバート殿下に呼び出されたんだ。それで、アメリアに気持ちを伝えたい事、もしOKなら妃として迎え入れたい事、さらに殿下と一緒に貿易の為他国を回らせたい事を相談されたんだ」
なるほど、先にお父様に話を通しておいたという事なのね。でも、なぜ侯爵様まで呼び出したのかしら?そんな私の心の声が聞こえたのか、今度は侯爵様が話始めた。
「ギルバート殿下は律儀な方でね。オスカーの事もあるからと、わざわざ私にまで許可を取られたのだよ。アメリア、君とオスカーはまだ正式に婚約をしていない。オスカーのバカが暴走したせいで、この国では君たちは既に結婚するだろうと言われている。だからと言って、オスカーを選ばなければいけない訳ではないんだよ。アメリアがどうしたいのか、どちらと今後共に歩みたいのか、よく考えて決めたらいいんだ!」
「侯爵様…」
「アメリア、明日1日、このホテルでゆっくり考えなさい。君が出した答えに、誰も文句は言わせないからね。ちなみに陛下は、この件に関してはノータッチだそうだ。とにかくギルバート殿下が早く国に帰ってくれれば、何でも良いとおっしゃっていたよ」
そう言うと、苦笑いした侯爵様。それを見て、お父様も苦笑いしている。
「さあ、今日はもう遅い。ホテルの部屋に戻ってゆっくり休みなさい。お前の着替えなども、ホテルの部屋に運んであるからね」
「ありがとう、お父様」
メイドに連れられて、一足先にホテルの自室へと向かう。ホテルに泊まるのは、パッショナル王国に宿泊した時以来ね。あの日、初めてギルバート様にあったのよね。
「お嬢様、先に湯あみを済ませてしまいましょう」
そうね。丘に登ったから汗もかいたし、さっぱりしたいわ。メイドに連れられて、浴槽へと向かう。ホテルのお風呂は少し小さめなので、洗いにくそうにしているメイドたち。
「ねえ、もし私がパッショナル王国に嫁ぐ事になったら、あなた達は付いて来てくれるの?」
ふと気になった事をメイドたちに投げかけた。目を丸くするメイドたち。
「ごめんなさい。別について来いって言っている訳ではなくて、どうなのかなって思っただけなの!今の発言は忘れて!」
急に母国を離れる上、他国を回る事になるのだ。さすがについて来ると言う者はいないだろう。そう思っていたのだが…
「私はお嬢様に着いて行きますわ」
そう言ったのは、私と歳の近いメイドだ。
「私もですわ。世界を見て回るだなんて、素敵ではありませんか。だからお嬢様、私たちの事は気にせず、ご自分の事だけを考えてくださいませ」
そう言ってにっこり笑ったメイドたち。
「ありがとう、あなた達」
皆が私の意志を尊重してくれている、そう思ったら嬉しくて涙が込み上げた。そうよね、自分の事だけを考えて決めればいいのよね。
湯あみが終わると、ふと窓の外を眺める。ここは街の中心部。さらに、少し高い場所にあるホテルの為、ここからも奇麗な夜景が見えた。
「本当に奇麗な夜景ね。まさか、カルダス王国にもこんな美しい景色があったなんて、新たな発見だわ」
しばらく夜景を眺めた後は、ベッドに潜り込んだ。ゆっくり目を閉じるが、さすがにこんな事があったのだ。そう簡単に眠れるわけがない。
もちろん考える事は、ギルバート様とオスカー様の事だ。自分がどうするべきか分からず、悶々とベッドの中で考えた。ダメだ、疲れていて思考回路が停止している。とにかく今は寝よう。寝るのよ私!そう念じながら必死に目を閉じた。
「ウ~ン」
なんだか眩しいわ…
ゆっくり目を開けると、見覚えのない天井が。そうだわ、ホテルにいるのだった。昨日の夜、中々眠れなかったけれど、いつの間にか眠っていたのね。
私が起きた事を確認すると、メイドが話しかけて来た。
「お嬢様、そろそろお昼です。昼食のご準備をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
何ですって、お昼!嘘でしょう。何も考えがまとまらないまま、お昼ですって!こうしちゃいられないわ。
「ええ、すぐに準備して」
メイドが準備してくれたお昼ご飯を急いで食べ終わると、早速自分がどうしたいのか、紙に書き始めた。
まずはオスカー様からね。小さい頃からずっと一緒だったオスカー様。婚約を解消してからは人が変わったように、私に愛情を注いでくれる様になった。そのせいで冷や冷やしたり、窮屈に感じる部分もあるけれど、それでも私はオスカー様の事が好きだ。
それに何より、私を誰よりも愛してくれている。もし私がギルバート様に嫁いだら、オスカー様はどうするのだろう…そう考えると、なんだか胸が苦しくなった。
とりあえずオスカー様の事は一旦置いておこう。次はギルバート様ね。ギルバート様はとにかく気さくで、一緒にいて楽しい。そんなギルバート様と一緒に世界を回れたら、きっと物凄く楽しいだろう。
彼なら私を大切にしてくれそうな気がする。それに、この指輪。見た事のない大きな宝石が付いている。指輪の箱の中には説明書もあり、“左手の薬指に付けるんだよ”そう書いてあった。
そっと左手の薬指に付けてみると、ピッタリだ!いつの間に指のサイズを測ったのかしら?でも、私の為に指のサイズを調べてくれたのね。そう考えると、なんだか嬉しいわ。
その後も何時間も2人の事を考える。ふと外を見ると、日が沈みそうになっていた。嘘…もうこんな時間なの?どうしよう、気持ちがまとまっていない。
こんな時、ファビアナがいてくれたら相談できるのに!て、ダメよ。自分で考えないと2人に失礼よね。
結局その日は考えがまとまらないまま、寝る時間を迎えてしまった。どうしよう、どうしよう、どうしよう!全く考えがまとまらない!
考えがまとまらず、ベッドの前でウロウロとしていると、1人のメイドが話しかけて来た。
「お嬢様、差し出がましいかとは思いましたが、お嬢様の姿を見ていると、どうしても黙っていられなくて。お嬢様、そんなに難しく考える必要はないのではないでしょうか?お嬢様は、どちらのお方と一緒にいたいですか?」
「それが分からないの。私はオスカー様もギルバート様も大切なの。どちらも傷つけたくはないわ!」
どちらかを選べばどちらかが傷つく。それを考えると、どうしてもどちらかを選ぶなんて出来ないのだ。どうして私はこんなにも優柔不断なのかしら!自分でも嫌になるわ。こんな情けない私を、どうしてオスカー様もギルバート様も愛してくれるのだろう…
「それでしたら、どちらとお別れするのが辛いですか?」
アタフタしている私に、さらに話しかけるメイド。
「どちらと別れるのが辛い?」
「そうです、想像してみてください。お嬢様のこれからの生活の中で、それぞれの殿方がいないと考え見てください。そうすれば、おのずと答えが見えて来るのではございませんか?それでは、ごゆっくりお休みください」
そう言うと、メイドは部屋から出て行った。
どちらがいなくなると辛いか…
そんな事考えたことが無かったわ。
私にとって、居なくなると辛い人物…
ふと窓の外を見ると、今日も奇麗な夜景が広がっていた。その夜景を見つめながら考え込むアメリアであった。
「お嬢様、外は冷えます。そろそろ中に入りましょう」
メイドに案内され、ホテルの部屋へと向かうのかと思いきや、連れてこられたのはホテルの奥の部屋だ。ここは?
疑問に思いつつ中に入ると、部屋には両親とオスカー様のご両親が待っていた。
「アメリア、お帰り。急にホテルに連れてこられてびっくりしただろう。とにかく話がしたいから、とりあえず座りなさい」
お父様に促されて席に着く。これは一体どういう事なのかしら?
「実は今日、私と侯爵がギルバート殿下に呼び出されたんだ。それで、アメリアに気持ちを伝えたい事、もしOKなら妃として迎え入れたい事、さらに殿下と一緒に貿易の為他国を回らせたい事を相談されたんだ」
なるほど、先にお父様に話を通しておいたという事なのね。でも、なぜ侯爵様まで呼び出したのかしら?そんな私の心の声が聞こえたのか、今度は侯爵様が話始めた。
「ギルバート殿下は律儀な方でね。オスカーの事もあるからと、わざわざ私にまで許可を取られたのだよ。アメリア、君とオスカーはまだ正式に婚約をしていない。オスカーのバカが暴走したせいで、この国では君たちは既に結婚するだろうと言われている。だからと言って、オスカーを選ばなければいけない訳ではないんだよ。アメリアがどうしたいのか、どちらと今後共に歩みたいのか、よく考えて決めたらいいんだ!」
「侯爵様…」
「アメリア、明日1日、このホテルでゆっくり考えなさい。君が出した答えに、誰も文句は言わせないからね。ちなみに陛下は、この件に関してはノータッチだそうだ。とにかくギルバート殿下が早く国に帰ってくれれば、何でも良いとおっしゃっていたよ」
そう言うと、苦笑いした侯爵様。それを見て、お父様も苦笑いしている。
「さあ、今日はもう遅い。ホテルの部屋に戻ってゆっくり休みなさい。お前の着替えなども、ホテルの部屋に運んであるからね」
「ありがとう、お父様」
メイドに連れられて、一足先にホテルの自室へと向かう。ホテルに泊まるのは、パッショナル王国に宿泊した時以来ね。あの日、初めてギルバート様にあったのよね。
「お嬢様、先に湯あみを済ませてしまいましょう」
そうね。丘に登ったから汗もかいたし、さっぱりしたいわ。メイドに連れられて、浴槽へと向かう。ホテルのお風呂は少し小さめなので、洗いにくそうにしているメイドたち。
「ねえ、もし私がパッショナル王国に嫁ぐ事になったら、あなた達は付いて来てくれるの?」
ふと気になった事をメイドたちに投げかけた。目を丸くするメイドたち。
「ごめんなさい。別について来いって言っている訳ではなくて、どうなのかなって思っただけなの!今の発言は忘れて!」
急に母国を離れる上、他国を回る事になるのだ。さすがについて来ると言う者はいないだろう。そう思っていたのだが…
「私はお嬢様に着いて行きますわ」
そう言ったのは、私と歳の近いメイドだ。
「私もですわ。世界を見て回るだなんて、素敵ではありませんか。だからお嬢様、私たちの事は気にせず、ご自分の事だけを考えてくださいませ」
そう言ってにっこり笑ったメイドたち。
「ありがとう、あなた達」
皆が私の意志を尊重してくれている、そう思ったら嬉しくて涙が込み上げた。そうよね、自分の事だけを考えて決めればいいのよね。
湯あみが終わると、ふと窓の外を眺める。ここは街の中心部。さらに、少し高い場所にあるホテルの為、ここからも奇麗な夜景が見えた。
「本当に奇麗な夜景ね。まさか、カルダス王国にもこんな美しい景色があったなんて、新たな発見だわ」
しばらく夜景を眺めた後は、ベッドに潜り込んだ。ゆっくり目を閉じるが、さすがにこんな事があったのだ。そう簡単に眠れるわけがない。
もちろん考える事は、ギルバート様とオスカー様の事だ。自分がどうするべきか分からず、悶々とベッドの中で考えた。ダメだ、疲れていて思考回路が停止している。とにかく今は寝よう。寝るのよ私!そう念じながら必死に目を閉じた。
「ウ~ン」
なんだか眩しいわ…
ゆっくり目を開けると、見覚えのない天井が。そうだわ、ホテルにいるのだった。昨日の夜、中々眠れなかったけれど、いつの間にか眠っていたのね。
私が起きた事を確認すると、メイドが話しかけて来た。
「お嬢様、そろそろお昼です。昼食のご準備をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
何ですって、お昼!嘘でしょう。何も考えがまとまらないまま、お昼ですって!こうしちゃいられないわ。
「ええ、すぐに準備して」
メイドが準備してくれたお昼ご飯を急いで食べ終わると、早速自分がどうしたいのか、紙に書き始めた。
まずはオスカー様からね。小さい頃からずっと一緒だったオスカー様。婚約を解消してからは人が変わったように、私に愛情を注いでくれる様になった。そのせいで冷や冷やしたり、窮屈に感じる部分もあるけれど、それでも私はオスカー様の事が好きだ。
それに何より、私を誰よりも愛してくれている。もし私がギルバート様に嫁いだら、オスカー様はどうするのだろう…そう考えると、なんだか胸が苦しくなった。
とりあえずオスカー様の事は一旦置いておこう。次はギルバート様ね。ギルバート様はとにかく気さくで、一緒にいて楽しい。そんなギルバート様と一緒に世界を回れたら、きっと物凄く楽しいだろう。
彼なら私を大切にしてくれそうな気がする。それに、この指輪。見た事のない大きな宝石が付いている。指輪の箱の中には説明書もあり、“左手の薬指に付けるんだよ”そう書いてあった。
そっと左手の薬指に付けてみると、ピッタリだ!いつの間に指のサイズを測ったのかしら?でも、私の為に指のサイズを調べてくれたのね。そう考えると、なんだか嬉しいわ。
その後も何時間も2人の事を考える。ふと外を見ると、日が沈みそうになっていた。嘘…もうこんな時間なの?どうしよう、気持ちがまとまっていない。
こんな時、ファビアナがいてくれたら相談できるのに!て、ダメよ。自分で考えないと2人に失礼よね。
結局その日は考えがまとまらないまま、寝る時間を迎えてしまった。どうしよう、どうしよう、どうしよう!全く考えがまとまらない!
考えがまとまらず、ベッドの前でウロウロとしていると、1人のメイドが話しかけて来た。
「お嬢様、差し出がましいかとは思いましたが、お嬢様の姿を見ていると、どうしても黙っていられなくて。お嬢様、そんなに難しく考える必要はないのではないでしょうか?お嬢様は、どちらのお方と一緒にいたいですか?」
「それが分からないの。私はオスカー様もギルバート様も大切なの。どちらも傷つけたくはないわ!」
どちらかを選べばどちらかが傷つく。それを考えると、どうしてもどちらかを選ぶなんて出来ないのだ。どうして私はこんなにも優柔不断なのかしら!自分でも嫌になるわ。こんな情けない私を、どうしてオスカー様もギルバート様も愛してくれるのだろう…
「それでしたら、どちらとお別れするのが辛いですか?」
アタフタしている私に、さらに話しかけるメイド。
「どちらと別れるのが辛い?」
「そうです、想像してみてください。お嬢様のこれからの生活の中で、それぞれの殿方がいないと考え見てください。そうすれば、おのずと答えが見えて来るのではございませんか?それでは、ごゆっくりお休みください」
そう言うと、メイドは部屋から出て行った。
どちらがいなくなると辛いか…
そんな事考えたことが無かったわ。
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