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第14話:アメリアは誰にも渡さないよ【後編】~オスカー視点~
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稽古が始めると、いつも以上に気合いを入れ、騎士仲間を次々と倒していく。とにかく、アメリアにカッコいい姿を見てもらいたい。その一心で稽古に励んだ。
騎士団長からも
「オスカー、今日は一段と気合が入っているな。その調子で頑張れよ」
そう声を掛けられるほどだ。
しばらくすると、アメリアがミアとその取り巻き達にどこかへ連れていかれた。心配ですぐに後を追おうとしたのだが
「オスカー、もうすぐで休憩だ。気になるのは分かるが、少し待て」
団長にそう言われてしまい、仕方なく休憩まで待つことにした。その後すぐに休憩時間になった。急いでアメリアを探しに行こうとした時、1人の騎士が僕の方にやって来た。
「オスカー、アメリア嬢が稽古場の裏に連れていかれたぞ」
どうやらアメリアたちを目撃して、僕を呼びに来てくれた様だ。
「ありがとう、すぐに向かうよ」
「待て、俺たちも一緒にくよ!」
なぜか騎士仲間数人も一緒に付いて来てくれた。急いで稽古場の裏に向かうと、ミア&取り巻きに囲まれているアメリアが目に入った。と、次の瞬間、鉄パイプを取り出したミア。その鉄パイプをアメリアに向かって振りかざした!危ない!
「ガコン」
鈍い音と背中に激痛が走る。でも、どうやらアメリアは守れたようだ。僕が鉄パイプで殴られたのを見て、仲間たちが血相を変えて走って来た。
アメリアも心配そうに僕の方を見ている。ふとミアの方を見ると、真っ青な顔をして固まっていた。そうか、僕はアメリアだけでなく、この女も傷つけていたのか…自分の浅はかな行動のせいで、色々な人を傷つけた様だ。
そう思ったら、男としてしっかりケジメを付けないと。そう考え、ミアに謝罪をした。ただ、アメリアを傷つけようとした事だけは許せなかったので、その事はしっかり抗議をした。
もし、僕がもう少し来るのが遅れていたら、きっとアメリアは大怪我をしていただろう。そう考えると、背筋が凍り付くような恐怖を覚えた。とにかく、アメリアが無事でよかった。
その後医務室で治療を受けたが、どうやら骨には異常は無いようだ。僕の治療が終わると、泣きながら僕に謝罪をするアメリア。いいや、悪いのは僕だ!アメリアの涙を見て、自分がどれほど浅はかだったか、改めて思い知った。
それと同時に、もう二度とアメリアにこんな怖い思いをさせたくないと思った。とにかく、僕の可愛いアメリアが今後危険にさらされる事が無いよう、しっかり側で見守ろう。
その後団長に事の経緯を話し終わったアメリアを連れ、馬車へと乗り込んだ。優しいアメリアが僕の家まで送ると言ってくれたが、もちろん令嬢に送って貰うなんて事はさせられない。僕がアメリアの家まで送って行った。
正直アメリアと離れたくないが、仕方がない。とにかく今は、アメリアとの婚約を結び直す事を最優先に考えよう。
屋敷に着くと、すぐに父上に今日騎士団で起こった事件について説明をした。
「何て事だ…お前は結局2人の令嬢を傷つけたんだ!分かっているのか?」
そう言って怒られたが、もちろん僕も怒られたままで引き下がるつもりはない。
「その件に関しては、ミア嬢にもしっかり謝罪しました。そうそう、貴族学院や騎士団内でも、僕がアメリアをどれほど愛しているか、皆にこれでもかと言うくらい見せて来たし。アメリアも僕の口付けを拒まなくなったし。これで婚約を結び直さなければ、きっと社交界でも笑いものなる事間違いなしだね」
「オスカー、まさか人前でアメリアに口付けをしたのか?そんな事をしたら、アメリアがふしだらな女だと思われるだろう!」
「だから、今すぐに婚約を結び直すように、父上からも伯爵に強く行って欲しいんだ!アメリアが悪く言われる前にね」
父上に向かってにっこり微笑んだ。
「お前って奴は…わかったよ。伯爵には、近いうちに話をする事にしよう」
何だかんだ言って、僕に甘い父上。これでさらにアメリアとの婚約に近づいた。
コンコン
「旦那様、リーファス伯爵とアメリア嬢がいらっしゃいました。居間にご案内しております」
「アメリアが!すぐに行くよ」
アメリアが来ているなんて!急いでアメリアの元へと向かった。
「アメリア、どうしたんだい!急に!」
もしかして、僕との婚約を結び直すという話かもしれない!嬉しくて、アメリアをギューッと抱きしめた。
「オスカー、アメリアを守る為に怪我をしたようだね。アメリアを守ってくれてありがとう。今日はお礼を言いに来たんだよ。それで怪我の具合はどうだい?」
なんだ、お礼を言いに来ただけか。でも思いがけずアメリアに会えたのだから、まあいいか。
「痛み止めを飲んでいるので、今はほとんど痛みはありません。そもそも、アメリアを守るのは僕の役目ですので、伯爵にお礼を行って頂く必要はありませんよ」
そう言うと、すかさずアメリアの腰に手を回し、そのまま隣に座らせた。
「やあ、待たせてすまなかったな。伯爵にアメリア嬢まで。一体どうしたんだい?」
父上がやっとやって来た。
「侯爵様、私を助けるために、オスカー様が怪我をしてしまいました。誠に申し訳ございませんでした」
なぜか深々と頭を下げるアメリア。
「君が謝る必要はない。悪いのはオスカーだ!アメリア、オスカーのバカのせいで、怖い思いをさせてしまって悪かったね。それにしても、アメリアが怪我をしなくて本当に良かったよ」
アメリアに優しいほほ笑みを見せた後、なぜか僕の方に向き直った父上に、再び怒られた。それさっき聞いたよ!そう言いたかったが、ここはグッとこらえた。そして、今後はアメリアを危険な目に合わせない事を、伯爵に約束した。
その後は、当たり前のようにアメリアの頬に口付けをした。頬が気に入らなかったのか、抗議の声を上げるアメリアに、今度は唇に口付けをした。やっぱりアメリアの唇は最高だな。
それにしても、口付けをしたくらいで真っ赤になるなんて、アメリアは可愛い。そうだ、これから口付けを毎日の日課にしよう。
そんな僕たちを見て父上が
「悪いが近いうちに婚約を結び直す事になりそうだ」
そうはっきりと伯爵に告げてくれた。伯爵も納得してくれたのだが…
なんと、一度婚約を解消すると、半年は再度婚約を結ぶことが出来ないと言う、重大な事実を伯爵が隠していたのだ!そう、後4ヶ月待たないと婚約を結び直せないんだ!あり得ない!こんなものは詐欺だ!ふざけている伯爵と喧嘩になりそうになった時、父上に止められた。
とりあえず、4ヶ月後に婚約を結び直すと言う事で話はまとまった!
早速アメリアに
「僕と君が婚約を結び直す事が決まったんだ!今から、婚約者としてふるまってもらうからね。わかったかい?とにかく、他の令息と話すのは禁止だ!どこかに行く時は必ず僕の許可を取る事。それから、基本的に僕と一緒に居る事!しばらくは騎士団の稽古は休むが、稽古が始まれば毎日僕と一緒に稽古場に来てもらうからね。その際ももちろん、令息との会話を禁止する!いいね。後、細かい事は今日中に紙にまとめておくよ」
そう伝えておいた。もう紳士のフリなんてするつもりはない。一度は失いかけたんだ。もう二度とアメリアが逃げない様に、アメリアをしっかり捕まえておかないと!僕の発言に、父上も伯爵も、当のアメリアも苦笑いしていたが、知った事じゃない。そうだな、アメリアが約束を破った時の罰も考えないといけないな!
何がいいかな?想像しただけで、ニヤニヤが止まらない。
「オスカー、あまりアメリアを縛り付けないでやってくれよ」
伯爵がそんな事を言っていたが、もちろん僕の耳には入らない。まずは明日、皆に再度婚約を結び直す事になったと伝えないとね。
騎士団長からも
「オスカー、今日は一段と気合が入っているな。その調子で頑張れよ」
そう声を掛けられるほどだ。
しばらくすると、アメリアがミアとその取り巻き達にどこかへ連れていかれた。心配ですぐに後を追おうとしたのだが
「オスカー、もうすぐで休憩だ。気になるのは分かるが、少し待て」
団長にそう言われてしまい、仕方なく休憩まで待つことにした。その後すぐに休憩時間になった。急いでアメリアを探しに行こうとした時、1人の騎士が僕の方にやって来た。
「オスカー、アメリア嬢が稽古場の裏に連れていかれたぞ」
どうやらアメリアたちを目撃して、僕を呼びに来てくれた様だ。
「ありがとう、すぐに向かうよ」
「待て、俺たちも一緒にくよ!」
なぜか騎士仲間数人も一緒に付いて来てくれた。急いで稽古場の裏に向かうと、ミア&取り巻きに囲まれているアメリアが目に入った。と、次の瞬間、鉄パイプを取り出したミア。その鉄パイプをアメリアに向かって振りかざした!危ない!
「ガコン」
鈍い音と背中に激痛が走る。でも、どうやらアメリアは守れたようだ。僕が鉄パイプで殴られたのを見て、仲間たちが血相を変えて走って来た。
アメリアも心配そうに僕の方を見ている。ふとミアの方を見ると、真っ青な顔をして固まっていた。そうか、僕はアメリアだけでなく、この女も傷つけていたのか…自分の浅はかな行動のせいで、色々な人を傷つけた様だ。
そう思ったら、男としてしっかりケジメを付けないと。そう考え、ミアに謝罪をした。ただ、アメリアを傷つけようとした事だけは許せなかったので、その事はしっかり抗議をした。
もし、僕がもう少し来るのが遅れていたら、きっとアメリアは大怪我をしていただろう。そう考えると、背筋が凍り付くような恐怖を覚えた。とにかく、アメリアが無事でよかった。
その後医務室で治療を受けたが、どうやら骨には異常は無いようだ。僕の治療が終わると、泣きながら僕に謝罪をするアメリア。いいや、悪いのは僕だ!アメリアの涙を見て、自分がどれほど浅はかだったか、改めて思い知った。
それと同時に、もう二度とアメリアにこんな怖い思いをさせたくないと思った。とにかく、僕の可愛いアメリアが今後危険にさらされる事が無いよう、しっかり側で見守ろう。
その後団長に事の経緯を話し終わったアメリアを連れ、馬車へと乗り込んだ。優しいアメリアが僕の家まで送ると言ってくれたが、もちろん令嬢に送って貰うなんて事はさせられない。僕がアメリアの家まで送って行った。
正直アメリアと離れたくないが、仕方がない。とにかく今は、アメリアとの婚約を結び直す事を最優先に考えよう。
屋敷に着くと、すぐに父上に今日騎士団で起こった事件について説明をした。
「何て事だ…お前は結局2人の令嬢を傷つけたんだ!分かっているのか?」
そう言って怒られたが、もちろん僕も怒られたままで引き下がるつもりはない。
「その件に関しては、ミア嬢にもしっかり謝罪しました。そうそう、貴族学院や騎士団内でも、僕がアメリアをどれほど愛しているか、皆にこれでもかと言うくらい見せて来たし。アメリアも僕の口付けを拒まなくなったし。これで婚約を結び直さなければ、きっと社交界でも笑いものなる事間違いなしだね」
「オスカー、まさか人前でアメリアに口付けをしたのか?そんな事をしたら、アメリアがふしだらな女だと思われるだろう!」
「だから、今すぐに婚約を結び直すように、父上からも伯爵に強く行って欲しいんだ!アメリアが悪く言われる前にね」
父上に向かってにっこり微笑んだ。
「お前って奴は…わかったよ。伯爵には、近いうちに話をする事にしよう」
何だかんだ言って、僕に甘い父上。これでさらにアメリアとの婚約に近づいた。
コンコン
「旦那様、リーファス伯爵とアメリア嬢がいらっしゃいました。居間にご案内しております」
「アメリアが!すぐに行くよ」
アメリアが来ているなんて!急いでアメリアの元へと向かった。
「アメリア、どうしたんだい!急に!」
もしかして、僕との婚約を結び直すという話かもしれない!嬉しくて、アメリアをギューッと抱きしめた。
「オスカー、アメリアを守る為に怪我をしたようだね。アメリアを守ってくれてありがとう。今日はお礼を言いに来たんだよ。それで怪我の具合はどうだい?」
なんだ、お礼を言いに来ただけか。でも思いがけずアメリアに会えたのだから、まあいいか。
「痛み止めを飲んでいるので、今はほとんど痛みはありません。そもそも、アメリアを守るのは僕の役目ですので、伯爵にお礼を行って頂く必要はありませんよ」
そう言うと、すかさずアメリアの腰に手を回し、そのまま隣に座らせた。
「やあ、待たせてすまなかったな。伯爵にアメリア嬢まで。一体どうしたんだい?」
父上がやっとやって来た。
「侯爵様、私を助けるために、オスカー様が怪我をしてしまいました。誠に申し訳ございませんでした」
なぜか深々と頭を下げるアメリア。
「君が謝る必要はない。悪いのはオスカーだ!アメリア、オスカーのバカのせいで、怖い思いをさせてしまって悪かったね。それにしても、アメリアが怪我をしなくて本当に良かったよ」
アメリアに優しいほほ笑みを見せた後、なぜか僕の方に向き直った父上に、再び怒られた。それさっき聞いたよ!そう言いたかったが、ここはグッとこらえた。そして、今後はアメリアを危険な目に合わせない事を、伯爵に約束した。
その後は、当たり前のようにアメリアの頬に口付けをした。頬が気に入らなかったのか、抗議の声を上げるアメリアに、今度は唇に口付けをした。やっぱりアメリアの唇は最高だな。
それにしても、口付けをしたくらいで真っ赤になるなんて、アメリアは可愛い。そうだ、これから口付けを毎日の日課にしよう。
そんな僕たちを見て父上が
「悪いが近いうちに婚約を結び直す事になりそうだ」
そうはっきりと伯爵に告げてくれた。伯爵も納得してくれたのだが…
なんと、一度婚約を解消すると、半年は再度婚約を結ぶことが出来ないと言う、重大な事実を伯爵が隠していたのだ!そう、後4ヶ月待たないと婚約を結び直せないんだ!あり得ない!こんなものは詐欺だ!ふざけている伯爵と喧嘩になりそうになった時、父上に止められた。
とりあえず、4ヶ月後に婚約を結び直すと言う事で話はまとまった!
早速アメリアに
「僕と君が婚約を結び直す事が決まったんだ!今から、婚約者としてふるまってもらうからね。わかったかい?とにかく、他の令息と話すのは禁止だ!どこかに行く時は必ず僕の許可を取る事。それから、基本的に僕と一緒に居る事!しばらくは騎士団の稽古は休むが、稽古が始まれば毎日僕と一緒に稽古場に来てもらうからね。その際ももちろん、令息との会話を禁止する!いいね。後、細かい事は今日中に紙にまとめておくよ」
そう伝えておいた。もう紳士のフリなんてするつもりはない。一度は失いかけたんだ。もう二度とアメリアが逃げない様に、アメリアをしっかり捕まえておかないと!僕の発言に、父上も伯爵も、当のアメリアも苦笑いしていたが、知った事じゃない。そうだな、アメリアが約束を破った時の罰も考えないといけないな!
何がいいかな?想像しただけで、ニヤニヤが止まらない。
「オスカー、あまりアメリアを縛り付けないでやってくれよ」
伯爵がそんな事を言っていたが、もちろん僕の耳には入らない。まずは明日、皆に再度婚約を結び直す事になったと伝えないとね。
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