6 / 36
第6話:船の旅は最高に楽しいです
しおりを挟む
翌日、朝早くにファビアナに起こされた。一体何なのかしら?まだ眠いわ…眠い目をこすり、向かった先はデッキだ。
「ほら、アメリア、見て!朝日がとっても奇麗でしょう!」
「本当ね!昨日の夕日も奇麗だったけれど、負けず劣らず奇麗だわ。それに、見渡す限り海が広がっているわ。なんだか壮大な景色ね」
「そうね、明日の朝には1つ目の国に着く予定だから、今日は船の中で過ごしましょう。そうだわ、この船にはちょっとした娯楽スペースがあるの。朝食後に行って見ましょう!」
娯楽スペースか。それは楽しみね!急いで朝食を食べ終わると、早速娯楽スペースへと向かう。そこには、ダーツやビリヤードなど、色々なものが置いてあった。ふとあるものに目が留まる。
「ファビアナ、これは一体何?」
そこには私の顔よりも大きなボールと、高い位置にそのボールがギリギリ入りそうなネットの様な物がぶら下がっている。
「これはバスケットというものよ。このボールをあそこのゴールネットに入れるの。やってみて」
ファビアナからボールを受け取り、早速投げるが、全然届かない。
「ファビアナ、全然届かないわ」
「仕方ないわね。隣は低めになっているから、あっちでやってみて」
確かに今投げた方より低いゴールネットがあった。早速投げてみると
「今度は入ったわ!やったわ、ファビアナ!」
嬉しくてついファビアナに抱き着いた。その後は、1日中娯楽施設でたっぷり遊んで汗を流した。そしてその日の夜、お父様から持たされた通信機に通信が入った。
「お父様、どうしたの?私は元気にやっているから心配しないで」
“今日はお前に報告があって通信したんだよ。お前とオスカーとの婚約が正式に解消されたよ。これでお前は自由だ!”
「…そう、ありがとう、お父様」
“いいや、私は大したことはしていないよ。それじゃあ、しっかり楽しんで来るんだよ。くれぐれも勝手な行動は慎む事。ファビアナ嬢から離れるなよ。それと…”
「分かったわ、お父様!それじゃあね」
“待ちなさい。話はまだ…ツーツー”
お父様ったら話が長いんだから。予想はしていたけれど、こんなにあっさりと婚約が解消される物なのね…
私とオスカー様の5年間は、一体何だったのかしら…気が付いたら、瞳からどんどん涙が溢れて来た。やっぱり、私はオスカー様が好きだったんだわ。正直、心のどこかで婚約解消をオスカー様が断ってくれる事を期待していたのかもしれない…
でも…オスカー様はやっぱりミア様が好きだったのね。きっと私が帰国した頃には、オスカー様とミア様が婚約したって話を聞かされるのだろう!
分かっていても、やっぱり辛いものね…
次から次へと涙が溢れ出す。今日だけは…今日だけはオスカー様を思って泣こう。そして、明日からはいつも通り、笑顔で過ごそう。窓から見える真っ暗な海を見ながら、1人で泣いた。
さようなら、オスカー様。さようなら、私の初恋。
翌日
窓から朝日が差し込む。どうやら泣きながら眠ってしまった様だ。鏡に映る自分の姿を見て、苦笑いする。酷い顔ね…
とにかくメイドたちが来る前に顔を洗わないと!冷たい水で何度も顔を洗う。うん、何とかマシな顔になったわ。
コンコン
「お嬢様、もうすぐ1つ目の国に着く様ですよ。急いでお着替えを済ませましょう。今日はかなり歩くようなので、ズボンをお履き下さい」
あら、もう着くのね。ズボンか、あまり履いた事は無いけれど、まあいいわ。急いで着替えをし、ファビアナと一緒に食事を済ませた。
「さあ、アメリア。1つ目の国に着いたわよ。この国はね、とても大きな滝があるの!早速行きましょう」
ファビアナに連れられて船を降りた。ふと船を見ると、船員たちが荷物を降ろしている。
「ねえ、私たちは手伝わなくていいの?そもそも、ファビアナは今回商人たちと交渉する為に来たのでしょう?」
「そうね、いつもは商売の場に居る事が多いけれど、今回は別よ!アメリアに色々な国を見せる為に来たのよ。だから、今回はたっぷり観光を楽しむつもり!ほら、行きましょう!」
メイドたちが手配してくれた馬車へと乗り込み、早速出発だ!目指すは大きな滝がある場所。でも、滝の近くには馬車ではいけない為、途中から歩きだ。ちなみに、現地の人が案内してくれるらしい。
「待って、ファビアナ。さすがに少し疲れたわ。休憩しましょう」
「何言っているの?アメリアは体力が無さすぎよ!ほら、行くわよ」
ファビアナに腕を引っ張られたが、さすがに限界だ。そんな私を見て、メイドがカゴという乗り物を手配してくれた。このカゴという乗り物で、滝を目指す。結局ファビアナもカゴに乗っていた。
1時間以上進んだだろうか。目の前には、それはそれは大きな滝が目に入った。こんなに大きな滝は初めて見たわ。
「ファビアナ、見て!あんなに沢山の水が滝から落ちて来るわ。それに、ここはなんて空気が美味しいのかしら!」
ずっと王都の都会で生活していた私には、とにかく空気の奇麗さにびっくりだ。
「お嬢様、あちらをご覧ください。あの鳥は、この国にしか生息していない珍しい鳥なのですよ」
ガイドさんが指さした方を見ると、赤や青などとてもカラフルな鳥が居た。あんなにカラフルな鳥は初めて見たわ。
他にも、珍しい花々が咲いていた。その中で一番目に付いたのが、光の加減で虹色に光る花だ。この花もこの国にだけ生息しているらしい。
せっかくなので、押し花にでもしようと思い、少し摘んで帰る事にした。帰りももちろん、カゴに乗って戻る。それにしても、馬車以外にも、こんな乗り物があるのね。そしてこの日の夜は、近くのホテルで夕食を食べた。
「アメリア、この国はジャガイモが有名なの。だから、ジャガイモのお料理が多いのよ」
ファビアナが言った通り、潰したジャガイモを筆頭に、ジャガイモのサラダ、ジャガイモを甘辛く煮たもの、さらに薄くスライスして揚げてあるものまで出て来た。
もちろん、港が近いという事もあり、新鮮な魚料理もテーブルを彩る。たっぷり料理を堪能し、そのまま船へと戻った。
出来るだけ沢山の国に行く為、荷物を降ろし、商人たちと商売に関する話をしたら、すぐい次の国へ移動するらしい。特に夜は貴重な移動時間だ。無駄には出来ないらしい。
その後も色々な国を回った。おとぎの国に出て来る様な可愛らしい建物が多く立ち並ぶ国、エメラルドグリーンの海に囲まれた美しい島国、さらに砂漠と呼ばれる砂に覆われた国にも行った。
とにかく見る物見る物が素晴らしく、感動の連続だ。やはり、一番すごかったのが、空に浮かぶ街がある国だ。
この国の人たちは、皆魔法を使って生活をしている。初めて見る魔法に大興奮!宙を浮く乗り物にも乗った。
「まるで鳥になったみたいね!」
そうファビアナと話していたら、ガイドさんに笑われてしまった。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。何だかんだで、帰国まで後1週間と迫っていた。
「ねえ、ファビアナ、後1週間で帰国なのね。もっといろいろな国を見て回りたかったわ」
「そうね。私もアメリアが居たから、物凄く楽しかったわ。そうだ、学年末休みも、またこうやって商船で旅に出ましょう!今度はまた別の国をルートとしている船を手配しておくわ」
「それ本当?ありがとう、ファビアナ。でも、なんだか申し訳ないわね」
「何を言っているの。変なところで遠慮するなんて、アメリアらしくないわ!私も物凄く楽しいし。それに私たちは学院を卒業したら、遅かれ早かれ誰かと結婚しないといけないのよ。学生の時ぐらい、好きな事をしてもいいと思うの」
確かにそうよね。オスカー様とは婚約を解消したが、そのまま誰とも結婚しないと言う訳にはいかないだろう。そういえば、オスカー様とミア様はもう婚約をしたかしら?
そう思ったら、少しだけ胸がチクリと痛んだ。いけないわ、もうオスカー様の事は考えない様にしていたのに。
「アメリア、どうしたの?急に暗い顔をして」
ファビアナが心配そうに話しかけて来た。
「何でもないのよ!とにかく、まだ1週間旅は残っているわ!目いっぱい楽しみましょうね」
そうよ、まだ旅は1週間も残っているのですもの。せっかく楽しい旅に来ているのだから、今はオスカー様の事を考えるのは止めましょう!
「ほら、アメリア、見て!朝日がとっても奇麗でしょう!」
「本当ね!昨日の夕日も奇麗だったけれど、負けず劣らず奇麗だわ。それに、見渡す限り海が広がっているわ。なんだか壮大な景色ね」
「そうね、明日の朝には1つ目の国に着く予定だから、今日は船の中で過ごしましょう。そうだわ、この船にはちょっとした娯楽スペースがあるの。朝食後に行って見ましょう!」
娯楽スペースか。それは楽しみね!急いで朝食を食べ終わると、早速娯楽スペースへと向かう。そこには、ダーツやビリヤードなど、色々なものが置いてあった。ふとあるものに目が留まる。
「ファビアナ、これは一体何?」
そこには私の顔よりも大きなボールと、高い位置にそのボールがギリギリ入りそうなネットの様な物がぶら下がっている。
「これはバスケットというものよ。このボールをあそこのゴールネットに入れるの。やってみて」
ファビアナからボールを受け取り、早速投げるが、全然届かない。
「ファビアナ、全然届かないわ」
「仕方ないわね。隣は低めになっているから、あっちでやってみて」
確かに今投げた方より低いゴールネットがあった。早速投げてみると
「今度は入ったわ!やったわ、ファビアナ!」
嬉しくてついファビアナに抱き着いた。その後は、1日中娯楽施設でたっぷり遊んで汗を流した。そしてその日の夜、お父様から持たされた通信機に通信が入った。
「お父様、どうしたの?私は元気にやっているから心配しないで」
“今日はお前に報告があって通信したんだよ。お前とオスカーとの婚約が正式に解消されたよ。これでお前は自由だ!”
「…そう、ありがとう、お父様」
“いいや、私は大したことはしていないよ。それじゃあ、しっかり楽しんで来るんだよ。くれぐれも勝手な行動は慎む事。ファビアナ嬢から離れるなよ。それと…”
「分かったわ、お父様!それじゃあね」
“待ちなさい。話はまだ…ツーツー”
お父様ったら話が長いんだから。予想はしていたけれど、こんなにあっさりと婚約が解消される物なのね…
私とオスカー様の5年間は、一体何だったのかしら…気が付いたら、瞳からどんどん涙が溢れて来た。やっぱり、私はオスカー様が好きだったんだわ。正直、心のどこかで婚約解消をオスカー様が断ってくれる事を期待していたのかもしれない…
でも…オスカー様はやっぱりミア様が好きだったのね。きっと私が帰国した頃には、オスカー様とミア様が婚約したって話を聞かされるのだろう!
分かっていても、やっぱり辛いものね…
次から次へと涙が溢れ出す。今日だけは…今日だけはオスカー様を思って泣こう。そして、明日からはいつも通り、笑顔で過ごそう。窓から見える真っ暗な海を見ながら、1人で泣いた。
さようなら、オスカー様。さようなら、私の初恋。
翌日
窓から朝日が差し込む。どうやら泣きながら眠ってしまった様だ。鏡に映る自分の姿を見て、苦笑いする。酷い顔ね…
とにかくメイドたちが来る前に顔を洗わないと!冷たい水で何度も顔を洗う。うん、何とかマシな顔になったわ。
コンコン
「お嬢様、もうすぐ1つ目の国に着く様ですよ。急いでお着替えを済ませましょう。今日はかなり歩くようなので、ズボンをお履き下さい」
あら、もう着くのね。ズボンか、あまり履いた事は無いけれど、まあいいわ。急いで着替えをし、ファビアナと一緒に食事を済ませた。
「さあ、アメリア。1つ目の国に着いたわよ。この国はね、とても大きな滝があるの!早速行きましょう」
ファビアナに連れられて船を降りた。ふと船を見ると、船員たちが荷物を降ろしている。
「ねえ、私たちは手伝わなくていいの?そもそも、ファビアナは今回商人たちと交渉する為に来たのでしょう?」
「そうね、いつもは商売の場に居る事が多いけれど、今回は別よ!アメリアに色々な国を見せる為に来たのよ。だから、今回はたっぷり観光を楽しむつもり!ほら、行きましょう!」
メイドたちが手配してくれた馬車へと乗り込み、早速出発だ!目指すは大きな滝がある場所。でも、滝の近くには馬車ではいけない為、途中から歩きだ。ちなみに、現地の人が案内してくれるらしい。
「待って、ファビアナ。さすがに少し疲れたわ。休憩しましょう」
「何言っているの?アメリアは体力が無さすぎよ!ほら、行くわよ」
ファビアナに腕を引っ張られたが、さすがに限界だ。そんな私を見て、メイドがカゴという乗り物を手配してくれた。このカゴという乗り物で、滝を目指す。結局ファビアナもカゴに乗っていた。
1時間以上進んだだろうか。目の前には、それはそれは大きな滝が目に入った。こんなに大きな滝は初めて見たわ。
「ファビアナ、見て!あんなに沢山の水が滝から落ちて来るわ。それに、ここはなんて空気が美味しいのかしら!」
ずっと王都の都会で生活していた私には、とにかく空気の奇麗さにびっくりだ。
「お嬢様、あちらをご覧ください。あの鳥は、この国にしか生息していない珍しい鳥なのですよ」
ガイドさんが指さした方を見ると、赤や青などとてもカラフルな鳥が居た。あんなにカラフルな鳥は初めて見たわ。
他にも、珍しい花々が咲いていた。その中で一番目に付いたのが、光の加減で虹色に光る花だ。この花もこの国にだけ生息しているらしい。
せっかくなので、押し花にでもしようと思い、少し摘んで帰る事にした。帰りももちろん、カゴに乗って戻る。それにしても、馬車以外にも、こんな乗り物があるのね。そしてこの日の夜は、近くのホテルで夕食を食べた。
「アメリア、この国はジャガイモが有名なの。だから、ジャガイモのお料理が多いのよ」
ファビアナが言った通り、潰したジャガイモを筆頭に、ジャガイモのサラダ、ジャガイモを甘辛く煮たもの、さらに薄くスライスして揚げてあるものまで出て来た。
もちろん、港が近いという事もあり、新鮮な魚料理もテーブルを彩る。たっぷり料理を堪能し、そのまま船へと戻った。
出来るだけ沢山の国に行く為、荷物を降ろし、商人たちと商売に関する話をしたら、すぐい次の国へ移動するらしい。特に夜は貴重な移動時間だ。無駄には出来ないらしい。
その後も色々な国を回った。おとぎの国に出て来る様な可愛らしい建物が多く立ち並ぶ国、エメラルドグリーンの海に囲まれた美しい島国、さらに砂漠と呼ばれる砂に覆われた国にも行った。
とにかく見る物見る物が素晴らしく、感動の連続だ。やはり、一番すごかったのが、空に浮かぶ街がある国だ。
この国の人たちは、皆魔法を使って生活をしている。初めて見る魔法に大興奮!宙を浮く乗り物にも乗った。
「まるで鳥になったみたいね!」
そうファビアナと話していたら、ガイドさんに笑われてしまった。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。何だかんだで、帰国まで後1週間と迫っていた。
「ねえ、ファビアナ、後1週間で帰国なのね。もっといろいろな国を見て回りたかったわ」
「そうね。私もアメリアが居たから、物凄く楽しかったわ。そうだ、学年末休みも、またこうやって商船で旅に出ましょう!今度はまた別の国をルートとしている船を手配しておくわ」
「それ本当?ありがとう、ファビアナ。でも、なんだか申し訳ないわね」
「何を言っているの。変なところで遠慮するなんて、アメリアらしくないわ!私も物凄く楽しいし。それに私たちは学院を卒業したら、遅かれ早かれ誰かと結婚しないといけないのよ。学生の時ぐらい、好きな事をしてもいいと思うの」
確かにそうよね。オスカー様とは婚約を解消したが、そのまま誰とも結婚しないと言う訳にはいかないだろう。そういえば、オスカー様とミア様はもう婚約をしたかしら?
そう思ったら、少しだけ胸がチクリと痛んだ。いけないわ、もうオスカー様の事は考えない様にしていたのに。
「アメリア、どうしたの?急に暗い顔をして」
ファビアナが心配そうに話しかけて来た。
「何でもないのよ!とにかく、まだ1週間旅は残っているわ!目いっぱい楽しみましょうね」
そうよ、まだ旅は1週間も残っているのですもの。せっかく楽しい旅に来ているのだから、今はオスカー様の事を考えるのは止めましょう!
61
お気に入りに追加
5,315
あなたにおすすめの小説
元婚約者が愛おしい
碧桜 汐香
恋愛
いつも笑顔で支えてくれた婚約者アマリルがいるのに、相談もなく海外留学を決めたフラン王子。
留学先の隣国で、平民リーシャに惹かれていく。
フラン王子の親友であり、大国の王子であるステファン王子が止めるも、アマリルを捨て、リーシャと婚約する。
リーシャの本性や様々な者の策略を知ったフラン王子。アマリルのことを思い出して後悔するが、もう遅かったのだった。
フラン王子目線の物語です。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
選ばれたのは私でした
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉様は、私が王太子妃になるのを横で指を咥えて見てるといいわ」
妹の趣味、姉を虐める事……。
姉アレクシアは、妹エルヴィーラの自尊心を満たす為だけに、侍女として付き添う事に。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
侯爵令嬢のアレクシアには、エルヴィーラという妹がいる。
「お姉様に、私が劣るなんてあり得ない」
妹の口癖だ。
妹は優秀で美しく、姉アレクシアは平凡で普通だと周囲からは言われた。
だが、それには秘密がある。
両親から溺愛される妹より優秀である事は許されいアレクシア。
妹よりも上手くダンスを踊れば、折檻される。妹よりもヴァイオリンを上手く弾けば、折檻された。
アレクシアはその為に、全てにおいて妹より劣って見えるように振る舞ってきた。
そんなある日、この国の王太子の妃を選ぶと伝令が出される。
妹は、王太子妃候補に選ばれ城へと赴く事になったのだが。その前夜アレクシアは、両親から衝撃の話をされる。
「エルヴィーラの侍女として、貴女も城へ行きなさい」
やがて、どうしても王太子妃になりたい妹は自滅して破滅の道を辿り、それに反するように姉アレクシアは、沢山の人望を集めて人々から愛されるようになり……。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
【完】愛していますよ。だから幸せになってくださいね!
さこの
恋愛
「僕の事愛してる?」
「はい、愛しています」
「ごめん。僕は……婚約が決まりそうなんだ、何度も何度も説得しようと試みたけれど、本当にごめん」
「はい。その件はお聞きしました。どうかお幸せになってください」
「え……?」
「さようなら、どうかお元気で」
愛しているから身を引きます。
*全22話【執筆済み】です( .ˬ.)"
ホットランキング入りありがとうございます
2021/09/12
※頂いた感想欄にはネタバレが含まれていますので、ご覧の際にはお気をつけください!
2021/09/20
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる