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第17話:私がやるべき事は…
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しばらく泣いた後、少し落ち着いた。冷静に家の中を見て回ると、イジャ様の荷物だけが無くなっていた。
「やっぱりイジャ様は、私を置いて出て行ってしまったのね…」
いつまでも落ち込んでいる訳にはいかない。一度ヴィクトリアさんの家に行こう。そう思い、隣のヴィクトリアさんの家を訪ねた。
「エリー、大丈夫かい?今からエリーの家に行こうと思っていたんだ!さあ、入りな!」
ヴィクトリアさんの家に入ると、マックさんも来ていた。
「ヴィクトリアさんとマックさんは、イジャ様がこの国を出る事を知っていたのですか?」
ふと疑問に思った事を投げかける。
「俺は昨日イジャから、国を出る事は聞いたよ。でも、まさか君を置いて行くなんて…」
そう言って言葉を詰まらせたマックさん。
「私も、昨日の夜初めて聞いたよ。エリーをよろしく頼むってね。それで、エリーはこれからどうするんだい?ここにいたいと言うなら、今まで通りいてもらっても構わないよ!」
ヴィクトリアさんは、私がどうするのか何となく分かっているのだろう。そんな気がした。
「ヴィクトリアさん、私はイジャ様の後を追います。イジャ様がなぜ私を置いて国を出たのか、なぜイジャ様と一緒にいたら私が傷つくのか、そして何を隠し何に苦しんでいるのかを確認するために!」
「そう言うと思ったよ。それで、イジャの居所は把握しているのかい?」
「はい、かなり遠くに転移している様ですが、大体の場所は把握出来ております」
イジャ様はまだ私が、相手の魔力をうまく感じ取る事が出来ないと思っているはず。でも、密かにヴィクトリアさんに魔力の使い方を教えてもらっていた。その為、イジャ様の居場所を特定する事が出来る様になっていたのだ。
「さすがだね。でも、もしイジャがエリーを拒んだら、いつでもここに帰っておいで!ずっと待っているからね」
そう言って私を抱きしめてくれたヴィクトリアさん。私を自分の娘の様に大切にしてくれた人。
「ありがとうございます!3ヶ月間、本当にお世話になりました。また必ず、イジャ様と一緒にヴィクトリアさんやマックさんに会いに来ます!必ず」
「ああ、待っているよ!それで、もう出発の準備は出来ているのかい?」
「いいえ、まだ!とりあえず、ヴィクトリアさんと話しがしたくて…」
「そうかい。それなら、一緒に朝食を食べないかい?これがエリーと食べる最後の食事になるかもしれないんだ。朝食を食べてから出発でも、遅くはないだろう?」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて!」
せっかくなので、最後はヴィクトリアさんとマックさんの3人で食事をした。ヴィクトリアさんのお料理は、本当に美味しい。食事の後は一旦家に戻り、荷物をまとめた。せっかくなので、残っていた食材でサンドウィッチとプリンも作る。
イジャ様と一緒に食べられたらと思い、沢山作った。それでも使いきれなかった食材は、ヴィクトリアさんが引き取ってくれる事になった。
「ヴィクトリアさん、本当に色々とありがとうございました!何とお礼を言ったらよいのか」
「お礼を言うのは私の方だよ!エリーと過ごした3ヶ月間、本当に楽しかった。それに何事にも一生懸命で、見る見る上達していくあんたを見るのも、私の生きがいの1つになっていたしね。エリー、ここはあんたとイジャの第2の故郷だ!いつでも帰っておいで。あの家は、出来るだけそのままにして待っているからね」
「ありがとうございます…ヴィクトリアさん…」
突然のお別れになってしまったにもかかわらず、優しい言葉を掛けてくれるヴィクトリアさん。その言葉が胸に突き刺さり、ポロポロと涙が流れ出る。
「ほら、泣くんじゃないよ!私たちは魔力持ち、会いたければいつでも転移魔法で会えるんだから!それに、あんたにはまだやらなければいけない事が残っているだろう!ほら、笑って!」
そう言って涙を拭いてくれたヴィクトリアさん。そうよね、永遠の別れではないのだから、涙は必要ないわよね!
「それじゃあヴィクトリアさん、行って来ます!」
「ああ、気を付けて!私たちはいつでもここで待っているから!」
挨拶をした後、魔力を集中させる。そう、イジャ様の魔力を探す為に。イジャ様は…いた!あそこね。でもかなり距離があるし、ここからだと正確な位置は把握できない!とりあえず近くまで行って、そこからもう一度転移魔法を掛けよう。
とりあえず、人けの少ない森に転移魔法を掛ける事にした。そして次の瞬間、森にうまく転移で来た。ここからだと、かなり近くにイジャ様の魔力を感じるわ。ゆっくりはしていられない!私がイジャ様の魔力を感じるという事は、イジャ様も私の魔力を感じ取れるはず!
逃げられる前に、イジャ様を捕まえないと!再び魔力を集中させ、イジャ様の居場所を特定する。どうやら丘の上に入る様ね!よし、今だ!イジャ様のいる丘に転移魔法を掛けた。
目を開けると、目の前には目を大きく見開いて固まっているイジャ様の姿が。
「イジャ様!会いたかったです!」
嬉しくてイジャ様にギューッと抱き着いた!やったわ!ちゃんとイジャ様の元にたどり着けた!でも、本番はこれからよね!
「やっぱりイジャ様は、私を置いて出て行ってしまったのね…」
いつまでも落ち込んでいる訳にはいかない。一度ヴィクトリアさんの家に行こう。そう思い、隣のヴィクトリアさんの家を訪ねた。
「エリー、大丈夫かい?今からエリーの家に行こうと思っていたんだ!さあ、入りな!」
ヴィクトリアさんの家に入ると、マックさんも来ていた。
「ヴィクトリアさんとマックさんは、イジャ様がこの国を出る事を知っていたのですか?」
ふと疑問に思った事を投げかける。
「俺は昨日イジャから、国を出る事は聞いたよ。でも、まさか君を置いて行くなんて…」
そう言って言葉を詰まらせたマックさん。
「私も、昨日の夜初めて聞いたよ。エリーをよろしく頼むってね。それで、エリーはこれからどうするんだい?ここにいたいと言うなら、今まで通りいてもらっても構わないよ!」
ヴィクトリアさんは、私がどうするのか何となく分かっているのだろう。そんな気がした。
「ヴィクトリアさん、私はイジャ様の後を追います。イジャ様がなぜ私を置いて国を出たのか、なぜイジャ様と一緒にいたら私が傷つくのか、そして何を隠し何に苦しんでいるのかを確認するために!」
「そう言うと思ったよ。それで、イジャの居所は把握しているのかい?」
「はい、かなり遠くに転移している様ですが、大体の場所は把握出来ております」
イジャ様はまだ私が、相手の魔力をうまく感じ取る事が出来ないと思っているはず。でも、密かにヴィクトリアさんに魔力の使い方を教えてもらっていた。その為、イジャ様の居場所を特定する事が出来る様になっていたのだ。
「さすがだね。でも、もしイジャがエリーを拒んだら、いつでもここに帰っておいで!ずっと待っているからね」
そう言って私を抱きしめてくれたヴィクトリアさん。私を自分の娘の様に大切にしてくれた人。
「ありがとうございます!3ヶ月間、本当にお世話になりました。また必ず、イジャ様と一緒にヴィクトリアさんやマックさんに会いに来ます!必ず」
「ああ、待っているよ!それで、もう出発の準備は出来ているのかい?」
「いいえ、まだ!とりあえず、ヴィクトリアさんと話しがしたくて…」
「そうかい。それなら、一緒に朝食を食べないかい?これがエリーと食べる最後の食事になるかもしれないんだ。朝食を食べてから出発でも、遅くはないだろう?」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて!」
せっかくなので、最後はヴィクトリアさんとマックさんの3人で食事をした。ヴィクトリアさんのお料理は、本当に美味しい。食事の後は一旦家に戻り、荷物をまとめた。せっかくなので、残っていた食材でサンドウィッチとプリンも作る。
イジャ様と一緒に食べられたらと思い、沢山作った。それでも使いきれなかった食材は、ヴィクトリアさんが引き取ってくれる事になった。
「ヴィクトリアさん、本当に色々とありがとうございました!何とお礼を言ったらよいのか」
「お礼を言うのは私の方だよ!エリーと過ごした3ヶ月間、本当に楽しかった。それに何事にも一生懸命で、見る見る上達していくあんたを見るのも、私の生きがいの1つになっていたしね。エリー、ここはあんたとイジャの第2の故郷だ!いつでも帰っておいで。あの家は、出来るだけそのままにして待っているからね」
「ありがとうございます…ヴィクトリアさん…」
突然のお別れになってしまったにもかかわらず、優しい言葉を掛けてくれるヴィクトリアさん。その言葉が胸に突き刺さり、ポロポロと涙が流れ出る。
「ほら、泣くんじゃないよ!私たちは魔力持ち、会いたければいつでも転移魔法で会えるんだから!それに、あんたにはまだやらなければいけない事が残っているだろう!ほら、笑って!」
そう言って涙を拭いてくれたヴィクトリアさん。そうよね、永遠の別れではないのだから、涙は必要ないわよね!
「それじゃあヴィクトリアさん、行って来ます!」
「ああ、気を付けて!私たちはいつでもここで待っているから!」
挨拶をした後、魔力を集中させる。そう、イジャ様の魔力を探す為に。イジャ様は…いた!あそこね。でもかなり距離があるし、ここからだと正確な位置は把握できない!とりあえず近くまで行って、そこからもう一度転移魔法を掛けよう。
とりあえず、人けの少ない森に転移魔法を掛ける事にした。そして次の瞬間、森にうまく転移で来た。ここからだと、かなり近くにイジャ様の魔力を感じるわ。ゆっくりはしていられない!私がイジャ様の魔力を感じるという事は、イジャ様も私の魔力を感じ取れるはず!
逃げられる前に、イジャ様を捕まえないと!再び魔力を集中させ、イジャ様の居場所を特定する。どうやら丘の上に入る様ね!よし、今だ!イジャ様のいる丘に転移魔法を掛けた。
目を開けると、目の前には目を大きく見開いて固まっているイジャ様の姿が。
「イジャ様!会いたかったです!」
嬉しくてイジャ様にギューッと抱き着いた!やったわ!ちゃんとイジャ様の元にたどり着けた!でも、本番はこれからよね!
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