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第10話:アレグラ王国の生活は至って順調です
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翌日、朝早く起きて朝食を作る。昨日の夜、わざわざヴィクトリアさんがレシピ本を持って来てくれたので、その本を見ながら作った。材料を揃えて、念じれば完成だ!今日の朝ご飯は、お肉サンドと野菜のスープ、デザートにゼリーだ。
念のため味見をしないとね。うん、美味しい!早速テーブルに並べる。
「おはよう、エリー。なんだかいい匂いがすると思ったら、朝食を作ってくれたのかい?」
「おはようございます!イジャ様。はい、ヴィクトリアさんからお借りしたレシピ本を見て作りましたの。さあ、温かいうちに食べましょう!」
向かい合わせに座って、食事を摂る。こうやって家で2人で食事をするなんて、なんだか新婚さんみたいね…て、何都合のいい事を考えているのかしら?そもそもイジャ様にとって、私はただの旅仲間なのに!
食事の後は魔法で後片付けを済ませる。ちょうどそこに、ヴィクトリアさんと息子さんと思われる男性がやって来た。
「おはよう、イジャ、エリー。こっちは息子のマックだ」
「マックです。よろしく!」
「こちらこそ、今日からお世話になります。よろしくお願いします」
イジャ様もすかさず挨拶をしている。見た感じマックさんもとても優しそうな人ね。
「それじゃあ、イジャ、行こうか」
「はい!お願いします!それじゃあエリー、行ってくるね。ヴィクトリアさん、エリーの事をよろしくお願いします」
そう言って手を振って出て行ったイジャ様。
「あんたの彼氏は、随分と心配性だね」
そう言って隣でクスクス笑っているヴィクトリアさん。
「ヴィクトリアさん、私たちはそう言う関係ではありません!確かに私は…イジャ様をお慕いしておりますが…」
完全な片思いなのだ…
「あぁ…本人たちだけが気づいていないと言うパターンだね…」
私の隣で何やらブツブツ言っているヴィクトリアさん。どうしていいのか分からないので、とりあえずスルーしておいた。
「そんな事は今はどうでもいいか…さあ、エリー。まずは家事をこなしてしまおうか。と言っても、掃除や洗濯も念じれば終わるから、やって見な」
ヴィクトリアさんに言われた通り、まずは家の掃除から始めた。と言っても“部屋よ、キレイになれ”そう念じながら片付いた部屋を想像するだけで、あっという間にキレイになった。次は洗濯だ。洗濯は洗剤を準備して、こちらも念じるだけで一気に終わった。
さらにたたむ所まで終わっていたので、後は魔法でそれぞれの洋服ダンスにしまえば完了。本当に、ものの数分で終わってしまったわ。
「さあ、家事も済んだし、次は私の仕事を手伝っておくれ」
向かった場所は、ヴィクトリアさんの家の裏にある小さな小屋だ。
「ここが作業部屋だ。ここでアクセサリーを作って、業者に卸しているんだ!とにかく数をこなさないといけなくてね。これが見本だ!この通りの材料を揃えて、後は念じるだけだよ。こっちが貝殻、こっちが真珠、こっちが珊瑚だ。さあ、一度材料を揃えて見な」
ヴィクトリアさんに渡されたのは、貝殻と真珠、さらに珊瑚と呼ばれる赤い物を使って作られているネックレスだ。とても可愛らしい!これを作ればいいのね。
見本を見ながら材料を集めていく。そして集め終わったら、見本を見ながら念じると…見本そっくりなものが完成した。
「エリー、凄いじゃないか!ほぼ完璧だ!エリーは器用だね!」
そう言って褒めてくれたヴィクトリアさん。こんな風に人に褒められる事が今までなかったので、物凄く嬉しい。
その後もどんどんアクセサリーを完成させていく。
「エリー、今日はありがとう。疲れただろう?そろそろイジャ達も帰ってくる頃だ。もう家に帰って、晩ご飯の支度をしておくれ!はいこれ、今日のお給料だよ」
そう言って、私にお金を渡してくれたヴィクトリアさん。
「ありがとうございます!明日もよろしくお願いします!」
初めて稼いだお金!嬉しくてたまらない!とにかくこのお金は今後の為に、残しておこう!嬉しくてついスキップしながら家に帰って来た。早速晩ご飯の準備をして、イジャ様の帰りを待つ。
しばらく待っていると
「ただいま!エリー」
「お帰りなさい、イジャ様!お仕事お疲れ様です!」
イジャ様が帰って来た!玄関まで飛んでいく。
「物凄くいい匂いがするね。お腹ペコペコだ!早速頂こう!」
2人で椅子に座って食事をする。
「今日はローストビーフか!こっちは魚のムニエルだね。どれも美味しいよ!」
「本当ですか?イジャ様に美味しいと言ってもらえると、私も嬉しいです!」
こうやってイジャ様に美味しいと言って貰えるのが、今の私にとって一番の喜びだ。その後はお互い今日どうやって過ごしたのか話した。イジャ様は船に乗って魔法で魚を沢山捕まえたらしい。マックさんより沢山捕まえて、驚かれたとの事。さすがイジャ様ね!私も今日はアクセサリーを作った事を話した。
イジャ様からは
「エリーが楽しく過ごしている様で良かったよ。でも、無理は駄目だよ!」
そう言われた。どんな時でも私を気遣ってくれるイジャ様。
この幸せを、出来ればずっとかみしめていたい。そう強く願うエリーであった。
※次回、イジャ視点です。
よろしくお願いしますm(__)m
念のため味見をしないとね。うん、美味しい!早速テーブルに並べる。
「おはよう、エリー。なんだかいい匂いがすると思ったら、朝食を作ってくれたのかい?」
「おはようございます!イジャ様。はい、ヴィクトリアさんからお借りしたレシピ本を見て作りましたの。さあ、温かいうちに食べましょう!」
向かい合わせに座って、食事を摂る。こうやって家で2人で食事をするなんて、なんだか新婚さんみたいね…て、何都合のいい事を考えているのかしら?そもそもイジャ様にとって、私はただの旅仲間なのに!
食事の後は魔法で後片付けを済ませる。ちょうどそこに、ヴィクトリアさんと息子さんと思われる男性がやって来た。
「おはよう、イジャ、エリー。こっちは息子のマックだ」
「マックです。よろしく!」
「こちらこそ、今日からお世話になります。よろしくお願いします」
イジャ様もすかさず挨拶をしている。見た感じマックさんもとても優しそうな人ね。
「それじゃあ、イジャ、行こうか」
「はい!お願いします!それじゃあエリー、行ってくるね。ヴィクトリアさん、エリーの事をよろしくお願いします」
そう言って手を振って出て行ったイジャ様。
「あんたの彼氏は、随分と心配性だね」
そう言って隣でクスクス笑っているヴィクトリアさん。
「ヴィクトリアさん、私たちはそう言う関係ではありません!確かに私は…イジャ様をお慕いしておりますが…」
完全な片思いなのだ…
「あぁ…本人たちだけが気づいていないと言うパターンだね…」
私の隣で何やらブツブツ言っているヴィクトリアさん。どうしていいのか分からないので、とりあえずスルーしておいた。
「そんな事は今はどうでもいいか…さあ、エリー。まずは家事をこなしてしまおうか。と言っても、掃除や洗濯も念じれば終わるから、やって見な」
ヴィクトリアさんに言われた通り、まずは家の掃除から始めた。と言っても“部屋よ、キレイになれ”そう念じながら片付いた部屋を想像するだけで、あっという間にキレイになった。次は洗濯だ。洗濯は洗剤を準備して、こちらも念じるだけで一気に終わった。
さらにたたむ所まで終わっていたので、後は魔法でそれぞれの洋服ダンスにしまえば完了。本当に、ものの数分で終わってしまったわ。
「さあ、家事も済んだし、次は私の仕事を手伝っておくれ」
向かった場所は、ヴィクトリアさんの家の裏にある小さな小屋だ。
「ここが作業部屋だ。ここでアクセサリーを作って、業者に卸しているんだ!とにかく数をこなさないといけなくてね。これが見本だ!この通りの材料を揃えて、後は念じるだけだよ。こっちが貝殻、こっちが真珠、こっちが珊瑚だ。さあ、一度材料を揃えて見な」
ヴィクトリアさんに渡されたのは、貝殻と真珠、さらに珊瑚と呼ばれる赤い物を使って作られているネックレスだ。とても可愛らしい!これを作ればいいのね。
見本を見ながら材料を集めていく。そして集め終わったら、見本を見ながら念じると…見本そっくりなものが完成した。
「エリー、凄いじゃないか!ほぼ完璧だ!エリーは器用だね!」
そう言って褒めてくれたヴィクトリアさん。こんな風に人に褒められる事が今までなかったので、物凄く嬉しい。
その後もどんどんアクセサリーを完成させていく。
「エリー、今日はありがとう。疲れただろう?そろそろイジャ達も帰ってくる頃だ。もう家に帰って、晩ご飯の支度をしておくれ!はいこれ、今日のお給料だよ」
そう言って、私にお金を渡してくれたヴィクトリアさん。
「ありがとうございます!明日もよろしくお願いします!」
初めて稼いだお金!嬉しくてたまらない!とにかくこのお金は今後の為に、残しておこう!嬉しくてついスキップしながら家に帰って来た。早速晩ご飯の準備をして、イジャ様の帰りを待つ。
しばらく待っていると
「ただいま!エリー」
「お帰りなさい、イジャ様!お仕事お疲れ様です!」
イジャ様が帰って来た!玄関まで飛んでいく。
「物凄くいい匂いがするね。お腹ペコペコだ!早速頂こう!」
2人で椅子に座って食事をする。
「今日はローストビーフか!こっちは魚のムニエルだね。どれも美味しいよ!」
「本当ですか?イジャ様に美味しいと言ってもらえると、私も嬉しいです!」
こうやってイジャ様に美味しいと言って貰えるのが、今の私にとって一番の喜びだ。その後はお互い今日どうやって過ごしたのか話した。イジャ様は船に乗って魔法で魚を沢山捕まえたらしい。マックさんより沢山捕まえて、驚かれたとの事。さすがイジャ様ね!私も今日はアクセサリーを作った事を話した。
イジャ様からは
「エリーが楽しく過ごしている様で良かったよ。でも、無理は駄目だよ!」
そう言われた。どんな時でも私を気遣ってくれるイジャ様。
この幸せを、出来ればずっとかみしめていたい。そう強く願うエリーであった。
※次回、イジャ視点です。
よろしくお願いしますm(__)m
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