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番外編
地方に出張治療に行く事になりました【7】
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2人で屋敷に戻ると、グレイス様が言った通り、鬼の形相をしたルーク様が待っていた。
「グレイス!貴様よくも僕の可愛いセリーナを連れ出したな」
グレイス様の胸ぐらを掴むルーク様。どうしよう、止めないと!でも、どうやって止めたらいいの?アタフタしている私をよそに
「ちょっと気持ちを伝えただけだ。そんなに怒るな!よかったな、ルーク。セリーナ嬢はお前を選んだよ」
そう言って涼しい顔をしているグレイス様。
「気持ちを伝えただと!僕の許可なく勝手な事をするな!でも、振られたならまあいい」
「それじゃあ、俺は傷心だから、部屋に戻るわ」
そう言って手を振って去っていくグレイス様。え?この状況で私を置いて行くの?
「それでは、私も部屋に戻りますわね。ルーク様、また明日」
なんだか嫌な予感がしたので、急いで部屋に戻ろうとしたのだが…
「セリーナ、誰が部屋に戻っていいと言った?僕、物凄く怒っているのだけれど」
秒殺でルーク様に捕まってしまった。
「セリーナ、僕の許可なくどうしてグレイスと2人きりで出掛けたのかな?今からゆっくり話を聞くから、こっちにおいで!」
ひぃぃぃぃ
物凄く笑顔(でも目は笑っていない)のルーク様に連行され、ルーク様が使っている部屋まで連れてこられた。その後、2時間もルーク様に叱られたのであった。
やっと解放され、私の為に準備してくれた部屋へと戻って来た。すかさずベッドに横になる。それにしても疲れたわ。皆を治癒をしていた時よりも、ずっと疲れた。でも、さすがに湯あみはしないとね。重い体を起こし、湯あみを済ませる。やっと寝られる!そう思った時だった。
「セリーナ様、ちょっとよろしいでしょうか?」
話しかけてきたのは、専属メイドのミレアだ。どうしたのかしら?ミレアに連れてこられたのは、ルーク様のいる部屋。
コンコン
「失礼します。セリーナ様を連れて来ました」
さあ、中へどうぞ!そう言わんばかりに、ミリアに部屋の中へと誘導された。部屋に入ると、湯あみを終えたばかりのルーク様が待っていた。
「セリーナ、今日はここで一緒に寝るよ!またグレイスが忍び込むといけないからね」
にっこり笑ってそう言ったルーク様。
「さすがにそれはいけませんわ。私たちは、まだ正式に結婚しておりません!」
結婚してからそういう事をするのが一般的だ。いくら婚約者だからと言って、フライングは良くない。
「大丈夫、手は出さないから。ほら、おいで」
ベッドに入ったルーク様が、私に早く来いと言わんばかりに、布団を叩いている。仕方ない、手を出さないと言っているし、大丈夫だろう。
ルーク様の横に潜り込むと、すかさず私を抱きしめたルーク様。
「セリーナは柔らかくて気持ちいいね。毎日こうやってセリーナを抱きしめて寝たいぐらいだ。さあ、今日は疲れただろう。おやすみ」
そう言うと、さっさと目を瞑ったルーク様。確かにルーク様に抱きしめられていると、温かくて気持ちいい。結局私も、すぐに眠ってしまったのであった。
翌日
「グレイス様、色々とお世話になりました」
「世話になったのはこっちの方だよ。領民たちを助けてくれてありがとう。君がいなかったら、もっと沢山の犠牲者が出ていたよ。またいつでも遊びに来てくれ」
「ありがとうございます。グレイス様もぜひ王都に遊びに来て下さいね」
「それじゃあグレイス、元気で。僕達の結婚式の時は、来てくれよ」
「ああ、必ず行くよ。父上や母上、姉上によろしく」
グレイス様との挨拶も終わり、ルーク様と一緒に馬車に乗り込む。ゆっくり馬車が走り出した。
「セリーナ嬢、本当にありがとう。もしルークが嫌になったら、いつでもここに来てくれ。俺が幸せにしてあげるから!」
そう言って叫んだグレイス様。
「誰がセリーナを渡すか!グレイスもセリーナの事はさっさと諦めて、別の女性を探せよ!」
ルーク様がグレイス様に向かって叫んでいる。何だかんだ言って、この2人、実はとても仲がいいみたいだ。きっとグレイス様にも、素敵な女性が現れるだろう。私はそう思っている。
「セリーナ、もう二度と他の男と2人きりになったらダメだからね!分ったかい?」
どうやら、昨日の事をまだ怒っているルーク様。
「分かっていますわ。本当にごめんなさい。もう二度としないから、安心して下さい」
そう伝えたものの、まだ不安そうにこっちを見ている。そんなルーク様の唇に、自分の唇を重ねた。
「私が心から愛しているのは、ルーク様だけですから」
「僕もだよ、セリーナ!ああ、早く結婚したい」
そう言ってギューギュー抱きしめるルーク様。それにしても今回の出張治療、何だかんだ言って楽しかったわ。患者さんたちもしっかり治せたし。それにルーク様ともずっと一緒にいられたしね。
徐々に離れていくシャディソン公爵邸を見つめながら、今回の出張治療を振り返るセリーナであった。
「グレイス!貴様よくも僕の可愛いセリーナを連れ出したな」
グレイス様の胸ぐらを掴むルーク様。どうしよう、止めないと!でも、どうやって止めたらいいの?アタフタしている私をよそに
「ちょっと気持ちを伝えただけだ。そんなに怒るな!よかったな、ルーク。セリーナ嬢はお前を選んだよ」
そう言って涼しい顔をしているグレイス様。
「気持ちを伝えただと!僕の許可なく勝手な事をするな!でも、振られたならまあいい」
「それじゃあ、俺は傷心だから、部屋に戻るわ」
そう言って手を振って去っていくグレイス様。え?この状況で私を置いて行くの?
「それでは、私も部屋に戻りますわね。ルーク様、また明日」
なんだか嫌な予感がしたので、急いで部屋に戻ろうとしたのだが…
「セリーナ、誰が部屋に戻っていいと言った?僕、物凄く怒っているのだけれど」
秒殺でルーク様に捕まってしまった。
「セリーナ、僕の許可なくどうしてグレイスと2人きりで出掛けたのかな?今からゆっくり話を聞くから、こっちにおいで!」
ひぃぃぃぃ
物凄く笑顔(でも目は笑っていない)のルーク様に連行され、ルーク様が使っている部屋まで連れてこられた。その後、2時間もルーク様に叱られたのであった。
やっと解放され、私の為に準備してくれた部屋へと戻って来た。すかさずベッドに横になる。それにしても疲れたわ。皆を治癒をしていた時よりも、ずっと疲れた。でも、さすがに湯あみはしないとね。重い体を起こし、湯あみを済ませる。やっと寝られる!そう思った時だった。
「セリーナ様、ちょっとよろしいでしょうか?」
話しかけてきたのは、専属メイドのミレアだ。どうしたのかしら?ミレアに連れてこられたのは、ルーク様のいる部屋。
コンコン
「失礼します。セリーナ様を連れて来ました」
さあ、中へどうぞ!そう言わんばかりに、ミリアに部屋の中へと誘導された。部屋に入ると、湯あみを終えたばかりのルーク様が待っていた。
「セリーナ、今日はここで一緒に寝るよ!またグレイスが忍び込むといけないからね」
にっこり笑ってそう言ったルーク様。
「さすがにそれはいけませんわ。私たちは、まだ正式に結婚しておりません!」
結婚してからそういう事をするのが一般的だ。いくら婚約者だからと言って、フライングは良くない。
「大丈夫、手は出さないから。ほら、おいで」
ベッドに入ったルーク様が、私に早く来いと言わんばかりに、布団を叩いている。仕方ない、手を出さないと言っているし、大丈夫だろう。
ルーク様の横に潜り込むと、すかさず私を抱きしめたルーク様。
「セリーナは柔らかくて気持ちいいね。毎日こうやってセリーナを抱きしめて寝たいぐらいだ。さあ、今日は疲れただろう。おやすみ」
そう言うと、さっさと目を瞑ったルーク様。確かにルーク様に抱きしめられていると、温かくて気持ちいい。結局私も、すぐに眠ってしまったのであった。
翌日
「グレイス様、色々とお世話になりました」
「世話になったのはこっちの方だよ。領民たちを助けてくれてありがとう。君がいなかったら、もっと沢山の犠牲者が出ていたよ。またいつでも遊びに来てくれ」
「ありがとうございます。グレイス様もぜひ王都に遊びに来て下さいね」
「それじゃあグレイス、元気で。僕達の結婚式の時は、来てくれよ」
「ああ、必ず行くよ。父上や母上、姉上によろしく」
グレイス様との挨拶も終わり、ルーク様と一緒に馬車に乗り込む。ゆっくり馬車が走り出した。
「セリーナ嬢、本当にありがとう。もしルークが嫌になったら、いつでもここに来てくれ。俺が幸せにしてあげるから!」
そう言って叫んだグレイス様。
「誰がセリーナを渡すか!グレイスもセリーナの事はさっさと諦めて、別の女性を探せよ!」
ルーク様がグレイス様に向かって叫んでいる。何だかんだ言って、この2人、実はとても仲がいいみたいだ。きっとグレイス様にも、素敵な女性が現れるだろう。私はそう思っている。
「セリーナ、もう二度と他の男と2人きりになったらダメだからね!分ったかい?」
どうやら、昨日の事をまだ怒っているルーク様。
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そう伝えたものの、まだ不安そうにこっちを見ている。そんなルーク様の唇に、自分の唇を重ねた。
「私が心から愛しているのは、ルーク様だけですから」
「僕もだよ、セリーナ!ああ、早く結婚したい」
そう言ってギューギュー抱きしめるルーク様。それにしても今回の出張治療、何だかんだ言って楽しかったわ。患者さんたちもしっかり治せたし。それにルーク様ともずっと一緒にいられたしね。
徐々に離れていくシャディソン公爵邸を見つめながら、今回の出張治療を振り返るセリーナであった。
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