32 / 36
番外編
地方に出張治療に行く事になりました【5】
しおりを挟む
久しぶりにシャディソン公爵家の屋敷に戻ってきた。さすがに5日も仮眠しかとっておらず、ずっと魔力を使っていたせいか、ものすごく疲れた。
早速準備してもらった部屋に戻り、湯あみをする。疲れていても、さすがに湯あみをしないまま眠るのはちょっと気持ち悪い。といっても、メイドたちが体を洗ってくれるので、私は座っているだけでいいのだけれどね。
湯あみ後は、髪を乾かしてもらい、早速布団にもぐりこむ。よし、寝ようと思った時だった。
コンコン
「セリーナ、お腹が空いただろう?さすがに食堂に行く元気はないだろうから、食事をここに持ってきたよ。せっかくだから、一緒に食べよう」
訪ねて来たのは、ルーク様だ。そういえば、お腹も空いている。
「ちょうどお腹が空いていたところでした。ありがとうございます!」
ルーク様がテーブルに2人分の料理を並べてくれた。そういえば、ずっとサンドウィッチなど、冷たいお料理ばかり食べていた。久しぶりに温かいお料理が食べられるのね。
早速椅子に座ってフォークを掴もうとした時だった。
「セリーナ、疲れているだろう!僕が食べさせてあげるよ」
そう言って嬉しそうに食べ物を口に運んでくれるルーク様。きっとルーク様も疲れているはずなのに、わざわざ食べさせてくれるなんて。
「ルーク様、ありがとうございます。ルーク様に食べさせてもらうお料理は、とてもおいしいですわ。それじゃあ、次は私が」
お肉を小さく切り、ルーク様の口に運ぶ。そういえば、こうやって食べさせ合いっこをするの、なんだか久しぶりな気がするわ。
「セリーナが食べさせてくれる食事はとても美味しいよ」
そう言うと、私を抱きかかえ、膝に座らせたルーク様。
「ここ数日、ずっと治療に当たっていただろう。たから、全然触れ合う時間が無くて、寂しかったんだ」
そう言って後ろからギューッと抱きしめてくれるルーク様。私も後ろを振り返り、そのままルーク様に抱き着いた。
「私も寂しかったです。こうやってルーク様に抱きしめられていると、もの物凄く落ち着きますわ!」
久しぶりに感じるルーク様の匂い。やっぱり落ち着く!
その後お互いに食べさせあいながら、ゆっくり食事を楽しんだ。お腹が一杯になったら、再び眠気に襲われる。そんな私を見て、ルーク様がベッドに寝かせてくれた。
「セリーナ、せっかくだから、明日は少し街に出て買い物をしよう。そして、明後日王都に帰ろう。その為にも、しっかり休むんだよ。おやすみ」
そう言うと、おでこに口づけを落として部屋から出て行ったルーク様。
明日は街に行くのね。そういえばこの地に来てから、一度も街をゆっくり見れていない。それに、久しぶりにルーク様と一緒にお出かけだ。最近忙しくて、王都でも2人で出かけることは少なかったものね。なんだか、楽しみになってきたわ。
明日の事を思いながら、ゆっくり目を閉じたのであった。
翌日
なんだか周りが騒がしいわ。一体どうしたのかしら?
ゆっくり目を開けると、目の前にはルーク様とグレイス様の姿が。
「キャーー!お2人とも私の部屋で何をしているのですか?」
びっくりして飛び起きた。
「違うんだセリーナ。グレイスがセリーナの部屋に忍び込もうとしていたから、止めただけだよ」
「おいルーク、適当な事を言うな!僕はただ、セリーナ嬢が中々起きてこないから、心配で様子を見に来ただけだ!それを見たルークが、ギャーギャー文句を言ったのだろう」
「嘘をつくな!明らかに部屋に勝手に入ろうとしていただろう!そもそも、僕の可愛いセリーナの寝顔を見るなんて、図々しいんだよ!」
2人が私の頭の上で激しく口論をしている。
「とりあえず、お2人とも落ち着いてください。すぐに着替えますので、一度外に出ていただけますか?」
私の言葉で、しぶしぶ出ていく2人。ふとメイドたちを見ると、明らかに苦笑いしていた。とにかく2人のせいで、すっかり目が覚めてしまった。早速メイドたちに手伝ってもらって、ワンピースに着替えた。
今日は街に出かける事になっている。そう、久しぶりにルーク様とのデートだ。髪もハーフアップにしてもらい、準備完了。
とりあえず朝ご飯を食べるために、食堂へと向かった。既に2人が座って待っていた。ただ、ものすごく険悪なムードだ。
「2人とも、お待たせしてごめんなさい。早速頂きましょうか」
私が席に着いたところで、朝食スタートだ。さすが公爵家の朝食。物凄く豪華だ。
「セリーナ嬢、ここら辺は酪農が盛んでね。今日の朝搾ったばかりの牛乳だ。飲んでみて」
グレイス様に渡されたのは、牛乳だ。搾りたての牛乳を頂けるなんて、なんだか贅沢ね。そう思いつつ、早速飲んでみる。
「グレイス様、この牛乳、とても濃厚で美味しいですわ。こんなおいしい牛乳初めて飲みました!」
「喜んでもらえてよかったよ。そうだ、せっかくだから牧場を案内するよ。チーズやハムなども作っているから、見学していくといい」
「まあ、それは素敵ですわ。でも、今日はルーク様と街を観光する予定になっておりますの」
そう、ルーク様とのデートが控えている。
「街なんて王都と似たようなものだ。せっかく領地に来たのだから、領地ならではの事を体験した方がいい。いいだろう?ルーク」
確かにグレイス様の言う通りだ。ちらりとルーク様の方を見る。
「わかったよ!セリーナも行きたそうだし。その代わり、午前中だけだぞ。午後はセリーナと街に行くのだから」
どうやらルーク様の許可が下りた。牧場に行くのは初めてだ。楽しみね。
早速準備してもらった部屋に戻り、湯あみをする。疲れていても、さすがに湯あみをしないまま眠るのはちょっと気持ち悪い。といっても、メイドたちが体を洗ってくれるので、私は座っているだけでいいのだけれどね。
湯あみ後は、髪を乾かしてもらい、早速布団にもぐりこむ。よし、寝ようと思った時だった。
コンコン
「セリーナ、お腹が空いただろう?さすがに食堂に行く元気はないだろうから、食事をここに持ってきたよ。せっかくだから、一緒に食べよう」
訪ねて来たのは、ルーク様だ。そういえば、お腹も空いている。
「ちょうどお腹が空いていたところでした。ありがとうございます!」
ルーク様がテーブルに2人分の料理を並べてくれた。そういえば、ずっとサンドウィッチなど、冷たいお料理ばかり食べていた。久しぶりに温かいお料理が食べられるのね。
早速椅子に座ってフォークを掴もうとした時だった。
「セリーナ、疲れているだろう!僕が食べさせてあげるよ」
そう言って嬉しそうに食べ物を口に運んでくれるルーク様。きっとルーク様も疲れているはずなのに、わざわざ食べさせてくれるなんて。
「ルーク様、ありがとうございます。ルーク様に食べさせてもらうお料理は、とてもおいしいですわ。それじゃあ、次は私が」
お肉を小さく切り、ルーク様の口に運ぶ。そういえば、こうやって食べさせ合いっこをするの、なんだか久しぶりな気がするわ。
「セリーナが食べさせてくれる食事はとても美味しいよ」
そう言うと、私を抱きかかえ、膝に座らせたルーク様。
「ここ数日、ずっと治療に当たっていただろう。たから、全然触れ合う時間が無くて、寂しかったんだ」
そう言って後ろからギューッと抱きしめてくれるルーク様。私も後ろを振り返り、そのままルーク様に抱き着いた。
「私も寂しかったです。こうやってルーク様に抱きしめられていると、もの物凄く落ち着きますわ!」
久しぶりに感じるルーク様の匂い。やっぱり落ち着く!
その後お互いに食べさせあいながら、ゆっくり食事を楽しんだ。お腹が一杯になったら、再び眠気に襲われる。そんな私を見て、ルーク様がベッドに寝かせてくれた。
「セリーナ、せっかくだから、明日は少し街に出て買い物をしよう。そして、明後日王都に帰ろう。その為にも、しっかり休むんだよ。おやすみ」
そう言うと、おでこに口づけを落として部屋から出て行ったルーク様。
明日は街に行くのね。そういえばこの地に来てから、一度も街をゆっくり見れていない。それに、久しぶりにルーク様と一緒にお出かけだ。最近忙しくて、王都でも2人で出かけることは少なかったものね。なんだか、楽しみになってきたわ。
明日の事を思いながら、ゆっくり目を閉じたのであった。
翌日
なんだか周りが騒がしいわ。一体どうしたのかしら?
ゆっくり目を開けると、目の前にはルーク様とグレイス様の姿が。
「キャーー!お2人とも私の部屋で何をしているのですか?」
びっくりして飛び起きた。
「違うんだセリーナ。グレイスがセリーナの部屋に忍び込もうとしていたから、止めただけだよ」
「おいルーク、適当な事を言うな!僕はただ、セリーナ嬢が中々起きてこないから、心配で様子を見に来ただけだ!それを見たルークが、ギャーギャー文句を言ったのだろう」
「嘘をつくな!明らかに部屋に勝手に入ろうとしていただろう!そもそも、僕の可愛いセリーナの寝顔を見るなんて、図々しいんだよ!」
2人が私の頭の上で激しく口論をしている。
「とりあえず、お2人とも落ち着いてください。すぐに着替えますので、一度外に出ていただけますか?」
私の言葉で、しぶしぶ出ていく2人。ふとメイドたちを見ると、明らかに苦笑いしていた。とにかく2人のせいで、すっかり目が覚めてしまった。早速メイドたちに手伝ってもらって、ワンピースに着替えた。
今日は街に出かける事になっている。そう、久しぶりにルーク様とのデートだ。髪もハーフアップにしてもらい、準備完了。
とりあえず朝ご飯を食べるために、食堂へと向かった。既に2人が座って待っていた。ただ、ものすごく険悪なムードだ。
「2人とも、お待たせしてごめんなさい。早速頂きましょうか」
私が席に着いたところで、朝食スタートだ。さすが公爵家の朝食。物凄く豪華だ。
「セリーナ嬢、ここら辺は酪農が盛んでね。今日の朝搾ったばかりの牛乳だ。飲んでみて」
グレイス様に渡されたのは、牛乳だ。搾りたての牛乳を頂けるなんて、なんだか贅沢ね。そう思いつつ、早速飲んでみる。
「グレイス様、この牛乳、とても濃厚で美味しいですわ。こんなおいしい牛乳初めて飲みました!」
「喜んでもらえてよかったよ。そうだ、せっかくだから牧場を案内するよ。チーズやハムなども作っているから、見学していくといい」
「まあ、それは素敵ですわ。でも、今日はルーク様と街を観光する予定になっておりますの」
そう、ルーク様とのデートが控えている。
「街なんて王都と似たようなものだ。せっかく領地に来たのだから、領地ならではの事を体験した方がいい。いいだろう?ルーク」
確かにグレイス様の言う通りだ。ちらりとルーク様の方を見る。
「わかったよ!セリーナも行きたそうだし。その代わり、午前中だけだぞ。午後はセリーナと街に行くのだから」
どうやらルーク様の許可が下りた。牧場に行くのは初めてだ。楽しみね。
139
お気に入りに追加
8,891
あなたにおすすめの小説

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です

《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?

公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。
木山楽斗
恋愛
弱小貴族で、平民同然の暮らしをしていたルリアは、両親の死によって、遠縁の公爵家であるフォリシス家に引き取られることになった。位の高い貴族に引き取られることになり、怯えるルリアだったが、フォリシス家の人々はとても良くしてくれ、そんな家族をルリアは深く愛し、尊敬するようになっていた。その中でも、義兄であるリクルド・フォリシスには、特別である。気高く強い彼に、ルリアは強い憧れを抱いていくようになっていたのだ。
時は流れ、ルリアは十六歳になっていた。彼女の暮らす国では、その年で魔法学校に通うようになっている。そこで、ルリアは、兄の学園に通いたいと願っていた。しかし、リクルドはそれを認めてくれないのだ。なんとか理由を聞き、納得したルリアだったが、そこで義妹のレティが口を挟んできた。
「お兄様は、お姉様を共学の学園に通わせたくないだけです!」
「ほう?」
これは、ルリアと義理の家族の物語。
※基本的に主人公の視点で進みますが、時々視点が変わります。視点が変わる話には、()で誰視点かを記しています。
※同じ話を別視点でしている場合があります。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
芋女の私になぜか完璧貴公子の伯爵令息が声をかけてきます。
ありま氷炎
恋愛
貧乏男爵令嬢のマギーは、学園を好成績で卒業し文官になることを夢見ている。
そんな彼女は学園では浮いた存在。野暮ったい容姿からも芋女と陰で呼ばれていた。
しかしある日、女子に人気の伯爵令息が声をかけてきて。そこから始まる彼女の物語。
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。

やさしい・悪役令嬢
きぬがやあきら
恋愛
「そのようなところに立っていると、ずぶ濡れになりますわよ」
と、親切に忠告してあげただけだった。
それなのに、ずぶ濡れになったマリアナに”嫌がらせを指示した張本人はオデットだ”と、誤解を受ける。
友人もなく、気の毒な転入生を気にかけただけなのに。
あろうことか、オデットの婚約者ルシアンにまで言いつけられる始末だ。
美貌に、教養、権力、果ては将来の王太子妃の座まで持ち、何不自由なく育った箱入り娘のオデットと、庶民上がりのたくましい子爵令嬢マリアナの、静かな戦いの火蓋が切って落とされた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる