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番外編
ドレス選びは大変です
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「セリーナちゃん、今日は婚約披露パーティーのドレスと作る為に、デザイナーを呼んだよの。もう婚約披露パーティーまで2ヶ月を切っているのよ。早く決めないと間に合わなくなってしまうわ」
そう言えばなんだかんだで忙しく、ドレスの存在をすっかり忘れていた。私的にはお義母様のドレスでも十分なのだが…
「母上、ドレスを選ぶのは良いが、セリーナの意見を最大限尊重したいと思っているんだ!あまり出しゃばらないでくれよ!」
「分かっているわよ、ルーク。それよりも、あなたもドレス選びに参加するの?採寸とかもあるから、あなたはいなくてもいいわ」
どうやら口うるさいルーク様は、いて欲しくない様だ。正直私はルーク様がいてくれた方が有難い。なぜなら、お義母様が暴走する姿が目に浮かぶからだ。
ギューッとルーク様にくっ付き、目で訴える。私の訴えに気が付いたのか
「セリーナは僕の大切な婚約者だ。僕がドレス選びに参加するのは当然だろう!とにかく、僕も参加するからそのつもりで!」
そうはっきりとお義母様に伝えてくれたのだ。とりあえずルーク様がいるなら安心だ。そう思っていたのだが…
「すまない、セリーナ。急にディオに呼び出されてしまったんだ!デザイナーが来るのは午後からだったよね。それまでには何とか帰ってくるようにするから」
そう言って出かけてしまったルーク様。唯一の頼みの綱だったルーク様が出掛けてしまうなんて。でも、午後には帰って来ると言っていたわ。きっとルーク様は私の為に帰って来てくれるはず!
午前中はルーク様の帰りを待ちながら、次期公爵夫人になる為のレッスンを受ける。そして午後になった。まだルーク様は帰ってこない。どうしよう、もうデザイナーの人が来てしまうわ!
コンコン
「セリーナ様、デザイナーの方がいらっしゃいましたよ!」
ニコニコ顔で呼びに来たのはメイドたちだ。ついに来てしまったのね。
「でも、まだルーク様が帰って来ていないわ」
ルーク様が帰ってくるまで待ちたい、遠回しにそう訴えたのだが…
「別にお坊ちゃまがいなくても問題ありませんわ。さあ、奥様もデザイナーの方もお待ちです。あまり待たせては申し訳ないですわ!行きましょう」
メイドたちに連れられ、客間へと向かう。客間に入ると、お義母様と同年代くらいのマダムが待っていた。もちろん、お義母様も一緒だ。
「お待たせして申し訳ございません」
「いいのよ、セリーナちゃん。さあ、うるさいのが帰ってくる前に、早くデザインを決めてしまいましょう!」
うるさいのって、きっとルーク様の事よね…
「まずは採寸をさせて下さいね」
すかさず服を脱がされ、私の体を細かく測って行く。採寸の次は、いよいよデザインを決める事になった。
「セリーナちゃんはどんなデザインが良いかしら?」
「私は、どちらかというとシンプルなものが好きなので、あまり飾り物が付いてない方がいいです」
あまりゴージャスな物は苦手だ。
「それなら、シンプルなデザインにしましょう。でも、あまりシンプルだと花が無いから、宝石を散りばめるのはどう?そうだわ、せっかくだからレースも付けましょう。色は、そうね、ルークと同じ瞳の色の緑がいいわ」
お義母様、もう完全にシンプルなドレスでは無くなっているのですが…
デザイナーも同じ事を思ったのか
「奥様、それですとかなりゴージャスになってしまいますが…」
そう伝えてくれたのだが…
「あら、これくらいでゴージャスだなんて!大丈夫よ。きっとセリーナちゃんによく似合うはずよ!」
そう言って、全く話しを聞かないお義母様。その時だった!
「セリーナ、遅くなってすまなかった。母上、暴走していないだろうな!」
「ルーク様!」
急いで部屋に入って来たのは、ルーク様だ。嬉しくてつい抱き着いてしまった。
「あら、ルーク。もう来たの」
物凄く不満そうなお義母様。きっと口出しされるから嫌なのだろう。
「それで、ドレスのデザインはどんな感じだい?」
ルーク様にデザイン画を見せるデザイナー。
「なんだこれは!母上、僕はセリーナの意見を最大限に尊重したいと言ったはずだ!これでは完全に母上の趣味だろう」
「そんな事はないわ!最初にセリーナちゃんの意見をちゃんと聞いたわ。ねえ、セリーナちゃん」
「はい…」
お義母様に話を振られたら、返事をするしかない。
「いいや、セリーナはシンプルなデザインが好きなんだ。こんなものはセリーナの趣味じゃない!まずこのレースを取り払ってくれ。それから、宝石も要らない。ただ、あまりシンプルすぎるのは良くないから、そうだな…」
考え込むルーク様にアドバイスを出したのは、デザイナーだ。
「それでしたら、ドレスの裾の部分に刺繍を入れてはいかがでしょうか。シンプルながら、アクセントになりますわ」
「デザイナーがこう言っているが、セリーナはどう思う?」
「はい、素敵だと思います。それでお願いします」
「では、ここに刺繍を入れますね」
ルーク様が来てくれたおかげで、どんどん私好みのドレスがデザインされていく。ただ、物凄く面白くない顔をしているのは、お義母様だ。大丈夫かしら?
「それでは、これで作らせて頂きますね」
「はい、よろしくお願いいたします」
デザイナーを皆で見送る。
「もう、ルークのせいで、随分地味になってしまったわ!」
「母上が着るのではないのだから、別にいいだろう」
不貞腐れるお義母様に、すかさず反論するルーク様。明らかにルーク様の意見の方が正しい。
「まあいいわ。セリーナちゃん。次は宝石を選びましょうね。ドレスが地味な分、宝石は豪華に行きましょう。早速宝石商に連絡を入れておくわ」
ニコニコ顔でそう言って去っていくお義母様。その後、宝石商が来た時も暴走しそうになったお義母様をルーク様が一喝し、何とか私好みの宝石を選ぶことが出来たのであった。
そう言えばなんだかんだで忙しく、ドレスの存在をすっかり忘れていた。私的にはお義母様のドレスでも十分なのだが…
「母上、ドレスを選ぶのは良いが、セリーナの意見を最大限尊重したいと思っているんだ!あまり出しゃばらないでくれよ!」
「分かっているわよ、ルーク。それよりも、あなたもドレス選びに参加するの?採寸とかもあるから、あなたはいなくてもいいわ」
どうやら口うるさいルーク様は、いて欲しくない様だ。正直私はルーク様がいてくれた方が有難い。なぜなら、お義母様が暴走する姿が目に浮かぶからだ。
ギューッとルーク様にくっ付き、目で訴える。私の訴えに気が付いたのか
「セリーナは僕の大切な婚約者だ。僕がドレス選びに参加するのは当然だろう!とにかく、僕も参加するからそのつもりで!」
そうはっきりとお義母様に伝えてくれたのだ。とりあえずルーク様がいるなら安心だ。そう思っていたのだが…
「すまない、セリーナ。急にディオに呼び出されてしまったんだ!デザイナーが来るのは午後からだったよね。それまでには何とか帰ってくるようにするから」
そう言って出かけてしまったルーク様。唯一の頼みの綱だったルーク様が出掛けてしまうなんて。でも、午後には帰って来ると言っていたわ。きっとルーク様は私の為に帰って来てくれるはず!
午前中はルーク様の帰りを待ちながら、次期公爵夫人になる為のレッスンを受ける。そして午後になった。まだルーク様は帰ってこない。どうしよう、もうデザイナーの人が来てしまうわ!
コンコン
「セリーナ様、デザイナーの方がいらっしゃいましたよ!」
ニコニコ顔で呼びに来たのはメイドたちだ。ついに来てしまったのね。
「でも、まだルーク様が帰って来ていないわ」
ルーク様が帰ってくるまで待ちたい、遠回しにそう訴えたのだが…
「別にお坊ちゃまがいなくても問題ありませんわ。さあ、奥様もデザイナーの方もお待ちです。あまり待たせては申し訳ないですわ!行きましょう」
メイドたちに連れられ、客間へと向かう。客間に入ると、お義母様と同年代くらいのマダムが待っていた。もちろん、お義母様も一緒だ。
「お待たせして申し訳ございません」
「いいのよ、セリーナちゃん。さあ、うるさいのが帰ってくる前に、早くデザインを決めてしまいましょう!」
うるさいのって、きっとルーク様の事よね…
「まずは採寸をさせて下さいね」
すかさず服を脱がされ、私の体を細かく測って行く。採寸の次は、いよいよデザインを決める事になった。
「セリーナちゃんはどんなデザインが良いかしら?」
「私は、どちらかというとシンプルなものが好きなので、あまり飾り物が付いてない方がいいです」
あまりゴージャスな物は苦手だ。
「それなら、シンプルなデザインにしましょう。でも、あまりシンプルだと花が無いから、宝石を散りばめるのはどう?そうだわ、せっかくだからレースも付けましょう。色は、そうね、ルークと同じ瞳の色の緑がいいわ」
お義母様、もう完全にシンプルなドレスでは無くなっているのですが…
デザイナーも同じ事を思ったのか
「奥様、それですとかなりゴージャスになってしまいますが…」
そう伝えてくれたのだが…
「あら、これくらいでゴージャスだなんて!大丈夫よ。きっとセリーナちゃんによく似合うはずよ!」
そう言って、全く話しを聞かないお義母様。その時だった!
「セリーナ、遅くなってすまなかった。母上、暴走していないだろうな!」
「ルーク様!」
急いで部屋に入って来たのは、ルーク様だ。嬉しくてつい抱き着いてしまった。
「あら、ルーク。もう来たの」
物凄く不満そうなお義母様。きっと口出しされるから嫌なのだろう。
「それで、ドレスのデザインはどんな感じだい?」
ルーク様にデザイン画を見せるデザイナー。
「なんだこれは!母上、僕はセリーナの意見を最大限に尊重したいと言ったはずだ!これでは完全に母上の趣味だろう」
「そんな事はないわ!最初にセリーナちゃんの意見をちゃんと聞いたわ。ねえ、セリーナちゃん」
「はい…」
お義母様に話を振られたら、返事をするしかない。
「いいや、セリーナはシンプルなデザインが好きなんだ。こんなものはセリーナの趣味じゃない!まずこのレースを取り払ってくれ。それから、宝石も要らない。ただ、あまりシンプルすぎるのは良くないから、そうだな…」
考え込むルーク様にアドバイスを出したのは、デザイナーだ。
「それでしたら、ドレスの裾の部分に刺繍を入れてはいかがでしょうか。シンプルながら、アクセントになりますわ」
「デザイナーがこう言っているが、セリーナはどう思う?」
「はい、素敵だと思います。それでお願いします」
「では、ここに刺繍を入れますね」
ルーク様が来てくれたおかげで、どんどん私好みのドレスがデザインされていく。ただ、物凄く面白くない顔をしているのは、お義母様だ。大丈夫かしら?
「それでは、これで作らせて頂きますね」
「はい、よろしくお願いいたします」
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「もう、ルークのせいで、随分地味になってしまったわ!」
「母上が着るのではないのだから、別にいいだろう」
不貞腐れるお義母様に、すかさず反論するルーク様。明らかにルーク様の意見の方が正しい。
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