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第24話:ルーク様とこれからもずっと一緒です
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「セリーナ!セリーナ!起きて、伯爵家に着いたよ」
ルーク様の声でハッと目を覚ます。どうやら帰りの馬車で爆睡してしまった様だ。
「今日は色々な事があって疲れたよね。ゆっくり休むといい、と言いたいところだが、今回の件で少し話をしたいんだ。ちょっといいかな?」
「ええ、構いませんわ」
話?一体何かしら?もうすべてが解決したはずだと思うのだけれど…そんな疑問を抱きつつ、居間へと向かった。なぜか人払いをするルーク様。一体どうしたのかしら?
「セリーナ、今回の件なんだけれど、どうして僕に相談してくれなかったの?僕では頼りなくて、相談する相手として力不足とでも思ったのかい?」
急に真剣な顔になったルーク様。
「力不足だなんて、とんでもございません!私はルーク様にご迷惑を掛けたくなくて、それで…」
「それで自分の気持ちを押し殺して、王宮治癒師になろうと思ったの?そんな事をして、僕が喜ぶと思った?」
「それは…」
何と答えていいのかわからず、俯いてしまう。どうしよう、ルーク様を怒らせてしまった様だわ。
「セリーナ、今日馬車の中で言ったよね。隠し事は無しにしようって!それなのにセリーナは、僕に今回の事を隠していた。僕はね、あの時話してくれるかと思って期待していたのだけれど…」
そう言って悲しそうな顔をしたルーク様。
「ごめんなさい、ルーク様を悲しませるつもりはなかったの。ただ、心配かけたくなかっただけなのです!本当にごめんなさい!次回からは必ず相談しますわ。だから、許して下さい!!」
結局自分のしたことで、ルーク様を傷つけてしまったと思ったら、涙が溢れて来た。どうして私はここぞという時に失敗するのかしら…
「セリーナ、ごめんね。少し意地悪だったね。セリーナが誰よりも僕の事を大切に思ってくれている事は知っているよ。心優しいセリーナの事だ。きっと僕の事を考えて話さないのだろうと想像が出来たしね。でも、僕はセリーナが悲しい思いをしていると思うと、胸が張り裂けそうになるんだ。だから、これからは何でも話して欲しい!」
「分かりましたわ。次からは絶対にルーク様に、何でも相談するようにします」
「ありがとう、セリーナ。ほら、笑って!僕はセリーナの太陽の様な明るい笑顔が好きなんだ!君の笑顔を見ると、辛い事も吹き飛ぶんだよ」
そう言って私の涙を拭いてくれたルーク様。
「私もルーク様が笑っていると凄く嬉しいし、心が温かくなります!だから、いつも笑顔でいてくださいね」
そう言ってルーク様に抱き着いた。大好きなルーク様。これからは、彼を悲しませない様にしないとね。
1週間後
「確かに婚約書をお預かりいたしました。これにて、お2人は正式に婚約を結ばれた事を、ここに証明いたします。それでは私はこれで」
そう、今日は私とルーク様が正式に婚約を結ぶ日。役所の人立ち合いのもと、お互いの両親を交え、婚約書にサインをしたのだ。そして今、正式に婚約を結ぶことが出来た。
「これで僕とセリーナは、正真正銘の婚約者同士だ。早速今日から公爵家で生活をしてもらうからね」
「ええ、そのつもりで荷物を持ってきましたわ」
早速持ってきた荷物を、以前私が使っていた部屋へと運ぶ。ほんの1週間この部屋から離れていただけなのに、なんだか物凄く懐かしい気がする。今日からまた、この部屋で暮らすのね。あら?本棚なんてあったかしら?不審に思い近づいてみると、そこにはぎっしりと医学書が収められていた。
「ルーク様、この本棚は!」
「君の為に準備したんだよ。これからも治癒師として働くのなら、必要になって来るだろう?」
「ルーク様、私の為にありがとうございます」
嬉しくてルーク様に抱き着いた。
実は先日、ルーク様とお義父様(お義父様と呼んで欲しいと本人に言われた為そう呼んでいる)、お義母様の4人で王宮に出向き、大病院で治癒師として働く事を正式に決めて来たのだ。ただ、今後は次期公爵夫人として勉強をしなければいけないので、週に3回だけの勤務になる。
昨日大病院にルーク様とお義父様の3人で見学に行った。どうやら本当に改革が進んでいる様で、治癒師の中には平民出身者もいた。よく見たら、診療所で働いていた同僚も1人勤務していた。
優秀な彼女は大病院に引き抜かれたとの事。1人でも知っている人が居るのは心強いわよね。彼女と一緒にまた働けるなんて、今から楽しみだ。
そして気になるファミア王女だが、この国で一番厳しいと言われている修道院に行く事が決まった。今回の事件をきっかけに、彼女なりに思う事があった様で、特に抵抗はしなかったとの事。ファミア王女の性格から行くと、厳しい修道院はちょっと無理なのでは?と思ったのだが、ルーク様始め、王太子様や陛下までも“これくらい厳しくないとダメだ”と厳しい修道院を押したので、これ以上私が何か言う事は出来なかった。
ちなみにシャディソン公爵の心臓病だが、私が治癒魔法を掛けた後、かなり改善されたとの事。その為、定期的に治癒魔法を掛ける事で話は付いた。シャディソン公爵には物凄くお世話になったから、これくらいはしないとね。
さらに王太子妃でもあるビアンカ様とも、先日お茶をした。とてもお優しい方で、仲良くなれそうな気がする。
これからは今まで以上に忙しくなるだろう。なんたって次期公爵夫人になるのだ。鬼の様なマナーレッスンを始め、貴族の顔を覚える為、積極的にお茶会や夜会などにも参加していく予定だ。
さらに治癒師の仕事も続けるとあって、目が回る様な忙しさになるだろう。それでも、自分で決めた道だ。泣き言を言わずに頑張るつもりでいる。それに、これからは大好きなルーク様とずっと一緒だ!どんなに辛くても、2人でならきっと耐えられる気がする。
「ルーク様、大好きです!ずっとずっと一緒にいてくださいね」
隣に座っていたルーク様に、ギューッと抱き着いた。
「どうしたんだい、急に?僕もセリーナが大好きだよ。セリーナ、父上の依頼を引き受け、僕の元に来てくれてありがとう。あの日から、僕の人生は180度変わったよ。全て君のおかげだ。君から貰ったこの命、これからは君の為に生きて行くよ」
「それは嬉しいのですが、私の為だけでなく、ご自分の為にも生きてくださいね」
あの日、お義父様が訪ねてこなかったら、きっとルーク様と会う事も無かっただろう。でもまさかこんな風になるなんて、あの時の私には想像も出来なかった。
きっとこれからも、色々な事が起こるだろう。時には辛くて立ち止まってしまう事もあるかもしれない。そんな時は、ルーク様に助けを求めよう。私はどうやら人に助けを求める事が、苦手な様だ。
でも、もう1人ではない。ルーク様がいるのだ!彼ならどんな時でも寄り添ってくれる気がする。もちろん、ルーク様が悩み苦しむ事があれば、全力で手助けするつもりだ。
私達はきっと、2人で1つだから。ね、ルーク様!
おしまい
~あとがき~
これにて、完結です!
最初に短編です!と断言していたにも関わらず、結局5万文字を超えるお話になってしまいました(;^_^A
まあ、無事完結できたので、良しという事でお願いしますm(__)m
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
ルーク様の声でハッと目を覚ます。どうやら帰りの馬車で爆睡してしまった様だ。
「今日は色々な事があって疲れたよね。ゆっくり休むといい、と言いたいところだが、今回の件で少し話をしたいんだ。ちょっといいかな?」
「ええ、構いませんわ」
話?一体何かしら?もうすべてが解決したはずだと思うのだけれど…そんな疑問を抱きつつ、居間へと向かった。なぜか人払いをするルーク様。一体どうしたのかしら?
「セリーナ、今回の件なんだけれど、どうして僕に相談してくれなかったの?僕では頼りなくて、相談する相手として力不足とでも思ったのかい?」
急に真剣な顔になったルーク様。
「力不足だなんて、とんでもございません!私はルーク様にご迷惑を掛けたくなくて、それで…」
「それで自分の気持ちを押し殺して、王宮治癒師になろうと思ったの?そんな事をして、僕が喜ぶと思った?」
「それは…」
何と答えていいのかわからず、俯いてしまう。どうしよう、ルーク様を怒らせてしまった様だわ。
「セリーナ、今日馬車の中で言ったよね。隠し事は無しにしようって!それなのにセリーナは、僕に今回の事を隠していた。僕はね、あの時話してくれるかと思って期待していたのだけれど…」
そう言って悲しそうな顔をしたルーク様。
「ごめんなさい、ルーク様を悲しませるつもりはなかったの。ただ、心配かけたくなかっただけなのです!本当にごめんなさい!次回からは必ず相談しますわ。だから、許して下さい!!」
結局自分のしたことで、ルーク様を傷つけてしまったと思ったら、涙が溢れて来た。どうして私はここぞという時に失敗するのかしら…
「セリーナ、ごめんね。少し意地悪だったね。セリーナが誰よりも僕の事を大切に思ってくれている事は知っているよ。心優しいセリーナの事だ。きっと僕の事を考えて話さないのだろうと想像が出来たしね。でも、僕はセリーナが悲しい思いをしていると思うと、胸が張り裂けそうになるんだ。だから、これからは何でも話して欲しい!」
「分かりましたわ。次からは絶対にルーク様に、何でも相談するようにします」
「ありがとう、セリーナ。ほら、笑って!僕はセリーナの太陽の様な明るい笑顔が好きなんだ!君の笑顔を見ると、辛い事も吹き飛ぶんだよ」
そう言って私の涙を拭いてくれたルーク様。
「私もルーク様が笑っていると凄く嬉しいし、心が温かくなります!だから、いつも笑顔でいてくださいね」
そう言ってルーク様に抱き着いた。大好きなルーク様。これからは、彼を悲しませない様にしないとね。
1週間後
「確かに婚約書をお預かりいたしました。これにて、お2人は正式に婚約を結ばれた事を、ここに証明いたします。それでは私はこれで」
そう、今日は私とルーク様が正式に婚約を結ぶ日。役所の人立ち合いのもと、お互いの両親を交え、婚約書にサインをしたのだ。そして今、正式に婚約を結ぶことが出来た。
「これで僕とセリーナは、正真正銘の婚約者同士だ。早速今日から公爵家で生活をしてもらうからね」
「ええ、そのつもりで荷物を持ってきましたわ」
早速持ってきた荷物を、以前私が使っていた部屋へと運ぶ。ほんの1週間この部屋から離れていただけなのに、なんだか物凄く懐かしい気がする。今日からまた、この部屋で暮らすのね。あら?本棚なんてあったかしら?不審に思い近づいてみると、そこにはぎっしりと医学書が収められていた。
「ルーク様、この本棚は!」
「君の為に準備したんだよ。これからも治癒師として働くのなら、必要になって来るだろう?」
「ルーク様、私の為にありがとうございます」
嬉しくてルーク様に抱き着いた。
実は先日、ルーク様とお義父様(お義父様と呼んで欲しいと本人に言われた為そう呼んでいる)、お義母様の4人で王宮に出向き、大病院で治癒師として働く事を正式に決めて来たのだ。ただ、今後は次期公爵夫人として勉強をしなければいけないので、週に3回だけの勤務になる。
昨日大病院にルーク様とお義父様の3人で見学に行った。どうやら本当に改革が進んでいる様で、治癒師の中には平民出身者もいた。よく見たら、診療所で働いていた同僚も1人勤務していた。
優秀な彼女は大病院に引き抜かれたとの事。1人でも知っている人が居るのは心強いわよね。彼女と一緒にまた働けるなんて、今から楽しみだ。
そして気になるファミア王女だが、この国で一番厳しいと言われている修道院に行く事が決まった。今回の事件をきっかけに、彼女なりに思う事があった様で、特に抵抗はしなかったとの事。ファミア王女の性格から行くと、厳しい修道院はちょっと無理なのでは?と思ったのだが、ルーク様始め、王太子様や陛下までも“これくらい厳しくないとダメだ”と厳しい修道院を押したので、これ以上私が何か言う事は出来なかった。
ちなみにシャディソン公爵の心臓病だが、私が治癒魔法を掛けた後、かなり改善されたとの事。その為、定期的に治癒魔法を掛ける事で話は付いた。シャディソン公爵には物凄くお世話になったから、これくらいはしないとね。
さらに王太子妃でもあるビアンカ様とも、先日お茶をした。とてもお優しい方で、仲良くなれそうな気がする。
これからは今まで以上に忙しくなるだろう。なんたって次期公爵夫人になるのだ。鬼の様なマナーレッスンを始め、貴族の顔を覚える為、積極的にお茶会や夜会などにも参加していく予定だ。
さらに治癒師の仕事も続けるとあって、目が回る様な忙しさになるだろう。それでも、自分で決めた道だ。泣き言を言わずに頑張るつもりでいる。それに、これからは大好きなルーク様とずっと一緒だ!どんなに辛くても、2人でならきっと耐えられる気がする。
「ルーク様、大好きです!ずっとずっと一緒にいてくださいね」
隣に座っていたルーク様に、ギューッと抱き着いた。
「どうしたんだい、急に?僕もセリーナが大好きだよ。セリーナ、父上の依頼を引き受け、僕の元に来てくれてありがとう。あの日から、僕の人生は180度変わったよ。全て君のおかげだ。君から貰ったこの命、これからは君の為に生きて行くよ」
「それは嬉しいのですが、私の為だけでなく、ご自分の為にも生きてくださいね」
あの日、お義父様が訪ねてこなかったら、きっとルーク様と会う事も無かっただろう。でもまさかこんな風になるなんて、あの時の私には想像も出来なかった。
きっとこれからも、色々な事が起こるだろう。時には辛くて立ち止まってしまう事もあるかもしれない。そんな時は、ルーク様に助けを求めよう。私はどうやら人に助けを求める事が、苦手な様だ。
でも、もう1人ではない。ルーク様がいるのだ!彼ならどんな時でも寄り添ってくれる気がする。もちろん、ルーク様が悩み苦しむ事があれば、全力で手助けするつもりだ。
私達はきっと、2人で1つだから。ね、ルーク様!
おしまい
~あとがき~
これにて、完結です!
最初に短編です!と断言していたにも関わらず、結局5万文字を超えるお話になってしまいました(;^_^A
まあ、無事完結できたので、良しという事でお願いしますm(__)m
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
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