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第20話:大切なセリーナを傷つける奴は誰であろうが許さない~ルーク視点~
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セリーナにプロポーズし、OKを貰った翌日、お互いの家族と話をして、正式に婚約を結ぶことが決まった。
それと同時に、一旦セリーナは実家でもある伯爵家に帰ってしまった。2ヶ月間、セリーナは僕にずっと寄り添ってくれていた。そう、ずっと一緒にいたのだ。僕が稽古場で練習している時も、勉学に励んでいる時も、ずっと側に居てくれたセリーナ。
でも、今は居ない。これから正式に婚約を結ぶことで、今後はずっとセリーナと一緒にいられるという事も分かっている。分かってはいるが、寂しくてたまらないのだ。
僕はもう、セリーナ無しでは生きて行けない…
どうしても寂しくて、セリーナがずっと使っていた部屋へとやって来た。セリーナが使っていたベッドに机、椅子。
セリーナに会いたくて、夜この部屋をよく訪ねていた。するといつもセリーナは、この椅子に座って医学書を読んでいるのだ。勉強熱心なセリーナ。そんなセリーナの姿が好きで、よく向いの椅子に座ってセリーナを眺めていた。
セリーナが実家に帰ってから、まだ数時間しか経っていないのに、どうしてこんなに寂しいのだろう。ついため息が出る。
「ルーク、ここに居たのね。あなた、まさかセリーナちゃんに会えなくて、寂しいなんて事言わないわよね?」
やって来たのは両親だ。
「ああ、寂しいよ!それで、いつ婚約が結べることになったんだ?このままだと僕は寂しくて死んでしまいそうだ。1日でも早く婚約を結びたい!」
僕の言葉を聞き、若干引いている両親。どんなに引かれようと構わない。とにかく早くセリーナを連れ戻したいんだ!
「さっき役所に行って予約をして来たよ。ただ少し混んでいる様で、1週間後にしか予約が取れなかった。とりあえず、明日にでも伯爵家には直接行って伝えて来るつもりだ」
申し訳なさそうに話す父上。
「1週間後だって!どうしてそんなに遅いんだよ!明日とか取れなかったのか?」
「空いていなかったんだよ!でもルーク、1週間くらい待てるだろう」
父上の言い分もわかる!分かるけれど、どうしてももっと早く出来ないものかと考えてしまう。
「それでだな、今後結婚するにあたって、夫婦の寝室を新たに作ろうと思っているんだが、何か希望はあるかい?特になければ、一般的な部屋にしようと思っているのだが」
「そうだね、僕は通常通りの部屋でいいけれど、セリーナにも聞いてみてからにしよう。そう言えば3ヶ月後に婚約披露パーティーを行うと言っていたよね。その件なのだが、ちょうど3ヶ月後はセリーナの誕生日だ。その日に合わせてパーティーを行いたい。それからその1年後、セリーナの16歳の誕生日に僕たちは結婚するから、そのつもりでいて欲しい」
「あら、随分と急ね。それなら、急いで準備を行わないと。ルーク、寂しがっている暇はないわよ。まずは婚約披露パーティーに招待するリストを作らないと。後セリーナちゃんの衣装ね。この前のパーティーは急遽決まったから私のお古だったけれど、今回はセリーナちゃんの意見を聞いて新しいドレスを作りましょう!なんだか楽しみになって来たわね!早速デザイナーを呼ばないと」
嬉しそうに話す母上。あまり母上が暴走しない様に、見張っておかないといけないな。
その時だった。
「お取込み中失礼いたします。シャディソン公爵がいらっしゃいました。居間に案内いしております」
シャディソン公爵が?一体何の用だろう。父上も母上もびっくりして目を大きく見開いている。
「わかった、すぐに行くよ」
急いで両親と一緒に、居間へと向かった。居間には確かにシャディソン公爵の姿が。
「急に来てしまって申し訳ない。でも、どうしても話しておきたいと思ってね」
「別にうちは構わないよ。それで、一体どういった話なんだ?」
実はシャディソン公爵と父上は小さい時からの友人で、僕が病気になるまではよく家にも遊びに来ていた。ちなみにシャディソン公爵の娘のビアンカは、王太子でもあるディオの妃だ。今妊娠中なので、念のため前回のパーティーには参加していなかった。
「実は今日、ミルトン伯爵家に昨日の礼を言いに行ったんだが、そこにファミア王女が来ていてな。セリーナ嬢が正式に王宮治癒師になる事が決まったから、ルーク殿の事は諦めろ!と、言いがかりを付けていたよ。それが任命書だ」
「何だって!それでセリーナは」
「セリーナ嬢ははっきりと断っていたよ。でも、王女がこれは決定事項だから、拒否する事は出来ない。もし拒否すれば家族全員の命はないと脅していたよ。そして自分がルーク殿と結婚するから、安心しろとも言っていた」
「何て事だ…」
ファミアの奴!よくもそんな事を!体中から怒りが込み上げて来るのを、必死に抑えた。
「ファミア王女の我が儘っぷりには、正直私もうんざりしていてね。娘も随分と苦労しているし!さすがに今回の件は容認できない!それで、私に考えがあるのだが…」
シャディソン公爵はある提案を出して来た。
「シャディソン公爵、その話、ぜひお願いしますわ。そもそも、ルークとの婚約はあの女から言いだした事なのに、ルークが病気になった途端あっさり捨てたのよ。それなのに、またルークの幸せを邪魔しようとするなんて、許せない!!」
珍しく母上が鼻息荒く怒っている。こんなにも怒っている母上は初めて見た。
「そうだな、さすがに今回の件は容認できない。こんな事がまかり通っては、貴族たちが付いてこないだろう。ここはしっかりとケジメを付けよう。ルークはどう思う?」
「僕もシャディソン公爵の意見に賛成だ。ファミアと結婚するぐらいなら、一生独身でいるよ」
本当にあり得ない女だ!という事は、セリーナは今頃ショックを受けているのか。こうしちゃいられない!今すぐセリーナの元へ行かなくては。
「セリーナが心配なので、ちょっと伯爵家に行って来る!」
「待てルーク、明日まで待ちなさい!明日セリーナとミルトン伯爵と一緒に王宮に行こう。とにかく、今は作戦を立てる事が大切だ」
「ルーク殿、安心させたいという気持ちは分かるが、今はとにかく、ファミア王女の件を片付ける事が先決だ!とにかく、今日セリーナ嬢に会いに行くのは控えてくれ」
席を立とうとしたところで、なぜか父上と公爵に止められた。仕方なく再び席に着く。
「それでシャディソン公爵、君がそこまで言うなら、今回の件はある程度任せてもいいのだな」
「もちろんだ!とにかく明日、君たちにはセリーナ嬢とミルトン伯爵を連れて来てくれたらいい」
そう言ってニヤリと笑ったシャディソン公爵。
それにしてもファミアの奴、絶対に許さない!明日は目に物を見せてやる!
それと同時に、一旦セリーナは実家でもある伯爵家に帰ってしまった。2ヶ月間、セリーナは僕にずっと寄り添ってくれていた。そう、ずっと一緒にいたのだ。僕が稽古場で練習している時も、勉学に励んでいる時も、ずっと側に居てくれたセリーナ。
でも、今は居ない。これから正式に婚約を結ぶことで、今後はずっとセリーナと一緒にいられるという事も分かっている。分かってはいるが、寂しくてたまらないのだ。
僕はもう、セリーナ無しでは生きて行けない…
どうしても寂しくて、セリーナがずっと使っていた部屋へとやって来た。セリーナが使っていたベッドに机、椅子。
セリーナに会いたくて、夜この部屋をよく訪ねていた。するといつもセリーナは、この椅子に座って医学書を読んでいるのだ。勉強熱心なセリーナ。そんなセリーナの姿が好きで、よく向いの椅子に座ってセリーナを眺めていた。
セリーナが実家に帰ってから、まだ数時間しか経っていないのに、どうしてこんなに寂しいのだろう。ついため息が出る。
「ルーク、ここに居たのね。あなた、まさかセリーナちゃんに会えなくて、寂しいなんて事言わないわよね?」
やって来たのは両親だ。
「ああ、寂しいよ!それで、いつ婚約が結べることになったんだ?このままだと僕は寂しくて死んでしまいそうだ。1日でも早く婚約を結びたい!」
僕の言葉を聞き、若干引いている両親。どんなに引かれようと構わない。とにかく早くセリーナを連れ戻したいんだ!
「さっき役所に行って予約をして来たよ。ただ少し混んでいる様で、1週間後にしか予約が取れなかった。とりあえず、明日にでも伯爵家には直接行って伝えて来るつもりだ」
申し訳なさそうに話す父上。
「1週間後だって!どうしてそんなに遅いんだよ!明日とか取れなかったのか?」
「空いていなかったんだよ!でもルーク、1週間くらい待てるだろう」
父上の言い分もわかる!分かるけれど、どうしてももっと早く出来ないものかと考えてしまう。
「それでだな、今後結婚するにあたって、夫婦の寝室を新たに作ろうと思っているんだが、何か希望はあるかい?特になければ、一般的な部屋にしようと思っているのだが」
「そうだね、僕は通常通りの部屋でいいけれど、セリーナにも聞いてみてからにしよう。そう言えば3ヶ月後に婚約披露パーティーを行うと言っていたよね。その件なのだが、ちょうど3ヶ月後はセリーナの誕生日だ。その日に合わせてパーティーを行いたい。それからその1年後、セリーナの16歳の誕生日に僕たちは結婚するから、そのつもりでいて欲しい」
「あら、随分と急ね。それなら、急いで準備を行わないと。ルーク、寂しがっている暇はないわよ。まずは婚約披露パーティーに招待するリストを作らないと。後セリーナちゃんの衣装ね。この前のパーティーは急遽決まったから私のお古だったけれど、今回はセリーナちゃんの意見を聞いて新しいドレスを作りましょう!なんだか楽しみになって来たわね!早速デザイナーを呼ばないと」
嬉しそうに話す母上。あまり母上が暴走しない様に、見張っておかないといけないな。
その時だった。
「お取込み中失礼いたします。シャディソン公爵がいらっしゃいました。居間に案内いしております」
シャディソン公爵が?一体何の用だろう。父上も母上もびっくりして目を大きく見開いている。
「わかった、すぐに行くよ」
急いで両親と一緒に、居間へと向かった。居間には確かにシャディソン公爵の姿が。
「急に来てしまって申し訳ない。でも、どうしても話しておきたいと思ってね」
「別にうちは構わないよ。それで、一体どういった話なんだ?」
実はシャディソン公爵と父上は小さい時からの友人で、僕が病気になるまではよく家にも遊びに来ていた。ちなみにシャディソン公爵の娘のビアンカは、王太子でもあるディオの妃だ。今妊娠中なので、念のため前回のパーティーには参加していなかった。
「実は今日、ミルトン伯爵家に昨日の礼を言いに行ったんだが、そこにファミア王女が来ていてな。セリーナ嬢が正式に王宮治癒師になる事が決まったから、ルーク殿の事は諦めろ!と、言いがかりを付けていたよ。それが任命書だ」
「何だって!それでセリーナは」
「セリーナ嬢ははっきりと断っていたよ。でも、王女がこれは決定事項だから、拒否する事は出来ない。もし拒否すれば家族全員の命はないと脅していたよ。そして自分がルーク殿と結婚するから、安心しろとも言っていた」
「何て事だ…」
ファミアの奴!よくもそんな事を!体中から怒りが込み上げて来るのを、必死に抑えた。
「ファミア王女の我が儘っぷりには、正直私もうんざりしていてね。娘も随分と苦労しているし!さすがに今回の件は容認できない!それで、私に考えがあるのだが…」
シャディソン公爵はある提案を出して来た。
「シャディソン公爵、その話、ぜひお願いしますわ。そもそも、ルークとの婚約はあの女から言いだした事なのに、ルークが病気になった途端あっさり捨てたのよ。それなのに、またルークの幸せを邪魔しようとするなんて、許せない!!」
珍しく母上が鼻息荒く怒っている。こんなにも怒っている母上は初めて見た。
「そうだな、さすがに今回の件は容認できない。こんな事がまかり通っては、貴族たちが付いてこないだろう。ここはしっかりとケジメを付けよう。ルークはどう思う?」
「僕もシャディソン公爵の意見に賛成だ。ファミアと結婚するぐらいなら、一生独身でいるよ」
本当にあり得ない女だ!という事は、セリーナは今頃ショックを受けているのか。こうしちゃいられない!今すぐセリーナの元へ行かなくては。
「セリーナが心配なので、ちょっと伯爵家に行って来る!」
「待てルーク、明日まで待ちなさい!明日セリーナとミルトン伯爵と一緒に王宮に行こう。とにかく、今は作戦を立てる事が大切だ」
「ルーク殿、安心させたいという気持ちは分かるが、今はとにかく、ファミア王女の件を片付ける事が先決だ!とにかく、今日セリーナ嬢に会いに行くのは控えてくれ」
席を立とうとしたところで、なぜか父上と公爵に止められた。仕方なく再び席に着く。
「それでシャディソン公爵、君がそこまで言うなら、今回の件はある程度任せてもいいのだな」
「もちろんだ!とにかく明日、君たちにはセリーナ嬢とミルトン伯爵を連れて来てくれたらいい」
そう言ってニヤリと笑ったシャディソン公爵。
それにしてもファミアの奴、絶対に許さない!明日は目に物を見せてやる!
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