23 / 39
本編
第23話:私は聖女ではありません!
しおりを挟む
アイラン様が後処理に向かってから、1ヶ月が経った。最初はアイラン様に会えなくて寂しかったが、最近ではだいぶ慣れてきた。
それに、オルビア様やフェアラ様と過ごすのもまた楽しい。王宮だけでなく、王都の街に買い物に行ったり、海に行ったりと、充実した生活を送っているのだが…。
どうやら、戦争に参加した兵士たちによって、私の話があちこちに広まってしまっているようだ。そのせいで、街に出るたびに
「聖女様!フェミニア王国を助けていただき、ありがとうございました!」
「聖女様、どうかずっと我が国に」
など、なぜか私は聖女にされている。どうやら、攻撃魔法を使って敵国の聖女を倒した為、私を聖女と勘違いしているようだ。
そもそも、私は聖女ではない。戦争とは言え、沢山の人の命を奪ってしまったのだ。それに、私は聖女が大っ嫌いだ!正直、聖女と言われると嫌な気持ちになる。
そんな日々を過ごしていたある日
「シャーロット、先ほど伝達の者が来て、後3日程度でお兄様たちが帰国するとの事よ」
「まあ、本当ですか!やっとアイラン様が帰ってくるのですね」
早くアイラン様に会いたいわ。
「お兄様たちが帰ってきたら、改めてパレードをやることになっているの。あなたも、国を救った救世主として参加してね!」
「あの…オルビア様。私、何かしなければいけないのですか?」
ただでさえ最近聖女だ聖女だと言われ、げんなりしているところだ。なのに、まだ何かしなければいけないのかしら?
「う~ん、よくわからないけれど、馬車で街を回るだけだと思うけれど。とにかくお兄様たちが帰ってこないと分からないわ。きっとパレードでもシャーロットは大人気よ!」
ニコニコ顔のオルビア様。私はまた、聖女と叫ばれそうで嫌なのですが…
そして、ついにアイラン様が帰国する日を迎えた。
「ただいま!シャーロット!会いたかったよ!」
到着するや否や、アイラン様にギューッと抱きしめられる。久しぶりに感じるアイラン様の温もり。なんだかとても落ち着くわね。
向こうでは、オルビア様とアルテミル様も抱き合っている。
「さあ、色々と話したいことがある。早速で悪いんだが、客間に集まってくれるかい?」
アイラン様にエスコートされ、客間へと向かう。私とアイラン様、向かいにはアルテミル様とオルビア様が座った。あら?今回は4人だけなのね。
「早速だが明日、戦争に勝利したことを記念して、パレードを行うことになった。もちろん、シャーロットとオルビアにも参加してもらう。今回は馬車を2台準備した」
「2台ってことは、お兄様たちも馬車に乗るの?」
「そうだ、何か問題でもあるのか?」
「別に無いけれど…普通男は馬でしょう」
小声でオルビア様が呟く。そう言えば、昔ゾマー帝国のパレードを見に行ったことがあるが、確かに男の人は馬に乗っていたわね。
「あと、今回のパレードではシャーロットにも、スピーチをしてもらおうと思っている」
ん?ちょっと待って!スピーチって何をしゃべればいいの?
「あの、アイラン様、私のスピーチは不要なのでは…」
「何を言っているんだシャーロット。君は今回の戦争で、我が軍を勝利へと導いた女神だ!国民も君のスピーチを望んでいる!これは決定事項だ!」
物凄い勢いで詰め寄られた。仕方ない。とりあえず、一言二言話せばいいよね。
コンコン
「話は終わった?アイラン、明日のパレードの件で、色々と決めなきゃいけない事があるんだけれど、いいかな?」
アイラン様を呼びに来たのはファビオ様だ。
「わかった、今から行くよ!それじゃあシャーロット、何を話すか考えておいて」
私の頬に唇を落とすと、アイラン様はアルテミル様を連れて出て行ってしまった。それにしても、何を話せばいいのかしら!なんだか気が重いわ!
そして、パレード当日。
なぜか私は白いドレスに身を包んでいる。これは、ウエディングドレス?それにしては少し地味な様な…
もしかして、パレードに参加する女性の衣装は白と決まっているのかしら?これからは、少しずつフェミニア王国のルールを覚える必要があるわね。
コンコン
「シャーロット、準備は出来た?あら、素敵な衣装ね。まるで聖女みたい!」
あれ?オルビア様は水色のドレスを着ているわ。何で私だけ白なのかしら?それに、今聖女って言ったわよね!なんだか嫌な予感がする!
「さあ、シャーロット、そろそろパレードが始まるわよ。早く行きましょう」
オルビア様に手を引かれ、王宮の門へとやって来た。フェミニア王国のパレードは、まず王宮を出発し、王都を一周した後、王都の広場で王族がスピーチをするらしい。このスピーチの時に私も軽く挨拶をするようだ。
「シャーロット、なんて美しいんだ!あまり民には見せたくないが、致し方ない。さあ、馬車に乗ろう」
王宮の門へと向かうと、私たちに気が付いたアイラン様が飛んできた。そしてアイラン様にエスコートされ、馬車に乗り込む。今回使う馬車は、天井のないタイプ。主に金を基調としており、周りにはフェミニア王国らしく、真珠が散りばめられている。
馬車は2台準備されており、もう1台にはオルビア様とアルテミル様が乗っている。そして、馬車が動き出した。王宮の門を抜け、街が見えて来た。この位置からでもわかるくらい、沢山の民が沿道に集まっている。
「「「「キャー!!シャーロット様~~」」」」
「「「「聖女様が来たぞ!聖女様!!!」」」」
あちこちから、民たちの声が聞こえる。だから!私は聖女じゃないんだってば!
「シャーロットは大人気だな。さすが俺の婚約者だ!」
ニコニコのアイラン様。
街中どこに行っても、民たちから大きな歓声が飛ぶ。なぜか私は聖女にされてしまっているのが、どうしても気に入らない。
1時間程度かけて街を回った後は、王都の中心にある大きな広場で馬車は停まった。既に沢山の民たちが集まっている。
まず最初にスピーチを行ったのは、アイラン様、そして王女のオルビア様。そしていよいよ私の番だ。
本当は一言二言話すだけにしようと思っていたのだが、気が変わったわ!
「次は我がフェミニア王国を救った、聖女、シャーロット様です」
司会のファビオ様が無駄に盛り上げてくれる。民たちの盛り上がりも最高潮だ。
私は壇上へと上がった。
「皆様、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。まず、皆様の誤解を解かせていただきたいです。私は、聖女ではございません!」
私の言葉で、民たちが騒めく。アイラン様や司会のファビオ様も、口をポカンと開けているが、まあ無視しておこう。
「そもそも、聖女は邪悪なものを封印し、人々を幸せへと導くとても尊い存在です。でも、私は自分が持つ魔力により、沢山のガリレゴ軍の兵士を手に掛けました。きっと、彼らにも大切な家族や、守りたい人がいたことでしょう。そんな私が、どうして聖女と名乗れるのでしょうか。
私は魔力のある国の出身者というだけで、聖女ではありません。でも、もしこの国が他国に攻められ、危機的状況に陥ることがあれば、もちろん今回の様に全力で戦います。
ですから、私の事を聖女と呼ばず、ただのシャーロットとして受け入れていただければ幸いです。どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします!」
挨拶が終わると、深々と頭を下げた。シーンと静まる会場。正直この沈黙は辛いが、言いたいことは言い切ったから別にいいわ。
そう思っていたのだが、次の瞬間!
「「「「パチパチパチパチ」」」」
溢れんばかりの拍手が沸き上がった。
「シャーロット様、なんて謙虚なお方なの!」
「シャーロット様、あなたが何であれ、我が国を救ってくれたのには変わりはありません!」
「「「そうだ!」」」
物凄い歓声が上がった。
最高に盛り上がる中、再び壇上に上がり話し出したのはアイラン様だ。オルビア様とアルテミル様も一緒に壇上に上がってきた。
「皆の者、盛り上がっているところ申し訳ないが、報告したいことがある。ガリレゴ王国との戦争に勝利したということで、我ら王族も結婚することが決まった」
「ウワーーー」
さらに盛り上がる民たち。まさか、ここで婚約発表をするつもりなのかしら。そう、そのまさかだった!
「第一王女であるオルビアは、プライス公爵家の嫡男、アルテミルと。そして、国王である私、アイラン・ロス・ファミニアはシャーロットとそれぞれ結婚する。皆の者、まだ若い我らではあるが、どうか温かい目で見守って欲しい!」
アイラン様の言葉を聞いた民たちは、また盛り上がる。
「おめでとうございます!!」
「王族のお2人にはずっと辛い思いをされてきた!どうかお幸せに!」
どうやら民たちも祝福してくれている様だ。でも、婚約発表ってもっと時間をおいて、厳粛な雰囲気で行われるものだと思っていたけれど…。
現に、ゾマー帝国で王太子殿下と婚約した時は、もっと厳粛なものだったし。国によって違うのね。
こうして、私は無事聖女ではないことを民たちに理解してもらうと共に、正式にアイラン様の婚約者として皆に認めてもらえたのであった。
~あとがき~
~パレード後の民たちの様子~
「今日のパレードは素晴らしかったな!特に、シャーロット様。見た目が美しいだけでなく、とても謙虚で素敵な方だ」
「本当よね!陛下が気に入るのも無理はないわ。まるで女神様みたい!」
「確かにな!他国では自分たちを救ってくれた女神として、銅像まで建設中らしいぞ」
「何だって!そもそもシャーロット様は我がフェミニア王国にいらっしゃるお方だ!こっちも負けていられん!早速シャーロット様の銅像を作る署名活動を行おう」
こうしてシャーロット銅像計画が民たちの間でひそかに行われようとしており、アイランやオルビアもそれに賛同したのだが、それを知ったシャーロットが全力で止めたとか…
それに、オルビア様やフェアラ様と過ごすのもまた楽しい。王宮だけでなく、王都の街に買い物に行ったり、海に行ったりと、充実した生活を送っているのだが…。
どうやら、戦争に参加した兵士たちによって、私の話があちこちに広まってしまっているようだ。そのせいで、街に出るたびに
「聖女様!フェミニア王国を助けていただき、ありがとうございました!」
「聖女様、どうかずっと我が国に」
など、なぜか私は聖女にされている。どうやら、攻撃魔法を使って敵国の聖女を倒した為、私を聖女と勘違いしているようだ。
そもそも、私は聖女ではない。戦争とは言え、沢山の人の命を奪ってしまったのだ。それに、私は聖女が大っ嫌いだ!正直、聖女と言われると嫌な気持ちになる。
そんな日々を過ごしていたある日
「シャーロット、先ほど伝達の者が来て、後3日程度でお兄様たちが帰国するとの事よ」
「まあ、本当ですか!やっとアイラン様が帰ってくるのですね」
早くアイラン様に会いたいわ。
「お兄様たちが帰ってきたら、改めてパレードをやることになっているの。あなたも、国を救った救世主として参加してね!」
「あの…オルビア様。私、何かしなければいけないのですか?」
ただでさえ最近聖女だ聖女だと言われ、げんなりしているところだ。なのに、まだ何かしなければいけないのかしら?
「う~ん、よくわからないけれど、馬車で街を回るだけだと思うけれど。とにかくお兄様たちが帰ってこないと分からないわ。きっとパレードでもシャーロットは大人気よ!」
ニコニコ顔のオルビア様。私はまた、聖女と叫ばれそうで嫌なのですが…
そして、ついにアイラン様が帰国する日を迎えた。
「ただいま!シャーロット!会いたかったよ!」
到着するや否や、アイラン様にギューッと抱きしめられる。久しぶりに感じるアイラン様の温もり。なんだかとても落ち着くわね。
向こうでは、オルビア様とアルテミル様も抱き合っている。
「さあ、色々と話したいことがある。早速で悪いんだが、客間に集まってくれるかい?」
アイラン様にエスコートされ、客間へと向かう。私とアイラン様、向かいにはアルテミル様とオルビア様が座った。あら?今回は4人だけなのね。
「早速だが明日、戦争に勝利したことを記念して、パレードを行うことになった。もちろん、シャーロットとオルビアにも参加してもらう。今回は馬車を2台準備した」
「2台ってことは、お兄様たちも馬車に乗るの?」
「そうだ、何か問題でもあるのか?」
「別に無いけれど…普通男は馬でしょう」
小声でオルビア様が呟く。そう言えば、昔ゾマー帝国のパレードを見に行ったことがあるが、確かに男の人は馬に乗っていたわね。
「あと、今回のパレードではシャーロットにも、スピーチをしてもらおうと思っている」
ん?ちょっと待って!スピーチって何をしゃべればいいの?
「あの、アイラン様、私のスピーチは不要なのでは…」
「何を言っているんだシャーロット。君は今回の戦争で、我が軍を勝利へと導いた女神だ!国民も君のスピーチを望んでいる!これは決定事項だ!」
物凄い勢いで詰め寄られた。仕方ない。とりあえず、一言二言話せばいいよね。
コンコン
「話は終わった?アイラン、明日のパレードの件で、色々と決めなきゃいけない事があるんだけれど、いいかな?」
アイラン様を呼びに来たのはファビオ様だ。
「わかった、今から行くよ!それじゃあシャーロット、何を話すか考えておいて」
私の頬に唇を落とすと、アイラン様はアルテミル様を連れて出て行ってしまった。それにしても、何を話せばいいのかしら!なんだか気が重いわ!
そして、パレード当日。
なぜか私は白いドレスに身を包んでいる。これは、ウエディングドレス?それにしては少し地味な様な…
もしかして、パレードに参加する女性の衣装は白と決まっているのかしら?これからは、少しずつフェミニア王国のルールを覚える必要があるわね。
コンコン
「シャーロット、準備は出来た?あら、素敵な衣装ね。まるで聖女みたい!」
あれ?オルビア様は水色のドレスを着ているわ。何で私だけ白なのかしら?それに、今聖女って言ったわよね!なんだか嫌な予感がする!
「さあ、シャーロット、そろそろパレードが始まるわよ。早く行きましょう」
オルビア様に手を引かれ、王宮の門へとやって来た。フェミニア王国のパレードは、まず王宮を出発し、王都を一周した後、王都の広場で王族がスピーチをするらしい。このスピーチの時に私も軽く挨拶をするようだ。
「シャーロット、なんて美しいんだ!あまり民には見せたくないが、致し方ない。さあ、馬車に乗ろう」
王宮の門へと向かうと、私たちに気が付いたアイラン様が飛んできた。そしてアイラン様にエスコートされ、馬車に乗り込む。今回使う馬車は、天井のないタイプ。主に金を基調としており、周りにはフェミニア王国らしく、真珠が散りばめられている。
馬車は2台準備されており、もう1台にはオルビア様とアルテミル様が乗っている。そして、馬車が動き出した。王宮の門を抜け、街が見えて来た。この位置からでもわかるくらい、沢山の民が沿道に集まっている。
「「「「キャー!!シャーロット様~~」」」」
「「「「聖女様が来たぞ!聖女様!!!」」」」
あちこちから、民たちの声が聞こえる。だから!私は聖女じゃないんだってば!
「シャーロットは大人気だな。さすが俺の婚約者だ!」
ニコニコのアイラン様。
街中どこに行っても、民たちから大きな歓声が飛ぶ。なぜか私は聖女にされてしまっているのが、どうしても気に入らない。
1時間程度かけて街を回った後は、王都の中心にある大きな広場で馬車は停まった。既に沢山の民たちが集まっている。
まず最初にスピーチを行ったのは、アイラン様、そして王女のオルビア様。そしていよいよ私の番だ。
本当は一言二言話すだけにしようと思っていたのだが、気が変わったわ!
「次は我がフェミニア王国を救った、聖女、シャーロット様です」
司会のファビオ様が無駄に盛り上げてくれる。民たちの盛り上がりも最高潮だ。
私は壇上へと上がった。
「皆様、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。まず、皆様の誤解を解かせていただきたいです。私は、聖女ではございません!」
私の言葉で、民たちが騒めく。アイラン様や司会のファビオ様も、口をポカンと開けているが、まあ無視しておこう。
「そもそも、聖女は邪悪なものを封印し、人々を幸せへと導くとても尊い存在です。でも、私は自分が持つ魔力により、沢山のガリレゴ軍の兵士を手に掛けました。きっと、彼らにも大切な家族や、守りたい人がいたことでしょう。そんな私が、どうして聖女と名乗れるのでしょうか。
私は魔力のある国の出身者というだけで、聖女ではありません。でも、もしこの国が他国に攻められ、危機的状況に陥ることがあれば、もちろん今回の様に全力で戦います。
ですから、私の事を聖女と呼ばず、ただのシャーロットとして受け入れていただければ幸いです。どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします!」
挨拶が終わると、深々と頭を下げた。シーンと静まる会場。正直この沈黙は辛いが、言いたいことは言い切ったから別にいいわ。
そう思っていたのだが、次の瞬間!
「「「「パチパチパチパチ」」」」
溢れんばかりの拍手が沸き上がった。
「シャーロット様、なんて謙虚なお方なの!」
「シャーロット様、あなたが何であれ、我が国を救ってくれたのには変わりはありません!」
「「「そうだ!」」」
物凄い歓声が上がった。
最高に盛り上がる中、再び壇上に上がり話し出したのはアイラン様だ。オルビア様とアルテミル様も一緒に壇上に上がってきた。
「皆の者、盛り上がっているところ申し訳ないが、報告したいことがある。ガリレゴ王国との戦争に勝利したということで、我ら王族も結婚することが決まった」
「ウワーーー」
さらに盛り上がる民たち。まさか、ここで婚約発表をするつもりなのかしら。そう、そのまさかだった!
「第一王女であるオルビアは、プライス公爵家の嫡男、アルテミルと。そして、国王である私、アイラン・ロス・ファミニアはシャーロットとそれぞれ結婚する。皆の者、まだ若い我らではあるが、どうか温かい目で見守って欲しい!」
アイラン様の言葉を聞いた民たちは、また盛り上がる。
「おめでとうございます!!」
「王族のお2人にはずっと辛い思いをされてきた!どうかお幸せに!」
どうやら民たちも祝福してくれている様だ。でも、婚約発表ってもっと時間をおいて、厳粛な雰囲気で行われるものだと思っていたけれど…。
現に、ゾマー帝国で王太子殿下と婚約した時は、もっと厳粛なものだったし。国によって違うのね。
こうして、私は無事聖女ではないことを民たちに理解してもらうと共に、正式にアイラン様の婚約者として皆に認めてもらえたのであった。
~あとがき~
~パレード後の民たちの様子~
「今日のパレードは素晴らしかったな!特に、シャーロット様。見た目が美しいだけでなく、とても謙虚で素敵な方だ」
「本当よね!陛下が気に入るのも無理はないわ。まるで女神様みたい!」
「確かにな!他国では自分たちを救ってくれた女神として、銅像まで建設中らしいぞ」
「何だって!そもそもシャーロット様は我がフェミニア王国にいらっしゃるお方だ!こっちも負けていられん!早速シャーロット様の銅像を作る署名活動を行おう」
こうしてシャーロット銅像計画が民たちの間でひそかに行われようとしており、アイランやオルビアもそれに賛同したのだが、それを知ったシャーロットが全力で止めたとか…
81
お気に入りに追加
2,840
あなたにおすすめの小説
【本編完結】婚約者を守ろうとしたら寧ろ盾にされました。腹が立ったので記憶を失ったふりをして婚約解消を目指します。
しろねこ。
恋愛
「君との婚約を解消したい」
その言葉を聞いてエカテリーナはニコリと微笑む。
「了承しました」
ようやくこの日が来たと内心で神に感謝をする。
(わたくしを盾にし、更に記憶喪失となったのに手助けもせず、他の女性に擦り寄った婚約者なんていらないもの)
そんな者との婚約が破談となって本当に良かった。
(それに欲しいものは手に入れたわ)
壁際で沈痛な面持ちでこちらを見る人物を見て、頬が赤くなる。
(愛してくれない者よりも、自分を愛してくれる人の方がいいじゃない?)
エカテリーナはあっさりと自分を捨てた男に向けて頭を下げる。
「今までありがとうございました。殿下もお幸せに」
類まれなる美貌と十分な地位、そして魔法の珍しいこの世界で魔法を使えるエカテリーナ。
だからこそ、ここバークレイ国で第二王子の婚約者に選ばれたのだが……それも今日で終わりだ。
今後は自分の力で頑張ってもらおう。
ハピエン、自己満足、ご都合主義なお話です。
ちゃっかりとシリーズ化というか、他作品と繋がっています。
カクヨムさん、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさんでも連載中(*´ω`*)
表紙絵は猫絵師さんより(。・ω・。)ノ♡

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる