11 / 39
本編
第11話:私も戦争に参加したいです
しおりを挟む
翌日、オルビア様にお願いして、アイラン様とアルテミル様を呼び出してもらった。私は、この国を出ないと言う事、そして聖女と戦うと言う事を伝えるためだ。
今回オルビア様が準備してくれた部屋は、昨日アイラン様に国を出るように言われた会議室だ。
私が会議室に入ると、既に皆集まっていた。
「遅くなって申し訳ございません。今日は、皆様にお話があって集まっていただきました」
私は最初に頭を下げる。
「本題に入る前に、私がなぜこの国に来たのか、私の身に何が起こったのか、お話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」
そう、私はここに居る皆に、私の過去を話そうと決意したのだ。
「私のかつての名前は、シャーロット・ウィルソン。元公爵令嬢で、ゾマー帝国の王太子の元婚約者です。そして…死刑囚でもあります」
「死刑囚…」
私の言葉に、3人は目を丸くする。
「はい、私は公爵令嬢として何不自由ない生活を送っておりました。8歳で婚約した王太子との仲も、良好だったと私は思っておりました。しかし、14歳で学院に入学してから、状況は一変しました。聖女と名乗る男爵令嬢が現れたのです。彼女は、私の父や兄、王太子までも味方につけ、私を悪者に仕立てたのです。そのせいで、父や兄、婚約者からは、酷い暴力と暴言を受けるようになったのです」
正直話すのは辛い。私はこぼれ落ちそうになる涙をぐっとこらえた。
「母は私を産んだせいで亡くなりました。そのことを責められ、殴られたこともありました。次第に食事も与えられなくなりましたが、私をかばってくれた使用人たちによって、隠れて食事を摂ることができました。それに、私を唯一かばってくれた王妃様の存在もあり、何とか生きていられたのです」
そう、あの時は本当に辛かった。それでも、必死に生きたのだ。
「でも唯一の味方だった王妃様も、重い病に倒れてしまいました。そして、決定的な事件が起きたのです。私は聖女を害したという無実の罪で父からは勘当され、王太子からは婚約破棄を言い渡されました。そして、次の日には公開処刑も決まったのです」
「そんな…あんまりだわ」
オルビア様が目に涙を浮かべて怒っている。アイラン様とアルテミル様も怒りで顔が歪んでいる。私の為に、皆ありがとう。何とか自分を奮い立たせ、私は話を続ける。
「冷たい地下牢の中で私は考えたのです。明日惨たらしく殺されるくらいなら、魔力を放出して自らの命を絶とうと。私達魔力持ちは、魔力を失うと生きていけませんから。だから私はあの日、一気に魔力を放出したのです。自ら命を絶つ為に…」
すすり泣くオルビア様。私もついに涙が頬を伝う。いけないわ。まだ泣いては!私は涙を拭うと、まっすぐアイラン様を見つめる。
「一度は失ったと思ったこの命を、あなた達が助けてくれました。私はこの命を、アイラン様とオルビア様の為に捧げたいと思っています。だから、私はこの国を出るつもりはありません!たとえなんと言われようと、恩人を捨てて逃げるなんて恥ずかしいマネは私には出来ない!」
「シャーロット、君の気持は嬉しいが、俺は君を死なせたくはない。そんな辛い思いをしたのなら、なおさら生きて幸せになって欲しいんだ」
アイラン様は私の肩に手を置くと、まっすぐ見つめてそう言った。その目には、悲しみがにじみ出ている。
「さっきも言いましたが、私は本当なら死んでいたのです。私は何があってもこの国を離れるつもりはありません。たとえなんと言われようが、この気持ちは変わりません。それでも国から出て行けとおっしゃるのなら…」
私は懐から果物ナイフを取り出し、アイラン様に渡した。
「アイラン様とオルビア様に助けられたこの命、アイラン様の手で幕を下ろしてくださいませ。私はこの国を離れて1人のうのうと生きるつもりはございません。さあ、選んでくださいませ。今ここで私の人生の幕を下ろすか、共に戦うか!」
逃げるくらいなら、ここで私の人生の幕を下ろそう!アイラン様に殺されるなら、本望だ。
カラーン
ナイフを床に落とすアイラン様。
「君って人は…分かった。俺の負けだ!そこまで言うなら、ここに残ってくれても構わない。ただし、国を出ていきたくなったら、すぐに出て行ってもらって大丈夫だ」
諦めたように呟くアイラン様。辛い決断をさせてしまって、ごめんなさい。でも、これだけは絶対に譲れないの。
「やったわ!これでシャーロットもここに残ってくれるのね!」
嬉しそうに抱き付くオルビア様。
「オルビア!お前の差し金だったのか!なんてことを…」
「アイラン様、それは違います!私は始めからこの国を出るつもりはありませんでした!オルビア様に何か言われた訳ではございません」
オルビア様に詰め寄ろうとするアイラン様に、はっきりと伝える。
「それから、私はこの戦争でアイラン様もオルビア様も死なせるつもりはありません!アイラン様、この戦いに勝つ為に、少し話をさせていただいてもよろしいですか?」
「シャーロット、気持ちは嬉しいが、さすがにそれは無理だ!あの国には聖女がいるからな」
悲しそうにつぶやくアイラン様。
「そうでしょうか?私はそうは思いません。そもそも、ガリレゴ王国に居る聖女と名乗る女性は、本当に聖女なのでしょうか?」
「どういうことだ?シャーロット」
「昨日、私なりにガリレゴ王国の事、聖女の事を調べたら、あることに気づいたのです!本来聖女は、温かい聖なる光で、邪悪なものを封印することが出来る尊い存在です。しかし、ガリレゴ王国の聖女は、雷・炎・氷などを操ると記載されておりました。雷や炎は、攻撃魔法によるものだと私は推測します」
「では、ガリレゴ王国に居る聖女は、聖女ではないのか?」
「おそらく」
「それでも、頭上から雷を落とされれば、俺たちは一溜りもないぞ」
アルテミル様が間に入ってきた。
「確かにそうですね。ならば、その雷や炎を防げるとしたらどうでしょう?」
「君は、何を言っているのだ?」
アルテミル様が首を傾げる。
「申し訳ございません。少し回りくどい言い方をしてしまいましたね。結論から言うと、ガリレゴ王国に居る聖女は、私と同じ魔力持ちだと推測します。ですので、聖女は私が引き受けます」
「なんだって!そんな危険な場所へ君を連れて行けない。それも、聖女と戦わせるなどできるものか!」
物凄い勢いで私に詰め寄るアイラン様。
「アイラン様、多分想像できないかもしれませんが、私は小さい時から自分の身を守る為、ありとあらゆる魔法に関する知識を身に付けてきました。もちろん、攻撃魔法や防除魔法も含めて。聖女と戦うくらい、どうってことありません。心配しないでください」
「しかし…」
渋るアイラン様。
「アイラン、確かにファビオを助けた時の魔法は素晴らしかった。どうせ死ぬなら、ここはシャーロットちゃんに賭けてみるのも一つの手だ」
「そうよ、お兄様!シャーロットがここまで調べて、戦うと言ってくれているのよ!無下にしたら、逆にシャーロットに失礼よ!」
アルテミル様とオルビア様が援護射撃をしてくれた。これはありがたいわ。
「わかった。では、聖女はシャーロットに任せよう」
渋々了承するアイラン様。
やったわ!
待ってなさい聖女!私が叩きのめしてやる!
今回オルビア様が準備してくれた部屋は、昨日アイラン様に国を出るように言われた会議室だ。
私が会議室に入ると、既に皆集まっていた。
「遅くなって申し訳ございません。今日は、皆様にお話があって集まっていただきました」
私は最初に頭を下げる。
「本題に入る前に、私がなぜこの国に来たのか、私の身に何が起こったのか、お話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」
そう、私はここに居る皆に、私の過去を話そうと決意したのだ。
「私のかつての名前は、シャーロット・ウィルソン。元公爵令嬢で、ゾマー帝国の王太子の元婚約者です。そして…死刑囚でもあります」
「死刑囚…」
私の言葉に、3人は目を丸くする。
「はい、私は公爵令嬢として何不自由ない生活を送っておりました。8歳で婚約した王太子との仲も、良好だったと私は思っておりました。しかし、14歳で学院に入学してから、状況は一変しました。聖女と名乗る男爵令嬢が現れたのです。彼女は、私の父や兄、王太子までも味方につけ、私を悪者に仕立てたのです。そのせいで、父や兄、婚約者からは、酷い暴力と暴言を受けるようになったのです」
正直話すのは辛い。私はこぼれ落ちそうになる涙をぐっとこらえた。
「母は私を産んだせいで亡くなりました。そのことを責められ、殴られたこともありました。次第に食事も与えられなくなりましたが、私をかばってくれた使用人たちによって、隠れて食事を摂ることができました。それに、私を唯一かばってくれた王妃様の存在もあり、何とか生きていられたのです」
そう、あの時は本当に辛かった。それでも、必死に生きたのだ。
「でも唯一の味方だった王妃様も、重い病に倒れてしまいました。そして、決定的な事件が起きたのです。私は聖女を害したという無実の罪で父からは勘当され、王太子からは婚約破棄を言い渡されました。そして、次の日には公開処刑も決まったのです」
「そんな…あんまりだわ」
オルビア様が目に涙を浮かべて怒っている。アイラン様とアルテミル様も怒りで顔が歪んでいる。私の為に、皆ありがとう。何とか自分を奮い立たせ、私は話を続ける。
「冷たい地下牢の中で私は考えたのです。明日惨たらしく殺されるくらいなら、魔力を放出して自らの命を絶とうと。私達魔力持ちは、魔力を失うと生きていけませんから。だから私はあの日、一気に魔力を放出したのです。自ら命を絶つ為に…」
すすり泣くオルビア様。私もついに涙が頬を伝う。いけないわ。まだ泣いては!私は涙を拭うと、まっすぐアイラン様を見つめる。
「一度は失ったと思ったこの命を、あなた達が助けてくれました。私はこの命を、アイラン様とオルビア様の為に捧げたいと思っています。だから、私はこの国を出るつもりはありません!たとえなんと言われようと、恩人を捨てて逃げるなんて恥ずかしいマネは私には出来ない!」
「シャーロット、君の気持は嬉しいが、俺は君を死なせたくはない。そんな辛い思いをしたのなら、なおさら生きて幸せになって欲しいんだ」
アイラン様は私の肩に手を置くと、まっすぐ見つめてそう言った。その目には、悲しみがにじみ出ている。
「さっきも言いましたが、私は本当なら死んでいたのです。私は何があってもこの国を離れるつもりはありません。たとえなんと言われようが、この気持ちは変わりません。それでも国から出て行けとおっしゃるのなら…」
私は懐から果物ナイフを取り出し、アイラン様に渡した。
「アイラン様とオルビア様に助けられたこの命、アイラン様の手で幕を下ろしてくださいませ。私はこの国を離れて1人のうのうと生きるつもりはございません。さあ、選んでくださいませ。今ここで私の人生の幕を下ろすか、共に戦うか!」
逃げるくらいなら、ここで私の人生の幕を下ろそう!アイラン様に殺されるなら、本望だ。
カラーン
ナイフを床に落とすアイラン様。
「君って人は…分かった。俺の負けだ!そこまで言うなら、ここに残ってくれても構わない。ただし、国を出ていきたくなったら、すぐに出て行ってもらって大丈夫だ」
諦めたように呟くアイラン様。辛い決断をさせてしまって、ごめんなさい。でも、これだけは絶対に譲れないの。
「やったわ!これでシャーロットもここに残ってくれるのね!」
嬉しそうに抱き付くオルビア様。
「オルビア!お前の差し金だったのか!なんてことを…」
「アイラン様、それは違います!私は始めからこの国を出るつもりはありませんでした!オルビア様に何か言われた訳ではございません」
オルビア様に詰め寄ろうとするアイラン様に、はっきりと伝える。
「それから、私はこの戦争でアイラン様もオルビア様も死なせるつもりはありません!アイラン様、この戦いに勝つ為に、少し話をさせていただいてもよろしいですか?」
「シャーロット、気持ちは嬉しいが、さすがにそれは無理だ!あの国には聖女がいるからな」
悲しそうにつぶやくアイラン様。
「そうでしょうか?私はそうは思いません。そもそも、ガリレゴ王国に居る聖女と名乗る女性は、本当に聖女なのでしょうか?」
「どういうことだ?シャーロット」
「昨日、私なりにガリレゴ王国の事、聖女の事を調べたら、あることに気づいたのです!本来聖女は、温かい聖なる光で、邪悪なものを封印することが出来る尊い存在です。しかし、ガリレゴ王国の聖女は、雷・炎・氷などを操ると記載されておりました。雷や炎は、攻撃魔法によるものだと私は推測します」
「では、ガリレゴ王国に居る聖女は、聖女ではないのか?」
「おそらく」
「それでも、頭上から雷を落とされれば、俺たちは一溜りもないぞ」
アルテミル様が間に入ってきた。
「確かにそうですね。ならば、その雷や炎を防げるとしたらどうでしょう?」
「君は、何を言っているのだ?」
アルテミル様が首を傾げる。
「申し訳ございません。少し回りくどい言い方をしてしまいましたね。結論から言うと、ガリレゴ王国に居る聖女は、私と同じ魔力持ちだと推測します。ですので、聖女は私が引き受けます」
「なんだって!そんな危険な場所へ君を連れて行けない。それも、聖女と戦わせるなどできるものか!」
物凄い勢いで私に詰め寄るアイラン様。
「アイラン様、多分想像できないかもしれませんが、私は小さい時から自分の身を守る為、ありとあらゆる魔法に関する知識を身に付けてきました。もちろん、攻撃魔法や防除魔法も含めて。聖女と戦うくらい、どうってことありません。心配しないでください」
「しかし…」
渋るアイラン様。
「アイラン、確かにファビオを助けた時の魔法は素晴らしかった。どうせ死ぬなら、ここはシャーロットちゃんに賭けてみるのも一つの手だ」
「そうよ、お兄様!シャーロットがここまで調べて、戦うと言ってくれているのよ!無下にしたら、逆にシャーロットに失礼よ!」
アルテミル様とオルビア様が援護射撃をしてくれた。これはありがたいわ。
「わかった。では、聖女はシャーロットに任せよう」
渋々了承するアイラン様。
やったわ!
待ってなさい聖女!私が叩きのめしてやる!
97
お気に入りに追加
2,840
あなたにおすすめの小説
【本編完結】婚約者を守ろうとしたら寧ろ盾にされました。腹が立ったので記憶を失ったふりをして婚約解消を目指します。
しろねこ。
恋愛
「君との婚約を解消したい」
その言葉を聞いてエカテリーナはニコリと微笑む。
「了承しました」
ようやくこの日が来たと内心で神に感謝をする。
(わたくしを盾にし、更に記憶喪失となったのに手助けもせず、他の女性に擦り寄った婚約者なんていらないもの)
そんな者との婚約が破談となって本当に良かった。
(それに欲しいものは手に入れたわ)
壁際で沈痛な面持ちでこちらを見る人物を見て、頬が赤くなる。
(愛してくれない者よりも、自分を愛してくれる人の方がいいじゃない?)
エカテリーナはあっさりと自分を捨てた男に向けて頭を下げる。
「今までありがとうございました。殿下もお幸せに」
類まれなる美貌と十分な地位、そして魔法の珍しいこの世界で魔法を使えるエカテリーナ。
だからこそ、ここバークレイ国で第二王子の婚約者に選ばれたのだが……それも今日で終わりだ。
今後は自分の力で頑張ってもらおう。
ハピエン、自己満足、ご都合主義なお話です。
ちゃっかりとシリーズ化というか、他作品と繋がっています。
カクヨムさん、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさんでも連載中(*´ω`*)
表紙絵は猫絵師さんより(。・ω・。)ノ♡

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる