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本編
第2話:どうやら魔力のない国に瞬間移動してしまったようです
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「う~ん…」
ゆっくり目を覚ますと、見覚えのない天井が目に入ってきた。その造りは豪華で、まるで王宮の様だ。
ゆっくり体を起こす。まだ、魔力が完全に回復していないのか、頭がボーっとするわ。ここは一体どこなのかしら。
体を見回すと、特に怪我らしい怪我は見当たらない。どうやら誰かに着替えさせてもらったのか、奇麗なシルクのネグリジェを着せられている。
地下牢に居たせいでススだらけだった髪も、美しい銀色に戻っている。一体誰が私を助けてくれたのだろう。
ガチャ
「目を覚ましたのね。良かったわ」
美しい青い髪に、エメラルドグリーンの瞳を持つ女性がこちらに近づいて来る。
「あなたが私を助けてくれたのですか?」
「ええ、まあそうなるわね。私はファミニア王国の第一王女、オルビア・リラ・ファミニアよ。あなた、珍しい髪の色をしているけれど、どこからいらしたの?」
ファミニア王国?そんな国聞いたことないわ。私、無意識に転移魔法を使ってしまったのかしら。それも王女様だなんて。ということは、ここは王宮なのね!なるほど、だからこんなに豪華なのか。
いけないわ!王女様に向かって私、ベッドの上だなんて。すぐに立ち上がろうとしたが、体が思うように動かずふらついてしまい、倒れそうになる。
「大丈夫?無理に起きなくていいのよ」
王女様は私を支えてくれたうえ、そのままベッドに寝かせてくれた。この王女様、ものすごく優しい。
「助けていただきありがとうございます。このような格好でお話しすること、どうぞお許しください。私はゾマー帝国から参りました、シャーロットです」
もう公爵令嬢じゃないから、あえてウィルソンを名乗ることはしない。今はただのシャーロットだ。
「ゾマー帝国?聞いたことが無いわね。あなた貴族でしょう?言葉遣いがとても奇麗だわ。私の事はオルビアと呼んで。私もシャーロットと呼んでも良いかしら?」
「もちろんです。オルビア様」
私は笑顔で答えた。
「見たところ悪い人ではなさそうね。ガリレゴ王国のスパイでもなさそうだし…」
オルビア様は私の顔をジロジロ見ている。ガリレゴ王国?
「そうだわ!目が覚めたら聞きたいことがあったの。あなた、王宮の庭に倒れていたのよ。どうやって王宮に入ったの?」
「実は私も良くわからないのです。祖国で裏切られ、死ぬ為に魔力を開放したのですが、どうやら転移魔法を使ったようで、ここまで飛んできてしまったようです」
私は簡単に状況を説明した。正直詳しく話すのは気が引けた。もし私が祖国で死刑囚と知ったら、ここから追い出されるかもしれない。まだ立ち上がることも出来ない、せめて魔力が回復するまでは、ここに置いてもらいたい。
「ねえ、あなた今魔力って言った?もしかして魔法使いなの?」
目を輝かせて私を見つめるオルビア様。魔法使いですと?
「魔法使いなのかはわかりませんが、魔力量は高い方です。私の祖国、ゾマー帝国は魔力で栄えた国なので…」
「凄いわ!シャーロットは魔法が使えるのね。ねえ、何か魔法を見せて」
魔法か…今はまだ魔力が全然回復してないから、大したことは出来ないな。そうだ、あれならできるわ。
私は近くにあった花瓶に手をかざし、“浮かべ”と念じる。すると花瓶が浮き上がった。
「凄いわ、勝手に花瓶が浮き上がったわ。本当に魔法が使えるのね!凄いわシャーロット」
子供の様にはしゃぐオルビア様。ゾマー帝国なら、子供でもこの程度の魔法は簡単に使えるのだが…
「あの、オルビア様。この国には魔力を持った人間は存在しないのですか?」
私は気になったことを聞いてみる。
「そんな人はいないわ!魔法が使える人なんて、おとぎ話に出てくる魔女ぐらいしか知らないもの。もしかして、あなた魔女なの!!」
「いいえ!決して魔女ではありません。魔力が普通にある国の出身というだけで、魔女ではありませんから」
私は慌てて否定する。魔女なんてどう考えても悪い人って言うイメージしかないじゃない!
「そう、それならよかったわ。まだ体調も良くないみたいだし、ゆっくり休んでね。そうだわ、お腹空いたでしょ。今からご飯を運ばせるわ、ゆっくり食べてね」
そう言うと、近くにいたメイドに指示を出すオルビア様。
「オルビア様、見ず知らずの私を助けてくれただけでなく、お世話までしていただけるなんて。このお礼は必ずさせていただきますわ。ちなみに私、どれくらい眠っていたのでしょうか」
「お礼だなんて気にしないで。兄の指示だし。1週間眠っていたわよ」
1週間も!でもよく考えたら全魔力を開放したのだから当然よね。そもそも生きている方が奇跡に近いし。ていうか、今オルビア様、兄って言ったよね。
「オルビア様、お兄様のご指示とおっしゃいましたけれど…」
「そうよ、私の兄でもある、国王の指示であなたを保護したの。本当は今すぐ兄に会わせたいのだけれど、生憎病気で寝ている女性の部屋には入れられない決まりになっているの。元気になったら会わせるわ」
待って、今国王って言った?オルビア様、どう見ても私と同じぐらいか少し上ぐらい。お兄様とかなり歳が離れているのかしら?
「食事が来たわ。ほら、シャーロット、食べて。お腹空いているでしょ」
運ばれてきたのは、見たこともない白いスープの様なもの。よく見るとツブツブがたくさん入っている。この食べ物は何かしら?でも、出してもらったのだから食べないと失礼よね。
私は恐る恐るスープを口に含む。ん?これ、とっても美味しいわ。塩が良い感じにスパイスになっている。それに何日も食べてない私の胃にも優しい味だ。
「このお料理、初めて食べますけれど、とても美味しいですわ。なんていうお料理なのですか?」
「これはお粥よ。主食でもあるお米を食べやすくするため、水とお出汁で煮込んだものよ。病気の時などに食べるの。ファミニア王国ではお米が主食だから、基本的にお米料理が多いのよ」
「お粥ですか?とても美味しいですわ」
眠っていたとはいえ、1週間ぶりの食事。私はぺろりと平らげてしまった。
ふと窓の外を見ると、今までに見たことのないような美しい湖が目に付いた。
「オルビア様、あの湖、とても奇麗ですね。それにかなり大きいわ」
私の言葉に笑い出すオルビア様。私、何かおかしな事を言ったかしら?
「シャーロットは本当に何も知らないのね。あれは湖ではなくて“海”よ」
海?初めて聞く言葉だ。
「海…ですか?」
「そうよ、海はとても広いのよ。色々な生物も住んでいるし、それにとても奇麗なの。そうだわ、元気になったら海にも連れて行ってあげる」
「本当ですか!それは楽しみです!」
離れた場所のここから見ても本当に奇麗だ。きっと近くに行ったらもっと奇麗なんだろうな!早く元気になって、海を見に行きたいわね。
「随分長くおしゃべりしちゃったわね。さあ、もう休んで、早く元気になって」
オルビア様が布団をかけてくれた。
「オルビア様、ありがとうございます」
私がお礼を言うと、優しく微笑むオルビア様。それにしても久しぶりに人と話したら、少し疲れてしまった。まだ魔力が万全ではない私は、目を閉じるとあっという間に夢の世界へと旅立ったのであった。
ゆっくり目を覚ますと、見覚えのない天井が目に入ってきた。その造りは豪華で、まるで王宮の様だ。
ゆっくり体を起こす。まだ、魔力が完全に回復していないのか、頭がボーっとするわ。ここは一体どこなのかしら。
体を見回すと、特に怪我らしい怪我は見当たらない。どうやら誰かに着替えさせてもらったのか、奇麗なシルクのネグリジェを着せられている。
地下牢に居たせいでススだらけだった髪も、美しい銀色に戻っている。一体誰が私を助けてくれたのだろう。
ガチャ
「目を覚ましたのね。良かったわ」
美しい青い髪に、エメラルドグリーンの瞳を持つ女性がこちらに近づいて来る。
「あなたが私を助けてくれたのですか?」
「ええ、まあそうなるわね。私はファミニア王国の第一王女、オルビア・リラ・ファミニアよ。あなた、珍しい髪の色をしているけれど、どこからいらしたの?」
ファミニア王国?そんな国聞いたことないわ。私、無意識に転移魔法を使ってしまったのかしら。それも王女様だなんて。ということは、ここは王宮なのね!なるほど、だからこんなに豪華なのか。
いけないわ!王女様に向かって私、ベッドの上だなんて。すぐに立ち上がろうとしたが、体が思うように動かずふらついてしまい、倒れそうになる。
「大丈夫?無理に起きなくていいのよ」
王女様は私を支えてくれたうえ、そのままベッドに寝かせてくれた。この王女様、ものすごく優しい。
「助けていただきありがとうございます。このような格好でお話しすること、どうぞお許しください。私はゾマー帝国から参りました、シャーロットです」
もう公爵令嬢じゃないから、あえてウィルソンを名乗ることはしない。今はただのシャーロットだ。
「ゾマー帝国?聞いたことが無いわね。あなた貴族でしょう?言葉遣いがとても奇麗だわ。私の事はオルビアと呼んで。私もシャーロットと呼んでも良いかしら?」
「もちろんです。オルビア様」
私は笑顔で答えた。
「見たところ悪い人ではなさそうね。ガリレゴ王国のスパイでもなさそうだし…」
オルビア様は私の顔をジロジロ見ている。ガリレゴ王国?
「そうだわ!目が覚めたら聞きたいことがあったの。あなた、王宮の庭に倒れていたのよ。どうやって王宮に入ったの?」
「実は私も良くわからないのです。祖国で裏切られ、死ぬ為に魔力を開放したのですが、どうやら転移魔法を使ったようで、ここまで飛んできてしまったようです」
私は簡単に状況を説明した。正直詳しく話すのは気が引けた。もし私が祖国で死刑囚と知ったら、ここから追い出されるかもしれない。まだ立ち上がることも出来ない、せめて魔力が回復するまでは、ここに置いてもらいたい。
「ねえ、あなた今魔力って言った?もしかして魔法使いなの?」
目を輝かせて私を見つめるオルビア様。魔法使いですと?
「魔法使いなのかはわかりませんが、魔力量は高い方です。私の祖国、ゾマー帝国は魔力で栄えた国なので…」
「凄いわ!シャーロットは魔法が使えるのね。ねえ、何か魔法を見せて」
魔法か…今はまだ魔力が全然回復してないから、大したことは出来ないな。そうだ、あれならできるわ。
私は近くにあった花瓶に手をかざし、“浮かべ”と念じる。すると花瓶が浮き上がった。
「凄いわ、勝手に花瓶が浮き上がったわ。本当に魔法が使えるのね!凄いわシャーロット」
子供の様にはしゃぐオルビア様。ゾマー帝国なら、子供でもこの程度の魔法は簡単に使えるのだが…
「あの、オルビア様。この国には魔力を持った人間は存在しないのですか?」
私は気になったことを聞いてみる。
「そんな人はいないわ!魔法が使える人なんて、おとぎ話に出てくる魔女ぐらいしか知らないもの。もしかして、あなた魔女なの!!」
「いいえ!決して魔女ではありません。魔力が普通にある国の出身というだけで、魔女ではありませんから」
私は慌てて否定する。魔女なんてどう考えても悪い人って言うイメージしかないじゃない!
「そう、それならよかったわ。まだ体調も良くないみたいだし、ゆっくり休んでね。そうだわ、お腹空いたでしょ。今からご飯を運ばせるわ、ゆっくり食べてね」
そう言うと、近くにいたメイドに指示を出すオルビア様。
「オルビア様、見ず知らずの私を助けてくれただけでなく、お世話までしていただけるなんて。このお礼は必ずさせていただきますわ。ちなみに私、どれくらい眠っていたのでしょうか」
「お礼だなんて気にしないで。兄の指示だし。1週間眠っていたわよ」
1週間も!でもよく考えたら全魔力を開放したのだから当然よね。そもそも生きている方が奇跡に近いし。ていうか、今オルビア様、兄って言ったよね。
「オルビア様、お兄様のご指示とおっしゃいましたけれど…」
「そうよ、私の兄でもある、国王の指示であなたを保護したの。本当は今すぐ兄に会わせたいのだけれど、生憎病気で寝ている女性の部屋には入れられない決まりになっているの。元気になったら会わせるわ」
待って、今国王って言った?オルビア様、どう見ても私と同じぐらいか少し上ぐらい。お兄様とかなり歳が離れているのかしら?
「食事が来たわ。ほら、シャーロット、食べて。お腹空いているでしょ」
運ばれてきたのは、見たこともない白いスープの様なもの。よく見るとツブツブがたくさん入っている。この食べ物は何かしら?でも、出してもらったのだから食べないと失礼よね。
私は恐る恐るスープを口に含む。ん?これ、とっても美味しいわ。塩が良い感じにスパイスになっている。それに何日も食べてない私の胃にも優しい味だ。
「このお料理、初めて食べますけれど、とても美味しいですわ。なんていうお料理なのですか?」
「これはお粥よ。主食でもあるお米を食べやすくするため、水とお出汁で煮込んだものよ。病気の時などに食べるの。ファミニア王国ではお米が主食だから、基本的にお米料理が多いのよ」
「お粥ですか?とても美味しいですわ」
眠っていたとはいえ、1週間ぶりの食事。私はぺろりと平らげてしまった。
ふと窓の外を見ると、今までに見たことのないような美しい湖が目に付いた。
「オルビア様、あの湖、とても奇麗ですね。それにかなり大きいわ」
私の言葉に笑い出すオルビア様。私、何かおかしな事を言ったかしら?
「シャーロットは本当に何も知らないのね。あれは湖ではなくて“海”よ」
海?初めて聞く言葉だ。
「海…ですか?」
「そうよ、海はとても広いのよ。色々な生物も住んでいるし、それにとても奇麗なの。そうだわ、元気になったら海にも連れて行ってあげる」
「本当ですか!それは楽しみです!」
離れた場所のここから見ても本当に奇麗だ。きっと近くに行ったらもっと奇麗なんだろうな!早く元気になって、海を見に行きたいわね。
「随分長くおしゃべりしちゃったわね。さあ、もう休んで、早く元気になって」
オルビア様が布団をかけてくれた。
「オルビア様、ありがとうございます」
私がお礼を言うと、優しく微笑むオルビア様。それにしても久しぶりに人と話したら、少し疲れてしまった。まだ魔力が万全ではない私は、目を閉じるとあっという間に夢の世界へと旅立ったのであった。
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