転生してもノージョブでした！！

神々の手編

一人えっちと二人えっち

「脱ぐね」
　リアーナと向き合ったまま、自分の服を脱いでいく。下着に手を掛け、ゆっくり下ろす。少し遅れてリアーナも衣服を脱いだ。
　全裸の二人。
「相変わらずリアーナのおっぱい大きいね。また少し大きくなった？　羨ましい。私はこんなんだから……」
「少しだけ。でもシノブちゃんの胸も可愛いよ」
「触って良い？」
「……うん」
　リアーナの胸に手を伸ばす。少しだけ汗ばんだ肌。その柔らかさに伸ばした指が沈み込む。そして掌全体に感じるのはその重量感。
「あっ……」
　指先が乳首に触れると、リアーナは小さく声を上げる。やがてその声と呼吸が少しずつ大きくなるのだった。
「ね、ねぇ、シノブちゃん。私も触って良い？」
「良いけど、揉み心地とか良くないよ？」
「シノブちゃんの体だから触りたいの」
「うん……触って」
　今度はリアーナから手が伸びる。その手が首筋、胸元、乳房、お腹を優しく撫でていく。
「シノブちゃんの肌、白くて綺麗。それにすべすべしてる」
「ちょっとリアーナ……触り方がえっちじゃない？」
「えっちな事してるんだから当然だよ」
「そうだけどさ……」
「シノブちゃん！！？」
　リアーナの下腹部に手を伸ばした。
　柔らかい陰毛の感触、さらにその下。熱く滑る肉の感触。指先が粘性を帯びた液体を掬い取る。
　指先を上下すると、ぬちゃ、ぬちゃと、濡れた音する。
「リアーナ、凄く濡れてるじゃん」
「あっ、やっ、シ、シノブちゃん、あ、あんまり早くしないで……」
「痛かった？　もしかして触るのあんまり慣れてない？」
「あのね、私、オナニーはするけど、あんまり直接は触らないの。触りたいけど、わざと下着の上から触ったり、焦らすような感じが好きで……だから直接はあんまり……」
「分かった。じゃあ、ゆっくりしてあげる」
「う、うん……私もシノブちゃんにしてあげるね」
「んっ」
「シノブちゃんも凄く濡れてる」
「だってリアーナの胸の触り方とかえっちだったし、あっ」
　リアーナと二人、お互いの大事な部分を触り合う。
　そしてキス。舌を絡め、唾液の交換をする。
　二人の口から漏れる艶のある声と、少しだけ荒い呼吸音が部屋に響いていた。
「ねぇ、リアーナ……んっ、こ、これじゃ一人えっちにならないね、あっ、はっ」
「うん……でも人にしてもらうのって初めてだから……このまま最後までして欲しい……んんっ」
　リアーナの指先が一番敏感な部分を弾いた。
「やっ、だ、だめ、もう、あっ、ああんっ」
　その瞬間、お腹の辺りが熱くなると同時に快楽が痙攣のように何度も推し押せた。その感覚に酔い、口元から涎が滴り落ちる。
「シノブちゃんの……」
　リアーナは自分の指先を見る。そして濡れた指先を自らの口元に運んだ。ちゅぱちゅぱと舐め取る。
「ごめん、リアーナ。先にいっちゃった」
「可愛かったよ」
　リアーナは笑う。
「今度はリアーナの番だよ」
　再びリアーナの体に手を伸ばした。
　そしてすぐ。リアーナの体がビクッと反応し、やがてフッと力が抜けるのだった。

★★★

　同じベッドの中、裸でリアーナと抱き合う。
「いや～一人でするのも良いけど、他人の手でしてもらうのも新鮮だよね～」
「うん。クセになっちゃうかも」
「なっちゃえなっちゃえ。リアーナなら私がいつでも相手をするから」
「もう、シノブちゃんのえっち」
「リアーナだって。でももう一人えっちじゃなくて、二人えっちだよね」
　お互い笑い合うのだが、その時。
　部屋の戸がノックされる。
「ちょ、ちょっと待って！！」
　二人して急いで服を着る。そして戸を開けるとそこには……
　ロザリンドだ。
　その顔が赤い。
「ど、どうしたの、こんな時間に？」
「シノブ……どうしたの、じゃないでしょう。リアーナも」
「えっ、わ、私も？」
「二人の声、外まで丸聞こえよ」
「……」
「……」
「キオなんか真っ赤になって気絶寸前なんだから」
「……マジ？」
「マジ」
「ど、どうしよう、シノブちゃん……」
「どうしよう、って……ロザリンドにも聞こえてた？」
「当たり前でしょう。あんな大きな声で……馬鹿なんだから」
　顔を逸らすロザリンド。
「えいっ」
　ロザリンドに飛び付き、その下腹部、下着の中に手を差し入れた。
「きゃわわわわっ」
　ロザリンドの口から聞いた事の無い悲鳴が。
「シノブちゃん！！？」
「こ、こらっ、シ、シノブ、や、止めなさい！！」
「人の事を馬鹿って言うけどさ」
「あっ、やぁっ」
　涙目のロザリンドから吐息が漏れる。
「ロザリンドも濡れてるし。私達の声を聞いて、ロザリンドも興奮しちゃったんじゃないの？」
　ロザリンドのそこに指を浅く差し入れて上下に動かす。柔らかく濡れたそこは指に合わせて形を変える。
「あっ、シ、シノブ、だ、だめ、やっ、あんっ」

　結果として、ロザリンドは下着を変える事になった。そして俺の頭には巨大なタンコブが。
　痛ぇ。

★★★

　翌朝である。
　キオが顔を合わせてくれない。と言うか恥ずかしがって俺の顔をまともに見てこないし。
「シノブ、ごちそうさまです」
「ベリー、感謝しろ。そして精液臭いから近付くな」
「はい」
「笑ってんじゃないよ。死ね。生き返ってまた死ね。死に続けろ」
　そんな俺にハリエットが小声で語り掛ける。
「あのシノブ……昨夜のは自慰ですよね？」
「ま、まぁ、そうだけど……」
「知識としては知っているのですが、私はした事が無くて。でもお腹の下辺りが変な感じがしますし……あの……後で教えてはもらえませんか？」
「……皇女に一人えっち教えて死刑になったりしない？」
「大丈夫だと思います。多分」
「多分……」
　後でミランにバレたら怒られたりしないかな？　ちょっと怖いわぁ。

★★★

　ひーひー疲れたよー
　俺の場合は技術よりもひたすら基礎体力のアップ。筋トレしたり、持久走したり。
「ヒメ、ちょっとヒメおいで」
　呼ぶとスルスル寄ってくる透明なスライム、コノハナサクヤヒメ。
　その体から直接、水分を補給する。
　潤う、潤うわ～
　あっ、そうだ。サンドン博学だし、コノハナサクヤヒメの事を聞いてみるか。

　フワフワの白い子犬のようなサンドン。おじいちゃんのクセして可愛いな、おい。
「ふぅむ、透明なスライムのぉ～」
「知らない？」
「珍しくはあるが……スライムは食性によりその外見や能力が変わるのを知っているかな？」
「うん、それは。スライムに緑色っぽいのが多いのは、森の中に多くて草食だからだって。でも無色透明で水を生み出すスライムなんて記録にも無いよ」
「それはそうだろうなぁ。実に珍しいが……聞くか？　このスライムが何を食べていたのか？」
「え、やだ、まさか人間とか？」
「知っていたか」
「いやいや、知らない知らない。嘘？　本当に人間を食べていたの？　ヒメが？　こんな可愛いのに？」
　そこでサンドンは笑う。
「肉食ならスライムは赤色に近くなるだろう。このスライムが食べていたのは魔力。人からの魔力を得たスライムじゃな」
「じゃあ、魔力を注いであげたらヒメは成長するんじゃない？」
「そうなるな」
「ねぇ、ちょっとサンドンが魔力入れてみて」
　って、事でサンドンに魔力を入れてもらう。竜からの魔力だ。もしかしたらとんでもない成長をしちまうかも知れないぜ！！
「うおぉぉぉぉっ、何、これ、ヒメがめっちゃ光ってる！！」
「魔力を注ぎ過ぎたか？」
　光と同時だった。
「フオォォォォッ！！」
「えっ！！？」
　どこからともなくオッサンの声が！！
「シノブ殿ぉぉぉっ！！」
　地獄から響くような小汚い濁声！！
　誰だ、誰が俺を呼ぶんだ！！？
「ヒメですぅぅぅっ、拙者、コノハナサクヤヒメでございますぅぅぅっ！！」
　光が収まり、コノハナサクヤヒメがポンポンと飛び跳ねる。
「……ヒメ、ヒメなの？」
「ヒメです、拙者、間違い無くコノハナサクヤヒメでございます。シノブ殿、いつものように拙者を吸ってくだされ」
　コノハナサクヤヒメがクルクル回る。オッサンの声を発しながら。
「ええっ……」
　あの可愛かったコノハナサクヤヒメが……一瞬で……何だコイツ……
「ねぇ、シノブちゃん、今の光は何？」
「リアーナ……これなんだけど」
「ヒメちゃん？」
「リアーナ殿ぉ、こうして話す事が出来まして、嬉しく思いますぞぉぉぉ」
「えっ？　えっ？」
「どうしたの？」
「これはこれはロザリンド殿」
「誰？　このオッサンみたいな声？」
「シャーリー殿、それは拙者です、拙者、コノハナサクヤヒメ。しかしオッサンではありませんぞ。拙者には性別などはありませんからな。ミラン殿、ハリエット殿、タックルベリー殿、キオ殿、拙者、サンドン殿の魔力を得て成長したのですぞ」
「そういう事。透明のスライムって魔力を得て育つんだって」
「食性には魔力も含まれるのか。それなりの発見だぞ。じゃあ、サンドンの前にヒメに魔力を与えていたのは誰なんだ？」
「もちろん記憶にあります。魔法使いですぞ」
　そうしてコノハナサクヤヒメは自らの事を語るのであった。