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プロローグ
しおりを挟む過去、現在、未来。世界を取り巻く時間といものは流れという概念が存在し、生きとし生けるものはその流れに逆らうことなく日々を送っている。中にはその流れに逆らおうとする者や、その流れから逸脱してしまった者も一定数存在する。
ここで一つ、ある疑問を投げ掛けてみようと思う。我々が生きている世界の他に、全く異なる別の世界があることを知っているだろうか?
ある者はその問いに否と答え、またある者は是と答える。だが、それを証明した者は未だかつて存在していない。
それは時としてパズルのピースのようにカチリと嵌ることもあれば、全く異なる絵柄でちぐはぐになることもある。そのピースは一つとして同じものはなく、その数も無限に存在し、今も現在進行形で増え続ける。
そんな世界があるとすれば、どう思うだろう。もし、そんな世界が人知れず存在し続けているとすれば、見てみたくはないだろうか?
であれば、見せてやろう。この世には星の数よりも多くの世界が存在し、その世界でごく普通の日常を送っている人々がいるということを。
この物語は、どこかに存在する異世界で起こっている主人公でも何でもない無名の人間たちによる日々の生活を覗き見る物語である。
今宵、あなたはその世界を垣間見る傍観者となる。さあ、目の前の扉を開いてみてくれ。名も無き人々による名も無き物語が今始まる。
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