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計略陰謀篇

第40話 遠征

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中央軍 第1班 皇帝リエナと五聖筆頭ヴァイスハルトという帝国最高戦力が集うこの班にデミナス代表でゼオンが抜擢され 共に戦うこととなる・・・



恐らく自分はリエナの護衛をしながら戦うことになる

1対多数をイメージして身体を動かし 技の練習を黙々としていると



トコトコトコとユウマが近づき 同じポーズをし始める


シュッ! シュッ! ズバッ! ダッ!



一連の動きをすると ユウマも同じように動くがゆっくりでギクシャクしている



「どうしたの?」ゼオンが聞いてみる



「僕もゼオンさんのように動かせたい」ユウマは答える



ゼオン「よし! じゃあ やってみるか!」


ユウマ「うん!」



ユウマはゼオンから格闘術を学ぶようになる



学んだ後はそれをゴーレムの動きで再現する



軽量化はされておらず、重装備のゴーレムだが パンチ一発でも強力なため学んだ動きは無駄ではなかった



ガシャーン! ゴーレムから降りる

「やっぱり動きが鈍い・・・もっと・・・」



「焦る必要はないよ 毎日続けりゃ きっと良くなるさ」

フォローをするゼオン



それからユウマはゼオンの動きを観察したり 一緒に隣で身体を動かし 練習を続ける日々を送る


途中 リエナとゼオンの凄まじい稽古を見て 驚く

2人とも常人を超えた動きに圧倒される



それでも2人を観察して 動きを学ぼうとする


ユウマの特訓の日々が続くなか 中央軍 第1班に遠征の指示が出される・・・



帝国領内の港町付近に巨大魔物のクラーケンが現れたという情報だった

さらにその近くに魔獣の巣ができて被害も出てるという2か所の魔物の討伐を依頼される



この班で初めての実戦に緊張するが、帝国最強が2人もいるので心強かった



「今回はいきなりですまないが、班を2つ別けて討伐しようと思う」ヴァイスハルトさんが提案を出す

「港町の兵士がクラーケンを相手にしている時に背後から魔獣に襲われたという情報がある

恐らくクラーケンと魔獣は連携を取っている」



リエナ「なるほど 挟撃してくるのか」



ヴァイスハルト「クラーケンを囮に 魔獣の群れで襲いかかるそういうシナリオだろ」



ゼオン「そこでチームを2つに別けて同時に討伐すると」



ヴァイスハルト「正解だ! 魔獣は群れだから数が多い そこで聖騎士団とゼオンくんで討伐を

クラーケンは私とリエナ様なら倒せるだろ」



リエナ「良い!異議なしだ!」



ゼオン「了解です!」



ヴァイスハルト「それでは 各自の健闘を祈る

出撃!」




号令とともにそれぞれが動きだす・・・



ゼオンと聖騎士団は魔獣の群れに向かい

リエナとヴァイスハルトはクラーケンがいる方に向かう




道中 ゼオンは聖騎士団の人と話したことなかったので話しかけてみた

「これから よろしく!」と言うが、

「・・・・・・・・・・・」と喋らなかった


「ありゃ?余計だったかな?」心の中で思い


後ろにいるゴーレムに乗ったユウマに話しかける

「よろしくな!」


「うん、頑張る」とユウマは返事してくれる



ユウマとはともかく 聖騎士団の人たちと連携できるか不安になってきた・・・






魔獣の巣と思われる場所に到着する一行



「さて どうするか? きっとボスがいるから慎重に・・・ 」と考えていると



聖騎士団の人たちは ザッザッザッザッと行進し始める



「え? ちょ ちょっと待って!」ゼオンは作戦も考えずに突撃してしまう騎士団に驚く



ガルルルルルル! 魔獣はウルトラタイガーで聖騎士たちに気づく



そして 魔獣の群れが次々 現れ 聖騎士団に襲いかかろうと飛び上がった瞬間



聖騎士たちは持っていた槍で魔獣を串刺しにする

ズバッ!ザシュッ!



絶命した魔獣はポイッと捨て去り 瀕死の魔獣は地面に降ろし さらに槍で突き刺してトドメをさしていた



「エリートって聞いてたのにえげつねー!」ゼオンは思った



まるで害虫を駆除するみたいに冷酷で躊躇なしの討伐に驚く



「ユウマ 聖騎士ってみんなああなのか?」質問してみる



「僕も喋ったことない ゼオンさんとだけ話しできた」




次々と容赦なく 討伐する彼らを見て恐怖すら感じた



すると 奥からドスン!ドスン!大きな足音が聞こえた



姿を現したのはウルトラタイガーのボス的な存在

通常のサイズより大きく 顔に傷がある いかにもって感じのやつが出てきた



ボスのウルトラタイガーは前方の聖騎士団を爪 一振で蹴散らす 何人かが鎧ごと切り裂かれ 地面に転がる



「あいつはまずい! 俺たちも援護するぞ!」

ゼオンはユウマに言う



「わかっ・・・・たよ・・・ え!?」

言葉の途中にユウマは驚く





負傷した騎士が平然と立ち上がっていた

兜が外れ 落ちて 顔が見える

目は死んだ魚のように正気ではない雰囲気があった



すると 1人の聖騎士が口を動かす


「魔物を殺せ 魔族を滅せよ」



続けて「魔物を殺せ 魔族を滅せよ」

「魔物を殺せ! 魔族を滅せよ!」

・・・・・・・・・・・・



突然 聖騎士団全員が口を揃えて「魔物を殺せ! 魔族を滅せよ!」と連呼し始める




すると 今までの動きとは違い 聖騎士たちは囲み ジャンプしてボスのウルトラタイガーに上から四方八方から槍で突き刺し始めた



グオーーー!と叫ぶ 魔獣 しかしお構い無しに次々に刺しまくる聖騎士たち

「魔物は殺せ! 魔族は滅せよ!」その言葉を連呼して魔獣を追い詰める




異常な光景にゼオンもユウマも立ち尽くしていた・・・



「なんだこりゃ・・・」


「・・・・・・・・」






そして ボスの魔獣は力尽き その場に倒れる



「倒しちゃった・・・」ユウマが口にする




しかし 聖騎士たちは止まらず倒した魔獣に何度も槍を突き刺し なぶり殺しをしていた




「!? お、おい! もう死んだ! それ以上はやめろよ!!」

ゼオンは止めようと叫ぶ



すると こちらに首をくるっと曲げて「魔物を殺せ! 魔族を滅せよ!」と再び連呼を始めてぞろぞろとゆっくり近づいてくる



「やっぱり正気じゃない! 一体何が?」



聖騎士たちの目は正気ではないが、自分を見ていることに気づく



「!? まさか俺が標的?」と考える



「魔物を殺せ! 魔族を滅せよ!」と言っていた




「ユウマ! リエナとヴァイスハルトさんと合流しよう! コイツら変だ! なにかおかしい!」

ゼオンの声に



「うん! 分かった!」と返事をする




ゼオンとユウマは聖騎士団の異常な行動に危険を察知してその場から走り出した


目指すはクラーケンを相手にしているリエナたちの下へ・・・


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