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第1章 牛肉勝負
8 第一の勝負 決着
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「最後に料理を持って来られた御3人。この中から、今回の勝負の一番を選ばせて頂きます」
この場に居る料理人、全員が視線を向ける中、ガストロフは言った。
「それ以前に持って来られた方の料理は、残念ですが、選考の対象外とさせて頂きます」
反論は聞こえてこない。ギネヴァに批評された料理人など、ぐったりとしている。
五郎たちの料理を見て、それを食べたガストロフ達の反応を知り、反論する気力が湧かないのだ。
そんな料理人たちに、ガストロフは続ける。
「皆様には勘違いして欲しくは無いのですが、あくまでも一番ではないだけで、我々が採用させて頂く料理には入る可能性がある、ということです」
驚くような気配が広がる中で、ガストロフは言った。
「どれだけ美味い料理であろうとも、数が少なくてはどうにもなりません。
また、今回は悪くても、更に手を加えれば十二分に商品になる料理はありました。
ですので、それを作られた料理人の方には、これから我々と懇意にして頂きたいと思っています」
ガストロフの言葉に広がった驚きが静まり、代わりに期待感と野心が料理人の目の輝きに灯る。
そんな空気が広がる中で、ガストロフは続けた。
「ですが、今回は料理勝負でもあります。優劣は、付けねばなりません。ですので、もっとも美味いと思った料理を、それぞれ上げさせて頂きます」
それは誰か?
最初に答えたのは、ガストロフだった。
「私は、五郎さんの料理を上げさせて頂きます」
これを皮切りに、次々に意見を表明する。
「私は、元勇者の料理人の方の物が、一番美味しかったですわ」
「私は、アルベルトさんの物が、舌に合いましたね」
この時点で、五郎が2票。そしてアルベルトに一票。
引き分けか、それとも五郎の勝利か?
最後の一票を決めるギネヴァは、少しだけ迷うような間を空けて言った。
「うちの子と、同じだよ」
この瞬間、勝負はついた。勝つ者と負けた者。無情な結果が横たわる。
けれどそれに、口を挟まずにおれなかったのは、レティシアだった。
「なんでですか!?」
どこか感情を抑えた声で、レティシアは声を上げる。
「レティ……」
「ごめん。ここは聞いとかないと」
「それは、なぜですか?」
静かに問い掛けるガストロフに、レティシアは応えた。
「リナなら、もっと美味しい物がこれから作れるからです!」
自信と誇りを抱いて、レティシアは言った。
「リナは頑張り屋で、それ以上に絶対に諦めない子なんです! 今日は一番になれなかったけど、絶対に今日より、もっともっと美味しい物を作ってくれます! でも、どこが悪かったか知らないと、改善するのに余計な時間が掛かっちゃうんです!」
「だから、悪かった所を教えて欲しいと?」
「はい!」
レティシアの言葉に、ガストロフは眉を寄せ言った。
「これは……困りましたね。悪い所を教えてくれというのは……」
悩むように言うガストロフに、理由を聞こうとしたレティシアだが、それより先にギネヴァが応えた。
「悪い所なんてなかったよ。誰が食べても美味いって思える料理だった。でもね、だからこそ、私らの3人の誰も、一番にしなかったのさ」
これに混乱したように表情を曇らせたレティシアに、そしてカリーナに向けて、ギネヴァは続けた。
「尖がった所が、無かったのさ。
誰が食べても美味いと思える料理。悪くない、良い料理さ。
だけどね、それだけにそれ以上には、なり辛いんだよ。言ってみれば、優等生な料理だったのさ。
それに比べると、残りの2人は尖がってたねぇ。どちらも牛肉料理って主張をしまくった味わいを出しながら、その方向性は真逆だったよ。
そのどちらの向きを決めるか。最後はもう、自分の好みだけさ。
それぐらい、2人の料理は優劣を付け難かった。
それに比べるとね、どうしてもぼやけてしまったんだよ。だからさ」
ギネヴァの答え。それを聞いたカリーナは、黙ってしまう。
けれど、悔し涙をこらえながら、明るい声で返した。
「ありがとうございます。ちゃんと答えてくれて。その答えを活かして、次はもっともっと、美味しい物を作ります」
「……素直な子だね、まったく。でも、そういうのは好きだよ。がんばりな」
「はい!」
力強いカリーナの返事に、ギネヴァは嬉しそうに目を細める。
そんな2人を、ガストロフは心地好さげに見詰めていたあと、五郎に呼び掛けた。
「これで、今回の料理勝負、一番は五郎さんです。さあ、なにを望まれますか? 我々で叶えられる事なら、なんでも叶えます」
「……ん? 一番になったら、そういう特典貰えんのか?」
「ええ。陽色さんから、聞いておられませんか?」
「いや、なんにも……でも、そっか……叶えて欲しいこと、ねぇ?」
眉をひそめて悩んでいた五郎だったが、やがて一つの願いを口にする。
「だったら、また料理勝負開いてくれよ。それでまた、俺を参加させてくれ」
「料理勝負、ですか? しかしそれはまた……そんな事で良いのですか?」
「おう! もちろんだ!」
楽しそうな声で、五郎は返した。
「すっげぇ楽しかったんだ。色んな料理人と、一緒に競い合えてさ。それに勉強になった。黙ってたけど、料理人みんなのやり方、見ててためになったんだぜ。こんな楽しくて勉強になること、一回こっきりだけで終わらせるなんて勿体ねぇ。だから、またやって欲しいんだ!」
「それはまた……欲が無い……いえ、強欲なのですね。今以上に、美味い物を作りたいと、望まれてるのですから」
「ああ、否定はしねぇ。でも、叶えてくれるんだろ?」
これにガストロフだけでなく、他の審査員3人も楽しげに笑う。そして、
「もちろんです! このガストロフ、二言はございません。望まれる通り、再び多くの料理人の方達を集めての料理勝負をすると、お約束いたしましょう!」
ガストロフは、このあと世界中で有名になる料理コンテストの開始を口にした。
しかしそんなことになるとは知らない五郎は、ただただ、楽しげに笑い喜ぶだけだった。
こうして、ガストロフの主催する最初の料理勝負は、五郎の勝利で幕を下ろす。
しかしすぐに、競い合った2人、カリーナとアルベルトと料理勝負する事になるのだが、この時の五郎には知るよしもないことだった。
この場に居る料理人、全員が視線を向ける中、ガストロフは言った。
「それ以前に持って来られた方の料理は、残念ですが、選考の対象外とさせて頂きます」
反論は聞こえてこない。ギネヴァに批評された料理人など、ぐったりとしている。
五郎たちの料理を見て、それを食べたガストロフ達の反応を知り、反論する気力が湧かないのだ。
そんな料理人たちに、ガストロフは続ける。
「皆様には勘違いして欲しくは無いのですが、あくまでも一番ではないだけで、我々が採用させて頂く料理には入る可能性がある、ということです」
驚くような気配が広がる中で、ガストロフは言った。
「どれだけ美味い料理であろうとも、数が少なくてはどうにもなりません。
また、今回は悪くても、更に手を加えれば十二分に商品になる料理はありました。
ですので、それを作られた料理人の方には、これから我々と懇意にして頂きたいと思っています」
ガストロフの言葉に広がった驚きが静まり、代わりに期待感と野心が料理人の目の輝きに灯る。
そんな空気が広がる中で、ガストロフは続けた。
「ですが、今回は料理勝負でもあります。優劣は、付けねばなりません。ですので、もっとも美味いと思った料理を、それぞれ上げさせて頂きます」
それは誰か?
最初に答えたのは、ガストロフだった。
「私は、五郎さんの料理を上げさせて頂きます」
これを皮切りに、次々に意見を表明する。
「私は、元勇者の料理人の方の物が、一番美味しかったですわ」
「私は、アルベルトさんの物が、舌に合いましたね」
この時点で、五郎が2票。そしてアルベルトに一票。
引き分けか、それとも五郎の勝利か?
最後の一票を決めるギネヴァは、少しだけ迷うような間を空けて言った。
「うちの子と、同じだよ」
この瞬間、勝負はついた。勝つ者と負けた者。無情な結果が横たわる。
けれどそれに、口を挟まずにおれなかったのは、レティシアだった。
「なんでですか!?」
どこか感情を抑えた声で、レティシアは声を上げる。
「レティ……」
「ごめん。ここは聞いとかないと」
「それは、なぜですか?」
静かに問い掛けるガストロフに、レティシアは応えた。
「リナなら、もっと美味しい物がこれから作れるからです!」
自信と誇りを抱いて、レティシアは言った。
「リナは頑張り屋で、それ以上に絶対に諦めない子なんです! 今日は一番になれなかったけど、絶対に今日より、もっともっと美味しい物を作ってくれます! でも、どこが悪かったか知らないと、改善するのに余計な時間が掛かっちゃうんです!」
「だから、悪かった所を教えて欲しいと?」
「はい!」
レティシアの言葉に、ガストロフは眉を寄せ言った。
「これは……困りましたね。悪い所を教えてくれというのは……」
悩むように言うガストロフに、理由を聞こうとしたレティシアだが、それより先にギネヴァが応えた。
「悪い所なんてなかったよ。誰が食べても美味いって思える料理だった。でもね、だからこそ、私らの3人の誰も、一番にしなかったのさ」
これに混乱したように表情を曇らせたレティシアに、そしてカリーナに向けて、ギネヴァは続けた。
「尖がった所が、無かったのさ。
誰が食べても美味いと思える料理。悪くない、良い料理さ。
だけどね、それだけにそれ以上には、なり辛いんだよ。言ってみれば、優等生な料理だったのさ。
それに比べると、残りの2人は尖がってたねぇ。どちらも牛肉料理って主張をしまくった味わいを出しながら、その方向性は真逆だったよ。
そのどちらの向きを決めるか。最後はもう、自分の好みだけさ。
それぐらい、2人の料理は優劣を付け難かった。
それに比べるとね、どうしてもぼやけてしまったんだよ。だからさ」
ギネヴァの答え。それを聞いたカリーナは、黙ってしまう。
けれど、悔し涙をこらえながら、明るい声で返した。
「ありがとうございます。ちゃんと答えてくれて。その答えを活かして、次はもっともっと、美味しい物を作ります」
「……素直な子だね、まったく。でも、そういうのは好きだよ。がんばりな」
「はい!」
力強いカリーナの返事に、ギネヴァは嬉しそうに目を細める。
そんな2人を、ガストロフは心地好さげに見詰めていたあと、五郎に呼び掛けた。
「これで、今回の料理勝負、一番は五郎さんです。さあ、なにを望まれますか? 我々で叶えられる事なら、なんでも叶えます」
「……ん? 一番になったら、そういう特典貰えんのか?」
「ええ。陽色さんから、聞いておられませんか?」
「いや、なんにも……でも、そっか……叶えて欲しいこと、ねぇ?」
眉をひそめて悩んでいた五郎だったが、やがて一つの願いを口にする。
「だったら、また料理勝負開いてくれよ。それでまた、俺を参加させてくれ」
「料理勝負、ですか? しかしそれはまた……そんな事で良いのですか?」
「おう! もちろんだ!」
楽しそうな声で、五郎は返した。
「すっげぇ楽しかったんだ。色んな料理人と、一緒に競い合えてさ。それに勉強になった。黙ってたけど、料理人みんなのやり方、見ててためになったんだぜ。こんな楽しくて勉強になること、一回こっきりだけで終わらせるなんて勿体ねぇ。だから、またやって欲しいんだ!」
「それはまた……欲が無い……いえ、強欲なのですね。今以上に、美味い物を作りたいと、望まれてるのですから」
「ああ、否定はしねぇ。でも、叶えてくれるんだろ?」
これにガストロフだけでなく、他の審査員3人も楽しげに笑う。そして、
「もちろんです! このガストロフ、二言はございません。望まれる通り、再び多くの料理人の方達を集めての料理勝負をすると、お約束いたしましょう!」
ガストロフは、このあと世界中で有名になる料理コンテストの開始を口にした。
しかしそんなことになるとは知らない五郎は、ただただ、楽しげに笑い喜ぶだけだった。
こうして、ガストロフの主催する最初の料理勝負は、五郎の勝利で幕を下ろす。
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