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Ice lolly9⋈終わり、だなんて嫌だよ。

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 どうしよう… 氷雅ひょうがお兄ちゃんとふたりきりに…。

 今すぐ逃げたい…だけど体がぴくりとも動かない。
 冷や汗が止まらない。

  月沢つきさわくんに軽いショック状態で保健室に運ばれた時よりひどいかも……。

「ありす!」
 氷雅ひょうがお兄ちゃんが地面に横たわる薄いブルーのトップスにショートパンツ姿の私の隣にしゃがみ、
 背中で縛られた両手のリボンをほどこうとする。

「触…らないで」

 氷雅ひょうがお兄ちゃんは両目を見開く。

「なんで…来たの?」
「偽りの氷雅ひょうがお兄ちゃんなんて大嫌い…って言ったでしょ…?」

「大嫌いでも構わねぇよ」
「ありす、帰るぞ」
 氷雅ひょうがお兄ちゃんはそう言って、きゅっきゅとリボンをほどく。

 拒否ったのに、
 いつもぶっきら棒なのに、
 なんで…そんな優しくほどくの?

 氷雅ひょうがお兄ちゃんが抱き起こすと私はぎゅっとグレーの長袖Tシャツを掴む。

「ありす?」

「はぁっ、はぁっ…」

 まずい、上手く息が出来ない。
 苦しい。

 大嫌いって言ったくせに氷雅ひょうがお兄ちゃんに頼るだなんてだめ。
 だめ、なのに。

 氷雅ひょうがお兄ちゃんは私を抱き締めて頭を撫でる。

「ありす、ゆっくり息吸って吐け」
「大丈夫だ。俺がついてるからな」

 氷雅ひょうがお兄ちゃん……。
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