1 / 2
やくざの息子の大切な玩具
しおりを挟む
天馬と初めて会ったのは、放課後の部室だった。
中学一年生の愛実は音楽部で、あまりやる気のない部員の中では浮いてしまうくらいに真面目な性格だった。いつも部室の前で先輩が音楽室の鍵を開けてくれるのを待っていた。
その日は一日雨だった。この二か月の経験で、たぶん今日も部活は無いのだとわかっていても、だからといって勝手に帰る選択肢は愛実の中に無かった。
「楽しい?」
天馬にそう訊かれたのは、そんなときだった。部室の前で座り込んでいた愛実が見上げたら、天馬は皮肉っぽい表情で愛実を見下ろしていた。
篠崎天馬という同級生の男の子のことは、耳にしていた。とてもお金持ちらしいけど、とても良くないお家らしい。そんな矛盾した噂は、愛実の中には警戒という形で刻まれていた。
「仕方ない」
愛実はぷいと顔を背けて、そっけなく言い捨てた。天馬の問いに何一つ答えになっていないけど、それが愛実の性格だった。
天馬は愛実の隣にすとんと腰を下ろして言う。
「楽しいことすればいいのに」
たぶん天馬と愛実は平行線上の立ち位置にいて、だから愛実は怒ることも苛立つこともなかった。
でもお金持ちにも良くないお家にも関わり合いになりたくなかった。愛実は黙って天馬から距離を取ると、立ち上がって廊下の端に行こうとした。
「いつもしかめ面」
ふいに天馬は愛実を指さして、失礼なくらいきっぱり言った。
愛実が反射的に眉を寄せると、天馬は逆に笑った。
「……お前、かわいいのな」
言葉の意味がわからないのに心臓は一瞬変な音を立てて、愛実はぱっと踵を返していた。
やだ、この人。ここにいちゃ良くない気がする。
焦りに似た感情は愛実の背中を押し続けて足を進めたのに、外には出られなかった。
校舎の外は雨が大降りで、傘を音楽室の横に置いてきてしまった。
「ここにいたら」
後から昇降口まで追いついて来た天馬は、愛実の傘を手慰みにしながら言った。
愛実は抵抗したくても傘がなくて、外をにらむようにしながらしばらく立っていた。
「かわいいのな」
隣の天馬はまたそんなことを言ったけど、愛実は空にため息をついて、またぷいと顔を背けた。
愛実の家が貧しかったのは元々のことで、高校の頃に父は借金を置き去りにしてどこかに行き失せてしまった。
愛実の母が借金の代わりに愛実を良くないお家にやってしまったのは、母だけが悪かったわけじゃなかった。だから愛実は自分から、例によってしかめ面でその家の敷居をくぐった。
そこは良くないお金で栄えているという、篠崎天馬の家だった。良くて家政婦扱い、悪ければ体を売らされるのだろうと、覚悟はしてやって来た。
冬の夜は深く冷たかった。愛実は使用人の後ろを無言で歩いた。
「よく来たね」
けれど通された和室にいたのは天馬一人で、彼は明るく手を挙げて言った。
大学生になった天馬は、背も伸びて顔立ちも精悍になっていた。皮肉っぽく口の片端を上げる笑い方は変わっていなかったが、女の子にはもてると聞いていた。
お世話になりますくらいは言った方がいいのか、いっそ土下座でもすればいいのか。愛実が黙ると、天馬は首を傾けて可愛いような素振りで言った。
「愛実ちゃん、今日から俺の玩具だから」
愛実が怪訝な顔をすると、天馬はくすくす笑って続ける。
「いっぱい借金があるから、その分いっぱいかわいがってあげる。大丈夫、俺、優しいよ?」
「自分で優しいって言う人は優しくない」
愛実が無造作に言い返すと、天馬はうんうん、とうなずく。
「わかってるじゃん。……じゃ、脱いで」
愛実が顔を凍らせると、天馬は無邪気な顔で見上げる。
「俺が人を呼んで、みんなの前で丸裸になった方がいい?」
愛実はその言葉に返す言葉がなかった。売られてしまった自分は、不特定多数の前でそうされてもおかしくなかった。
仕方がなく服に手をかけて自分で脱ぎ始める。天馬はひじ掛けに手をついて、面白そうにそれを見ていた。
セーターを脱いで、スカートも落として、その下のインナーも脱いだけど、ブラとショーツを外すのはさすがに抵抗があった。
「ブラとショーツも脱いで。後ろ向いちゃだめだよ」
天馬は当然のように言って、愛実は下を向く。
そろそろとブラを外して、ショーツも足から抜くと、頼りない体が外気に震えた。
「へぇ。愛実ちゃん下の毛薄いね」
天馬は座ったまま愛実のそこを見上げて言う。
「そのままでもいいけど、なめるとき邪魔だから今度剃ってあげるね」
じゃあ、と天馬は猫の子を呼ぶように手招きした。
「エッチしよっか。そこに仰向けになって」
「……ほ、ほんとに……するの?」
愛実は最後の希望にすがるように抵抗の言葉をもらす。
「篠崎君、もてるでしょ。私じゃなくたって」
「やだな。俺、ずっと愛実ちゃん好きだったんだよ?」
こんな状況じゃなければ告白みたいな言葉を、天馬はどこか可笑しな調子で言う。
「好きで、本当に好きで、やだやだって愛実ちゃんが嫌がってるとこにずぶずぶ突っ込むのを何度も夢見てたんだ」
天馬は目を細めて今度は明確に命令を告げた。
「仰向けになって、愛実ちゃんの恥ずかしいとこよく見せて?」
不特定多数の相手をさせられるよりはきっとまだいい。愛実は彼女なりのあきらめで、和室に敷かれた布団の上に向かった。
愛実は誰かと付き合ったことはなく、エッチの知識は漫画の中の知識くらいだった。体の中に男の人のものが突っ込まれるのは怖かったが、みんなしてることだからどうにかはなるだろうくらいに思っていた。
愛実は言われるままに布団に仰向けになって、でもそれからどうしたらいいのかはわからなくて顔をしかめた。
「足はこう」
「え……、ひっ!」
天馬は愛実の足を折り曲げて横に広げると、それこそ普段誰にも見せないところがぐいっとさらされるのを感じた。
「そうそう。赤ちゃんがおしっこするみたいにね。じきにおしっこするところも見せてもらうからね」
ぞっとするようなことを言って、天馬は愛実の割れ目を指ですっと撫でた。
「や……っ!」
「きれいできゅんきゅんしてるなぁ。俺のチンポをぎゅうってキスしてね」
天馬はそこで、あ、と思い出すような声を上げて、愛実を見下ろした。
「ごめんごめん。なんでこんな大事なこと今までほっといたんだろ。……愛実ちゃん、ちゅーしよう?」
愛実が反射的に身を引く前に、天馬は愛実に覆いかぶさっていた。
唇が触れたと思ったのは一瞬で、次の瞬間には歯列を割って舌が入り込んでいた。口の中で肉厚の舌がうごめいて、愛実の舌をつかまえる。
「んっ」
「んん……おいしい。ふふ、愛実ちゃん、俺の舌、ぺろぺろってして」
温かくてとろりとした未知の感触は頭の中を溶かすようで、愛実は訳も分からず言われるとおり舌を舐め返す。
「いい子だね。ちゅーしたままでいいから、俺の腰に足回して?」
口の中で動くものに気を取られていて、自分が何をしているのか自覚がなかった。引かれるまま足を天馬の腰に回して、まるでしがみついているみたいな態勢になる。
「俺の手にここ、擦ってごらん。痛くないようにべとべとにしとこ」
キスの合間に愛実の秘所に手が当てられた。一瞬、痛いという言葉に胸がひっかかれる。
愛実が眉を寄せたのに気づいたのか、天馬は猫なで声で言った。
「痛くないよ。そうだな、じゃあ練習しよ」
「あ……ひゃぁ!」
愛実が変な声を上げたのは、愛実の秘所に天馬の指が忍び込んだからだった。
くちゅっと音を立てて長い指が入ったかと思うと、ちゅ、ちゅ、と中をかき出すように動かされる。
「や、やん、いや……!」
「へぇ、愛実ちゃん才能あるよ。なか、すごくとろとろで気持ちよさそう」
天馬は愛実の拒絶とは裏腹に、くるくると指を回したり軽くひっかいたりもする。
ちゅ、ぐち、ぬちゃ……愛実が聞いても恥ずかしいような音が聞こえてくる。
天馬は愛実の舌をぺろぺろと弄びながら、ふふと笑う。
「愛実ちゃんの中もべろべろってしてあげたいけど、今日はちゅーが優先。だって初めての夜だもんね」
天馬は指を増やしてばらばらに動かしながら、愛実の唇もぺろぺろと味わう。
一瞬、天馬は暗い光を目に宿してつぶやいた。
「初めて……愛実ちゃんの初めて、絶対取るって決めてた。監視カメラで全部撮って見張ってたからね」
彼の裏の家業が透けて見えるような、ぞわりとする笑い声を立てた。
「……うそ。なんで信じちゃうかな、愛実ちゃんは」
愛実が恐怖を感じる前に、天馬はちゅ、と優しく愛実の頬にキスする。
「いつも見てた。壁ごしに抜いてた。でも触るのは初めてなんだ。この、ちっちゃい胸とか」
天馬は愛実の乳首を指で挟んで、育てるみたいにくりくりといじる。
「長すぎるスカートの下のかわいいお尻だとか。……ふふ、じきにここの穴も気持ちよくさせてあげるからね」
愛実が意味がわからずきょとんとすると、天馬は愛実のお尻から手を離して彼女の背中を引き寄せる。
気が付けば愛実のお腹に、張りつめた何かが当たっていた。ふと怖くなって愛実が身を引こうとする前に、天馬は愛実の足を殊更ぎゅっと開かせた。
「今夜から……俺だけの愛実ちゃん」
その痛みは溶けていた体をもう一度目覚めさせるような衝撃があった。
「あ、いや……ぁ!」
みちみちと体を割って入って来る何かに、愛実は本能的な恐怖を感じて悲鳴を上げる。
「いやぁ……! いやいや! 入らないで、いや……ぁ!」
「く……ぅ、いい、愛実ちゃん、いいよ……!」
天馬はぎゅうぎゅうと愛実を抱きしめながら、一心に体を押し進めてくる。
「ちょっとだけ待って……。奥にちゅうってしたら、いっぱい気持ちよくしてあげるから」
愛実はいやいやといくら抵抗しても聞き入れれず、天馬はひたすらに愛実を貫いた。
まもなく天馬と愛実のそこがぎゅっと接合して、天馬は愛実の額に張り付いた髪をかきあげる。
「はは……愛実ちゃんの初めて、もらったよ」
額から愛実の耳に向かってちゅ、ちゅ、と唇を落としながら、天馬は満足そうに言う。
「……さ、行こ」
愛実のまなじりににじんだ涙を吸って、天馬は律動を開始する。
「あ、ぁ……ん、あぁ」
愛実には体の中心を貫かれた痛みはそのままに、平行して不穏な波のようなものが押し寄せてくる。
愛実の感じているものが形になるように、二人をつないだ部分から、ぐち、ぬち、と泡立つ音が聞こえてくる。
「や……ぁん、んあ、あ、んん」
「感じる? 愛実ちゃん、いい? 気持ちいいんだ?」
天馬は愛実の声に混じり始めた愉悦に気づいて、喉を鳴らして喜ぶ。
段々と貫くペースを速めながら、天馬は言う。
「イこ、愛実ちゃん、一緒にいっちゃお」
「あ、やぁん、あ、んや、んあ……」
次第に何も考えられなくなる愛実に、天馬が殊更深く体を進めたときだった。
「……俺のコ、産んでね」
真っ白に弾けた視界の中、愛実の中に熱い流れが注ぎ込まれるのを感じた。
「大丈夫、何人でも産んでいいよ。最初からそのつもりだから。
俺、はじめて会ったときから愛実ちゃんが好きでたまんないんだ。
空いてる穴、全部俺でいっぱいにしてあげる。ぐちゃぐちゃに、どろどろに愛してあげる。
もうどこにもやらないからね。
好きで好きで大好きな、俺だけの愛実ちゃん――」
中学一年生の愛実は音楽部で、あまりやる気のない部員の中では浮いてしまうくらいに真面目な性格だった。いつも部室の前で先輩が音楽室の鍵を開けてくれるのを待っていた。
その日は一日雨だった。この二か月の経験で、たぶん今日も部活は無いのだとわかっていても、だからといって勝手に帰る選択肢は愛実の中に無かった。
「楽しい?」
天馬にそう訊かれたのは、そんなときだった。部室の前で座り込んでいた愛実が見上げたら、天馬は皮肉っぽい表情で愛実を見下ろしていた。
篠崎天馬という同級生の男の子のことは、耳にしていた。とてもお金持ちらしいけど、とても良くないお家らしい。そんな矛盾した噂は、愛実の中には警戒という形で刻まれていた。
「仕方ない」
愛実はぷいと顔を背けて、そっけなく言い捨てた。天馬の問いに何一つ答えになっていないけど、それが愛実の性格だった。
天馬は愛実の隣にすとんと腰を下ろして言う。
「楽しいことすればいいのに」
たぶん天馬と愛実は平行線上の立ち位置にいて、だから愛実は怒ることも苛立つこともなかった。
でもお金持ちにも良くないお家にも関わり合いになりたくなかった。愛実は黙って天馬から距離を取ると、立ち上がって廊下の端に行こうとした。
「いつもしかめ面」
ふいに天馬は愛実を指さして、失礼なくらいきっぱり言った。
愛実が反射的に眉を寄せると、天馬は逆に笑った。
「……お前、かわいいのな」
言葉の意味がわからないのに心臓は一瞬変な音を立てて、愛実はぱっと踵を返していた。
やだ、この人。ここにいちゃ良くない気がする。
焦りに似た感情は愛実の背中を押し続けて足を進めたのに、外には出られなかった。
校舎の外は雨が大降りで、傘を音楽室の横に置いてきてしまった。
「ここにいたら」
後から昇降口まで追いついて来た天馬は、愛実の傘を手慰みにしながら言った。
愛実は抵抗したくても傘がなくて、外をにらむようにしながらしばらく立っていた。
「かわいいのな」
隣の天馬はまたそんなことを言ったけど、愛実は空にため息をついて、またぷいと顔を背けた。
愛実の家が貧しかったのは元々のことで、高校の頃に父は借金を置き去りにしてどこかに行き失せてしまった。
愛実の母が借金の代わりに愛実を良くないお家にやってしまったのは、母だけが悪かったわけじゃなかった。だから愛実は自分から、例によってしかめ面でその家の敷居をくぐった。
そこは良くないお金で栄えているという、篠崎天馬の家だった。良くて家政婦扱い、悪ければ体を売らされるのだろうと、覚悟はしてやって来た。
冬の夜は深く冷たかった。愛実は使用人の後ろを無言で歩いた。
「よく来たね」
けれど通された和室にいたのは天馬一人で、彼は明るく手を挙げて言った。
大学生になった天馬は、背も伸びて顔立ちも精悍になっていた。皮肉っぽく口の片端を上げる笑い方は変わっていなかったが、女の子にはもてると聞いていた。
お世話になりますくらいは言った方がいいのか、いっそ土下座でもすればいいのか。愛実が黙ると、天馬は首を傾けて可愛いような素振りで言った。
「愛実ちゃん、今日から俺の玩具だから」
愛実が怪訝な顔をすると、天馬はくすくす笑って続ける。
「いっぱい借金があるから、その分いっぱいかわいがってあげる。大丈夫、俺、優しいよ?」
「自分で優しいって言う人は優しくない」
愛実が無造作に言い返すと、天馬はうんうん、とうなずく。
「わかってるじゃん。……じゃ、脱いで」
愛実が顔を凍らせると、天馬は無邪気な顔で見上げる。
「俺が人を呼んで、みんなの前で丸裸になった方がいい?」
愛実はその言葉に返す言葉がなかった。売られてしまった自分は、不特定多数の前でそうされてもおかしくなかった。
仕方がなく服に手をかけて自分で脱ぎ始める。天馬はひじ掛けに手をついて、面白そうにそれを見ていた。
セーターを脱いで、スカートも落として、その下のインナーも脱いだけど、ブラとショーツを外すのはさすがに抵抗があった。
「ブラとショーツも脱いで。後ろ向いちゃだめだよ」
天馬は当然のように言って、愛実は下を向く。
そろそろとブラを外して、ショーツも足から抜くと、頼りない体が外気に震えた。
「へぇ。愛実ちゃん下の毛薄いね」
天馬は座ったまま愛実のそこを見上げて言う。
「そのままでもいいけど、なめるとき邪魔だから今度剃ってあげるね」
じゃあ、と天馬は猫の子を呼ぶように手招きした。
「エッチしよっか。そこに仰向けになって」
「……ほ、ほんとに……するの?」
愛実は最後の希望にすがるように抵抗の言葉をもらす。
「篠崎君、もてるでしょ。私じゃなくたって」
「やだな。俺、ずっと愛実ちゃん好きだったんだよ?」
こんな状況じゃなければ告白みたいな言葉を、天馬はどこか可笑しな調子で言う。
「好きで、本当に好きで、やだやだって愛実ちゃんが嫌がってるとこにずぶずぶ突っ込むのを何度も夢見てたんだ」
天馬は目を細めて今度は明確に命令を告げた。
「仰向けになって、愛実ちゃんの恥ずかしいとこよく見せて?」
不特定多数の相手をさせられるよりはきっとまだいい。愛実は彼女なりのあきらめで、和室に敷かれた布団の上に向かった。
愛実は誰かと付き合ったことはなく、エッチの知識は漫画の中の知識くらいだった。体の中に男の人のものが突っ込まれるのは怖かったが、みんなしてることだからどうにかはなるだろうくらいに思っていた。
愛実は言われるままに布団に仰向けになって、でもそれからどうしたらいいのかはわからなくて顔をしかめた。
「足はこう」
「え……、ひっ!」
天馬は愛実の足を折り曲げて横に広げると、それこそ普段誰にも見せないところがぐいっとさらされるのを感じた。
「そうそう。赤ちゃんがおしっこするみたいにね。じきにおしっこするところも見せてもらうからね」
ぞっとするようなことを言って、天馬は愛実の割れ目を指ですっと撫でた。
「や……っ!」
「きれいできゅんきゅんしてるなぁ。俺のチンポをぎゅうってキスしてね」
天馬はそこで、あ、と思い出すような声を上げて、愛実を見下ろした。
「ごめんごめん。なんでこんな大事なこと今までほっといたんだろ。……愛実ちゃん、ちゅーしよう?」
愛実が反射的に身を引く前に、天馬は愛実に覆いかぶさっていた。
唇が触れたと思ったのは一瞬で、次の瞬間には歯列を割って舌が入り込んでいた。口の中で肉厚の舌がうごめいて、愛実の舌をつかまえる。
「んっ」
「んん……おいしい。ふふ、愛実ちゃん、俺の舌、ぺろぺろってして」
温かくてとろりとした未知の感触は頭の中を溶かすようで、愛実は訳も分からず言われるとおり舌を舐め返す。
「いい子だね。ちゅーしたままでいいから、俺の腰に足回して?」
口の中で動くものに気を取られていて、自分が何をしているのか自覚がなかった。引かれるまま足を天馬の腰に回して、まるでしがみついているみたいな態勢になる。
「俺の手にここ、擦ってごらん。痛くないようにべとべとにしとこ」
キスの合間に愛実の秘所に手が当てられた。一瞬、痛いという言葉に胸がひっかかれる。
愛実が眉を寄せたのに気づいたのか、天馬は猫なで声で言った。
「痛くないよ。そうだな、じゃあ練習しよ」
「あ……ひゃぁ!」
愛実が変な声を上げたのは、愛実の秘所に天馬の指が忍び込んだからだった。
くちゅっと音を立てて長い指が入ったかと思うと、ちゅ、ちゅ、と中をかき出すように動かされる。
「や、やん、いや……!」
「へぇ、愛実ちゃん才能あるよ。なか、すごくとろとろで気持ちよさそう」
天馬は愛実の拒絶とは裏腹に、くるくると指を回したり軽くひっかいたりもする。
ちゅ、ぐち、ぬちゃ……愛実が聞いても恥ずかしいような音が聞こえてくる。
天馬は愛実の舌をぺろぺろと弄びながら、ふふと笑う。
「愛実ちゃんの中もべろべろってしてあげたいけど、今日はちゅーが優先。だって初めての夜だもんね」
天馬は指を増やしてばらばらに動かしながら、愛実の唇もぺろぺろと味わう。
一瞬、天馬は暗い光を目に宿してつぶやいた。
「初めて……愛実ちゃんの初めて、絶対取るって決めてた。監視カメラで全部撮って見張ってたからね」
彼の裏の家業が透けて見えるような、ぞわりとする笑い声を立てた。
「……うそ。なんで信じちゃうかな、愛実ちゃんは」
愛実が恐怖を感じる前に、天馬はちゅ、と優しく愛実の頬にキスする。
「いつも見てた。壁ごしに抜いてた。でも触るのは初めてなんだ。この、ちっちゃい胸とか」
天馬は愛実の乳首を指で挟んで、育てるみたいにくりくりといじる。
「長すぎるスカートの下のかわいいお尻だとか。……ふふ、じきにここの穴も気持ちよくさせてあげるからね」
愛実が意味がわからずきょとんとすると、天馬は愛実のお尻から手を離して彼女の背中を引き寄せる。
気が付けば愛実のお腹に、張りつめた何かが当たっていた。ふと怖くなって愛実が身を引こうとする前に、天馬は愛実の足を殊更ぎゅっと開かせた。
「今夜から……俺だけの愛実ちゃん」
その痛みは溶けていた体をもう一度目覚めさせるような衝撃があった。
「あ、いや……ぁ!」
みちみちと体を割って入って来る何かに、愛実は本能的な恐怖を感じて悲鳴を上げる。
「いやぁ……! いやいや! 入らないで、いや……ぁ!」
「く……ぅ、いい、愛実ちゃん、いいよ……!」
天馬はぎゅうぎゅうと愛実を抱きしめながら、一心に体を押し進めてくる。
「ちょっとだけ待って……。奥にちゅうってしたら、いっぱい気持ちよくしてあげるから」
愛実はいやいやといくら抵抗しても聞き入れれず、天馬はひたすらに愛実を貫いた。
まもなく天馬と愛実のそこがぎゅっと接合して、天馬は愛実の額に張り付いた髪をかきあげる。
「はは……愛実ちゃんの初めて、もらったよ」
額から愛実の耳に向かってちゅ、ちゅ、と唇を落としながら、天馬は満足そうに言う。
「……さ、行こ」
愛実のまなじりににじんだ涙を吸って、天馬は律動を開始する。
「あ、ぁ……ん、あぁ」
愛実には体の中心を貫かれた痛みはそのままに、平行して不穏な波のようなものが押し寄せてくる。
愛実の感じているものが形になるように、二人をつないだ部分から、ぐち、ぬち、と泡立つ音が聞こえてくる。
「や……ぁん、んあ、あ、んん」
「感じる? 愛実ちゃん、いい? 気持ちいいんだ?」
天馬は愛実の声に混じり始めた愉悦に気づいて、喉を鳴らして喜ぶ。
段々と貫くペースを速めながら、天馬は言う。
「イこ、愛実ちゃん、一緒にいっちゃお」
「あ、やぁん、あ、んや、んあ……」
次第に何も考えられなくなる愛実に、天馬が殊更深く体を進めたときだった。
「……俺のコ、産んでね」
真っ白に弾けた視界の中、愛実の中に熱い流れが注ぎ込まれるのを感じた。
「大丈夫、何人でも産んでいいよ。最初からそのつもりだから。
俺、はじめて会ったときから愛実ちゃんが好きでたまんないんだ。
空いてる穴、全部俺でいっぱいにしてあげる。ぐちゃぐちゃに、どろどろに愛してあげる。
もうどこにもやらないからね。
好きで好きで大好きな、俺だけの愛実ちゃん――」
1
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した
Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。


軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?


義兄の執愛
真木
恋愛
陽花は姉の結婚と引き換えに、義兄に囲われることになる。
教え込むように執拗に抱き、甘く愛をささやく義兄に、陽花の心は砕けていき……。
悪の華のような義兄×中性的な義妹の歪んだ愛。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる