20 / 33
20 青空と嵐のきざし
しおりを挟む
お休みが明けて朝、カテリナが王城に出勤すると、国王陛下と彼の私室の前で出会った。
カテリナが出勤する前からギュンターが仕事をしているのはよくあることだが、そこはもちろん国王陛下の私室なのであって、カテリナは近衛兵にあいさつをしてから部屋に入れてもらう。国王陛下が自分で鍵をかけて部屋を出るという場面に出くわすのは、普通のようで全然普通ではない。
「おはよう」
カテリナは昨夜のサロンのことを瞬間的に思い出して一歩後ずさろうとしたが、それを制するようにギュンターから鋭く言われた。
「……おはようございます。何をしていらっしゃるのですか」
「出勤だ。君も毎日そうしてるだろう」
ギュンターはちらとカテリナを見て、目の前の扉に目を戻した。
「何も持たなくていいから一緒に来なさい」
ギュンターはそう言って鍵を回し終えると、それを自分のポケットに仕舞って先に歩き出した。
カテリナは肩掛けカバンをぱたこんと揺らしながら彼の後ろについていった。ギュンターは会議に出るときのような詰襟とサーコートという公務用の格好だが、彼がそういうときによく小脇に抱えている書類はまったくなく、仕事中の常である難しい顔もしていなかった。
ギュンターは歩みを止めずに、ふいに後ろを歩くカテリナに声をかける。
「カティはどうして騎士になったんだ?」
彼女は唐突なその質問に勘ぐる性格でもなく、素直に答える。
「父が騎士で、同じ仕事がしたいと思ったからです」
「奇遇だが私もそうだ。父が国王だったから、同じ仕事に就いた」
ギュンターはちょっと声をもらして笑ったが、サロンで女性たちに見せる貴公子然としたものとは違う、なんだか気楽な笑い方だった。
「ずっと重荷ばかりだと考えていたが、この仕事をしていてよかったと初めて思ったよ」
彼はそれきり別段何か言うことはなかったが、やけにすっきりした顔をして窓の外の晴れ渡った空を見て、つかつかと歩いていった。
ギュンターが席に着いたのは四階の中央に位置する会議室だった。普段カテリナが事務仕事をしている彼の私室とは違って円卓になっていて、重臣たちが集まっては重要なことを決める、いわば公的な国王陛下の仕事場だった。
カテリナが部屋を出ようとすると、またギュンターから鋭く声がかかる。
「待て、カティ。君はそこだ」
カテリナも壁際で警護をしていたことはあるが、今日のように席を決められたのは初めてだった。さすがに重臣たちと同じ円卓ではないが、国王陛下に書類を差し出す斜め後ろの補助席に着くようにギュンターから言われて、肩掛けカバンを下ろしてメモの準備をした。
陛下の隣であるマリアンヌ王妹殿下の席をはじめとしてまもなくすべての席は埋まり、定刻を確認すると、ギュンターから口を開いた。
「集まってくれて感謝する。たびたび議題に上った、降臨祭の最後のダンスのことだが、結論が出たのでみなに知らせようと思う」
カテリナはメモに視線を落としながら緊張に身を固くした。それは自分が休暇中にもう決まっていると思っていたが、いざ耳にするとなると逃げ出したくなった。
その瞬間に自分の仕事が終わってしまうから、熱心にいろいろなことを教えてくれた陛下が遠くにいってしまうから……陛下が最愛の人とダンスを踊るから。最後の一つは誰にとっても喜ばしいことのはずなのに、カテリナはなんだか喜ぶことができなかった。
ギュンターは息を吸って、一同を見渡しながらその答えを告げた。
「決めた。降臨祭の最終日、私が贈った星の金貨を持って現れた女性とダンスを踊ろう」
彼がそう言った途端、カテリナは昨夜、母から譲り受けたドレッサーの引き出しに大切に仕舞った金貨のことを思い出した。
でもあれはイミテーションで、女性慣れしている陛下ならきっといろんな人に配っているもので、そう心の中で言い訳したカテリナに、至極真面目な陛下の声が聞こえてくる。
「私が星の金貨を渡した女性は三人だけだ。アリーシャ、ローリー夫人」
ギュンターは目を伏せて、どこか独り言のように言った。
「もう一人は……すぐ側にいると知っているが、最終日に現れてくれるかはわからない」
相手にも準備があるのだからと前もってダンスの相手を決めようとしていた陛下としては、まったくらしくない不確かな選択だった。重臣たちとしても陛下の相手が決まらないことには精霊との約束が守れないわけで、反対は必至のようにも見えた。
陛下の隣で身じろぎをして、最初に意見を述べたのはマリアンヌだった。
「最愛の人は陛下の御心にあるということですね」
マリアンヌは誰よりも陛下と長く過ごしてきた落ち着きをもって、重臣たちの不安を優しくなだめた。
「おそらくもう陛下の御心は決まっていらっしゃる。けれどその女性が自分を選んでくれるかどうかだけが、陛下にはわからない」
「……そうだ」
ギュンターが深くうなずくと、マリアンヌはうなずき返した。
「では、私には反対の理由がありません。それこそが精霊の望みだと思うからです」
マリアンヌが微笑んで一同を見やると、重臣たちは今この国で王に次ぐ高貴の意思の力に怯んだ。
「ご意見のある方はいらっしゃいますか?」
結局その場で反対の意見は出ることなく、御前会議は解散となった。
カテリナが肩掛けカバンにメモを仕舞って退出しようとすると、マリアンヌから声をかけられた。
「カティさん。陛下のお側を片時も離れないでくださいね」
お願いの形を取った命令と気づいてカテリナが大きな目でまばたきをすると、マリアンヌは笑って陛下を振り向く。
「陛下もそろそろ、最後のダンスより降臨祭の後のことが気になっていらっしゃる頃かしら」
「マリアンヌ」
ギュンターは怒ったような声で言ったが、本気で怒ってはいないとマリアンヌにはわかっているようで、彼女は楽しそうに笑っていた。
そういうところは長い間築いた信頼関係でしかできないものだとカテリナが感服していると、ふいに二人の前に進み出た者がいた。
「失礼。折り入って、陛下とマリアンヌ殿下にお願いしたいことがございます」
熊のような見上げるばかりの巨体を案外繊細な仕草で丸めて礼を取り、王と王妹の前に膝をついて二人を見上げた男は、カテリナもよく知っている。
カテリナは素直だまっすぐだと言われるが、その元となる彼は、敵地で最後の一人になっても戦い続けて、命がかかった会談でも王に自国にとって最良の選択を進言した忠臣だ。
「可及的速やかに、カティを騎士団に返していただきたい」
彼はカテリナの元上司の上司のそのまただいぶ上の総帥、ゲシヒト・バルガスという難しい名前なのだが、もっと簡単な名前もある。
「……カティがいないと夜も眠れない者もいますから」
顔を伏せてつぶやいた言葉こそが彼の本音だと知っているのは、カテリナが彼の実の娘だからだった。
父が下を向いた目がだいぶ潤んでいて、今にも泣きそうな顔になっているのを、カテリナだけが知っていた。
カテリナが出勤する前からギュンターが仕事をしているのはよくあることだが、そこはもちろん国王陛下の私室なのであって、カテリナは近衛兵にあいさつをしてから部屋に入れてもらう。国王陛下が自分で鍵をかけて部屋を出るという場面に出くわすのは、普通のようで全然普通ではない。
「おはよう」
カテリナは昨夜のサロンのことを瞬間的に思い出して一歩後ずさろうとしたが、それを制するようにギュンターから鋭く言われた。
「……おはようございます。何をしていらっしゃるのですか」
「出勤だ。君も毎日そうしてるだろう」
ギュンターはちらとカテリナを見て、目の前の扉に目を戻した。
「何も持たなくていいから一緒に来なさい」
ギュンターはそう言って鍵を回し終えると、それを自分のポケットに仕舞って先に歩き出した。
カテリナは肩掛けカバンをぱたこんと揺らしながら彼の後ろについていった。ギュンターは会議に出るときのような詰襟とサーコートという公務用の格好だが、彼がそういうときによく小脇に抱えている書類はまったくなく、仕事中の常である難しい顔もしていなかった。
ギュンターは歩みを止めずに、ふいに後ろを歩くカテリナに声をかける。
「カティはどうして騎士になったんだ?」
彼女は唐突なその質問に勘ぐる性格でもなく、素直に答える。
「父が騎士で、同じ仕事がしたいと思ったからです」
「奇遇だが私もそうだ。父が国王だったから、同じ仕事に就いた」
ギュンターはちょっと声をもらして笑ったが、サロンで女性たちに見せる貴公子然としたものとは違う、なんだか気楽な笑い方だった。
「ずっと重荷ばかりだと考えていたが、この仕事をしていてよかったと初めて思ったよ」
彼はそれきり別段何か言うことはなかったが、やけにすっきりした顔をして窓の外の晴れ渡った空を見て、つかつかと歩いていった。
ギュンターが席に着いたのは四階の中央に位置する会議室だった。普段カテリナが事務仕事をしている彼の私室とは違って円卓になっていて、重臣たちが集まっては重要なことを決める、いわば公的な国王陛下の仕事場だった。
カテリナが部屋を出ようとすると、またギュンターから鋭く声がかかる。
「待て、カティ。君はそこだ」
カテリナも壁際で警護をしていたことはあるが、今日のように席を決められたのは初めてだった。さすがに重臣たちと同じ円卓ではないが、国王陛下に書類を差し出す斜め後ろの補助席に着くようにギュンターから言われて、肩掛けカバンを下ろしてメモの準備をした。
陛下の隣であるマリアンヌ王妹殿下の席をはじめとしてまもなくすべての席は埋まり、定刻を確認すると、ギュンターから口を開いた。
「集まってくれて感謝する。たびたび議題に上った、降臨祭の最後のダンスのことだが、結論が出たのでみなに知らせようと思う」
カテリナはメモに視線を落としながら緊張に身を固くした。それは自分が休暇中にもう決まっていると思っていたが、いざ耳にするとなると逃げ出したくなった。
その瞬間に自分の仕事が終わってしまうから、熱心にいろいろなことを教えてくれた陛下が遠くにいってしまうから……陛下が最愛の人とダンスを踊るから。最後の一つは誰にとっても喜ばしいことのはずなのに、カテリナはなんだか喜ぶことができなかった。
ギュンターは息を吸って、一同を見渡しながらその答えを告げた。
「決めた。降臨祭の最終日、私が贈った星の金貨を持って現れた女性とダンスを踊ろう」
彼がそう言った途端、カテリナは昨夜、母から譲り受けたドレッサーの引き出しに大切に仕舞った金貨のことを思い出した。
でもあれはイミテーションで、女性慣れしている陛下ならきっといろんな人に配っているもので、そう心の中で言い訳したカテリナに、至極真面目な陛下の声が聞こえてくる。
「私が星の金貨を渡した女性は三人だけだ。アリーシャ、ローリー夫人」
ギュンターは目を伏せて、どこか独り言のように言った。
「もう一人は……すぐ側にいると知っているが、最終日に現れてくれるかはわからない」
相手にも準備があるのだからと前もってダンスの相手を決めようとしていた陛下としては、まったくらしくない不確かな選択だった。重臣たちとしても陛下の相手が決まらないことには精霊との約束が守れないわけで、反対は必至のようにも見えた。
陛下の隣で身じろぎをして、最初に意見を述べたのはマリアンヌだった。
「最愛の人は陛下の御心にあるということですね」
マリアンヌは誰よりも陛下と長く過ごしてきた落ち着きをもって、重臣たちの不安を優しくなだめた。
「おそらくもう陛下の御心は決まっていらっしゃる。けれどその女性が自分を選んでくれるかどうかだけが、陛下にはわからない」
「……そうだ」
ギュンターが深くうなずくと、マリアンヌはうなずき返した。
「では、私には反対の理由がありません。それこそが精霊の望みだと思うからです」
マリアンヌが微笑んで一同を見やると、重臣たちは今この国で王に次ぐ高貴の意思の力に怯んだ。
「ご意見のある方はいらっしゃいますか?」
結局その場で反対の意見は出ることなく、御前会議は解散となった。
カテリナが肩掛けカバンにメモを仕舞って退出しようとすると、マリアンヌから声をかけられた。
「カティさん。陛下のお側を片時も離れないでくださいね」
お願いの形を取った命令と気づいてカテリナが大きな目でまばたきをすると、マリアンヌは笑って陛下を振り向く。
「陛下もそろそろ、最後のダンスより降臨祭の後のことが気になっていらっしゃる頃かしら」
「マリアンヌ」
ギュンターは怒ったような声で言ったが、本気で怒ってはいないとマリアンヌにはわかっているようで、彼女は楽しそうに笑っていた。
そういうところは長い間築いた信頼関係でしかできないものだとカテリナが感服していると、ふいに二人の前に進み出た者がいた。
「失礼。折り入って、陛下とマリアンヌ殿下にお願いしたいことがございます」
熊のような見上げるばかりの巨体を案外繊細な仕草で丸めて礼を取り、王と王妹の前に膝をついて二人を見上げた男は、カテリナもよく知っている。
カテリナは素直だまっすぐだと言われるが、その元となる彼は、敵地で最後の一人になっても戦い続けて、命がかかった会談でも王に自国にとって最良の選択を進言した忠臣だ。
「可及的速やかに、カティを騎士団に返していただきたい」
彼はカテリナの元上司の上司のそのまただいぶ上の総帥、ゲシヒト・バルガスという難しい名前なのだが、もっと簡単な名前もある。
「……カティがいないと夜も眠れない者もいますから」
顔を伏せてつぶやいた言葉こそが彼の本音だと知っているのは、カテリナが彼の実の娘だからだった。
父が下を向いた目がだいぶ潤んでいて、今にも泣きそうな顔になっているのを、カテリナだけが知っていた。
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
ふたりは片想い 〜騎士団長と司書の恋のゆくえ〜
長岡更紗
恋愛
王立図書館の司書として働いているミシェルが好きになったのは、騎士団長のスタンリー。
幼い頃に助けてもらった時から、スタンリーはミシェルのヒーローだった。
そんなずっと憧れていた人と、18歳で再会し、恋心を募らせながらミシェルはスタンリーと仲良くなっていく。
けれどお互いにお互いの気持ちを勘違いしまくりで……?!
元気いっぱいミシェルと、大人な魅力のスタンリー。そんな二人の恋の行方は。
他サイトにも投稿しています。
【完結】王太子と宰相の一人息子は、とある令嬢に恋をする
冬馬亮
恋愛
出会いは、ブライトン公爵邸で行われたガーデンパーティ。それまで婚約者候補の顔合わせのパーティに、一度も顔を出さなかったエレアーナが出席したのが始まりで。
彼女のあまりの美しさに、王太子レオンハルトと宰相の一人息子ケインバッハが声をかけるも、恋愛に興味がないエレアーナの対応はとてもあっさりしていて。
優しくて清廉潔白でちょっと意地悪なところもあるレオンハルトと、真面目で正義感に溢れるロマンチストのケインバッハは、彼女の心を射止めるべく、正々堂々と頑張っていくのだが・・・。
王太子妃の座を狙う政敵が、エレアーナを狙って罠を仕掛ける。
忍びよる魔の手から、エレアーナを無事、守ることは出来るのか?
彼女の心を射止めるのは、レオンハルトか、それともケインバッハか?
お話は、のんびりゆったりペースで進みます。
女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」
行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!
それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。
え、「何もしなくていい」?!
じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!
こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?
どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
二人が歩み寄る日は、来るのか。
得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
意外とお似合いなのかもしれません。笑
竜人のつがいへの執着は次元の壁を越える
たま
恋愛
次元を超えつがいに恋焦がれるストーカー竜人リュートさんと、うっかりリュートのいる異世界へ落っこちた女子高生結の絆されストーリー
その後、ふとした喧嘩らか、自分達が壮大な計画の歯車の1つだったことを知る。
そして今、最後の歯車はまずは世界の幸せの為に動く!
ゆるふわな可愛い系男子の旦那様は怒らせてはいけません
下菊みこと
恋愛
年下のゆるふわ可愛い系男子な旦那様と、そんな旦那様に愛されて心を癒した奥様のイチャイチャのお話。
旦那様はちょっとだけ裏表が激しいけど愛情は本物です。
ご都合主義の短いSSで、ちょっとだけざまぁもあるかも?
小説家になろう様でも投稿しています。
新婚なのに旦那様と会えません〜公爵夫人は宮廷魔術師〜
秋月乃衣
恋愛
ルクセイア公爵家の美形当主アレクセルの元に、嫁ぐこととなった宮廷魔術師シルヴィア。
宮廷魔術師を辞めたくないシルヴィアにとって、仕事は続けたままで良いとの好条件。
だけど新婚なのに旦那様に中々会えず、すれ違い結婚生活。旦那様には愛人がいるという噂も!?
※魔法のある特殊な世界なので公爵夫人がお仕事しています。
【完結】「政略結婚ですのでお構いなく!」
仙桜可律
恋愛
文官の妹が王子に見初められたことで、派閥間の勢力図が変わった。
「で、政略結婚って言われましてもお父様……」
優秀な兄と妹に挟まれて、何事もほどほどにこなしてきたミランダ。代々優秀な文官を輩出してきたシューゼル伯爵家は良縁に恵まれるそうだ。
適齢期になったら適当に釣り合う方と適当にお付き合いをして適当な時期に結婚したいと思っていた。
それなのに代々武官の家柄で有名なリッキー家と結婚だなんて。
のんびりに見えて豪胆な令嬢と
体力系にしか自信がないワンコ令息
24.4.87 本編完結
以降不定期で番外編予定
【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない
櫻野くるみ
恋愛
伯爵家の長女、エミリアは前世の記憶を持つ転生者だった。
手のかからない赤ちゃんとして可愛がられたが、前世の記憶を活かし類稀なる才能を見せ、まわりを驚かせていた。
大人びた子供だと思われていた5歳の時、18歳の騎士ダニエルと出会う。
成り行きで、父の死を悔やんでいる彼を慰めてみたら、うっかり気に入られてしまったようで?
歳の差13歳、未来の騎士団長候補は執着と溺愛が凄かった!
出世するたびにアプローチを繰り返す一途なダニエルと、年齢差を理由に断り続けながらも離れられないエミリア。
騎士団副団長になり、団長までもう少しのところで訪れる愛の試練。乗り越えたダニエルは、いよいよエミリアと結ばれる?
5歳で出会ってからエミリアが年頃になり、逃げられないまま騎士団長のお嫁さんになるお話。
ハッピーエンドです。
完結しています。
小説家になろう様にも投稿していて、そちらでは少し修正しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる