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「……あぁあ!」
この空間を移動するというのは何度経験してもなれるということがない。
軽くおこった頭痛にこめかみをぐりぐりとマッサージしながら、ライトは目の前一面に広がるスクリーンに目をやる。
スクリーンの中央には、こちらに背を向けて同じように画面を見つめる小さな肩が見える。
一応この場でライトの上司とされている神の一柱。
見た目は幼女、それも美少女。
この見た目に関してはライトの心の中の願望が結実したものだ、と初めて会ったその時にその神様に言われたのだが……。
未だにそのことに関しては納得がいかないところではある……。
美幼女の本当の姿、本当の年齢についてはもちろん知らない。
目の前の大きなスクリーンには、これからライトが派遣されるのであろう世界及び国の様子が何分割にもされ映し出されている。
それは様々な場所を、そして様々な時を映し出している物らしい。
『場所』に関しては理解できるのだが、『時』に関してはさすがに理解が及ばないそんな範疇の映像だ。
何時ものようにあちらから声がかかるまでは何も言わない。
見た目はどうであれ、神は神。いくら向こうが親しく接してくれていても、そこにはやはりある程度の線を引かなければならないということを、これまでの経験として体と心に刻み込まれているライトであった。
画面を見つめることしばし、その容姿に似合わない深いため息を一つ落としてから、幼女で美少女のライトの上司がこちらを向いた。
「立ったままの者と話すのはイヤだから、座りなさい」
その言葉と共に、何もなかった空間にソファーが現れる。これもライトの世界のライトの時代にあるものの形状を取っているライトには見慣れたものであるが、この部屋にはそぐわないように感じるのはいつものことだ。
目の前に広がっているスクリーンでさえも、この目の前の神様には全く必要のない者で、ライトの意識レベルに合わせて映し出されていることに他ならないのだから。
『だからといって、この目の前の存在の形状も俺の望む、俺の本能そのものだなんて!それが納得ができない!俺の求めている者がロリババアだなんて!』
「だれがロリババアだ!毎回,お前はそのように渋い表情をするが、どういわれようが何を思おうが、我は神。この姿こそお前の心の中の真実」
この神様の前に立てば、心の中も頭の中も何もかもが丸裸。流石神というところである。
この神とというか、神といわれる存在と関わりあうようになった頃は、この何もかも見透かされるような状態が気持ちが悪くてしょうがなかった。
人間だれしも見られたくないものの一つや二つや三つや四つはあるものだ。
それが自分も気づかない、心の奥底。本能といわれるようなモノであればなおのこと。
この空間を移動するというのは何度経験してもなれるということがない。
軽くおこった頭痛にこめかみをぐりぐりとマッサージしながら、ライトは目の前一面に広がるスクリーンに目をやる。
スクリーンの中央には、こちらに背を向けて同じように画面を見つめる小さな肩が見える。
一応この場でライトの上司とされている神の一柱。
見た目は幼女、それも美少女。
この見た目に関してはライトの心の中の願望が結実したものだ、と初めて会ったその時にその神様に言われたのだが……。
未だにそのことに関しては納得がいかないところではある……。
美幼女の本当の姿、本当の年齢についてはもちろん知らない。
目の前の大きなスクリーンには、これからライトが派遣されるのであろう世界及び国の様子が何分割にもされ映し出されている。
それは様々な場所を、そして様々な時を映し出している物らしい。
『場所』に関しては理解できるのだが、『時』に関してはさすがに理解が及ばないそんな範疇の映像だ。
何時ものようにあちらから声がかかるまでは何も言わない。
見た目はどうであれ、神は神。いくら向こうが親しく接してくれていても、そこにはやはりある程度の線を引かなければならないということを、これまでの経験として体と心に刻み込まれているライトであった。
画面を見つめることしばし、その容姿に似合わない深いため息を一つ落としてから、幼女で美少女のライトの上司がこちらを向いた。
「立ったままの者と話すのはイヤだから、座りなさい」
その言葉と共に、何もなかった空間にソファーが現れる。これもライトの世界のライトの時代にあるものの形状を取っているライトには見慣れたものであるが、この部屋にはそぐわないように感じるのはいつものことだ。
目の前に広がっているスクリーンでさえも、この目の前の神様には全く必要のない者で、ライトの意識レベルに合わせて映し出されていることに他ならないのだから。
『だからといって、この目の前の存在の形状も俺の望む、俺の本能そのものだなんて!それが納得ができない!俺の求めている者がロリババアだなんて!』
「だれがロリババアだ!毎回,お前はそのように渋い表情をするが、どういわれようが何を思おうが、我は神。この姿こそお前の心の中の真実」
この神様の前に立てば、心の中も頭の中も何もかもが丸裸。流石神というところである。
この神とというか、神といわれる存在と関わりあうようになった頃は、この何もかも見透かされるような状態が気持ちが悪くてしょうがなかった。
人間だれしも見られたくないものの一つや二つや三つや四つはあるものだ。
それが自分も気づかない、心の奥底。本能といわれるようなモノであればなおのこと。
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