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チュート殿下 116 この世界の理に 4
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全く知らないということもない、魔の森の上を順調に進んでいく。
これまでに何度かこの森の向こう側に行ったことがあったが、長い時間離宮を空けることもできなかったので、ゆっくりと旅行気分を味わうようなこともなかった。
今回は良い意味でしがらみをなくしてここにきているから、時間的には比較的に自由にできそうで嬉しい。
先程のこれからの設定?のようなものは今一つなところも多いが、当て馬王子にされて、辺境にやられてぎゅとされてしまうよりはずっといい。
別に口を開く必要もないので、空中を高速移動中でも会話は念話で行うことができる。
俺は余程集中して読もうとしなければ相手の言考えていることを知ることなんてできないが、キールは俺の一部であるともいえるから、俺が考えてもいない俺の心の中まで全て知ろうと思えば知れてしまうようだ。
最近は思春期といえる年齢になったし、俺自身御レベルも上がってきたことからか、心の声を聴かれることも少なくなってきたようだが、油断すればキールが盗み聞きすることを止めることはまだ難しかったりする。
今は何も覗き見されても困るようなことは考えていない、というよりしっかりと先ほどの設定?について聞いておきたい。
『キール!さっき言ってた設定って?』
空中を飛んでいながらも索敵と俺に対しての防御の結界もしっかりと張っているキールの魔力操作の緻密さに、彼は俺の一部であるはずなのに、俺が及ばないと感じるのはどうしてなのか、と考えながら念話で話しかける。
もしかしたら今までのキールよりも一段階か二段階、もっと高みに上りつつあるのか?もしかしたらこれが設定?の内の一つなのか?
『黙っていると余計なことに思考が向きますね。意識せずに並列思考を使いこなしていることはいいことですが、アースの場合それがあまりプラスの思考に傾くことがないことが問題かもしれない……。先程の設定に関しては、まだ推測の途中でもありますが、アミュレット王国でのアーク殿下のことを分析すれば自ずと答えの大半は出ています。こちらのタリスマン帝国のことを目的に則って観察すれば、答えはより一層確かなものになるでしょう。とにかくこの国での行動に制限を加えられるようなことがないように、あくまでも一冒険者として行動することを忘れずに、日暮れまでには人間の住む街にたどり着きましょうね』
そう頭の中に直接声を届けると、キールは俺を包み込んだ結界ごと飛行進路を若干修正して速度を上げた。
話してくれえる時は話してくれるがそうでないときはいくら聞いても答えてはくれない、この性格はなぜかマーシュに非常によく似ている。
キールの思考を読むことはできても俺はその考えに対してなにがしかの反抗を成功させることはなかなかできないので今回も無駄な努力はやめておく、無理にやろうとしても頭が非常に疲れるだけだし、せっかく今空中遊泳をしているような状態なのだから、たとえ森しか見えないとしてもこの景色を楽しもう。
眼下で流れるように進んで行く森の中に意識を向けると、森の中には魔力を持った生き物が想像していたよりも多くいることを感じることができる。
魔力が大きい者もそれなりの数が居るようだ、森の中心に近いところの方により強い魔力を感じる。
広い森をショートカットはするが何も中心部を通るような危ない真似はしない。といってこの辺りは浅いとも言えない場所を進んでいる。
「おや?」
魔獣と思われる魔力の中に、それとは魔力の毛色が全く違うひと固まりが、我々が進もうとしている同じ方向に結構な速度で進んでいることに気が付いた。その後ろをまあまあ強い魔力を持つ魔獣がそのひと固まりよりも多い数追従していることも。
もちろんこのことにキールも気づいているが、まだこのどの国にも属していない冒険者の物語の場所では行動を起こすつもりはないらしく、テンプレに自分から突っ込んでいくことは御免だという気持ちが十分流れてきた。
俺もその意見には賛成だ。
瞬く間にその魔力の塊たちは後方に流れ去り、ジャンプと変わらないんじゃないかっていう速度で、この何の国にも属していない冒険者の物語の場所を通り過ぎていった。
これまでに何度かこの森の向こう側に行ったことがあったが、長い時間離宮を空けることもできなかったので、ゆっくりと旅行気分を味わうようなこともなかった。
今回は良い意味でしがらみをなくしてここにきているから、時間的には比較的に自由にできそうで嬉しい。
先程のこれからの設定?のようなものは今一つなところも多いが、当て馬王子にされて、辺境にやられてぎゅとされてしまうよりはずっといい。
別に口を開く必要もないので、空中を高速移動中でも会話は念話で行うことができる。
俺は余程集中して読もうとしなければ相手の言考えていることを知ることなんてできないが、キールは俺の一部であるともいえるから、俺が考えてもいない俺の心の中まで全て知ろうと思えば知れてしまうようだ。
最近は思春期といえる年齢になったし、俺自身御レベルも上がってきたことからか、心の声を聴かれることも少なくなってきたようだが、油断すればキールが盗み聞きすることを止めることはまだ難しかったりする。
今は何も覗き見されても困るようなことは考えていない、というよりしっかりと先ほどの設定?について聞いておきたい。
『キール!さっき言ってた設定って?』
空中を飛んでいながらも索敵と俺に対しての防御の結界もしっかりと張っているキールの魔力操作の緻密さに、彼は俺の一部であるはずなのに、俺が及ばないと感じるのはどうしてなのか、と考えながら念話で話しかける。
もしかしたら今までのキールよりも一段階か二段階、もっと高みに上りつつあるのか?もしかしたらこれが設定?の内の一つなのか?
『黙っていると余計なことに思考が向きますね。意識せずに並列思考を使いこなしていることはいいことですが、アースの場合それがあまりプラスの思考に傾くことがないことが問題かもしれない……。先程の設定に関しては、まだ推測の途中でもありますが、アミュレット王国でのアーク殿下のことを分析すれば自ずと答えの大半は出ています。こちらのタリスマン帝国のことを目的に則って観察すれば、答えはより一層確かなものになるでしょう。とにかくこの国での行動に制限を加えられるようなことがないように、あくまでも一冒険者として行動することを忘れずに、日暮れまでには人間の住む街にたどり着きましょうね』
そう頭の中に直接声を届けると、キールは俺を包み込んだ結界ごと飛行進路を若干修正して速度を上げた。
話してくれえる時は話してくれるがそうでないときはいくら聞いても答えてはくれない、この性格はなぜかマーシュに非常によく似ている。
キールの思考を読むことはできても俺はその考えに対してなにがしかの反抗を成功させることはなかなかできないので今回も無駄な努力はやめておく、無理にやろうとしても頭が非常に疲れるだけだし、せっかく今空中遊泳をしているような状態なのだから、たとえ森しか見えないとしてもこの景色を楽しもう。
眼下で流れるように進んで行く森の中に意識を向けると、森の中には魔力を持った生き物が想像していたよりも多くいることを感じることができる。
魔力が大きい者もそれなりの数が居るようだ、森の中心に近いところの方により強い魔力を感じる。
広い森をショートカットはするが何も中心部を通るような危ない真似はしない。といってこの辺りは浅いとも言えない場所を進んでいる。
「おや?」
魔獣と思われる魔力の中に、それとは魔力の毛色が全く違うひと固まりが、我々が進もうとしている同じ方向に結構な速度で進んでいることに気が付いた。その後ろをまあまあ強い魔力を持つ魔獣がそのひと固まりよりも多い数追従していることも。
もちろんこのことにキールも気づいているが、まだこのどの国にも属していない冒険者の物語の場所では行動を起こすつもりはないらしく、テンプレに自分から突っ込んでいくことは御免だという気持ちが十分流れてきた。
俺もその意見には賛成だ。
瞬く間にその魔力の塊たちは後方に流れ去り、ジャンプと変わらないんじゃないかっていう速度で、この何の国にも属していない冒険者の物語の場所を通り過ぎていった。
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