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チュート殿下 103 生徒総会 4
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講堂の後ろの方がより五月蠅いかな。前の方の人たちはやはり生徒会の役員たちを気にしている様子だ。
特に、中央の椅子にどっかりと座っていて、今だに何のリアクションも取っていない生徒会長をより気にしているようだ。
表立って公言はできないが、これまでの王城中央の行動を鑑みれば、なぜか伯爵の嫡男として存在している「伯爵王子」が、その名のごとくただ一人の王子様。
彼が自分の代の国王陛下になるものだと思って育ってきたのだから。
それはこの学園の教師たちも同じ。すべて生徒を平等に扱うと謳っているが、そんなことは表向きだけであることは初級学校の生徒であっても知っている事だ。
既にクラス分けにおいても身分の差というものははっきりとしていて、崩されようもない現実なのだから。
遂に俺の目の前にも役員の一人がやってきた。
どうしようかなぁ。
噓をつくのも嫌だし。
このままスルー……はしないだろうなぁ。気がつけば真実が見えるその程度の認識阻害しかしていないから。
まぁ手にしている名簿を見れば、最後にチェックの印がされずに残っているのが俺の名前だけだし。
自分の見ている人物の姿と、事前に聞いていた王子様の容姿が全く違っているものだから、声をかけることに躊躇していることがうかがえる役員さん。
俺のことをはっきりと認識している二年生のクリフ・マークィス・ゲイル侯爵子息でも目の前に連れてくれば一発なのに。
そう言えば……役員であるはずの彼の姿が見えないなぁ……。
もう一度、学園長の様子を確かめて何もしないということを確認した後に、声をかけづらそうにしている先輩に自分から名乗りをあげてやることにする。
「きっと先輩方がお探しなのは、私であると思います。私がアースクエイク・デューク・テンペストです」
ニッコリ笑顔付きで答えてあげましたよ。
俺の返答にあからさまに肩を揺らして一歩後ろに下がった彼は三年生なのだろう全く面識はない。
俺のことをしっかりと認識した彼にははっきりとした俺の容姿が見えてきた所だろう。
俺の顔から眼を離さずに息をのむ様子が、この近距離だ否応なく目に付く。
固まっている所悪いが、俺のメッセンジャーとして彼には仕事をしてもらわないといけない。
「生徒会にお声がけしていただきありがたいと考えなければいけないところでしょうが、私は生徒会に所属する意思はございません。それがこの学園に入園する条件の一つであることもありますが……そもそも実績のまるでない私を身分だけで役員に、といっているとしか思えませんし。事前に何のお話もないことも……常識的とは思えませんね」
俺の目の前にいる役員にのみ認識阻害を切った。彼にだけは俺の素顔が見えていることだろう。
それ以外の講堂内の人たちには、認識していないことがわからない程度の、俺の姿をはっきりと記憶に留めておけないようなそんな魔法を使っている。
音に関しても周りには聞こえていても何を話しているのかわからない。何も聞こえないのは不自然だからね。聞こえないとなると人はより一層気になるものだ。言葉がわからないと気になる点は同じかもしれないけど、いくら耳を澄ましても声は聞こえても意味は理解できないから、この点はとても便利だな魔法って。
「先輩に対して申し訳ありませんが、今のことを他の役員の方々にお伝え願います。私は役員にはなりませんし、したがって今壇上に上がることもありません」
反論は許さないぞ!ということで、思考の誘導とちょっとした威圧を掛けて、先輩は回れ右。
普通ならばこんな事は許されないと思うが、先輩は俺の思考誘導で疑問に思うことなく、壇上に戻っていく。
周りには認識阻害をかけているが、さすがにこの場に名前を呼ばれた殿下と呼ばれるような人物が座っていることは皆がわかっているから、視線はここに集中しているが、魔法の能力や練度が俺よりも低ければ、なかなかはっきりと認識することはできない。
『……この中で、全ての魔法の影響もはね返してアークを見ている者は……誰一人いないな』
キールがそう言い切るのだからそうなのだろう、ただこの学園の学園長ってハ○ーの所のダンブ○○ア校長みたいな魔術師ではないの?
もしかしなくても、転生特典ともいえるキールは、この世界の神にも匹敵……いや、それ以上の存在⁉……。
キールが居るから、俺、マジでこの学園に通う必要ある?
本格的な授業が始まる前から、全くこの学園で学ぶということに、一切の意義を見出せなくなる俺であった。
特に、中央の椅子にどっかりと座っていて、今だに何のリアクションも取っていない生徒会長をより気にしているようだ。
表立って公言はできないが、これまでの王城中央の行動を鑑みれば、なぜか伯爵の嫡男として存在している「伯爵王子」が、その名のごとくただ一人の王子様。
彼が自分の代の国王陛下になるものだと思って育ってきたのだから。
それはこの学園の教師たちも同じ。すべて生徒を平等に扱うと謳っているが、そんなことは表向きだけであることは初級学校の生徒であっても知っている事だ。
既にクラス分けにおいても身分の差というものははっきりとしていて、崩されようもない現実なのだから。
遂に俺の目の前にも役員の一人がやってきた。
どうしようかなぁ。
噓をつくのも嫌だし。
このままスルー……はしないだろうなぁ。気がつけば真実が見えるその程度の認識阻害しかしていないから。
まぁ手にしている名簿を見れば、最後にチェックの印がされずに残っているのが俺の名前だけだし。
自分の見ている人物の姿と、事前に聞いていた王子様の容姿が全く違っているものだから、声をかけることに躊躇していることがうかがえる役員さん。
俺のことをはっきりと認識している二年生のクリフ・マークィス・ゲイル侯爵子息でも目の前に連れてくれば一発なのに。
そう言えば……役員であるはずの彼の姿が見えないなぁ……。
もう一度、学園長の様子を確かめて何もしないということを確認した後に、声をかけづらそうにしている先輩に自分から名乗りをあげてやることにする。
「きっと先輩方がお探しなのは、私であると思います。私がアースクエイク・デューク・テンペストです」
ニッコリ笑顔付きで答えてあげましたよ。
俺の返答にあからさまに肩を揺らして一歩後ろに下がった彼は三年生なのだろう全く面識はない。
俺のことをしっかりと認識した彼にははっきりとした俺の容姿が見えてきた所だろう。
俺の顔から眼を離さずに息をのむ様子が、この近距離だ否応なく目に付く。
固まっている所悪いが、俺のメッセンジャーとして彼には仕事をしてもらわないといけない。
「生徒会にお声がけしていただきありがたいと考えなければいけないところでしょうが、私は生徒会に所属する意思はございません。それがこの学園に入園する条件の一つであることもありますが……そもそも実績のまるでない私を身分だけで役員に、といっているとしか思えませんし。事前に何のお話もないことも……常識的とは思えませんね」
俺の目の前にいる役員にのみ認識阻害を切った。彼にだけは俺の素顔が見えていることだろう。
それ以外の講堂内の人たちには、認識していないことがわからない程度の、俺の姿をはっきりと記憶に留めておけないようなそんな魔法を使っている。
音に関しても周りには聞こえていても何を話しているのかわからない。何も聞こえないのは不自然だからね。聞こえないとなると人はより一層気になるものだ。言葉がわからないと気になる点は同じかもしれないけど、いくら耳を澄ましても声は聞こえても意味は理解できないから、この点はとても便利だな魔法って。
「先輩に対して申し訳ありませんが、今のことを他の役員の方々にお伝え願います。私は役員にはなりませんし、したがって今壇上に上がることもありません」
反論は許さないぞ!ということで、思考の誘導とちょっとした威圧を掛けて、先輩は回れ右。
普通ならばこんな事は許されないと思うが、先輩は俺の思考誘導で疑問に思うことなく、壇上に戻っていく。
周りには認識阻害をかけているが、さすがにこの場に名前を呼ばれた殿下と呼ばれるような人物が座っていることは皆がわかっているから、視線はここに集中しているが、魔法の能力や練度が俺よりも低ければ、なかなかはっきりと認識することはできない。
『……この中で、全ての魔法の影響もはね返してアークを見ている者は……誰一人いないな』
キールがそう言い切るのだからそうなのだろう、ただこの学園の学園長ってハ○ーの所のダンブ○○ア校長みたいな魔術師ではないの?
もしかしなくても、転生特典ともいえるキールは、この世界の神にも匹敵……いや、それ以上の存在⁉……。
キールが居るから、俺、マジでこの学園に通う必要ある?
本格的な授業が始まる前から、全くこの学園で学ぶということに、一切の意義を見出せなくなる俺であった。
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