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チュート殿下 94 学園に通わなければならない意味
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今年は暦の関係で、入園式の次の日から二日間学園は休み。
地方から入園式を見に来た親ともゆっくり過ごすことができる、貴族であって精霊と契約できたものは中級学校までは地方にもいくつかある学校に通う者もいるが、高等教育に当たる学校はなぜかこの王立学園のみということになっているので、この国の同じ年頃の精霊と契約できた貴族はこの学園に集まるという事になる。
今まで意識したことは無かったが、この世界の国の大きさは人口的にもそう大したことは無いのかもしれない。
中世よりももっと昔の、都市国家ぐらいの大きさなのだろうか。
学園の、マーシュと組んだ授業の日程を確かめながら、すでに用意されている教本をめくりながら、シラバスの中にも地理に関係するような科目すらなかったことに思い至った。
軍事の地形的なことは重要事項だから、一般教養として扱われることがないのかもしれない。そのことは置いておいても、きっちりとした地図はこの世界に存在しているのだろうか?
一応、国に属していない横断的な組織として存在している、冒険者ギルドにはさすがに地図は存在しているだろう。
俺はキールが居るから今までこの国以外の所に移動するにしても、全く地図の存在を意識しないで行動できていたけれど。
話さなくても俺の思考など丸わかりのキールは、問い掛ける間なく答えをくれた。
「空間把握を持っている者には紙の地図などなくても関係ないから、考えたこともなかったが、この世界には、アークが考えているようなきっちりとした地図は存在すらないな」
存在しない理由は、軍事的なものとかそういうある意味歴史的にも納得ができるものでは無くて、
「この世界の神様はだ~れだ」
で、わかってしまった。
自分の嫌いなもの。自分のわからないもの。の存在を許容できない、だ女神様がその答えというのだから、この世界は救われないのかもしれない……。
と言って、だ女神がこの世界のすべてを把握できるくらい優秀でもないので、これから俺が作りたければ作ればいい、ともキールはいう。
十分に確信は持てないところもあるが、既にキールを俺が持っていることからも、女神の支配下から少しは外れた存在であるということは言えるのかもしれない。
今回どうしようもなく進級するために必要な単位で、なおかつできるだけ授業に出席しなくても良い授業を選んだのだが、やはり一学年では中々その様な授業も少なくて、週の半分は学園に通わなければいけない。
これが学年が上がると、自身の領地を管理しながら、とか研究したいことが見つかったからなどの理由から、授業を受けたくても受けられない人が増えるため、学園側もそのようにレポートや試験のみで単位が取れる科目を増やすようなのだが、この様な単位を取る形の授業に慣れない一年の間は、出席が必須の授業が多い。
そのような条件の中で、授業の内容にこだわることなく、出席が必要でない科目を中心にカリキュラムを組んだのだ。
はっきり言ってどのような科目であっても、俺が今まで離宮において学んできたものに及ぶような科目は全くなかった。
本当にこの学園に通う意味があるのか?
対外的に、ここでいうのはこの国の貴族たちのみだが、今までの慣例を踏襲する意味だけにこの学園に通わなければならないのならば、俺に対してはすでにそのような態度をとることすら意味があるとは思えないのだ……。
マーシュに言わせれば、あちらの土俵で戦うことに意味があるというもので、今の俺の実力であれば戦う前からすでに勝敗は決まっているが、その勝利に関して完膚なきまでに叩いたとしても、土俵の違いでいちゃもんをつけてくる者しかこの国には居ないというのだ。
マーシュには悪いが、俺はこの国に関してはイヤこのゲームの世界に関しては、何にも期待していないので、相手にすらする気はないんだけど……。
できればある程度ゲームの流れに乗って、この国の中枢から消え去りたいとすら思っているのに……。
平和的に消え去りたいと思っている俺に反して、なぜかキールは好戦的で、何もしないままあっちのいいようにはしたくないようなのだ。
マーシュにしても、何もしたくない俺に比べて、何かはしたい様で、すでにその存在を明かしているキールと何かしら二人で話し合っている様子がここ最近見られるのだ。
愛情の反対は無関心。
俺にしてみれば……アースクエイクにしてみれば、心の中のどこにもこの国の中枢にいる人々のことは1ミリも存在していないので、自分が幸せになることを邪魔してくることがなければどうでもいいのだが、表立って俺に対する悪意を受け取って防いできてくれたマーシュたちには、何かしら言いたいことしたいことがあることはわかるし、それをやめさせようとも思っていない。
きっと一番表立って不満を言葉と行動にして表さないといけないのだろうが……そんなことにもエネルギーを使いたくない程、彼らはどうでもいいんだけど……。
取り敢えず、こちらに手を出されなければ手を出さないというスタンスで行こうかと……。
「あいつら、頭悪いからきっちりと最初に躾しておかないと、あいつら自身が大けがすることになることは……きっとわからないだろうなぁ、バカだから」
キールがアホな用務員のことを、改めてマーシュに報告に行った後ぽつりと言った言葉が頭に残った。
地方から入園式を見に来た親ともゆっくり過ごすことができる、貴族であって精霊と契約できたものは中級学校までは地方にもいくつかある学校に通う者もいるが、高等教育に当たる学校はなぜかこの王立学園のみということになっているので、この国の同じ年頃の精霊と契約できた貴族はこの学園に集まるという事になる。
今まで意識したことは無かったが、この世界の国の大きさは人口的にもそう大したことは無いのかもしれない。
中世よりももっと昔の、都市国家ぐらいの大きさなのだろうか。
学園の、マーシュと組んだ授業の日程を確かめながら、すでに用意されている教本をめくりながら、シラバスの中にも地理に関係するような科目すらなかったことに思い至った。
軍事の地形的なことは重要事項だから、一般教養として扱われることがないのかもしれない。そのことは置いておいても、きっちりとした地図はこの世界に存在しているのだろうか?
一応、国に属していない横断的な組織として存在している、冒険者ギルドにはさすがに地図は存在しているだろう。
俺はキールが居るから今までこの国以外の所に移動するにしても、全く地図の存在を意識しないで行動できていたけれど。
話さなくても俺の思考など丸わかりのキールは、問い掛ける間なく答えをくれた。
「空間把握を持っている者には紙の地図などなくても関係ないから、考えたこともなかったが、この世界には、アークが考えているようなきっちりとした地図は存在すらないな」
存在しない理由は、軍事的なものとかそういうある意味歴史的にも納得ができるものでは無くて、
「この世界の神様はだ~れだ」
で、わかってしまった。
自分の嫌いなもの。自分のわからないもの。の存在を許容できない、だ女神様がその答えというのだから、この世界は救われないのかもしれない……。
と言って、だ女神がこの世界のすべてを把握できるくらい優秀でもないので、これから俺が作りたければ作ればいい、ともキールはいう。
十分に確信は持てないところもあるが、既にキールを俺が持っていることからも、女神の支配下から少しは外れた存在であるということは言えるのかもしれない。
今回どうしようもなく進級するために必要な単位で、なおかつできるだけ授業に出席しなくても良い授業を選んだのだが、やはり一学年では中々その様な授業も少なくて、週の半分は学園に通わなければいけない。
これが学年が上がると、自身の領地を管理しながら、とか研究したいことが見つかったからなどの理由から、授業を受けたくても受けられない人が増えるため、学園側もそのようにレポートや試験のみで単位が取れる科目を増やすようなのだが、この様な単位を取る形の授業に慣れない一年の間は、出席が必須の授業が多い。
そのような条件の中で、授業の内容にこだわることなく、出席が必要でない科目を中心にカリキュラムを組んだのだ。
はっきり言ってどのような科目であっても、俺が今まで離宮において学んできたものに及ぶような科目は全くなかった。
本当にこの学園に通う意味があるのか?
対外的に、ここでいうのはこの国の貴族たちのみだが、今までの慣例を踏襲する意味だけにこの学園に通わなければならないのならば、俺に対してはすでにそのような態度をとることすら意味があるとは思えないのだ……。
マーシュに言わせれば、あちらの土俵で戦うことに意味があるというもので、今の俺の実力であれば戦う前からすでに勝敗は決まっているが、その勝利に関して完膚なきまでに叩いたとしても、土俵の違いでいちゃもんをつけてくる者しかこの国には居ないというのだ。
マーシュには悪いが、俺はこの国に関してはイヤこのゲームの世界に関しては、何にも期待していないので、相手にすらする気はないんだけど……。
できればある程度ゲームの流れに乗って、この国の中枢から消え去りたいとすら思っているのに……。
平和的に消え去りたいと思っている俺に反して、なぜかキールは好戦的で、何もしないままあっちのいいようにはしたくないようなのだ。
マーシュにしても、何もしたくない俺に比べて、何かはしたい様で、すでにその存在を明かしているキールと何かしら二人で話し合っている様子がここ最近見られるのだ。
愛情の反対は無関心。
俺にしてみれば……アースクエイクにしてみれば、心の中のどこにもこの国の中枢にいる人々のことは1ミリも存在していないので、自分が幸せになることを邪魔してくることがなければどうでもいいのだが、表立って俺に対する悪意を受け取って防いできてくれたマーシュたちには、何かしら言いたいことしたいことがあることはわかるし、それをやめさせようとも思っていない。
きっと一番表立って不満を言葉と行動にして表さないといけないのだろうが……そんなことにもエネルギーを使いたくない程、彼らはどうでもいいんだけど……。
取り敢えず、こちらに手を出されなければ手を出さないというスタンスで行こうかと……。
「あいつら、頭悪いからきっちりと最初に躾しておかないと、あいつら自身が大けがすることになることは……きっとわからないだろうなぁ、バカだから」
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