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チュート殿下 79 王立学園に入学するまでに…… 1
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俺が実技試験で見せた力、まぁキールに言わせれば俺の力のごく一部だが、それを目の当たりにした貴族の中には、どうにかして俺に接触してこようとする者も増えたようだ。
国王陛下がひいきしている伯爵王子のことは勿論無下にはできないが、精霊の加護、王家の証とされている光の精霊の加護が、どう見ても俺の方が強くあることが一目瞭然で在り、魔法能力も俺の方にあると判断したからだろう。
ここで、伯爵王子の人間性がものをいうのだろうが……あれだから……。
国内のややこしいあれこれは、すべてマーシュに丸投げをして、俺は自身のこれからのためになると思えることに力を注ぐべく、体術も魔術も精進を重ねて、この国の中では誰にも負けないと思えるぐらい強くなれたと思う。
10歳から15歳までの男子の成長はとても大きくて、髪と瞳の色を変えてしまえば、俺と判断できないくらい外見は変化したと思う。悔しいかな俺の見た目が両陛下に似ていることが否めないところはどうしようもないのが……。
乙女ゲームの世界だが、剣と魔法の世界であるからか、この国にも魔獣は出るのだ。
それに……冒険者ギルドもあったのだ!
ゲームの中には出てこなかったから、初めてのその存在を確認したときはうれしかったな!
乙女ゲームに冒険者ギルドは関係ないからね……ほぼ学園内の物語だったし……。
ただ思い起こすに、ゲームの中で騎士団が魔獣討伐に行った話は出てきていた。
だけど、俺というかゲームの中のアースクエイクはその様な政治的な動きなどには何の興味も持たないバカ殿下だったから、城の外の動きはアークがらみでは全く語られることがなかった。
ただの当て馬ですもん……俺……。
そんな、ゲームの中の役割なんかくそくらえ!おっと、王子様の話す言葉じゃないね。
とにかく、この世界の人物たちとほとんど関係を断って、5年間は自由に過ごさせてもらった。
マーシュの方にも何かしらの考え方はあったと思うが、俺の自由な時間を確保してくれたことに感謝しかない。
その時間を使って、冒険者ギルドにも登録してランク上げにも励んだ。
そうしっかりランクもあったんだよ、FランクからSランク。
異世界なのにアルファベット、そしてなぜか一番上はS。
Sって……。
やっぱりここは、なぜかわからないけど地球の何かに影響された神が創った世界なのかなぁ、と実感したことの一つだ。
そのような地球の影響がにじみ出ていることを知るたびに、ゲームの強制力の強さのことを思い、その力に負けるものかと、ランク上げに励んだのだ。
これで何かが変わるとはっきり言うことはできないが、離宮に籠って狭い世界で過ごすよりも、この世界の中に飛び込んで、きちんとこの世界の中で生きていること実感したかったのかもしれない。
冒険者登録するのに、何も戸籍のようなものはいらない自己申告。
俺はアースで、キールも実体化してきちんと冒険者登録をした。
冒険者登録はこの国では10歳からできる。その理由はもちろん精霊契約が済んだ年齢であること。
自分の適性を知ってから、この国の子供たちは仕事を探す者が多いからだ。
ただ、10歳で冒険者登録できても、12歳になるまでは見習い扱いで、15歳以上の冒険者が一緒でないと何もクエストを受けることができない決まりになっている。これも子供の命を守るための決まり。しっかりとした壁や、結界が張られていない所では、魔獣に襲われないとは限らないからだ。
そういえば俺のというかアースクエイクの最後に、辺境に行く途中で魔獣に襲われるという最後も存在していたな
ぁ……。
そういうわけで、俺が冒険者登録してランク上げのクエストを受けるためには保護者が必要ということがわかり、その保護者の役ができる者が必然的にキールしか居ない為、キールが実体化することで冒険者登録することになったのだ。
キールの見た目は何歳にでも設定できるから、とりあえず成人年齢の15歳以上。少し余裕を持って18歳ということにした。そして兄弟という設定で、見た目の色味などを同じようにした。
キールの手伝いのような形だが、パーティーを組む事でクエストで得たポイントもその時の働きの割合によって分配される。
ギルドに登録したときに渡されたランクや名前が刻まれたタグが、何故か様々な効果を持っており、『ビデオカメラ』も俺が作ったものしかないような世界のはずなのに、この冒険者ギルドの登録用のタグとか時々オーバーテクノロジーの物が現れて、この世界の歪さを体験すことが度々だ。
王城がある王都から離れれば、「ひと狩り行こうぜ!」の世界が広がっているところもあったり、この国にはないがダンジョンがある国も存在することを聞いた。
よくある東にある島国の噂も聞いたし、武器屋には日本刀のような刀があったり、忍者が使う苦無のような武器、鎖鎌のようなものまであった。
王都から離れれば離れるほど乙女ゲームというよりも、よくあるRPGのような感じ。どのゲームと特定できないけれど、ごく一般的なゲームのルールのようなものがこの世界にも流れていることを感じた。
俺は15歳から始まる運命を忘れるように、この世界を楽しもうと思った。
キールの力がチートなことは言うまでもないことであるが、冒険者を始めて比較的すぐにCランクになった。
それ以上に冒険者ランクを上げるには試験が必要ということと、Bランク以上になると国からの強制クエストが発生すること等々、受けられる恩恵も大きいが果たさなければいけない義務もまた発生すること、キールの見た目も含めて俺も余りにも若すぎて高ランクになると悪目立ちすることを知り、冒険者のランク上げは止めて、自分の体術や魔術のスキルランクを上げる方にシフトした。
結果、いやいやながら王立学園に入学する前には、冒険者のランクとしてもSランククエストを簡単に受けることができるようなスキルランクになっていた。
国王陛下がひいきしている伯爵王子のことは勿論無下にはできないが、精霊の加護、王家の証とされている光の精霊の加護が、どう見ても俺の方が強くあることが一目瞭然で在り、魔法能力も俺の方にあると判断したからだろう。
ここで、伯爵王子の人間性がものをいうのだろうが……あれだから……。
国内のややこしいあれこれは、すべてマーシュに丸投げをして、俺は自身のこれからのためになると思えることに力を注ぐべく、体術も魔術も精進を重ねて、この国の中では誰にも負けないと思えるぐらい強くなれたと思う。
10歳から15歳までの男子の成長はとても大きくて、髪と瞳の色を変えてしまえば、俺と判断できないくらい外見は変化したと思う。悔しいかな俺の見た目が両陛下に似ていることが否めないところはどうしようもないのが……。
乙女ゲームの世界だが、剣と魔法の世界であるからか、この国にも魔獣は出るのだ。
それに……冒険者ギルドもあったのだ!
ゲームの中には出てこなかったから、初めてのその存在を確認したときはうれしかったな!
乙女ゲームに冒険者ギルドは関係ないからね……ほぼ学園内の物語だったし……。
ただ思い起こすに、ゲームの中で騎士団が魔獣討伐に行った話は出てきていた。
だけど、俺というかゲームの中のアースクエイクはその様な政治的な動きなどには何の興味も持たないバカ殿下だったから、城の外の動きはアークがらみでは全く語られることがなかった。
ただの当て馬ですもん……俺……。
そんな、ゲームの中の役割なんかくそくらえ!おっと、王子様の話す言葉じゃないね。
とにかく、この世界の人物たちとほとんど関係を断って、5年間は自由に過ごさせてもらった。
マーシュの方にも何かしらの考え方はあったと思うが、俺の自由な時間を確保してくれたことに感謝しかない。
その時間を使って、冒険者ギルドにも登録してランク上げにも励んだ。
そうしっかりランクもあったんだよ、FランクからSランク。
異世界なのにアルファベット、そしてなぜか一番上はS。
Sって……。
やっぱりここは、なぜかわからないけど地球の何かに影響された神が創った世界なのかなぁ、と実感したことの一つだ。
そのような地球の影響がにじみ出ていることを知るたびに、ゲームの強制力の強さのことを思い、その力に負けるものかと、ランク上げに励んだのだ。
これで何かが変わるとはっきり言うことはできないが、離宮に籠って狭い世界で過ごすよりも、この世界の中に飛び込んで、きちんとこの世界の中で生きていること実感したかったのかもしれない。
冒険者登録するのに、何も戸籍のようなものはいらない自己申告。
俺はアースで、キールも実体化してきちんと冒険者登録をした。
冒険者登録はこの国では10歳からできる。その理由はもちろん精霊契約が済んだ年齢であること。
自分の適性を知ってから、この国の子供たちは仕事を探す者が多いからだ。
ただ、10歳で冒険者登録できても、12歳になるまでは見習い扱いで、15歳以上の冒険者が一緒でないと何もクエストを受けることができない決まりになっている。これも子供の命を守るための決まり。しっかりとした壁や、結界が張られていない所では、魔獣に襲われないとは限らないからだ。
そういえば俺のというかアースクエイクの最後に、辺境に行く途中で魔獣に襲われるという最後も存在していたな
ぁ……。
そういうわけで、俺が冒険者登録してランク上げのクエストを受けるためには保護者が必要ということがわかり、その保護者の役ができる者が必然的にキールしか居ない為、キールが実体化することで冒険者登録することになったのだ。
キールの見た目は何歳にでも設定できるから、とりあえず成人年齢の15歳以上。少し余裕を持って18歳ということにした。そして兄弟という設定で、見た目の色味などを同じようにした。
キールの手伝いのような形だが、パーティーを組む事でクエストで得たポイントもその時の働きの割合によって分配される。
ギルドに登録したときに渡されたランクや名前が刻まれたタグが、何故か様々な効果を持っており、『ビデオカメラ』も俺が作ったものしかないような世界のはずなのに、この冒険者ギルドの登録用のタグとか時々オーバーテクノロジーの物が現れて、この世界の歪さを体験すことが度々だ。
王城がある王都から離れれば、「ひと狩り行こうぜ!」の世界が広がっているところもあったり、この国にはないがダンジョンがある国も存在することを聞いた。
よくある東にある島国の噂も聞いたし、武器屋には日本刀のような刀があったり、忍者が使う苦無のような武器、鎖鎌のようなものまであった。
王都から離れれば離れるほど乙女ゲームというよりも、よくあるRPGのような感じ。どのゲームと特定できないけれど、ごく一般的なゲームのルールのようなものがこの世界にも流れていることを感じた。
俺は15歳から始まる運命を忘れるように、この世界を楽しもうと思った。
キールの力がチートなことは言うまでもないことであるが、冒険者を始めて比較的すぐにCランクになった。
それ以上に冒険者ランクを上げるには試験が必要ということと、Bランク以上になると国からの強制クエストが発生すること等々、受けられる恩恵も大きいが果たさなければいけない義務もまた発生すること、キールの見た目も含めて俺も余りにも若すぎて高ランクになると悪目立ちすることを知り、冒険者のランク上げは止めて、自分の体術や魔術のスキルランクを上げる方にシフトした。
結果、いやいやながら王立学園に入学する前には、冒険者のランクとしてもSランククエストを簡単に受けることができるようなスキルランクになっていた。
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