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チュート殿下 76 試験結果の発表と不正行為
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それぞれが俺について思うことがあったろう実技試験の日から3日後、1学年の初めての学力・実技試験の結果が発表された。
この発表を持って大きな行事は終わり、長期休暇に入るわけであるが、この休みの間にこの学校の大掃除第二弾が行われることがマーシュから知らされてすでに俺は知っている。
実技試験の結果については元々が半分お祭り騒ぎのようなもので、1年生の初めての実技は魔法の放出ができればいいというものだから、敢えて俺の実技試験のことについては合格以外の採点はされていなかった。
非公開でなかったのだから不合格にはできないよね、さすがに。
しかし、学力試験の方に関しては、案の定俺の答案は元副校長の現校長サイド、つまり俺に嫌がらせをする問題を出した教師たちの方だけが管理したようで、当然教師たちが解けないだろうと考えた、俺にとっての楽勝問題は解くことができなかった態で採点されていたようだ。
どの科目も難しいと思われる問題はほかの問題とは違う用紙に書かれていた。その用紙ごと交換してしまえば俺の書いた答案用紙とすり替えることも簡単だ。
もちろんそのことを見越して、解答用紙の裏側に割り印のようにサインをして用紙が抜き取られたり交換されたりしたら、わかるような細工を施していたのだ。魔法が込められたインクを使って。
このインクは魔法契約などにも使われている特殊なインクで、魔法を馴染ませることでその使用した本人を特定できる物。どんなに魔法の力に優れていても、このインクの性質を操作することができないそのようなもの。
普段普通の初級学校の解答用紙にこのインクを使用する者はいない。簡単に入手することができないインクであるし、そこそこの価格もするからね。俺というか、キールは簡単に作ることができたけど……。
今回の試験は問題が回収されるといういつもと違う形式をとっていたが、さすがに採点した解答用紙を本人に返さないまま、得点だけ発表することは本人の採点に対して異議を申し立てることのできる権利を侵すことになるので、現校長サイドもできなかったようだ。
俺ももちろん異議を申し立てたよ、やはり中抜きされて取り換えられていた俺のものとされる解答用紙を提示して。
担任は問題外のほとんど仕事をしない屑一派であったが、ほぼこのクラスを丸投げされた副担任は嫌がらせをする教師ではないし、若干事なかれ主義が顔に出ているようなところはあるが、年も若いからこのクラス、つまり出来が悪い王族が居るという扱い辛いクラスを押し付けられたかわいそうな人であるわけだが、ここは頑張ってもらわないと。
今回の試験やその他にも数々の不正行為を持って、元副校長の現校長の一派は、華々しくこの学び舎を去ってもらうわけで、その第一歩が俺の答案用紙に関する不正行為なのだから。
さすがに、腐っても王族の答案用紙に不正行為をするのはダメでしょう。忖度もいけないと思うが、その逆は自分の首を切ってくれといっているものと同じ事だと思う。
若いながら教師として矜持を持っていた副担任は、俺の指摘した不正行為に驚き憤り、不正行為側である校長に知らせることなく告発するために、今回の試験に関わらなかった教師を集めて対策を講じることになった。
俺は今回のことをマーシュに報告するとともに、マーシュが行うことに関しては全く知らないというスタンスをとることにして、長期休暇の終わる前には決着することを期待して待つことにした。
そういえば、成績が発表された時の生徒会の面々の様子は面白かった。
生徒が持っている試験結果や成績に関して疑念があった場合に問うことができる権利を、問題が取り上げられたことで半分は行使ができないように置かれていることに、まずその状態が異常であることを知っている2学年の生徒たちから疑問が上がった。
それは自分の兄弟や親族が1年生にいる者たちで、問題自体の異様さについても聞いて疑問に思っていたのだろう、採点自体があっているのかどうかもわからないことは問題であると抗議の声が上がったのだ。
この試験は1年生がこれからこの初級学校のみならず、大人になってからの去就にも全く関係がないとは言えないくらい、大切なものになる可能性があるのだから、ただ指をくわえてみていられるものではないのだ、誰にとっても。
それを校長たちは忘れていたのか、この前まで置かれていた立場から、天辺をとれたと勘違いをしてしまったのか、一人の生徒を貶めるために使うには、使ったものがあまりにも大きすぎたのだ、マーシュが動くこともないままに校長たちは崖っぷちに勝手に追い込まれて行った。
生徒会長であるクリフ・マークィス・ゲイル侯爵子息も、元々俺から問題用紙のことも聞いて知っていたこともあり、校長たちの不正行為について宰相である父親に話をしたようだ。
宰相には息子のルート以外にも今回の試験についての様々な行いや、その他の目に余るような行為についても報告を受けていたようで、一種治外法権のようになっている学園の中に、また改めてくさびを打つことに決めたようだった。
その一番の理由に、王族の安全を持ってきたことは若干納得のできない物であったが、目標達成が早く行われるためには致し方がないとマーシュも言っており、渋々納得した。
生徒会の役員や役員候補たちは、今回の騒動に対して表立って行動することはできないが、生徒たちの意見をまとめることは自分たちの仕事であると表明して、今回の試験についての意見を集めることにしたようだ。
俺も一応生徒会の役員補佐として所属していることになっているので、役員室に顔を出す。
試験発表後の初めての顔合わせの時に、今回の試験についてこの前提示した俺の答案に懐疑的だった奴に限って、謝りたいのに謝れないと言う態度が見え見えであったのが面白かった。
この発表を持って大きな行事は終わり、長期休暇に入るわけであるが、この休みの間にこの学校の大掃除第二弾が行われることがマーシュから知らされてすでに俺は知っている。
実技試験の結果については元々が半分お祭り騒ぎのようなもので、1年生の初めての実技は魔法の放出ができればいいというものだから、敢えて俺の実技試験のことについては合格以外の採点はされていなかった。
非公開でなかったのだから不合格にはできないよね、さすがに。
しかし、学力試験の方に関しては、案の定俺の答案は元副校長の現校長サイド、つまり俺に嫌がらせをする問題を出した教師たちの方だけが管理したようで、当然教師たちが解けないだろうと考えた、俺にとっての楽勝問題は解くことができなかった態で採点されていたようだ。
どの科目も難しいと思われる問題はほかの問題とは違う用紙に書かれていた。その用紙ごと交換してしまえば俺の書いた答案用紙とすり替えることも簡単だ。
もちろんそのことを見越して、解答用紙の裏側に割り印のようにサインをして用紙が抜き取られたり交換されたりしたら、わかるような細工を施していたのだ。魔法が込められたインクを使って。
このインクは魔法契約などにも使われている特殊なインクで、魔法を馴染ませることでその使用した本人を特定できる物。どんなに魔法の力に優れていても、このインクの性質を操作することができないそのようなもの。
普段普通の初級学校の解答用紙にこのインクを使用する者はいない。簡単に入手することができないインクであるし、そこそこの価格もするからね。俺というか、キールは簡単に作ることができたけど……。
今回の試験は問題が回収されるといういつもと違う形式をとっていたが、さすがに採点した解答用紙を本人に返さないまま、得点だけ発表することは本人の採点に対して異議を申し立てることのできる権利を侵すことになるので、現校長サイドもできなかったようだ。
俺ももちろん異議を申し立てたよ、やはり中抜きされて取り換えられていた俺のものとされる解答用紙を提示して。
担任は問題外のほとんど仕事をしない屑一派であったが、ほぼこのクラスを丸投げされた副担任は嫌がらせをする教師ではないし、若干事なかれ主義が顔に出ているようなところはあるが、年も若いからこのクラス、つまり出来が悪い王族が居るという扱い辛いクラスを押し付けられたかわいそうな人であるわけだが、ここは頑張ってもらわないと。
今回の試験やその他にも数々の不正行為を持って、元副校長の現校長の一派は、華々しくこの学び舎を去ってもらうわけで、その第一歩が俺の答案用紙に関する不正行為なのだから。
さすがに、腐っても王族の答案用紙に不正行為をするのはダメでしょう。忖度もいけないと思うが、その逆は自分の首を切ってくれといっているものと同じ事だと思う。
若いながら教師として矜持を持っていた副担任は、俺の指摘した不正行為に驚き憤り、不正行為側である校長に知らせることなく告発するために、今回の試験に関わらなかった教師を集めて対策を講じることになった。
俺は今回のことをマーシュに報告するとともに、マーシュが行うことに関しては全く知らないというスタンスをとることにして、長期休暇の終わる前には決着することを期待して待つことにした。
そういえば、成績が発表された時の生徒会の面々の様子は面白かった。
生徒が持っている試験結果や成績に関して疑念があった場合に問うことができる権利を、問題が取り上げられたことで半分は行使ができないように置かれていることに、まずその状態が異常であることを知っている2学年の生徒たちから疑問が上がった。
それは自分の兄弟や親族が1年生にいる者たちで、問題自体の異様さについても聞いて疑問に思っていたのだろう、採点自体があっているのかどうかもわからないことは問題であると抗議の声が上がったのだ。
この試験は1年生がこれからこの初級学校のみならず、大人になってからの去就にも全く関係がないとは言えないくらい、大切なものになる可能性があるのだから、ただ指をくわえてみていられるものではないのだ、誰にとっても。
それを校長たちは忘れていたのか、この前まで置かれていた立場から、天辺をとれたと勘違いをしてしまったのか、一人の生徒を貶めるために使うには、使ったものがあまりにも大きすぎたのだ、マーシュが動くこともないままに校長たちは崖っぷちに勝手に追い込まれて行った。
生徒会長であるクリフ・マークィス・ゲイル侯爵子息も、元々俺から問題用紙のことも聞いて知っていたこともあり、校長たちの不正行為について宰相である父親に話をしたようだ。
宰相には息子のルート以外にも今回の試験についての様々な行いや、その他の目に余るような行為についても報告を受けていたようで、一種治外法権のようになっている学園の中に、また改めてくさびを打つことに決めたようだった。
その一番の理由に、王族の安全を持ってきたことは若干納得のできない物であったが、目標達成が早く行われるためには致し方がないとマーシュも言っており、渋々納得した。
生徒会の役員や役員候補たちは、今回の騒動に対して表立って行動することはできないが、生徒たちの意見をまとめることは自分たちの仕事であると表明して、今回の試験についての意見を集めることにしたようだ。
俺も一応生徒会の役員補佐として所属していることになっているので、役員室に顔を出す。
試験発表後の初めての顔合わせの時に、今回の試験についてこの前提示した俺の答案に懐疑的だった奴に限って、謝りたいのに謝れないと言う態度が見え見えであったのが面白かった。
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