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チュート殿下 65 俺って悪役モードが似合ってたりして……
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このように、充実した時間を生徒会長と過ごしている間に、1年生の実地訓練の時間が終わったようだ。
生徒会長は、自分の中だけでは情報の処理が難しいのだろう、ただの11歳の男の子が迷子になったような顔になって、俺のことを見ている。答えが欲しいのだろう。
俺今悪役モードだから、何も教えてあげないよ!というか、聞かれた答えとしては一つだけだよね。
「僕は、生徒会に参加することは無い、ということですね」
きっと一番簡単な参加するかしないかの答え、でもこのことは想像してなかったのだろうな、だって完璧に参加することが絶対最低条件みたいだっだし。
お父様の宰相閣下や、新しい校長に、いつから参加するかだけ聞いてくるように言われていたのだろうから。
「校長にはどうかわからないが、宰相閣下には僕が話したことをすべて話してもらっていいですよ」
あの元副校長の校長は、きっと小物だから、俺が話したことを逆に誰にも話せないとも思うけど、俺のこと知らなければ何言ってるかわからないかもしれないな。
宰相閣下には俺の気持ちがわかるかどうかわからないが、まぁ事実だし。
生徒会長が前評判通り頭がよくて、俺の言ったこと全部忠実に話せたら、違う面で俺のことどう評価するのかな。
自分でも10歳の子供が話すことではないと思ってけど……味方でないならどうでもいい人たちだ。
俺は、今の俺に優しくしてくれている大切な人を守れて、人生を全うできればればそれでいい、この国がどうなってもね。
と、そこまで正直に話すつもりはないけど……。
教練場の方も、今日の訓練は終わったようで、整列して教室まで帰るようだ。
俺も混ざらないといけないのかな?
その場に固まったままの生徒会長には悪いけど、この密会が他の人に見られたらいけないのであれば、誰かが呼びに来る前に、ここから去った方がいいだろう。
「生徒会長。僕はこれで失礼します」
究極、俺から挨拶する義理は全くないが、こちらが一応後輩ということで、声をかけておく。
今日の授業はこれで終わり。
まだ使い慣れていない魔法を使った授業を受けたクラスメイトたちは、くたくただろうから。
今日最後の授業ということで、、この見学席の入り口まで、リフルが迎えに来ていた。
リフルには、生徒会長が気が付かないように、「こちらには来るな」と合図を出しておいた。
俺の前で身動きしていない子供に、それでも警戒をもった視線で、リフルは注意深く観察をしている。
これ以上ここで俺のすることは無い。
生徒会長をこの場に残して、俺はリフルのもとに向かった。
「殿下、彼は?」
教室に移動するため、不審人物を置いたきりにする俺に、後ろ髪をひかれるように振り返りながら、背後で小さくなっていく人影の正体が気になるリフルが、同じ方向に歩いているクラスメイトたちを気にしながら聞いてきた。
「生徒会長」
俺も声を潜めて、質問に応える。
「なぜ、せい……彼が」
周りに人が増えてきたので、個人が特定できる名前は言わないように気を付けて、リフルが聞いてくる。
今日のことはマーシュにも話しておいた方がいいから、後で話をすることをリフルに告げて、一度教室の前で別れる。
渋々という、雰囲気を漂わせながらも、リフルは侍従の控え室に下がった。
明日の授業予定などの説明が副担任からされて、いつもよりも早い時間で今日の授業はすべて終了となった。
明日の予定が前日されるのは、主に迎えに来る馬車の手配などのためである。
クラスごとで、授業の終了時間に差をつけるのは、馬車渋滞を避けるためで、ひと時に馬車が集まると身動きできなくなる可能性があるからだ。
授業の終了時間は機密事項の一つで、他のクラスの生徒にも伝えない事になっている。
俺は今だに馬車乗り場がみんなと違うところにされているので、混む混まないは関係ない。
いつもは帰りの馬車の中で今日あったことを話しながら帰るのだが、先ほどの生徒会長の件もあり、いつもより口が重くなる。
馬車に乗っている時間はそんなにないので、気まずく感じる間もないけど。
離宮に戻ると、いつものようにマーシュが玄関先まで迎えに来ていた。
俺はいつものように、用意されている特別ブレンドのお茶を飲みながら、今日会ったことをマーシュに話す。
午前の座学の詰まらなかったことを愚痴りつつ、今日一番に伝えないといけないこと、ゲイル侯爵家子息との会話を頭の中でまとめる。
リフルも気になっていることだからか、それとなく催促するような視線を向けてくる。
俺も、紅茶を飲み干して、人心地付けてから、面倒くさそうな話を始めることにした。
生徒会長は、自分の中だけでは情報の処理が難しいのだろう、ただの11歳の男の子が迷子になったような顔になって、俺のことを見ている。答えが欲しいのだろう。
俺今悪役モードだから、何も教えてあげないよ!というか、聞かれた答えとしては一つだけだよね。
「僕は、生徒会に参加することは無い、ということですね」
きっと一番簡単な参加するかしないかの答え、でもこのことは想像してなかったのだろうな、だって完璧に参加することが絶対最低条件みたいだっだし。
お父様の宰相閣下や、新しい校長に、いつから参加するかだけ聞いてくるように言われていたのだろうから。
「校長にはどうかわからないが、宰相閣下には僕が話したことをすべて話してもらっていいですよ」
あの元副校長の校長は、きっと小物だから、俺が話したことを逆に誰にも話せないとも思うけど、俺のこと知らなければ何言ってるかわからないかもしれないな。
宰相閣下には俺の気持ちがわかるかどうかわからないが、まぁ事実だし。
生徒会長が前評判通り頭がよくて、俺の言ったこと全部忠実に話せたら、違う面で俺のことどう評価するのかな。
自分でも10歳の子供が話すことではないと思ってけど……味方でないならどうでもいい人たちだ。
俺は、今の俺に優しくしてくれている大切な人を守れて、人生を全うできればればそれでいい、この国がどうなってもね。
と、そこまで正直に話すつもりはないけど……。
教練場の方も、今日の訓練は終わったようで、整列して教室まで帰るようだ。
俺も混ざらないといけないのかな?
その場に固まったままの生徒会長には悪いけど、この密会が他の人に見られたらいけないのであれば、誰かが呼びに来る前に、ここから去った方がいいだろう。
「生徒会長。僕はこれで失礼します」
究極、俺から挨拶する義理は全くないが、こちらが一応後輩ということで、声をかけておく。
今日の授業はこれで終わり。
まだ使い慣れていない魔法を使った授業を受けたクラスメイトたちは、くたくただろうから。
今日最後の授業ということで、、この見学席の入り口まで、リフルが迎えに来ていた。
リフルには、生徒会長が気が付かないように、「こちらには来るな」と合図を出しておいた。
俺の前で身動きしていない子供に、それでも警戒をもった視線で、リフルは注意深く観察をしている。
これ以上ここで俺のすることは無い。
生徒会長をこの場に残して、俺はリフルのもとに向かった。
「殿下、彼は?」
教室に移動するため、不審人物を置いたきりにする俺に、後ろ髪をひかれるように振り返りながら、背後で小さくなっていく人影の正体が気になるリフルが、同じ方向に歩いているクラスメイトたちを気にしながら聞いてきた。
「生徒会長」
俺も声を潜めて、質問に応える。
「なぜ、せい……彼が」
周りに人が増えてきたので、個人が特定できる名前は言わないように気を付けて、リフルが聞いてくる。
今日のことはマーシュにも話しておいた方がいいから、後で話をすることをリフルに告げて、一度教室の前で別れる。
渋々という、雰囲気を漂わせながらも、リフルは侍従の控え室に下がった。
明日の授業予定などの説明が副担任からされて、いつもよりも早い時間で今日の授業はすべて終了となった。
明日の予定が前日されるのは、主に迎えに来る馬車の手配などのためである。
クラスごとで、授業の終了時間に差をつけるのは、馬車渋滞を避けるためで、ひと時に馬車が集まると身動きできなくなる可能性があるからだ。
授業の終了時間は機密事項の一つで、他のクラスの生徒にも伝えない事になっている。
俺は今だに馬車乗り場がみんなと違うところにされているので、混む混まないは関係ない。
いつもは帰りの馬車の中で今日あったことを話しながら帰るのだが、先ほどの生徒会長の件もあり、いつもより口が重くなる。
馬車に乗っている時間はそんなにないので、気まずく感じる間もないけど。
離宮に戻ると、いつものようにマーシュが玄関先まで迎えに来ていた。
俺はいつものように、用意されている特別ブレンドのお茶を飲みながら、今日会ったことをマーシュに話す。
午前の座学の詰まらなかったことを愚痴りつつ、今日一番に伝えないといけないこと、ゲイル侯爵家子息との会話を頭の中でまとめる。
リフルも気になっていることだからか、それとなく催促するような視線を向けてくる。
俺も、紅茶を飲み干して、人心地付けてから、面倒くさそうな話を始めることにした。
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