転生したら当て馬王子でした~絶対攻略される王太子の俺は、フラグを折って幸せになりたい~

HIROTOYUKI

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チュート殿下 62 あらためてキールと話してみました

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 食事に関しても、俺には鑑定があるから、その毒が何由来かまでわかるのだが、体自体が毒に強いわけではない。

 やってみたら解毒もできるかな、と思うけど、試したことないしね。

 光属性の魔法については、教師が居ないから、特にその習得に関しては自分でやらないといけない。

 水属性にも治癒魔法系があるので、そちらに関してはこれからきっちりと教師をつけて学べるようになるようだ、ただ俺の場合は……ほら立場が微妙だから。

 水属性の魔法に関しては、その権威はこの国では「青の一族」とか言われいる、ゲイル家がそうらしいが、彼の家は現国王陛下派だから、俺のことが嫌いな陛下から、俺に教えてやるようには言わないだろう。

 異母兄にも水属性の適性があるそうだから、そっちの方を取るのではないかな。

 一般的に、まだ選別の終わったばかりの子供には、魔法が使えることがないから、狙うのだったら魔法の使えない今なのよ。

 俺の侍従長を務めるマーシュが、とても有能な土属性の使い手で、この国では彼の結界を破れる者がそう居ないということは、マーシュの事情もあって、ほとんど外に知られていないんだって。

 幼馴染たる国王様や宰相閣下は知っているらしいから、そこらあたりから何かしらのアクションは無い、とマーシュが断言しているが、それ以外の方々は知らないわけだから、俺の姿を見ればなんかしでかすかもしれない。

 予防的措置も含めて、俺はボッチで食事をとるのです。

 まだ午後の授業も教室で座学だから、昼食もそう進まない。食べる量が少ないと、それなりの人が心配するので、学校のケータリングでわざわざ運んできてくれるこの食事は頑張って食べています。

 基本リフルが運んできてくれるので、リフルの食事も効率よく一緒にということで、厳密に言えばボッチ飯ではなく二人で食べてるけど、形としてはリフルは給仕としているので、単純に喜べないのはちょっとツライところだな。

 このような義務のような毎日が、約2ヶ月、俺、つまらないの頑張った!

 宿題もあるんだよ今日の座学のまとめとか、聞いてないって!

 仕方がないから、キールくんの力を借りて、ちょっとズルしてます。王子様としての体裁整えてます……。

 

 今日から教練場で魔法の実地訓練。

 ただし俺は参加できずに見学。

 魔法の制御ができていない者の実技だから、まさかの時のため。

 まだ初級魔法も放てない者の実地訓練だよ。当たっても大丈夫なのに。大丈夫じゃないのは、この学校の教師とあてた本人、といわれて、このクラスの担任はそれこそどうでもいいけど、あてたクラスメイトはかわいそうだから、静かに見学しています。

 発動もできてない者がほとんどなのに、なぜここで座っていないといけないの?

 誰もそばに来ないし、ほんとクソつまらないから、幻惑ミラージュ置いて、学校見学行こうかなぁ。

 一応このクラスが1年生の中で、一番できるクラスのはずだが、中々発動できる者が少ない。

 授業が始まってすぐに居なくなったキールが、戻ってきて教練場の中の様子を見て鼻を鳴らすと、この場以外で見てきた面白いことを報告してくれた。

『魔術の行使に関しては、この場で見ていても、何の勉強にもならないじゃないのか?本当にアークのことを考えて行動しているのか疑問だな。このことの報告は言っているのだろう?』

 俺の護衛がはりついているから、俺自身が話さなくてもすべての行動は離宮の法に行っていると思う。下手したら陛下たちの方にも行っているのではなかろうか。それによって俺の能力の事実についても、表立ったところは知られているのかな。

 とりあえずマーシュにも、後4か月後の試験までは、何も知らない顔をして通うように言われている。

 試験でどうするのか知らないけれど、俺の本当の力ってマーシュにも知られていないと思うのだけど……。

 学校に通うようになってから尚更、キールの動きが怪しくなっていく気がするのは、気の所為なのか?

 いい機会だから、今ミラージュをかけて、この場で話し合おうかな。

『……キール、俺に隠れて一体どんなことしているのかな?俺に話しておきたいことないの?』

 いきなりのことに、珍しく少し動揺しているような気がする。俺のレベルが上がればキールのできることが増えるらしいし、感情表現もより一層俺の求めるものに近くなってくると言っていた。

 キールの変化を見ていると、俺の求めている者って、絶対に裏切ることのない対等な友達のような関係を繋げる人間であることがわかってきた。

 だから、尚更キールが俺に隠し事をしているとしたら、そのようなことができるようになったキールの成長もうれしいけれど、隠し事をされていることはとても寂しいことだ。

 俺の心の中はキールに筒抜けなのに、キールの考えていることは全部わかることは無い。俺自身がわかりたくないからそうしているのだけど、隠し事されているならば、全部暴きたくなる、それは俺の心の弱さ。

 外からは、きっと真面目な顔をして同級生の授業を見守っている姿の俺が見えていることだろう。

 中では、男の子どうしで見つめあう二人の姿、誰にも見れないけど……。キールは俺に合わせて俺に見える外見を俺の年齢に合わせてくれている。これもきっと俺の気づいていない本心からきているのだろうな。

『……隠しているつもりはなかったけど……あえて報告はしていなかったな』

 成長してもまだキールの表情は、整い過ぎたアニメキャラのようだ。まだ肌の熱を感じるところまで行っていない。その整った顔が、合わせていた視線をスッとそらせた。

『……マーシュは俺のこと知ってる。随分前かに俺の方から挨拶したから』

「へっ!?」

 大きな声、出ちゃったぞ。周りを見渡すも、状況に変わりなく安心した。ミラージュは解けていない。

『……アークの安全のためにも、俺の方から一方的に知っているよりも、しっかりと情報の共有が必要だと思ったからな。自分から話す気全くなかっただろう?お互いに知っておいた方がいいことたくさんあるから、俺から出向いて挨拶しといたんだよ』

 
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