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チュート殿下 51 プレ舞踏会がやって来た
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黒幕は不明のまま、プレ舞踏会の日がやって来た。
これはプレでも王城の舞踏会場で行われる、いうなれば公式の舞踏会。
この舞踏会に出席する前までに、普通はお茶会なり、自分の所の舞踏会なりに軽く出席をして舞踏会の雰囲気に慣れるものらしいが、俺はぶっつけ本番よ。
究極、舞踏会には顔を出すだけ。
一般的には、国王陛下に挨拶をすることと、その時に名前を呼ばれる事でお披露目が完了。
俺の場合は一応身内であるから、舞踏会場で挨拶をするわけではないらしい。控室で顔合せするし、一緒に会場に入場するわけだから。
そして王族として挨拶を受ける立場になるようだ。
が、まだ成人前なので、挨拶を受ける方の強制はない。と、マーシュが強く言っていた。
最短であったら、王様たちと一緒に入場して、王様の挨拶と乾杯が終わったら、俺様退場。
舞踏会前に入る控室にはマーシュが一緒に行ってくれることになってるが、俺にしたらここが一番の難関。
陛下たちに挨拶はしないわけにはいかないが、名前を言って頭を下げればいいようだし、向こうもいらない息子と仲良く話すこともないだろう。
俺の舞踏会でのスケジュールは、ギリギリに控室に入って、王様たちにぺこりと頭を下げて、会場に入場。
乾杯が終わったら下々からの挨拶は受けることなく退場。
乾杯のジュースには口をつけるふりだけにすること。
退場する経路についても、地図で確認済み。
キールもいるから大丈夫。こんな感じ……。
離宮から舞踏会場まではまあまあ離れてはいるが、今回は神殿に行った時のように馬車は使わない。
徒歩です。
王城内を突っ切る感じ。
敢えて隠し通路は使いません。
秘密裏に処分されたらたまらないでしょ。
どうせ見られるのだったら、こちらから見せちゃうよ。ということです。
午後からゆっくりと準備を始めて、瞳の色の中の、王様と同じような青を基調にした、袖やジャケットの裾部分に金糸で細かく刺繡が施されている、光沢のある夜会服を纏う。金糸すら使えるのは王族だけらしい。
青色を強調するのは、俺の本当の瞳の色のカモフラージュ。ごく近距離で瞳を直視しなければ、わからないだろうという思惑がある。
しわがつきやすい素材らしく、着てから椅子に座ることは禁止された。
女の人の服装も、夜会用のドレス、想像どおり子供用は特にピラピラ、大人はコルセット着用、男でよかった……。
なんてくだらないことを考えて時間をつぶしていると、丁度いい時間が来たのかいつもより随分とめかした感じのリフルが居間を出るように呼びに来た。
前にはマーシュが、後ろにはリフルが付いて離宮の正面の門から外に出た。きちんと門をくぐって外に出たのっていつ以来?
門をくぐって外に出た時、思わず振り返って外から門を見ちゃったよ。全く記憶にない……。
ここは王城の外れの外れなので、しばらく誰にも会うことなく城内を進んで行く。
気配察知を使っているから危ないこともないんだけど、前後の二人の緊張感が伝わって来て、俺も少し緊張してきた。
悪意があれば俺より先にキールが気付くし、移動しながら結界を張ることは難しいのに、難なく張っているマーシュも今更ながら凄いのだ。
すっごい攻撃魔法喰らっても大丈夫な結界魔法だから、緊張すること無さそうなんだけど、マーシュが緊張しているのはそっち方面の心配ではないってことだろう。
城の中心に近づくにつれて人も多くなってくる。五年前は後宮からだが、帯剣の儀に出る時にこんな通路通ったかも、って思い出しながらなるたけ正面だけ見て歩いて行く。品良く見えるギリの早歩きで。
このあたりに居るのは使用人たちばかりで、俺に絡んできそうな貴族は既に舞踏会場に行っているのかもしれない。
ただ、あくまでも今年10歳になった子供たち用の舞踏会であるから、興味がなかったり関係がない貴族はこの辺りをうろついている可能性もある。
そう考えながら歩いていると、気配察知にも俺に良い印象を抱いていない者たちがちらちらと現れ始めていた。
これはプレでも王城の舞踏会場で行われる、いうなれば公式の舞踏会。
この舞踏会に出席する前までに、普通はお茶会なり、自分の所の舞踏会なりに軽く出席をして舞踏会の雰囲気に慣れるものらしいが、俺はぶっつけ本番よ。
究極、舞踏会には顔を出すだけ。
一般的には、国王陛下に挨拶をすることと、その時に名前を呼ばれる事でお披露目が完了。
俺の場合は一応身内であるから、舞踏会場で挨拶をするわけではないらしい。控室で顔合せするし、一緒に会場に入場するわけだから。
そして王族として挨拶を受ける立場になるようだ。
が、まだ成人前なので、挨拶を受ける方の強制はない。と、マーシュが強く言っていた。
最短であったら、王様たちと一緒に入場して、王様の挨拶と乾杯が終わったら、俺様退場。
舞踏会前に入る控室にはマーシュが一緒に行ってくれることになってるが、俺にしたらここが一番の難関。
陛下たちに挨拶はしないわけにはいかないが、名前を言って頭を下げればいいようだし、向こうもいらない息子と仲良く話すこともないだろう。
俺の舞踏会でのスケジュールは、ギリギリに控室に入って、王様たちにぺこりと頭を下げて、会場に入場。
乾杯が終わったら下々からの挨拶は受けることなく退場。
乾杯のジュースには口をつけるふりだけにすること。
退場する経路についても、地図で確認済み。
キールもいるから大丈夫。こんな感じ……。
離宮から舞踏会場まではまあまあ離れてはいるが、今回は神殿に行った時のように馬車は使わない。
徒歩です。
王城内を突っ切る感じ。
敢えて隠し通路は使いません。
秘密裏に処分されたらたまらないでしょ。
どうせ見られるのだったら、こちらから見せちゃうよ。ということです。
午後からゆっくりと準備を始めて、瞳の色の中の、王様と同じような青を基調にした、袖やジャケットの裾部分に金糸で細かく刺繡が施されている、光沢のある夜会服を纏う。金糸すら使えるのは王族だけらしい。
青色を強調するのは、俺の本当の瞳の色のカモフラージュ。ごく近距離で瞳を直視しなければ、わからないだろうという思惑がある。
しわがつきやすい素材らしく、着てから椅子に座ることは禁止された。
女の人の服装も、夜会用のドレス、想像どおり子供用は特にピラピラ、大人はコルセット着用、男でよかった……。
なんてくだらないことを考えて時間をつぶしていると、丁度いい時間が来たのかいつもより随分とめかした感じのリフルが居間を出るように呼びに来た。
前にはマーシュが、後ろにはリフルが付いて離宮の正面の門から外に出た。きちんと門をくぐって外に出たのっていつ以来?
門をくぐって外に出た時、思わず振り返って外から門を見ちゃったよ。全く記憶にない……。
ここは王城の外れの外れなので、しばらく誰にも会うことなく城内を進んで行く。
気配察知を使っているから危ないこともないんだけど、前後の二人の緊張感が伝わって来て、俺も少し緊張してきた。
悪意があれば俺より先にキールが気付くし、移動しながら結界を張ることは難しいのに、難なく張っているマーシュも今更ながら凄いのだ。
すっごい攻撃魔法喰らっても大丈夫な結界魔法だから、緊張すること無さそうなんだけど、マーシュが緊張しているのはそっち方面の心配ではないってことだろう。
城の中心に近づくにつれて人も多くなってくる。五年前は後宮からだが、帯剣の儀に出る時にこんな通路通ったかも、って思い出しながらなるたけ正面だけ見て歩いて行く。品良く見えるギリの早歩きで。
このあたりに居るのは使用人たちばかりで、俺に絡んできそうな貴族は既に舞踏会場に行っているのかもしれない。
ただ、あくまでも今年10歳になった子供たち用の舞踏会であるから、興味がなかったり関係がない貴族はこの辺りをうろついている可能性もある。
そう考えながら歩いていると、気配察知にも俺に良い印象を抱いていない者たちがちらちらと現れ始めていた。
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